アルト荷室収納|HA37S/HA36S 奥行425mm活用術

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スーパーの駐車場でバックドアを開け、買い物カゴ2つぶんの荷物を前に、どれをどこへ置くか手が止まる。アルトの荷室ではよくある場面です。現行アルト(HA37S/HA97S)の荷室は、後席を立てた状態で床面の奥行が425mm、幅が905mm。この425mmという数字が、アルトの積み方を考えるときの出発点になります。後席を前へ倒せば奥行は1,225mmまで伸びますが、背もたれは左右一体で、しかも水平までは倒れません。寸法データ・純正で用意されている収納スペース・積む順番という3つの角度から、限られた荷室を使い切る道筋をたどります。

目次

アルトの荷室実寸と、公表されていない「容量」

数字を先に押さえておくと、グッズ選びも積み方の判断も速くなります。現行アルト(2021年12月フルモデルチェンジのHA37S/HA97S)の荷室まわりは次のとおりです。

項目 現行アルト(HA37S/HA97S)
荷室床面長(後席を立てた状態) 425mm
荷室床面長(後席格納時) 1,225mm
荷室床面幅 905mm
荷室高 760mm
荷室開口幅(最大) 975mm
荷室開口高 710mm
荷室開口部の地上高 660mm
室内長 1,960〜2,015mm
室内高 1,260mm
後席の可倒方式 左右一体可倒(分割不可)
床下収納 ラゲッジアンダーボックス(2WD/4WDで形状が異なる)
荷室容量(リットル表記) メーカー公表値なし

数値はスズキ公式サイトの室内空間ページと、公式諸元をもとにした自動車メディアの実測・スペック掲載値によります。

425mm×905mmに何が収まるか

後席を立てたままの荷室は、床面で奥行425mm・幅905mm・高さ760mmの箱だと考えます。幅は約90cmあるので横方向には余裕があり、詰まるのは常に奥行の425mmという配分です。スーパーのレジカゴ(おおむね奥行35cm前後)なら横に2つ並べて置ける一方、前後に2つ重ねて並べる余地はありません。荷物が増える日は、奥行ではなく高さ760mmの方向へ積み上げるか、後席の足元と座面を使うか、後席を倒すかの三択になります。425mmという奥行を頭に入れておくと、店頭で収納ボックスを選ぶときに「この箱は奥行が合わない」という判断がその場でつきます。

リットル表記の容量が公表されていない

アルトのスペック表では、荷室容量(リットル)の欄に数値が入らずハイフンのままになっています。ミニバンやSUVのように「◯◯L」で比較する手が使えないため、アルトの荷室はリットルではなく実寸で捉えるほかありません。カタログの容量値を探して見つからず戸惑うところですが、記載が無いだけで、床面長・床面幅・開口寸法は公表されています。アルトの積載計画は、容量ではなく425mm/905mm/760mmという3辺で立てるのが実際の手順になります。収納グッズの通販ページに書かれた「軽自動車対応」という文言よりも、商品ページの外寸をこの3辺と突き合わせるほうが失敗しません。

先代HA36Sとの違いは開口部に出る

中古のアルトを検討している場合や、先代から乗り替えた場合は、荷室の使い勝手が変わった箇所を押さえておくと戸惑いが減ります。床面の広さはほぼ据え置きで、差が出たのは開口部です。

項目 先代HA36S(2014年12月〜) 現行HA37S/HA97S(2021年12月〜)
荷室開口幅(最大) 1,065mm 975mm(−90mm)
荷室開口高 690mm 710mm(+20mm)
荷室開口部の地上高 690mm 660mm(−30mm)
荷室床面幅 905mm 905mm(変更なし)
荷室床面長(後席使用時) 420mm 425mm(+5mm)
荷室床面長(後席格納時) 1,220mm 1,225mm(+5mm)

開口幅は先代のほうが90mm広い

床面の寸法はほぼ同じでも、荷物を通す入り口の幅は先代HA36Sの1,065mmに対して現行が975mmと、90mm狭くなりました。幅の広い箱物や、横長のベビーカーを寝かせて入れる場面では、この90mmの差が引っかかりとして出ます。現行アルトで荷物が開口部に当たるときは、無理に押し込まず、いったん斜めにしてから床面へ下ろすと通ります。荷室の床面幅は905mmで開口幅975mmより狭いため、開口を通ってしまえば床では収まるという関係になっている点も覚えておくと、積み込みの迷いが減ります。

