ターボの無いアルト(HA37S・HA97S・HA36S のターボなし・HA36V)のエンジンオイルは、スズキの公式のよくある質問の表で6か月または10,000kmのどちらか早い方、HA36S のターボ車は6か月または5,000kmのどちらか早い方で替える。入れる量は整備データの公開サイトの値で、HA37S・HA36S・HA36V がオイルだけ2.4L・フィルター同時2.6L、HA97S が2.2L・2.4Lだ。シビアコンディションに当たる使い方なら交換時期をターボの無いアルトは3か月または5,000km、HA36S のターボ車は3か月または2,500kmに早め、量は最後にレベルゲージで合わせる。
型式別の交換時期と量の早見表
| 型式(年式) | エンジン | スズキの表の行 | 交換時期 | オイルだけ | フィルター同時 |
|---|---|---|---|---|---|
| HA37S(2021年12月〜) | R06A | 軽・ターボなし | 6か月または10,000km(シビアコンディションは3か月または5,000km) | 2.4L | 2.6L |
| HA97S(2021年12月〜) | R06D・マイルドハイブリッド | 軽・ターボなし | 6か月または10,000km(シビアコンディションは3か月または5,000km) | 2.2L | 2.4L |
| HA36S ターボなし(2014年12月〜2021年11月) | R06A | 軽・ターボなし | 6か月または10,000km(シビアコンディションは3か月または5,000km) | 2.4L | 2.6L |
| HA36S ターボ車(2015年3月〜2021年11月) | R06A ターボ | 軽・ターボ | 6か月または5,000km(シビアコンディションは3か月または2,500km) | 2.4L | 2.6L |
| HA36V(2014年12月〜2021年11月) | R06A | 軽・ターボなし | 6か月または10,000km(シビアコンディションは3か月または5,000km) | 2.4L | 2.6L |
交換時期はスズキの公式のよくある質問の表、量は整備データの公開サイトの表の値だ。期間と距離はどちらか早い方で替える。 量はスズキの取扱説明書の値と照らし合わせていないので目安として使い、詳しくは「型式別のオイル量」の節で扱う。
自分のアルトの型式とエンジンを確かめる
スズキの発表では、2021年12月22日発売の現行アルトは、A・L グレードが R06A型エンジンとエネチャージ、HYBRID S・HYBRID X が R06D型エンジンとマイルドハイブリッドの組み合わせで、全グレードに2WDと4WDがある。整備データの公開サイトの表では、R06A の現行車が HA37S、R06D のハイブリッドが HA97S だ。先代は HA36S(R06A。ターボなしとターボ車)と、バンの HA36V(R06A・ターボなし)になる。
量は型式とエンジンで変わるので、入れる前に車検証の型式の欄で型式を確かめ、ターボかハイブリッドかも合わせて見ておく。スズキの交換時期の表は「軽」の行で読み、HA36S のターボなし・HA36V・HA37S・HA97S は「軽・ターボなし」、HA36S のターボ車は「軽・ターボ」の行を見る。スズキの表はハイブリッドを別の行に分けていない。
スズキの交換時期の表の読み方
スズキのよくある質問の表では、軽のターボなしのエンジンは6か月または10,000kmごと、シビアコンディションでは3か月または5,000kmごとに交換する。軽のターボ車は6か月または5,000kmごと、シビアコンディションでは3か月または2,500kmごとだ。
同じページは「年ごとの交換と走行キロごとの交換が併記されている場合は、どちらか早い方で交換してください。」としている。期間と走行距離の両方を数え、先に来た方で替える。 たとえばターボなしのアルトで3か月のうちに10,000km走ったなら、距離が先に来たので交換の時期になる。
JAF の交換のめやすの表も、軽自動車を「1万km、または6カ月」(シビアコンディションは「5,000km、または3カ月」)、軽自動車(ターボ車)を「5,000km、または6カ月」(シビアコンディションは「2,500km、または3カ月」)としていて一致する。ガソリン車(普通車)は「1万5,000km、または1年」なので、軽は普通車より早めの交換が目安だ。JAF は交換時期を取扱説明書等で確かめるよう勧め、シビアコンディションの目安はメンテナンスノート(点検整備記録簿)で確認できるとしている。
シビアコンディションに当たるなら早めに替える
スズキが決めている4つの条件
スズキが指定するシビアコンディションは次の4つだ。
- 悪路: 走行距離の30%以上が、荒れた路面・石はねやわだちで下回りに当たる路面・ほこりの多い路面
