アルトのサンシェード選びは、車検証の型式欄を見た時点でほぼ決まる。HA36S か HA36V なら8代目、HA37S か HA97S なら9代目で、専用設計品はそれぞれ別々に売られている。片方の世代に合わせて型を取ったものが、もう片方にも収まるとは限らない。型式が確定したあとに残る判断は、畳んで袋に入れる折りたたみ式か、吸盤で留める傘式かの2択だけだ。
アルト用サンシェード4製品の早見表
いま入手できる車種専用設計品を、適合欄の表記と構造で並べる。上2つが8代目(HA36S)向け、下2つが9代目(HA37S / HA97S)向けで、この線を越えた流用はどの製品も適合欄で認めていない。
| 製品 | 適合欄の表記 | 広げ方 | 畳んだ形 |
|---|---|---|---|
| SAWAKAKI | アルト HA36S | 折りたたみ | 収納袋に入る平たい形 |
| KOKATO | アルト HA36S | 折りたたみ(サンバイザーで固定) | 収納ポーチに入る平たい形 |
| BLUESEATEC | アルト HA37S / HA97S 型(2021年12月〜現行・9代目) | 折りたたみ(形状記憶合金フレーム) | 丸めて収納袋 |
| GAFAT | アルト 9代目 HA37S/HA97S 型 2021年モデル〜現行 | 傘式(吸盤留め) | 閉じると細長い棒状 |
適合欄の表記は各商品ページのもので、書き方の粒度も出品者ごとに違う。詳しい中身は下の製品ごとの節で扱う。
8代目と9代目は型式の記号で分かれる
8代目アルトは2014年12月22日発売。スズキの製品ニュース(2014年12月22日)によると、新開発のプラットフォームを初採用して60kgの軽量化を達成し、JC08モードで37.0km/Lの燃費、レーダーブレーキサポートなどを搭載したモデルとして登場した。ただしこのニュース本文に型式記号そのものは載っていない。
型式が分かるのはリコール情報の側だ。スズキが公表しているリコール情報では、通称名「アルト」の型式として「DBA-HA36S」「HBD-HA36V」が並記され、車台番号も HA36S-103176〜、HA36V-110188〜 と型式記号を先頭に置いた形で示されている。乗用が HA36S、バンが HA36V という分かれ方で、車検証の型式欄に印字されるのもこの形。
9代目は2021年12月10日発表、2021年12月22日発売。スズキのニュースリリース(2021年12月10日)によると内外装を一新し、R06A型エンジン(グレードA、L)と、R06D型エンジン+マイルドハイブリッド(グレードHYBRID S、HYBRID X)の2本立てになった。こちらもリリース本文に型式記号はなく、スズキが公表しているリコール情報に「3BA-HA37S」「5AA-HA97S」が並記されている。5AA- で始まる HA97S がマイルドハイブリッドを積む側で、同じ9代目でも車検証の型式欄は2つに分かれる。
型式で部品が分かれるのはサンシェードに限った話ではない。
商品ページの適合欄はどこを読むか
順番は決まっていて、車検証の「型式」欄を確認するのが先、商品ページを開くのは後だ。年式のうろ覚えや見た目で決めると、8代目の後期と9代目の初期のように発売時期が近い組み合わせで取り違える。型式さえ手元にあれば、あとは商品ページ側の3点を読めば足りる。
1つ目は、適合欄が自分の型式を挙げているかどうか。2つ目は、それが単独の記載か、世代をまたいだ一括の記載か。実際、ある製品は「スズキ アルト HA36S HA37S HA97S 2014~専用」と3型式を一括で掲げ、別の製品は「スズキ・アルト 9代目 HA37S/HA97S型 2021年モデル~現行」と世代を限定している。3つ目は、商品名と適合欄が食い違っていないか。商品名に「アルトha36s」の語を含みながら、適合欄は「スズキ アルト 9代目 HA37S/97S型 (2021~現行)」だけという製品も実在する。商品名に並ぶ語は検索対策で入っていることがあるので、判断材料にするのは適合欄の側だと考えておく。
もう1点、アルトには乗用のほかにバン(HA36V)があり、8代目の時期にはアルト ワークスやアルト ターボRSも売られていた。サンシェード側も「アルト HA36S」用と「アルトワークス HA36S」用が別商品として並ぶことがある。同じ HA36S でも商品ページが分かれているなら、自分の車の呼び名に合う側を選ぶ。
サンシェードで抑えられるものと、抑えられないもの
JAF のユーザーテスト「真夏の車内温度」では、2012年8月22日・23日に埼玉県戸田市の駐車場で、晴れ・気温35度の環境で正午から4時間の測定が行われた。公表されている条件別の値は次のとおり。
| 条件 | 車内最高 | 車内平均 | ダッシュボード最高 |
|---|---|---|---|
| 対策なし(黒) | 57℃ | 51℃ | 79℃ |