現行は床が30mm低く、開口が20mm高い

一方で現行アルトは、開口部の地上高が690mmから660mmへと30mm下がり、開口高は690mmから710mmへと20mm広がりました。地上から荷室の床までが低くなったぶん、米袋やケース飲料のような重量物を持ち上げる高さが減り、腰への負担が軽くなります。開口高が増えたことで、背の高い箱を立てたまま出し入れする動きにも余裕が生まれました。開口幅では先代に譲り、持ち上げ高さと開口高では現行が有利という、荷物の形によって評価が入れ替わる関係です。買い物と通勤が中心で重い物を積む機会が多いなら現行の660mmが効き、大きな平面物を運ぶ機会が多いなら先代の1,065mmが効きます。

後席一体可倒という制約を先に受け入れる

アルトの荷室でいちばん効いてくるのは、寸法よりも後席の構造です。ここを知らずに積み始めると、途中で積み直しが発生します。

分割可倒がないので「人か荷物か」の二択になる

アルトの後席は左右一体可倒で、6:4や5:5のような分割可倒には対応していません。片側だけ倒して残り半分に人を乗せるという使い分けができず、後席を倒す=後席に人を乗せられなくなるという関係になります。長尺物を積む日は乗車人数を2名までに絞る、逆に4人で出かける日は荷室425mmの中で完結させる、という前提を出発時に決めておきます。「とりあえず片側だけ倒しておく」という逃げ道が無いぶん、荷物と人のどちらを優先するかを積み込み前に決める必要があり、この判断を後回しにすると駐車場で荷物を出し入れし直すことになります。家族4人で出かけて荷物も多い日は、屋根の上へ逃がす手段を検討する場面です。

倒しても水平にならない——傾斜と段差が残る

後席の背もたれを前へ倒しても、床と一続きの水平面にはなりません。背もたれは斜めの位置で止まり、荷室の床面と背もたれ上面のあいだには段差が残ります。この傾斜は、丸い物・転がる物・キャスター付きの荷物とは相性が悪く、走り出すと荷物が後方の荷室側へ滑り落ちてきます。1,225mmという奥行を使う日は、倒した背もたれの上に硬い板やコンテナの底面を渡して、傾斜を平らに均してから積むと積載の安定感が変わります。ホームセンターで買えるコンパネや、市販のフラットキットを1枚挟むだけでも、荷物の滑りは目に見えて減ります。段差の高さぶんだけ荷室の有効高は下がるので、天井までの余裕を見ながら板の厚みを選びます。

純正の収納スペースを取りこぼさない

後付けのグッズを買い足す前に、車体側に用意されているスペースを使い切るほうが先です。アルトは軽自動車のなかでも小物置き場が細かく設けられています。

ラゲッジアンダーボックス——2WDと4WDで形が違う

アルトの荷室の床下には、仕切りを備えたラゲッジアンダーボックスがあります。スズキ公式の室内空間ページにも収納装備として掲載されており、普段は使わない物を床下へ沈めておけます。注意したいのは、このアンダーボックスは2WDと4WDでサイズと形状が異なり、2WD仕様のほうが広いという点です。4WDはプロペラシャフトや後輪側の駆動系が床下を通るぶん、収納の容積が削られます。中古車を見に行く際や収納ボックスを買い足す前に、実車の床板を持ち上げて自分の個体の形を確かめておくと、届いた箱が入らないという失敗を避けられます。牽引フックや車載工具、パンク修理キットの置き場でもあるため、それらを移動させる場合は取り出しやすさを損なわない位置に留めます。

ショッピングフックは耐荷重1kg

インパネにはショッピングフックが備わりますが、公式に示された耐荷重は1kgです。レジ袋を掛ける場所として想定されたもので、飲料のペットボトルを何本も入れた袋を掛ける使い方には耐えません。1kgという数字は「パンや惣菜のような軽い袋のための場所」と読み替えるのが正確な理解です。重い買い物袋は荷室の床へ置き、走行中に転がらないよう壁側へ寄せます。荷室に袋を立てて運びたいときは、床に敷くタイプの滑り止めマットや、袋ごと収まる浅型のコンテナを使うほうが、フックに無理な荷重を掛けるより安全に運べます。バックドアにはインサイドグリップが付いており、開けたゲートを引き下ろす動作は手を伸ばしやすくなっています。

室内側の小物スペースで荷室を空ける

アルトにはインパネドリンクホルダー(運転席・助手席)、助手席側のインパネトレー、グローブボックス、インパネセンターポケット、センターロアポケット、フロアコンソールトレー、フロントドアポケット、後席用のコンソールドリンクホルダーが備わります。ティッシュ・小型の傘・充電ケーブル・車検証入れといった常時携行品を室内側の各ポケットへ割り振っておくと、荷室の425mmを丸ごと荷物のために空けられます。荷室に小物が散らばっている状態は、面積を細かく削るだけでなく、大きな荷物を積むたびに脇へ避ける手間を生みます。室内の定位置を先に決めるのが、荷室を広く使うための下準備になります。

