アルトのバッテリーの型番は、型式と、アイドリングストップ車かどうかで分かれる。GSユアサの車種別の適合表では、HA36S・HA36V・HA37S・HA97S のアルトの型番は K-42R か 38B19R のどちらかで、DBA-HA36S のように同じ型式の中に両方の仕様がある型式もある。まず車検証の型式で自分の車がどちら側かを絞り込み、最後に今付いているバッテリーの表示で確かめる順に進めよう。
型番はアイドリングストップの有無で分かれる
GSユアサの車種別の適合表のアルト(HA36S・HA36V・HA37S・HA97S)の行では、環境対応の欄が ISS(アイドリングストップ車)か HV の行が K-42R、欄が空欄の行が 38B19R になっている。ボッシュの車種別適合品サーチでも、新車搭載はアイドリングストップ車が K-42R(HA36・HA37)、充電制御車が 38B19R(HA36)で、同じ分かれ方をしている。
型式に当てはめると、3BA-HA37S と 5AA-HA97S(どちらも2021年12月販売開始)は GSユアサの表で K-42R になる。3BA-HA37S はボッシュの表でもアイドリングストップ車の K-42R だが、ボッシュの HA37 の表には HA97S の行が無い。HA36S は型式と仕様で答えが変わるので、次の早見表で確かめてほしい。
型式・年式別の型番早見表
GSユアサの表を軸に、ボッシュの表で同じ型式を見た結果を並べた。GSユアサの表のアルトの各行は、標準搭載と寒冷地仕様の欄が同じ型番になっている。
| 車両型式 | 販売開始(GSユアサ) | 環境対応(GSユアサ) | GSユアサの型番 | ボッシュの新車搭載 |
|---|---|---|---|---|
| DBA-HA36S | 2014年12月 | ISS | K-42R | アイドリングストップ車 K-42R |
| DBA-HA36S | 2014年12月 | 空欄 | 38B19R | 充電制御車 38B19R |
| 3BA-HA36S | 2020年10月 | 空欄 | 38B19R | 充電制御車のみ 38B19R |
| 5BA-HA36S | 2020年10月 | ISS | K-42R | アイドリングストップ車 K-42R と充電制御車 38B19R の両方の行 |
| HBD-HA36V(バン) | 2014年12月 | 空欄 | 38B19R | ボッシュの表では確かめていない |
| 3BA-HA37S | 2021年12月 | ISS | K-42R | 0.7i・0.7i 4WD ともアイドリングストップ車 K-42R |
| 5AA-HA97S | 2021年12月 | HV | K-42R | HA37 の表に HA97S の行は無い |
年式とエンジン
ボッシュの表の年式は、DBA-HA36S が2014年12月〜2020年10月、3BA-HA36S と 5BA-HA36S が2020年10月〜2021年11月だ。エンジンは DBA-HA36S・HBD-HA36V・3BA-HA37S が R06A、5AA-HA97S が R06D と GSユアサの表に載っている。
寒冷地仕様とアルトワークス
ボッシュは、複数の品番がある場合や寒冷地仕様車は、現車を確かめてから選ぶよう注意している。
アルトワークスはこの表に入れていない。ワークスは別の記事で扱っている。
自分のアルトがどちらの型番かを見分ける
車両型式だけでは型番が1つに決まらない型式がある。DBA-HA36S は GSユアサ・ボッシュの両方の表で、同じ型式にアイドリングストップ車(K-42R)と無い車(38B19R)がある。5BA-HA36S は GSユアサの表では ISS の行(K-42R)だけだが、ボッシュの表ではアイドリングストップ車(K-42R)と充電制御車(38B19R)の両方の行がある。3BA-HA36S は2社とも 38B19R、3BA-HA37S は2社ともアイドリングストップ車の K-42R だ。
