通勤と買い物でアルトを毎日動かしていると、交差点での割り込みや後方からの接近に出くわす回数は思ったより多い。後付けのドライブレコーダー選びで実際に迷うのは、フロントガラスのどこに貼るかと、エンジンを止めたあとも録るかどうかの2点だ。市販の前後2カメラ品とスズキ純正ディーラーオプションでは、価格帯も録れる範囲も違う。まず自分のアルトの型式を確かめるところから順に押さえていく。
アルトに付ける5つの選択肢を先に並べる
走行中の前後だけ録れればよいなら、市販の前後2カメラ品で足りる。エンジンを止めたあとの駐車中まで残したいなら、購入先ごと切り替わる。駐車中に録るか録らないかが、価格帯を分ける最初の分岐になる。
| 選択肢 | カメラ | 駐車中の録画 | 価格 |
|---|---|---|---|
| 市販の前後2カメラ品(RAIDOU) | 前後2 | 機能なし | 9,870円 |
| 純正 単独タイプ 1カメラ | 前方1 | 対応 | 38,940円 |
| 純正 単独タイプ 2カメラ | 前後2 | 対応 | 50,600円 |
| 純正 ナビ連動 1カメラ | 前方1 | 対応 | 50,600円 |
| 純正 ナビ連動 2カメラ | 前後2 | 対応 | 72,600円 |
| 純正 ナビ連動 3カメラ | 前後・車内3 | 対応 | 103,400円 |
純正の価格はスズキ純正用品(ディーラーオプション)の案内に記載された金額で、市販品の価格はAmazonの実売価格を確認した時点のもの。実売価格は日々動くので、買う直前にもう一度見てほしい。走行中の記録を目的に工賃をかけず自分で付けたいなら、前後2カメラの市販品が最初の候補になる。
アルト HA36S 前後2カメラ ドライブレコーダー(RAIDOU)
車検証の型式欄でHA36SかHA37Sかを確かめる
商品ページの対応表記と自分の車が合っているかは、車検証の「型式」欄1か所で判断できる。アルトは2014年と2021年で世代が変わっており、この2世代のどちらに乗っているかで、商品名に書かれた型式との突き合わせ方が変わる。
8代目(HA36S / HA36V)
8代目アルトは2014年12月22日に発売された。乗用モデルの型式がHA36S、商用バンがHA36Vで、スズキのリコール届出情報では「DBA-HA36S」「HBD-HA36V」と表記されている。車検証の型式欄でもこの表記を確認できる。発売時のグレードは商用のVPと、乗用のF・L・S・Xの計5つだった。
現行の9代目(HA37S / HA97S)
9代目は2021年12月22日に発売された。ガソリン車が3BA-HA37S、マイルドハイブリッド車が5AA-HA97Sで、スズキが公開している新車価格表(2025年6月現在)にもこの型式でグレードが並ぶ。グレードはA・L・HYBRID S・HYBRID Xの4つで、AとLがR06A型、HYBRID S / HYBRID XがR06D型のエンジンを積む。
型式が分かったら、ほかの装備品を選ぶときも同じ手順が使える。
フロントガラスの貼り付け位置は先に測って決める
貼る場所は好みではなく決まりで範囲が決まっている。国土交通省が定める保安基準の細目告示のうち窓ガラスの条は、前面ガラスに貼り付けてよいものの一つとしてドライブレコーダーの前方用カメラを挙げている。
認められている範囲
同告示によれば、貼り付けられるのは、運転者席の運転者がV1点から前方を視認する際に室内後写鏡(ルームミラー)によって遮へいされる前面ガラスの範囲、または試験領域Bおよびそれを水平方向に拡大した領域以外の範囲。ただし、前面ガラスの上縁であって車両中心面と平行な面上のガラス開口部の実長の20%以内の範囲、または前面ガラスの下縁から同じ面上のガラス開口部より150mm以内の範囲に貼り付けた場合は、この限りでないと定められている。
この規定のうち、室内後写鏡の裏または上縁20%以内・下縁150mm以内を認める号は、専ら乗用の用に供する乗車定員10人未満の自動車と、貨物用で車両総重量3.5t以下の自動車に適用される。乗用のアルトはこの号に当たる。
貼る前にメジャーを当てる
外形寸法とガラス開口部の実寸を突き合わせて位置を決める。ルームミラーの裏に完全に隠れる大きさに収めるか、上縁からガラス開口部の実長の20%以内に収めるか、どちらかを貼る前に実測して確かめておく。両面テープで固定すると位置の作り直しが難しいので、仮置きして運転席から見え方を確認してから貼る。