荷室を3つの層に分けて積む

425mmという奥行を平面としてだけ見ると、すぐに埋まります。床下・床上・上方という3層で捉え直すと、同じ荷室から引き出せる容量が変わります。

床下層——使う頻度の低い物を沈める

ラゲッジアンダーボックスは、月に一度も出さない物の置き場です。ブースターケーブル、けん引ロープ、薄手のレインウェア、ウエス、軍手といった「あると助かるが普段は触らない」道具をここへ沈めます。床下へ移すぶん床上の平面が空くので、実質的な奥行425mmを買い物や日常の荷物のために使い切れます。仕切りがあるので、小物を放り込むと走行中に暴れて音が出ることがあります。ジッパー付きの袋やソフトケースに小分けしてから収めると、静かで取り出しも早くなります。

床上層——箱で425mmを区切る

床上は、荷室のなかで最も出し入れが多い層です。ここは深さのある大きな箱を1つ置くより、奥行40cm弱に収まる浅型のコンテナを2つ並べて、用途で区切るほうが機能します。片方を買い物用の空箱として常時空けておき、もう片方を洗車用品や日用品の固定枠にする分け方です。折りたたみコンテナなら、荷物が多い日はたたんで床面を明け渡せます。荷室の床は樹脂やカーペットで滑るため、箱の底面に滑り止めシートを貼るか、荷室全体に滑り止めマットを敷いて箱の移動を止めます。

上方層——天井と背面を使う

床が埋まっても、荷室高760mmという縦方向には余白が残ります。天井側にカーゴネットやルーフネットを張れば、衣類・寝袋・タオル・帽子のような軽くてかさばる物を空中へ逃がせます。重い物を天井へ載せるのは走行安定性の面で避け、軽量物に限るのが原則です。後席の背面にシートバックポケットを追加すれば、後席を立てたまま小物を縦方向に収められます。屋根の上まで使う段になれば、ルーフキャリアという選択肢もあります。ルーフに架装する場合はベースの取り付け位置と車体の保護を先に確認しておきます。

用途別の積み方

同じ荷室でも、何を運ぶかで最適な形は変わります。頻度の高い3つの場面に分けて考えます。

日常の買い物

レジカゴがそのまま収まる浅型のコンテナを荷室に固定しておくと、袋詰めの手間そのものを省けます。奥行425mmの床面には、レジカゴ相当の箱を横向きに2つ並べられます。卵や豆腐のような潰れやすい物は、箱のなかで壁際に寄せて動きを止めます。冷凍品を運ぶ日は保冷バッグを箱ごと入れ、床下のアンダーボックスへは入れません(出し入れの動線が長くなるため)。買い物袋をショッピングフックへ掛けるのは1kgまでという線を守り、それを超える袋は床へ置きます。

通勤と仕事道具

工具箱や書類ケースを常時積むなら、荷室の左右どちらかに寄せて固定枠を作り、残りを空きスペースとして確保します。全面を道具で埋めると、急な荷物が積めなくなります。重い工具箱は床面の奥(後席寄り)へ置くと、加減速で前後に動く距離が短くなり、バックドアを開けたときに滑り出てくる事故も防げます。床が滑るので、箱の下に滑り止めを敷くか、荷室のフックとベルトで縛ります。

レジャー・帰省で後席を倒す日

後席を倒して1,225mmを使う日は、傾斜を均す板を先に敷いてから積み始めます。段差の上に直接荷物を載せると、走行中に後方へ滑って荷室のドア側へ寄り、開けた瞬間に落ちてきます。重い荷物は前寄り(後席を倒した位置の前方)に、軽い物を後方へ置くと重心が安定します。人数が4人になる帰省では後席を倒せないため、荷物は425mmの範囲と天井側、そして屋根の上で吸収する計画に切り替えます。

荷室の弱みを設計で潰す

アルトの荷室には、傾斜・汚れ・開口幅という3つの弱みがあります。それぞれに手当てを当てておくと、狭さ以上の使いにくさは消えます。

傾斜による荷崩れを止める

後席格納時の傾斜は、アルトの荷室で最も荷崩れを招く要因です。板を渡して平らにする以外に、荷室のフックへカーゴネットやラゲッジベルトを掛けて荷物を縛る方法も効きます。ネットは荷物の形が毎回変わる日常使いに合い、ベルトは形の決まった箱を積む日に合います。走り出す前に荷室を一度揺すってみて、動く物が残っていないかを確かめる習慣にしておくと、取りこぼしがありません。