そのうえで、GSユアサとボッシュはどちらも、車名・型式・年式が同じでもマイナーチェンジ・特殊仕様車・オプション設定車では搭載バッテリーが違うことがあるとし、実際に付いているバッテリーの型式を必ず確かめるよう求めている。見分け方は次の順がよい。
- 車検証で車両型式を見て、早見表で当たりを付ける
- 今付いているバッテリー本体の型式表示を見る
- ボッシュが挙げるサイズ・ランク・ターミナル極性の3つを、買う品と照らし合わせる
型式の頭の字(DBA・3BA・5BA)だけで決めず、最後は今付いているバッテリーの表示で確かめる。 GSユアサも、交換品は型式が適合することと使用環境に合うことの両方を満たすものを選ぶとしている。
年式にも注意がいる。ボッシュの適合品サーチの年式は製造時期が基準で、車検証の登録日と違うことがある。実際に HA37S の始まりは、GSユアサの表では販売開始2021年12月、ボッシュの表では年式の始まり2021年11月と、1か月ずれて載っている。
K-42R と 38B19R の記号の読み方
GSユアサの解説にある JIS 型式の読み方を 38B19R に当てはめると、次のようになる。
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| 38 | 性能ランク(始動性能・容量の総合性能。数字が大きいほど性能が高い) |
| B | 短側面のサイズ区分(A から H の順に大きくなる。B は幅 129(127)mm・箱高さ 203mm) |
| 19 | 長さの概寸法(約 19cm) |
| R | 端子の位置(プラス側の短側面から見て +端子が右側なら R タイプ、左側なら L タイプ) |
アイドリングストップ車用の型式は、外形寸法の区分(記号)・性能ランク(数字)・端子位置の3つで組み立てる。K-42R なら K が外形区分、42 が性能ランク、R が端子位置で、端子位置の記号が無いものは L タイプだ。GSユアサの通常車用との対照表では、通常車用の B19 がアイドリングストップ車用の K に、B20 が M に当たる。つまり K-42R の K は、38B19R の B19 と同じ外形区分を表している。
交換品の選び方
アイドリングストップ車には専用品を選ぶ
GSユアサは、アイドリングストップ車に通常のバッテリーを載せると短寿命になるおそれがあり、アイドリングストップシステムが正常に作動しなくなったり燃費性能が悪化したりする場合があり、製品補償の対象外になるとしている。パナソニックも、ハイブリッド車・アイドリングストップ車は専用バッテリーが必要で、一般的なバッテリーは適合しないとしている。今 K-42R が付いている車には、アイドリングストップ車用の品を選ぶ。
端子位置は R に合わせる
GSユアサは、端子位置(R タイプ・L タイプ)が同じバッテリーを付けるよう求め、違うものを付けると電子部品の破損や焼損、火災の原因になるとしている。アルトの新車搭載品は K-42R・38B19R とも末尾が R なので、L を選ぶ理由は無い。
外形区分を合わせ、性能ランクで選ぶ
交換品は、新車搭載品と同じ外形区分(B19 または K)で、端子位置が R のものから選ぶ。そのうえで性能ランクの数字を見る。ボッシュの適合品サーチでは、新車搭載 38B19R の HA36S の充電制御車に PSR-40B19R・HTP-60B19R・HTP-K-42R/60B19R が、新車搭載 K-42R の HA36S・HA37S のアイドリングストップ車に HTP-K-42R/60B19R・HTPP-K-55R が適合品番として挙がっている。新車搭載品より性能ランクの数字が大きい、同じ外形区分の品も含まれているわけだ。
HTP-K-42R/60B19R のように、アイドリングストップ車用(K-42R)と通常車用(60B19R)の両方の型式を持つ品は、ボッシュの適合品サーチで HA36S の充電制御車とアイドリングストップ車の両方の適合品番に挙がっている。迷ったら、自分の型式・仕様の行に挙がっている品番から選ぶのが間違えにくい。
DBA-HA36S の充電制御車向けの交換品