商品名の車種表記は専用設計の保証ではない
商品名に「アルト」や「HA36S」と入っていても、中身が汎用品であることがある。実際、車種名を冠したルームミラー固定式のスマートフォンホルダーでは、販売元自身が商品ページで「本製品は汎用タイプとなります。商品タイトルの車種名は検索対象用となりますので予めサイズをご確認下さい」「取付位置周辺に運転支援のカメラ/センサー類/ドライブレコーダーなど干渉物がある場合取付不可」と書いている。
つまり判断すべきは専用設計かどうかではなく、取付位置に収まる寸法か、干渉するものがないかの2点だ。商品名に「アルトワークス」とあるものは対象範囲が異なる場合があるので、標準のアルトにそのまま使えるとは考えない。
現行アルトには衝突被害軽減ブレーキとして「デュアルセンサーブレーキサポートⅡ」が搭載されている。スズキが公開する安全性能の案内には、このセンサー類の設置位置やフロントガラスへの後付け機器の貼付に関する注意書きが載っていない。位置を推測して作業せず、ガラス上部に機器を貼る前に販売店で干渉の有無を聞いておく。
選ぶときに見る3つの軸
カメラ台数・駐車監視・記録メディアの3つで絞ると、候補は自然に減る。
カメラ台数
前方のみの1カメラは前方の記録に限られ、前後2カメラなら後方からの接近や追突も残せる。車内も撮る3カメラは同乗者とのやり取りまで記録できる。スズキ純正の構成でもこの台数差がそのまま価格差になっていて、1カメラと3カメラでは倍以上開く。まず「後方を録りたいか」で1カメラと2カメラを分けるのが起点になる。
駐車監視
スズキ純正ディーラーオプションのドライブレコーダーは、全構成が駐車時録画に対応している。一方、アクセサリーソケットからの給電だけで動く市販品は、エンジンを止めると給電が切れるため駐車中は録れない。ここで取り上げる車種名入りの前後2カメラ品も、販売元が「駐車監視:機能なし」と明記している。駐車中の当て逃げまで残したいなら、駐車監視に対応した製品を選ぶか、常時電源を取る配線を別に用意することになる。
記録メディア
SDカードは本体と別勘定で考える。書き込み回数に上限があるため使い続ければ消耗し、定期的な交換が要る。詳しい扱いは後の節でまとめる。
純正ディーラーオプションと市販品の価格差はどこから来るか
冒頭の表で並べた純正5構成は、いずれも常時・イベント・手動・駐車時録画に対応し、3カメラモデルにはさらに後方車両検知と駐車時監視が加わる。単独タイプの2カメラと市販の前後2カメラ品を比べると、カメラの台数は同じでも金額が大きく違う。差額の中身は、駐車中も録れること、販売店の保証と取り付けが付くことの2つだと考えると納得しやすい。
ナビ連動タイプは対応するナビが付いていることが前提になるので、自分のアルトの型式とナビの装着状況で選べる構成が変わる。純正側の案内にはアルト個別の適合可否や装着可否が書かれていないため、どの構成が付くかはスズキ販売店で確認してから決める。
走行中の記録が目的で、取り付けも自分でやるつもりなら市販品で用が足りる。駐車中まで任せたい、配線も含めて任せたいなら純正が向く。
用途別に選んだ3点
本体と、取り付けたあとに効いてくる周辺の2点を分けて挙げる。
前後2カメラの本体
アルト HA36S 前後2カメラ ドライブレコーダー(RAIDOU)
同梱内容は、ディスプレイ付きカメラ1台・後方カメラ1台・シガーチャージ電源1本(約3.5m)・ガラスマウント1個。ループ録画に対応し、日付と時刻のフローティングウォーターマークが入る。内蔵バッテリーは150mAhで、駐車監視は機能なしと販売元が明記している。MicroSDカードは付属しないので別途用意する。
購入前に織り込んでおきたい条件もある。販売元は商品ページで「取り扱い説明書は御座いませんので、ご了承下さい」「新品未使用品では御座いますが細かな傷、サビ、汚れがある場合がございます」と記載している。返品は発送日から10日以内に限り可能で、返送料は購入者負担。保証の対象は商品のみで、取り付け工賃や車両側の損害は対象外とされている。説明書なしで自分で付けられる人向けの構成という理解で選びたい。
ドラレコを避けられるサンシェード
ALEBANA アルト・キャロル用 傘式サンシェード(ドラレコ避けスリット付き)