- 山道・登降坂路: 走行距離の30%以上が、上り下りが多くブレーキを頻繁に使う道路
- 短距離走行の繰り返し: 1回の走行が8km以下で、冷却水温が低い状態での走行が多い
- 走行距離が多い: 年間20,000km以上
これに当たる使い方では、表の括弧の短い交換時期を使う。近所の買い物だけに使うアルトは、短距離走行の繰り返しに当たりやすいので、自分の乗り方を1度照らしておきたい。
点検整備のページと用品店の短めの目安
スズキの公式サイトの点検整備のページは、軽自動車で2,500〜5,000km走行ごと、または3〜6か月ごとのどちらか早い方での交換を勧めている。これはよくある質問の表とは別の、短めのお勧めだ。同じページは、長く替えないまま乗ると燃費やエンジンの調子が悪くなり、最悪の場合エンジンが壊れることがあるとも書いている。
カー用品店のオートバックスの案内では、軽自動車は6か月または5,000km、ターボなど過給機付きは3か月または2,500kmを目安にし、ターボが付いていなくてもシビアな使い方なら3か月または2,500kmを勧めている。
読み分けとしては、表の値を越えて使い続けないことを基本にし、シビアコンディションなら括弧の値まで早める。お勧めの短い間隔まで縮めるかは、使い方に合わせて選べばよい。
HA36S のターボ車はオイルの管理がより大切
JAF の案内では、ターボ付きのエンジンは高回転・高負荷になりやすく、オイルの管理がより大切だとしている。HA36S のターボ車は、交換時期がターボなしより短い「軽・ターボ」の行になる。
型式別のオイル量
整備データの公開サイト2件の表では、HA37S(R06A)と、先代の HA36S(ターボなし・ターボ車とも)・HA36V はオイルだけで2.4L、オイルフィルターも替えると2.6Lで一致している。HA97S(R06D・マイルドハイブリッド)は2.2Lと2.4Lで、HA37S より0.2L少ない。整備・給油の事業者の車両データも、フィルター交換時を HA37S・HA36S・HA36V で2.6L、HA97S で2.4Lとしている。
どの型式もフィルターを替えると0.2L増えるので、替えたかどうかで入れる量を分ける。
この量はスズキの取扱説明書の値と照らし合わせていない。 その事業者のページ自体も、アルト全体のフィルター交換時の量を「約2.4〜3L(型式・グレードにより異なります)」と幅で書いている。表の値は目安とし、入れた後はレベルゲージで上限と下限の間に合わせる。
オイルフィルターを替えるタイミング
スズキのよくある質問の表では、軽のエンジンのオイルフィルターは10,000kmごと、シビアコンディションでは5,000kmごとに交換する。
替える頻度の案内は資料で違う。JAF は「オイル交換2回ごとに1回というのが基本です」とし、スズキの点検整備のページは「オイルフィルターもエンジンオイルと同時交換をお勧めします。」としている。オートバックスも同時の交換を勧める。フィルターはオイルの不純物をろ過し、オイルの寿命を伸ばす部品だ。
迷ったらオイル交換と同時に替え、少なくとも表の距離を越えない。量が0.2L変わるので、替えた回を記録しておくと次の量を間違えない。
レベルゲージで量と汚れを確かめる
点検のしかた
JAF の日常点検の案内では、平らな場所に車を止め、エンジンを止めて、走行後しばらくたってエンジンルームの温度が下がってから行う。レベルゲージを抜いて付いたオイルを拭き、いっぱいまで差し込んでから再び抜いて、油面が上限ラインと下限ラインの間にあるかを見る。あわせて汚れも確かめ、汚れていれば交換する。
入れた後の量の合わせ方
オートバックスの解説では、新しいオイルはまとめて入れず、1ℓずつ徐々に入れる。入れ終えたらエンジンをかけて漏れを点検し、止めてからレベルゲージで量を見て、上限と下限の間に調整する。同じ解説は「エンジンオイルは少なすぎても、多すぎてもNGです。」としている。
入れすぎと減りすぎの注意
スズキの販売店の整備事例では、量が多すぎると加速しにくくなるだけでなく、燃費の悪化やマフラーからの白煙、オーバーヒートにつながる可能性があるとしている。坂道で力が出ない・ノッキングがあると来店したアルトから、抜いたオイルが約6L出てきた事例もある(原因は不明とされている)。足すときもレベルゲージの上限を超えない。
反対に、JAF は交換の距離や期間の内側でも、汚れや減りが激しい場合は交換が要るとしている。極端な場合はオイル漏れも疑われるので整備工場やディーラーで点検してもらい、消費が激しいならエンジン内部の点検も考える。
オイルの粘度は取扱説明書で確かめる
整備データの公開サイト2件の「純正粘度」の欄は、HA36S のターボなしと HA36V が 0W-20、HA36S のターボ車が 5W-30、HA37S と HA97S が 0W-16 になっている。ただしスズキの公式の資料で指定の粘度と規格を確かめていないので、買う前に取扱説明書かメンテナンスノートで指定を見てほしい。