| 対策なし(白) | 52℃ | 47℃ | 74℃ |
| サンシェード装着 | 50℃ | 45℃ | 52℃ |
| 窓開け3cm | 45℃ | 42℃ | 75℃ |
| エアコン作動 | 27℃ | 26℃ | 61℃ |
このテストの車両はミニバン5台で、軽自動車で測った値ではない。数字の並びを見ると、直射日光が当たるダッシュボードの列と、車内の空気の列とで出方が違う。一方でJAF自身は同じテストで、サンシェード対策や窓開け対策をしていても温度抑制効果は低く、人や動物が耐えられない温度となり、車内温度の上昇を防ぐことはできないと結論している。
だからサンシェードの位置づけはこうなる。内装に直射日光が当たるのをさえぎる道具であって、車内を涼しく保つ道具ではない。乗り込む前の換気やエアコンが要らなくなるわけではない。
比べる軸は4つある
適合世代
最初の絞り込みがここで、外すと他の軸は意味を持たない。アルト用は「8代目向け」「9代目向け」「両世代を一括でうたうもの」の3通りに分かれる。一括でうたう製品は、世代ごとに窓の形が違う以上、どちらかに寄せた形状である可能性が残る。
固定方式
出ている方式は2つ。折りたたんだ生地をサンバイザーで挟む形(ルームミラーの裏で位置を決めるものを含む)と、傘のように骨で広げて先端の吸盤でガラスに留める形だ。着脱の手数と、外したあとの置き場所の形が変わるのがこの軸の実質になる。
素材の層構成と、数値の扱い
アルミ合金やチタンシルバーのコーティング層、ポリウレタンの断熱層といった構成は、どの製品も説明に書いている。ただし「紫外線カット率99.99%」「UVカット率99%以上」といった数値はすべて出品者の表記で、同じ条件で測って比べた第三者のデータではない。商品説明のなかには「車内の温度感が10℃も低下します」と書くものもあるが、測定条件が示されておらず検証もできない。層の構成は紹介するが、数値の大小で優劣は付けない。
畳んだときの形と置き場所
アルトは軽自動車で車内の収納スペースが限られる。折りたたみ式は袋に入れて平たくなるのでドアポケットやシート背面に差し込みやすく、傘式は閉じると細長い棒状になるので、後席足元や荷室のすき間に立てて置く形になる。どちらが良いかではなく、自分の車の空き場所の形に合うほうを選ぶ。
8代目(HA36S)向けの2製品
どちらも折りたたみ式で袋に収まる。差が出るのは固定方法の記載の有無と、素材の層の書き方だ。なお、バンやアルト ワークスに乗っているなら、この2製品の適合欄はどちらも乗用の HA36S だけを挙げている点に注意する。
SAWAKAKI アルト HA36S 専用設計 サンシェード
商品ページの表記では、適合は「対応機種:アルト HA36S。※年式とモデルをご確認頂いた上、お買い求めください。」と8代目の乗用型式だけ。素材は高品質アルミ合金コーティングとポリウレタン断熱材の組み合わせで、収納袋が付属し折り畳んで収納できるとしている。固定方式についての記載は商品説明に見当たらないので、サンバイザーで挟む前提で使えるかどうかは、届いてから現物で判断することになる。
SAWAKAKI アルト HA36S 専用設計 サンシェード フロントガラス用(折りたたみ・収納袋付き)
KOKATO アルト HA36S 車種専用設計 サンシェード
適合は「アルト HA36Sに適合します。」で、こちらも8代目の乗用型式だけ。商品ページの表記では、高密度生地に多数層のチタンシルバーコーティングを施し紫外線カット率が99.99%に達したとされ、固定は「サンバイザーで固定することができるのでルームミラーの後ろにしっかりと固定できる」と説明されている。収納ポーチ付き。固定のしかたが説明に書かれている分、届いてからの読みが立てやすいのはこちら側だ。
KOKATO アルト HA36S 車種専用設計 サンシェード(サンバイザー固定・収納ポーチ付き)
9代目(HA37S / HA97S)向けの2製品
9代目の2型式を適合欄に明記しているのがこの2つで、折りたたみ式と傘式に分かれる。構造が違うので、比べるのは性能ではなく着脱の手数と畳んだ形になる。
BLUESEATEC アルト HA37S / HA97S 用 サンシェード
商品ページの表記では、適合は「スズキ アルト HA37S / HA97S 型(2021年12月~現行・9代目)専用に開発」。実車から精密に型取りした専用設計、UVカット率99%以上、高弾性形状記憶合金フレームでパッと広がりくるっと丸めるだけで折り畳める、専用の収納袋付き、といった説明が並ぶ。数値も性能表現も出品者の表記だが、フレームで形が保たれる分、広げる動作は片手で済む方式にあたる。
BLUESEATEC アルト HA37S/HA97S 9代目 サンシェード フロントガラス用(形状記憶合金フレーム)
GAFAT アルト専用 傘式サンシェード
