CX-5のタイヤを自分で履き替えるとき、ラゲッジボードを開けてから車載ジャッキが無いと気づくことがある。KF型の取扱説明書には「ジャッキはお客様のお車に標準で搭載されておりません」と書く版があり、年式によってはジャッキが積まれていない。まずジャッキの有無を確かめ、取扱説明書が示す指定位置にジャッキを掛け、ナットを規定のトルクで締める。この順で進めれば作業の途中で迷わない。
CX-5のジャッキポイントと締め付けトルクの要点
先に要点だけまとめる。詳しい手順はこのあとの節で書く。
- ジャッキは取扱説明書の「ジャッキアップ指定位置」にだけ掛ける。指定位置は目印となるふくらみの間で、その中央にジャッキを直角に当てる(KF型と、KE型の2015年1月〜2017年1月発売分の取扱説明書)。
- マツダの海外向け取扱説明書(英語版)では、ジャッキアップ位置は前側と後側にあり、交換するタイヤにいちばん近い位置を使うよう書かれている。
- ホイールナットの締め付けトルクは108〜147N·m(12〜14kgf·m)。KF型と、KE型の2015年1月〜2017年1月発売分の取扱説明書で同じ値だ。
- KF型は取扱説明書の版によって車載ジャッキが標準で積まれていない。作業の前に必ず確かめる。
この記事が当てはまる型式と年式
この記事の値と手順は、2代目のKF型(2017年〜2026年)と、初代KE型の2015年1月〜2017年1月発売分の取扱説明書に基づく。KE型でそれより前に発売された分は取扱説明書を読んでいないので、手元の取扱説明書で確かめてほしい。
マツダの発表では、2026年5月21日に3代目となる新型CX-5の販売が始まった。3代目の新型には、この記事のトルク・空気圧・ジャッキの説明を当てはめない。
取扱説明書の空気圧の表に載る標準タイヤのサイズは225/65R17と225/55R19の2種類(KF型と、KE型の2015年1月〜2017年1月発売分)。取扱説明書は、指定されたサイズや種類のタイヤを付けるよう警告している。指定以外では走行安定性が損なわれるおそれがあるためだ。自分の車のサイズは次の記事で確かめられる。
作業の前に確かめること
車載ジャッキが付いているかの確かめ方
KF型の2017年2月〜7月発売分の取扱説明書では、工具とジャッキが所定の位置に格納されていて、ラゲッジボードを開けて持ち上げるとジャッキを取り出せると書かれている。一方、KF型のほかの版では「ジャッキはお客様のお車に標準で搭載されておりません」とあり、工具の格納場所のページにもジャッキの記載が無い。そのほかの版がどの年式に当たるかは確かめられていない。
年式で決めつけず、作業の前にラゲッジボードの下を開けて、ジャッキがあるかを自分の目で確かめるのが早い。KE型の取扱説明書がジャッキの格納をどう書いているかは、ここでは確かめていない。KE型でも作業の前に積んである工具を確かめておく。
スペアタイヤの扱い
KF型にはスペアタイヤが標準で搭載されていない(取扱説明書の「スペアタイヤはお客様のお車に標準で搭載されておりません」)。ほかの版の格納場所のページは、タイヤパンク応急修理キットを使ったあとの固定を案内している。スペアタイヤの扱いはマツダ販売店に相談するよう書かれている。
用意する道具と車載ジャッキの使い道
タイヤメーカーのブリヂストンは、タイヤ交換で用意する道具として次の5つを挙げている。
- ジャッキ
- L型レンチ(または十字レンチ)
- トルクレンチ(トルクを設定できる器具)
- 輪止め
- 軍手
マツダの取扱説明書(KF型・2017年2月〜7月発売分)では、車載ジャッキをタイヤ交換とタイヤチェーンの取り付け・取りはずし以外に使わないよう書き、車に搭載されている以外のジャッキを使うと車体が損傷したり思わぬ事故につながるおそれがあると警告している。使ったあとは、工具とジャッキを走行中に動かないよう所定の位置に固定する。
ジャッキポイントの位置とジャッキの当て方
指定位置は取扱説明書の図と車体の目印で確かめる
ジャッキアップ指定位置の場所は、取扱説明書では図で示されていて、部位の名前や寸法での文章の説明は載っていない(国内のKF型の版にも、英語版にも、図の中身を書いた字は無い)。作業の前に、手元の取扱説明書の「ジャッキアップするとき」「ジャッキについて」の図を開き、車体の目印のふくらみと見比べて位置を確かめる。分からないときに当てずっぽうの位置へ掛けない。
マツダの海外向け取扱説明書(英語版)では、ジャッキアップ位置は前側と後側にあり、交換するタイヤにいちばん近い位置の真下にジャッキを置くよう書かれている。勧める前後の位置以外でジャッキアップするのは危険だとも警告している。国内の取扱説明書も、指定位置以外にジャッキを掛けると車体が変形したりジャッキが外れたりするおそれがあると書いている。