カー用品店のオートバックスは、軽自動車の粘度の例として 0W-20・5W-20・5W-30 などを挙げ、ノンターボでは 0W-20 がポピュラー、ターボ車やシビアな使い方では 5W-30 を勧めている。指定オイルが複数ある場合もあるので、車種への適合を確かめてから選ぶ。
自分でオイル交換するときの手順と注意
上抜きと下抜き
オートバックスの解説では、自分で替える方法は2つある。上抜きはレベルゲージの管からホースで吸い上げる方法、下抜きはジャッキアップしてオイルパンのドレンボルトから抜く方法だ。
下抜きで使う道具
車種に合うエンジンオイル、油量に対して容量に余裕のある廃油BOX、オイルジョッキ、ドレンボルトを外すメガネレンチ、規定の力で締めるトルクレンチとソケット、車種に合うドレンパッキン(ワッシャー)、ブレーキ・パーツクリーナー、ジャッキアップ用品、手袋とペーパータオルを用意する(オートバックスの解説)。
下抜きの流れ
- オイルキャップとレベルゲージを緩め、空気を入れて抜けやすくする
- ドレンボルトの位置と寸法を確かめる
- 廃油受けを置き、ドレンボルトをゆっくり緩める
- 抜けきったらドレンボルトを規定トルクで締める
- 新しいオイルを少しずつ入れて規定量に合わせる
- エンジンをかけて漏れを点検し、止めてからレベルゲージで量を確かめる
ドレンボルトは清掃して使い、ドレンのワッシャーは毎回新品に替える。オートバックスの解説は「2重パッキンになってしまうとオイル漏れの原因となります」としていて、古いワッシャーが廃油BOXの中やボルト、オイルパン側に張り付いていないか確かめる。締め付けトルクは、ドレンパッキンの仕様を確かめるか販売店に相談する。
作業の安全と廃油の処理
オートバックスの解説では、平らな場所で、エンジンが十分冷めてから作業する。車の下に潜るときはウマ(リジットラック)で車体を安定させるが、「車の下へ潜ることは安全策を施しても危険を伴います。」としている。ドレンボルトの近くに似たボルトがあり、緩めて垂れてきた液が赤色ならオートマチックの作動油(ATF)なので作業を止める。オイルは思ったより勢いよく出るうえ、キャップを開けたままエンジンをかけると飛び散る。
使い終えた廃油BOXは、住んでいる地域のルールに従って処理する。ジャッキアップや廃油の処理が難しいなら、販売店や整備工場、カー用品店に頼めばよい。オートバックスの解説も最後はプロへの依頼を勧めている。店に頼むと部品代のほかに工賃がかかる。
よくある質問
オイルだけ替えるときとフィルターも替えるときで量は違う?
違う。整備データの公開サイトの値で、HA37S・HA36S・HA36V は2.4Lと2.6L、HA97S は2.2Lと2.4Lで、どの型式もフィルター同時の方が0.2L多い。
6か月たっても走行距離が少なければ交換しなくてよい?
交換の時期になる。スズキの表はどちらか早い方で替える決まりなので、ターボなしのアルトで6か月たったときに3,000kmしか走っていなくても、期間の6か月が先に来ている。
3L缶1本で足りる?
足りる計算になる。4つの型式で最も多いのは、整備データの公開サイトの値で HA37S・HA36S・HA36V のフィルター同時交換の2.6Lなので、3L缶1本で1回分が収まる。残りは下限に近づいたときの補充に使える。
ハイブリッドの HA97S は量が違う?
整備データの公開サイトの値で、HA97S はオイルだけ2.2L・フィルター同時2.4Lと、ガソリン車の HA37S より0.2L少ない。交換時期は、スズキの表がハイブリッドを別の行に分けていないので「軽・ターボなし」の行で読む。
入れすぎたらどうなる?
スズキの販売店は、加速しにくくなるほか、燃費の悪化や白煙、オーバーヒートにつながる可能性があるとしている。上限を超えていて自分で抜くのが難しいなら、販売店や整備工場に相談する。
まとめ
まず車検証で型式を確かめて、早見表の自分の行を1つに絞る。そのうえで、取扱説明書とメンテナンスノートで交換時期と粘度を最終確認する。
時期はスズキの表で、ターボの無いアルト(HA37S・HA97S・HA36S のターボなし・HA36V)が6か月または10,000km、HA36S のターボ車が6か月または5,000kmのどちらか早い方だ。シビアコンディションに当たる使い方なら、ターボの無いアルトは3か月または5,000km、HA36S のターボ車は3か月または2,500kmまで早める。量は整備データの公開サイトの値を目安に、1ℓずつ入れてレベルゲージの上限と下限の間に合わせる。
ほかのメンテナンスは次の記事で扱っている。

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