GSPEK G-50B19R/PL は、商品名と販売ページの商品説明(出品者の記載)で、スズキ アルトの DBA-HA36S(2014年12月〜2020年10月)の充電制御車向けとされている。標準地・寒冷地共通で、商品名の提示車両の新車装着時バッテリー 38B19R の互換品と書かれている。商品名の型番は 50B19R で、38B19R と同じ B19 の外形区分・R の端子位置で、性能ランクの数字が大きい表示だ。
GSPEK G-50B19R/PL(アルト DBA-HA36S 充電制御車向け・38B19R 互換・廃バッテリー回収付)
GSPEK G-50B19R/PL の商品説明には、商品名に書いた年式や型式が同じでも仕様差で適合品番が違う場合があると書かれている。商品名は充電制御車向けで、GSユアサの表で K-42R とされる DBA-HA36S のアイドリングストップ車や、HA37S・HA97S 向けとは書かれていない。注文の前に、今付いているバッテリーが 38B19R かを見ておきたい。
この商品は商品名に廃バッテリー回収サービス付と書かれ、商品説明では、古いバッテリーを段ボール箱に入れ、商品に同封の着払い伝票で返送する方法とされている。
HA37S・HA97S の鉛バッテリーとリチウムイオンバッテリー
スズキの公式サイトのアルトの紹介では、マイルドハイブリッド(HYBRID X・HYBRID S・R06D 型エンジン)は ISG(モーター機能付発電機)で減速時に発電し、アイドリングストップ車専用鉛バッテリーと専用リチウムイオンバッテリーに充電する。L・A グレードのエネチャージも、オルタネーターで発電して鉛バッテリーとリチウムイオンバッテリーに充電する。
どちらも鉛バッテリーとは別にリチウムイオンバッテリーを持つ仕組みで、バッテリーメーカーの適合表の K-42R が当たるのは鉛バッテリーの側だ。同じページに、リチウムイオンバッテリーの搭載位置や交換方法の記載は無い。
交換前の準備
- 走行直後はバッテリー内にガスがたまっていて爆発の危険があるので、30 分以上休ませてから作業する(GSユアサ)
- エンジンを止め、ライトや電装アクセサリーをすべて OFF にしてキーを抜く。コンピューターが稼働している車は、作業開始まで約 6 分待つ。必要な時間は車種によって違うので取扱説明書で確かめる(GSユアサ)
- 作業前に車体の金属部分に触れて、身体の静電気を逃がす(パナソニック)
- 保護メガネとゴム手袋を着ける。道具はスパナ(パナソニックの案内では 10mm。車種によってサイズが違う場合がある)と、軍手や養生テープなど絶縁に使えるもの(パナソニック)
端子同士が金属の工具で触れると、火花による引火や火災のおそれがあるとGSユアサは注意している。
ラジオ・時計・カーナビなどの電装品やコンピューターのメモリーバックアップが要るかは、事前に販売店や取扱説明書で確かめる(GSユアサ)。パナソニックは、メモリー機能のある電子機器を積んだ車はバッテリーを外すと記憶内容が消える場合があり、バックアップ電源をシガーソケットか車両バッテリーの端子につないで守れるとしている。使い方はバックアップ電源の取扱説明書で確かめる。
バッテリーの交換手順
古いバッテリーを外す
- マイナス端子(アース側)のケーブルターミナルを外す
- プラス端子のケーブルターミナルを外す
- バッテリーの取り付け金具を外す
- 古いバッテリーを取り出す
外すのはマイナス側から、付けるのはプラス側から(マイナス側を最後)にする。GSユアサによると、ボディーにはマイナスが通じているので、プラス側から外すときに工具がボディーに触れるとショートし、バッテリーの爆発や車両コンピューターの故障につながるおそれがある。
外したら、搭載位置の小石や砂などを取り除く。異物があると、バッテリーが破損したり固定できなかったりする。ケーブルターミナルが腐食していたり汚れていたりしたら、サンドペーパーやワイヤーブラシで磨く。
新しいバッテリーを付ける
- 取付台に置き、取り付け金具でがたつかないよう確実に固定する(端子キャップ・取っ手・バンドは移し替えるか取り外す。取り外せないものもある)
- プラス側のケーブル端子をプラス端子に付けてナットを締める