ジャッキの当て方
KF型の取扱説明書の手順は次のとおりだ。
- ジャッキを地面に置き、ジャッキの回転部(ねじ)を手で回して、ジャッキの頭を指定位置の近くまで上げる。
- 指定位置の中央に直角に当て、徐々に上げる。
- ふくらみの間の中央にジャッキがはまっていることを確かめる。
- ジャッキにジャッキレバーを掛け、ジャッキレバーにホイールレンチを組み付けて回して上げる。
ジャッキアップ前の安全の準備
ジャッキを当てる前に、次の3つを済ませる。
- 作業場所は、できるだけ平坦で、舗装された地面やコンクリートの上などの安定した場所を選ぶ(ブリヂストンの解説)。
- オートマチック車はセレクトレバーをP、マニュアル車はチェンジレバーを1かRに入れ、パーキングブレーキをかける。
- ジャッキを掛ける位置と対角の位置のタイヤに輪止めをする。前輪を上げるときは後輪の前後に、後輪を上げるときは前輪の前後に置く(KF型・2017年2月〜7月発売分の取扱説明書)。
取扱説明書は、セレクトレバーがPに入っていても車が動いてジャッキが外れ、思わぬ事故につながるおそれがあると警告している。輪止めを省かない。
タイヤの外し方
- タイヤが接地している状態で、ホイールナットを少しだけ緩める。マツダの海外向け取扱説明書(英語版)では、ナットを反時計回りにそれぞれ1回転ずつ緩め、タイヤが地面から浮くまではナットを外さないと書かれている。
- 前の節の手順でジャッキを指定位置に当てて上げる。
- タイヤが地面から少し離れるところで止める。必要以上に上げると車体が不安定になる。
- 車が安定していることを確かめてからナットを外し、タイヤを外す。
- ブリヂストンは、外したタイヤとホイールを車体の下に入れておくと、万一ジャッキが外れたときに車体が落ちるのを防げると解説している。
タイヤの付け方と締め付けトルク
仮締めまで
- ホイールとハブの合わせ面(ハブボルトを含む)の汚れを布で拭き取る。
- タイヤの向きを確かめる。ブリヂストンの解説では、回転方向が指定されたタイヤは側面に矢印と「ROTATION」の刻印、装着面が指定されたタイヤは側面に「OUTSIDE」「INSIDE」の刻印がある。指定どおりに付けないと、性能が出ないだけでなく安全面にも影響するおそれがある。
- タイヤを付け、ホイールナットはテーパー(面取りのある側)を内側にして手で仮締めする(マツダの海外向け取扱説明書・英語版)。
- ブリヂストンの解説に沿って、時計回りに隣へ移るのではなく、できるだけ対角線の順に締める。1か所を一気に締めず、それぞれのナットを2〜3回に分けて均等に、ガタが無くなるまで締める。
接地させてから本締めする
ジャッキを下ろしてタイヤを接地させてから、トルクレンチで本締めする。英語版の取扱説明書も、ジャッキを下ろしてから図の順番に締めるよう書いている。締め付けトルクは、KF型と、KE型の2015年1月〜2017年1月発売分の取扱説明書のどれにも同じ108〜147N·m(12〜14kgf·m)と載っている。トルクレンチはこの範囲に合わせる。
マツダの海外向け取扱説明書(英語版)は、ナットとボルトに油やグリースを付けないこと(走行中にナットが緩むおそれ)と、規定のトルクを超えて締めないこと(ナットとボルトを傷めるおそれ)を警告している。
社外ホイールに替える場合のPCDやオフセットは次の記事にまとめた。
交換したあとの点検
空気圧を指定値に合わせる
交換が済んだら、空気圧が車両指定の値になっているか確かめ、足りなければ指定値まで入れる。適正空気圧は、運転席ドアを開けたボディー側に貼ってあるラベルで確認する。KF型と、KE型の2015年1月〜2017年1月発売分の取扱説明書では、標準タイヤの値は次のとおりだ。
| タイヤサイズ | 空気圧(前後とも) |
|---|---|
| 225/65R17 | 230kPa(2.3kgf/cm2) |
| 225/55R19 | 250kPa(2.5kgf/cm2) |
空気圧はタイヤが冷えている状態で合わせる。温まった状態で合わせると、冷えたときに指定値を下回る。タイヤ間で空気圧の差が大きくならないよう、規定値にそろえる。
約100km走ったら増し締めの点検
ブリヂストンは、タイヤを取り付けたあと約100km走ったところで、ホイールナットが緩んでいないかをトルクレンチで点検するよう解説している。マツダの取扱説明書が定めた値ではないが、取り付けの確かめとして続けておきたい。
空気圧警報の初期化