汚れと水濡れから床を守る

荷室の床は純正のままだと、濡れた傘・土の付いた靴・こぼれた飲料に弱い面です。縁が立ち上がったトレータイプの防水ラゲッジマットを敷けば、水や泥が床のカーペットへ染みず、拭き取るだけで復旧できます。マットを選ぶときは、HA36S用とHA37S用で形状が異なる点に注意します。年式と型式を確かめてから注文すると、届いてから合わないという事態を避けられます。

開口幅975mmに合わせてグッズを選ぶ

収納ボックスやコンテナを買うときは、床面の425mm×905mmだけでなく、開口幅975mmと開口高710mmを通せる外寸かどうかを先に確かめます。床に収まる寸法でも、開口部を通らなければ意味がありません。組み立て式の棚やDIYの木枠を荷室内で使う場合は、車内で組める構造にするか、開口部を通るサイズに分割できる設計にしておきます。先代HA36Sから乗り替えた場合、以前は通っていた箱が現行では通らないことがあるのは、開口幅が90mm狭くなったためです。

よくある質問

アルトの荷室容量は何リットルですか

メーカーはアルトの荷室容量をリットルで公表していません。スペック表の荷室容量欄はハイフンのままです。代わりに床面長425mm(後席使用時)/1,225mm(後席格納時)、床面幅905mm、荷室高760mmという実寸が示されているため、容量ではなくこの3辺で積載を判断します。

後席を片側だけ倒せますか

できません。アルトの後席は左右一体可倒で、6:4や5:5の分割可倒に対応していません。片側を倒して残りに人を乗せる使い方は成立せず、後席を倒すと後席には人を乗せられなくなります。長尺物を積む日は乗車人数を絞る前提で予定を組みます。

後席を倒すと荷室はフラットになりますか

フラットにはなりません。背もたれは水平まで倒れず斜めの位置で止まり、荷室の床面と背もたれ上面のあいだには段差が残ります。1,225mmの奥行を活かすには、倒した背もたれの上に板やコンテナを渡して傾斜を均す手当てが要ります。

先代HA36Sと現行アルト、荷室が使いやすいのはどちらですか

荷物の形によって入れ替わります。床面の広さはほぼ同じ(先代420mm/現行425mm、幅は905mmで共通)ですが、開口幅は先代が1,065mm、現行が975mmで先代のほうが90mm広く、大きな平面物を通す場面では先代が有利です。一方、現行は開口部の地上高が660mmと先代の690mmより30mm低く、開口高も710mmと20mm広いため、重い物の積み下ろしと背の高い箱の出し入れでは現行が楽になります。

アルトの荷室で車中泊はできますか

後席を倒した奥行は1,225mmで、大人が脚を伸ばして寝るには足りません。背もたれの傾斜も残るため、荷室だけで寝床を作るのは無理があります。助手席を前へ倒して足元まで使う、前席側へ体を伸ばすといったレイアウトの工夫が要る車です。段差と傾斜を埋めるマットやクッションの併用が前提になります。

まとめ

アルトの荷室は、後席を立てた状態で奥行425mm・幅905mm・高さ760mm。リットル表記の容量は公表されておらず、この3辺の実寸で積載を組み立てる車です。後席を倒せば奥行は1,225mmまで伸びますが、背もたれは左右一体で分割できず、倒しても水平にならず傾斜と段差が残ります。この2つの制約を先に受け入れて、板で傾斜を均す・積む前に人と荷物のどちらを取るか決める、という手順を踏むと積み直しが消えます。純正側では、2WDと4WDで形の異なるラゲッジアンダーボックスに使用頻度の低い道具を沈め、耐荷重1kgのショッピングフックは軽い袋に限って使い、室内の各ポケットへ常時携行品を割り振ると、425mmを丸ごと荷物のために空けられます。積み方は床下・床上・上方の3層で捉え、床上は奥行40cm弱の浅型コンテナ2つで区切ると出し入れが速くなります。収納グッズを買うときは床面の寸法だけでなく、開口幅975mm・開口高710mmを通る外寸かどうかを先に確認します。先代HA36Sは開口幅1,065mmと90mm広く、現行は床が30mm低い。この違いを知っておくと、乗り替え後の戸惑いも小さくなります。

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この記事を書いた人

車種別パーツ適合情報サイト「パーツ選び.com」の編集部。タイヤサイズ・エンジンオイル量・ワイパー適合・フィルター型番など、2,400本以上の記事と全80車種対応の早見表を公開中。適合値はメーカー公式の諸元・取扱説明書や部品メーカーの公式適合表で確認したものを優先し、確認できない数値は載せない方針で運営しています。

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