適合は「スズキ・アルト 9代目 HA37S/HA97S型 2021年モデル~現行」。10本の軽量で強靭な純ガラス繊維製傘骨を使い、ワンタッチ自動回収設計で押すだけで約3秒で広がるという構造で、柄は柔軟シリコン製の棒なしプルリング式。傘先には2.5kgまでの吸着力と200℃の高温に耐えるシリコーン製の吸盤が付き、上部にはバックミラー専用の開口部が設けられている。収納袋が付属する。
傘式で気になるのは、骨や中棒がダッシュボード側へ張り出して内装や機器に当たることだ。この製品は中棒を持たない引き紐式にして、骨組みが干渉したりドライブレコーダー・カーナビ・周辺内装を傷つけるリスクを大幅に低減した、と説明している。裏を返せばこの配慮のない傘式では干渉が起こりうるということで、ダッシュボード上に機器を置いているなら、説明文のこの部分を読んでから選ぶ。
GAFAT アルト専用 傘式サンシェード HA37S/HA97S型(棒なし引き紐式・10本骨)
折りたたみ式と傘式、アルトではどちらを選ぶか
9代目に乗っていて2方式から選べる立場なら、判断は使用頻度と置き場所で切るのが早い。毎日の通勤で朝夕に着脱するなら、押すだけで広がる傘式のほうが手数が少ない。週末しか使わず、ふだんは車内から追い出しておきたいなら、平たい袋に収まる折りたたみ式のほうが収まりが良い。
置き場所も具体的に想像しておく。折りたたみ式はドアポケットやシート背面、傘式は後席足元か荷室のすき間が現実的な定位置になる。アルトは荷室も後席足元も広くはないので、棒状のものを立てて置く場所が本当にあるかは先に見ておいたほうがいい。荷室の使い方を詰めるなら
も参考になる。
なお、どちらの方式でもドライブレコーダーやフロントガラス上部のセンサー類が付いている車では、骨や吸盤がそれらに当たらないかを商品説明の記載で確認しておく。専用設計品なので、窓の採寸そのものは要らない。
走り出す前に外す装備として扱う
国土交通省が示している不正改造の具体例では、前面ガラスや側面ガラス(運転者席より後方の部分を除く)に装飾板を装着した状態での可視光線透過率は70%未満のものは不可とされ、対象は被牽引自動車以外のすべての自動車とされている。運転席・助手席の窓に貼る着色フィルムも同じ70%の扱いで、運転者席より後方の部分だけがこの基準の対象から外れる。
遮光する生地や板は光をほとんど通さないので、フロントガラス用サンシェードは駐車しているあいだに使い、走り出す前に外して収納する装備になる。外したものを湿ったまま袋へ押し込むと生地が傷むので、雨や結露で濡れた日は広げて乾かしてからしまう。窓まわりの装備をまとめて見直すなら
も参考にしてほしい。
よくある質問
HA36S 用を HA37S に使えるか
判断できない、というのが答えになる。8代目と9代目はフルモデルチェンジをはさんだ別世代で、専用設計品は片方の世代に合わせて型を取っている。出品者が適合欄で両方を明記していない限り、収まるかどうかは買った人が確かめるしかない。逆に、適合欄が世代をまたいで一括で書かれている製品なら、その表記を承知したうえで選ぶことになる。
サンシェードで車内は涼しくなるのか
JAF は先のテストで、サンシェード対策をしていても温度抑制効果は低く車内温度の上昇を防ぐことはできないと結論している。期待していいのは内装への直射日光をさえぎることまでで、乗り込んだ瞬間の暑さが消えるわけではない。
走行中も付けたままにできるか
前面ガラスは装着物がある状態で可視光線透過率70%以上という条件がかかるので、遮光生地を付けたままの走行は想定されていない。駐車中の装備として使う。
汎用品と車種専用設計は何が違うのか
汎用品は複数の車種に当てるためサイズが幅を持っていて、アルトのように窓の形が決まった車では隅に隙間が残りやすい。車種専用設計は型式ごとに形を切っているので、その隙間が出にくく、購入前に窓を測る必要もない。代わりに世代をまたいだ流用が効かなくなる。同じスズキの軽でも車種が違えば専用品も別になる点は、
と見比べると分かりやすい。
まとめ
分岐は最初から最後まで型式1つだ。車検証の型式欄が HA36S なら SAWAKAKI か KOKATO、HA37S か HA97S なら BLUESEATEC か GAFAT。9代目で2方式から選ぶなら、毎日着脱するかどうかと、棒状のものを置く場所があるかどうかで決める。候補を1つに絞ったら、最後に商品ページの適合欄をもう一度開いて、自分の型式がそこに書かれていることを確かめてから注文する。
期待値も置き直しておく。サンシェードは内装に直射日光が当たるのを防ぐ道具で、車内を涼しく保つ道具ではない。それでもダッシュボードやハンドルが日に焼かれ続ける状態は避けられる。積み込む場所を先に決めておくと、買ったあとで持て余さずに済む。
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