マツダの取扱説明書(KE型)では、タイヤ空気圧警報システムがABSホイールスピードセンサーのデータで空気圧を間接的にモニターすると説明し、タイヤやホイールを交換した場合はシステムの初期化を行い、警告灯が消灯していることを確かめるよう書いている。指定空気圧で初期化していないときや、スタッドレスタイヤ・スノータイヤの使用時は、警報が早く、または遅く作動することがあるとも書かれている。
KF型の初期化の要否と手順は、ここで使った資料では確かめていない。付け替えたら、手元の取扱説明書の「タイヤ空気圧警報システム」の項で初期化の要否と手順を確かめ、警告灯の点き方に変わりがないかを見る。
ジャッキアップでやってはいけないこと
取扱説明書が挙げる警告と注意は次のとおりだ。
- ジャッキアップ指定位置以外にジャッキを掛けない
- ジャッキの上下に台やブロックなどを入れない
- 必要以上にジャッキアップしない
- ジャッキアップした状態で車のエンジンをかけない
- ジャッキアップした車の下には絶対に入らない(ジャッキが外れると重大な傷害につながるおそれ)
- 人を乗せたままジャッキアップしない
ローテーションと交換の目安、販売店に任せる場面
タイヤの位置交換は販売店に相談する
マツダの取扱説明書(KF型のほかの版)では、偏摩耗を防ぐため約5,000km走行ごとのタイヤの位置交換を勧める一方、「スペアタイヤが標準で搭載されていないため、お客様自身ではタイヤの位置交換を行なうことができません」として、位置交換はマツダ販売店に相談するよう書いている。位置交換の前に空気圧と摩耗を点検し、あとで空気圧を規定値に合わせるとも書かれている。
摩耗限界と点検の目安
摩耗限界表示(ウェアインジケーター)はタイヤの接地面にあり、ほかの部分より溝が1.6mmだけ浅い。表示が現れたら速やかに正常なタイヤと交換する。取扱説明書は、使用開始後5〜7年を目安にマツダ販売店で点検を受けるよう書いている。買い替えるタイヤの候補は次の記事で比べている。
無理をせず任せる選択
車載ジャッキが積まれていない、ジャッキポイントの位置に自信が無い、トルクレンチが無い。どれか1つでも当てはまるなら、無理に自分で作業せず、マツダ販売店やタイヤ店に任せるのが確実だ。冬に備えるなら、チェーンの準備も同じ時期に済ませておくとよい。
よくある質問
CX-5のホイールナットの締め付けトルクは?
108〜147N·m(12〜14kgf·m)だ。KF型と、KE型の2015年1月〜2017年1月発売分の取扱説明書で同じ値が載っている。3代目の新型と、KE型でそれより前に発売された分は確かめていないので、手元の取扱説明書を見る。
車載ジャッキが見当たらないのはなぜ?
KF型の取扱説明書には「ジャッキはお客様のお車に標準で搭載されておりません」と書く版があり、その版に当たる車にはジャッキが積まれていない。KF型の2017年2月〜7月発売分の版では、ジャッキはラゲッジボードの下に格納されている。ジャッキが無いと書く版がどの年式に当たるかは確かめられていない。
フロアジャッキで車体の中央を上げてもいい?
取扱説明書が示すのは前後のジャッキアップ指定位置で、車体の中央部に掛けてよいかは確かめていない。指定位置以外に掛けると車体の変形やジャッキの外れにつながるおそれがある。KF型の2017年2月〜7月発売分の取扱説明書は、車に搭載されている以外のジャッキの使用にも注意を促している。位置を確かめられないなら販売店かタイヤ店に任せる。
スタッドレスに履き替えたら空気圧はいくつ?
運転席ドアを開けたボディー側のラベルの値に合わせる。KF型と、KE型の2015年1月〜2017年1月発売分の取扱説明書の表では、標準タイヤの225/65R17が230kPa、225/55R19が250kPaだ。スタッドレスタイヤに別の値があるかは確かめていない。分からなければタイヤ店に聞く。
足まわりのほかの部品の選び方は次の記事にまとめている。
まとめ
最初に、車検証で型式と初度登録年月を確認する。この記事が当てはまるのは、KF型(2017年〜2026年)と、KE型の2015年1月〜2017年1月発売分だ。
- ジャッキは目印のふくらみの間にある指定位置にだけ掛け、交換するタイヤにいちばん近い位置を使う(英語版の取扱説明書)。位置は手元の取扱説明書の図で確かめる。
- KF型は取扱説明書の版によって車載ジャッキが積まれていない。ラゲッジボードの下を先に見る。
- ナットは108〜147N·mで締める(KF型と、KE型の2015年1月〜2017年1月発売分の取扱説明書の値)。
- 交換後は、冷えた状態で空気圧をラベルの値に合わせ、約100km走ったら増し締めの点検をする。

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