ドラレコを貼ると、フロントガラス全面を覆う板状のサンシェードが使いにくくなる。この傘式は販売元がアルトとキャロルに合うサイズを用意したとしており、傘の上部にスリットが入っているためドライブレコーダーを避けて設置でき、車外の録画機能を保てると案内されている。柄が曲がるのでモニターを傷つけずに置け、6層のコーティングで遮光性を高めているとされる。価格は3,680円(確認時点のAmazon実売価格)。
搭載車エンブレム
Honami Works 新型アルト HA37S/HA97S ドライブレコーダー搭載車エンブレム
後続車に録画中だと分かるように貼る外装用のエンブレム。金属ヘアライン調アクリルに彫刻を施したもので、サイズは約W102mm・H33mm・厚さ1.5mm。屋外用の耐候性両面テープが貼り付け済みで、届いてすぐ取り付けられると案内されている。価格は2,700円(同じく確認時点)。現行のHA37S / HA97S向けの表記だ。
取り付けは位置決めから配線の順で進める
アクセサリーソケットから給電する前後2カメラ品を前提にした手順を挙げる。
- 車検証で型式を確認し、商品ページの対応型式と突き合わせる
- 前面ガラスのガラス開口部を実測し、ルームミラーの裏に収める位置か、上縁から実長20%以内に収まる位置かを決める
- 本体を仮置きして、運転席から視界を遮らないか確認する
- 貼り付け面の油分を脱脂してから固定する
- 電源コードをガラスの縁からピラー、ダッシュボード脇へと内張りの隙間に押し込みながらアクセサリーソケットまで通す
- 後方カメラを取り付け、配線を天井の縁に沿わせて前方へ戻す
- MicroSDカードを入れ、日時設定と録画開始を確認してから走り出す
同梱のシガーチャージ電源は約3.5mで、アクセサリーソケットからガラス上部まで内張りに沿わせる長さの目安になる。後方カメラ側の配線長は商品ページに記載がないため、天井やピラーを通す経路を先に決めてから手を動かす。MicroSDカードは付属しないので、販売元も「必ずご用意ください」と書いている。本体と同時に手配しておく。
この構成ではエンジンを止めると給電が切れる。停車後も録りたい場合はこの手順の延長では届かず、電源の取り方から別に考えることになる。
SDカードは1〜2年で入れ替える消耗品
ドライブレコーダーメーカーのコムテックは、SDカードについて「データの書き込み可能回数に上限があるなどの寿命がある消耗品のため、定期的な交換が必要となります」と案内し、交換の目安については「使用状況にもよりますが1年~2年で交換になる場合が多いです」としている。定期的なフォーマットで寿命を延ばせるとも説明されている。
買ったまま入れっぱなしにすると、いざというときに読めないという事態が起こりうる。年に一度はフォーマットし、カードの購入時期を控えておく。ドライブレコーダー用途に対応したカードを選ぶのも同じ理由からだ。
よくある質問
HA36SとHA37Sで選ぶドライブレコーダーは変わりますか
車種名や型式を冠した商品でも中身が汎用品のことがあるため、型式そのものより取付位置に収まる寸法かどうかで決まる場合が多い。ただし商品ページに対応型式の記載があるなら、車検証の型式欄と突き合わせてから買う。
室内ミラーの裏に貼れば問題ありませんか
細目告示は、室内後写鏡によって遮へいされる範囲を貼り付け可能な範囲の一つとして挙げている。ミラーの裏に完全に隠れる大きさかどうかは機器によるので、実寸を測って確かめる。
駐車中の当て逃げも録りたい場合はどうすればよいですか
アクセサリーソケット給電の市販品では停車後の給電が切れる。駐車監視に対応した製品を選ぶか、常時電源を取る配線を別に用意する。純正ディーラーオプションは全構成が駐車時録画に対応している。
スズキ純正と市販品ではどちらを選ぶべきですか
走行中の前後の記録が目的で自分で取り付けるなら市販品、駐車中の録画や販売店での取り付けまで含めたいなら純正が向く。純正側の案内にアルト個別の適合記載がないので、構成の選択は販売店で確認する。
まとめ:買う前に確認する4点
- 車検証の型式欄がHA36S / HA36VかHA37S / HA97Sか
- 前面ガラスのガラス開口部を測り、ミラーの裏か上縁20%以内に収まる位置があるか
- 駐車中も録りたいか(録りたいなら市販の前後2カメラ品では届かない)
- MicroSDカードを本体と一緒に手配したか
この4つが埋まれば、前後2カメラの市販品と純正ディーラーオプションのどちらを選ぶかは自然に決まる。今日やることを1つに絞るなら、まず車検証を出して型式欄を見るところからでいい。
この記事にはAmazonアソシエイトを含むアフィリエイト広告を含みます。

コメント