- マイナス側のケーブル端子をマイナス端子に付けてナットを締める
- 端子カバーがある車は元に戻す
パナソニックは、端子の腐食を防ぐために錆止めグリースを塗ることを勧めている。締め付けは加減が要る。パナソニックは、取り付け金具やケーブル端子を締めすぎるとバッテリーや端子の変形・破損につながるとし、GSユアサは、ケーブルターミナルを左右に動かしても動かない程度が適切としている。
交換後に確かめること
エンジンをかける前に、ケーブルターミナルと取り付け金具に緩みが無いことを確かめ、エンジンルームに工具を置き忘れていないか見てから始動する。
アイドリングストップ車は、交換の直後にアイドリングストップが作動しない場合がある(対処は下のよくある質問で触れる)。また、パナソニックは、車種によってはパワーウィンドウやバックガイドモニターの初期化、専用工具による車載コンピューターの初期化が必要になることがあるとし、交換は販売店に相談し車両の整備マニュアルに従って自己責任で行うよう案内している。GSユアサも、作業は車両の取扱説明書を確かめたうえで行うよう求めている。アルトで何の初期化が要るかは、取扱説明書か販売店で確かめる。
古いバッテリーの処分
古いバッテリーは鉛と希硫酸を含むので、家庭ごみとして出せない。購入店に引き取りを相談するか、住んでいる自治体の決まりに従う。GSユアサによると、国内のバッテリーの製造事業者は鉛再資源化協会(SBRA)をつくり、使用済みバッテリーの回収と再資源化を行っている。
やむを得ず保管するときは、端子キャップなどでショートを防ぎ、横倒しや不安定な場所に置かない(パナソニック)。
よくある質問
アイドリングストップ車に 38B19R を付けてもよい?
勧めない。GSユアサは、アイドリングストップ車に通常のバッテリーを載せると製品補償の対象外になるとし、短寿命や作動不良のおそれも挙げている(詳しくは選び方の節)。
38B19R の代わりに数字の大きい B19R を付けてもよい?
外形区分(B19)と端子位置(R)が同じで、適合表で自分の型式・仕様の行に挙がっている品番なら選んでよい。ボッシュの適合品サーチでは、新車搭載 38B19R の HA36S の充電制御車に PSR-40B19R・HTP-60B19R が挙がっている。
K-42R と 38B19R は大きさが違う?
GSユアサの対照表では、アイドリングストップ車用の K は通常車用の B19 に当たり、同じ外形区分だ。違いは、アイドリングストップ車用か通常車用かという型式の区分にある。
交換したらアイドリングストップしなくなった
GSユアサは、アイドリングストップ車はバッテリー交換の直後にアイドリングストップが作動しない場合があるとしている。しばらく使っても作動しないときは販売店で点検を受ける。専用のスキャンツールでのリセットが必要になることもある。
リチウムイオンバッテリーも一緒に交換する?
この記事の K-42R は、HA37S・HA97S では鉛バッテリーの側の型番だ。スズキの公式サイトのアルトの紹介ページには、リチウムイオンバッテリーの搭載位置や交換方法の記載が無い。リチウムイオンバッテリーのことは販売店に相談してほしい。
まとめ:購入前の確認リスト
- 車検証で車両型式を見る。型式の頭の字だけでは決まらない型式があり、DBA-HA36S は2社の表、5BA-HA36S はボッシュの表に K-42R と 38B19R の両方の行がある
- 3BA-HA37S は2社の表でアイドリングストップ車の K-42R、5AA-HA97S は GSユアサの表で K-42R、3BA-HA36S は2社の表で 38B19R、HBD-HA36V は GSユアサの表で 38B19R
- 今付いているバッテリー本体の型式表示で、サイズ・ランク・端子位置(R)を確かめる
- K-42R が付いている車は、アイドリングストップ車用の品から選ぶ
- 作業は、外すのをマイナスから、付けるのをプラスから
アルトのほかの交換部品の記事も置いておく。
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