屋根のない駐車場に毎日長時間止めるなら、サンシェード選びで先に決まるのは遮熱の数値ではなく、覆う範囲と固定方式の2つだ。ダッシュボードとハンドル周りの直射日光を避けたいだけならフロント1枚で足り、後席の目隠しまで求めるなら複数枚のセットになる。そのうえで HE33S は2025年8月に新車の型式が切り替わった車なので、商品ページの適合表記をどう読むかを先に押さえておくと買い間違いが減る。
用途で分かれる4製品の向き先
まず結論だけ渡す。フロント1枚か全窓セットかを決めれば、候補は自動的に絞れる。
| 製品 | 覆う範囲 | 固定方式 | 向いている使い方 |
|---|---|---|---|
| ruiya HE33S 専用 | フロント1枚 | サンバイザーで挟む | 毎日出し入れして手早く済ませたい |
| Coleya HE33S 専用 | フロント1枚 | ルームミラー固定+バイザー | 上端のずれを抑えたい |
| BIXUAN HE33S/HE93S型 | フロント1枚 | ガラスに沿わせてセット | 適合表記に新型式の併記があるものを選びたい |
| 趣味職人 シームレスライト | 6枚(フロント・前後ドア・リア) | 簡易吸盤 | 後席の目隠しや車中泊まで考える |
通勤と買い物で毎日使うならフロント1枚のどれか、後席まで隠す用途があるときだけ6枚セット、という順で考えれば迷わない。
HE33S は2015年6月から2025年8月までの型式
スズキのニュースリリース(2015年6月3日)によると、3代目アルトラパンは2015年6月3日発売で、レーダーブレーキサポートや誤発進抑制機能を全車に標準装備している。ただしリリース本文に型式記号そのものの記載はなく、HE33S という記号は車検証やカタログ側の表記による。
2022年6月17日には一部仕様変更とあわせてアルトラパン LC が発売された。LC は別世代ではなく、同じ世代に加わった派生モデルだ。
さらにスズキのニュースリリース(2025年7月24日)によると、8月25日発売の一部仕様変更でR06D型エンジンとマイルドハイブリッドが新採用され、フロントグリルとフロントバンパーの意匠が変わった。フルモデルチェンジではない。型式別カタログではこれ以降の新車が 5AA-HE93S として掲載されている。HE33S は2015年6月から2025年8月まで新車で売られた型式で、それより後の新車は別の型式になる。
適合表記はこの3点を読む
1. 車検証の型式欄を先に見る
買う前に車検証の「型式」欄で HE33S かどうかを確かめる。HE33S 用として売られている製品が新しい型式にもそのまま合うかどうかは、メーカーが適合表記で明記していない限り判断できない。LC に乗っている場合も、同じように型式欄の記号で判断する。
2. 年式表記が販売期間と合っているか
適合表記は出品者ごとに食い違っている。実例として「3代目 HE33S型(2015.6〜現行)」「3代目 HE33S/HE93S型(2015年〜)」「HE33S(2015〜)」「HE33S(2014〜2022)」という4通りの書き方がある。HE33S の新車販売期間は2015年6月から2025年8月なので、2014年開始や2022年終了という表記は実車と合っていない。年式が自分の初度登録年とずれていたら、型式記号の一致を優先し、判断できなければ出品者に問い合わせる。
3. 装備を条件にした注記がないか
適合表記に装備条件が付くことがある。趣味職人のシームレスライトは「※『レーダーブレーキサポート装着車』以外の場合、フロントガラス上部の中央に隙間ができます。」と明記している。HE33S はガラス上部中央にセンサー類が付く車なので、自分の装備を確認してから選ぶ。
サンシェードで抑えられるもの、抑えられないもの
JAF のユーザーテスト「真夏の車内温度」では、2012年8月22日・23日に埼玉県戸田市の駐車場で、ミニバン5台を使い、気温35度の環境で正午から4時間測定した条件別の値が公表されている。
| 条件 | 車内最高 | 車内平均 | ダッシュボード最高 |
|---|---|---|---|
| 対策なし(黒) | 57℃ | 51℃ | 79℃ |
| 対策なし(白) | 52℃ | 47℃ | 74℃ |
| サンシェード装着 | 50℃ | 45℃ | 52℃ |
| 窓開け3cm | 45℃ | 42℃ | 75℃ |
| エアコン作動 | 27℃ | 26℃ | 61℃ |
サンシェードを装着した車両のボディカラーは公表資料の本文に明記がないため、対策なしのどちらと比べた差なのかは確定できない。JAF 自身も同テストの結びで「サンシェード対策や窓開け対策をしていても温度抑制効果は低く、人や動物が耐えられない温度となり、車内温度の上昇を防ぐことはできない」と述べ、エアコン停止から15分で熱中症指数が危険レベルに達したとも報告している。車内の空気を涼しくする道具ではなく、直射日光が当たる面の温度上昇と内装の日焼けを抑える道具として考える。
比べるのはこの4軸
| 軸 | 見るところ |
|---|---|
| カバー範囲 | フロント1枚か、前後ドア・リアを含む複数枚セットか |
| 固定方式 | 吸盤/バイザー挟み込み/ルームミラー固定の併用 |
| 素材の層構造 | 反射層・断熱層・裏側の遮光層をどう重ねているか |
| 収納形状 | ワイヤーでねじる円形/形状記憶合金/板状に折る |
固定方式は使い勝手に直結する。バイザー挟み込みは着脱が速く毎日出し入れする人向き、ミラー固定を併用するタイプは上端の位置が決まるのでずれ落ちにくい。吸盤は枚数の多いセット品で使われ、位置の自由度がある代わりに数が増えるほど着脱に時間がかかる。
層構造の表記はいずれもメーカーの自社表記で、第三者が同一条件で測って比べた遮熱性能の数値ではない。製品の作りを知る手がかりとして読み、性能の順位づけには使わない。収納形状は軽自動車では効いてくる軸で、置き場所はドアポケット・グローブボックス・助手席足元・荷室のどれかになりがちだ。
フロントガラス用の3製品を比べる
ruiya HE33S 専用(バイザー挟み込み)
商品ページの適用車種は「スズキ ラパン アルトラパン 3代目 HE33S型(2015.6〜現行)」および「ラパンLC HE33S型(2022.6〜現行)」と書かれている(この「現行」は商品ページ側の表記)。構造は4層で、表側にアルミメッキ遮光シート、紫外線防止のナノ反射特化層、吸熱・耐燃特化層、裏側にポリウレタンブラック断熱シートを重ね、厚手ポリプロピレン不織布を採用と記載。固定は吸盤を使わず、本体を広げて下部をガラスに押し当て、サンバイザーを下げて挟むだけで、ワイヤータイプの折り畳み収納と収納袋、ミラーと干渉しない設計、メーカー保証が挙げられている。3つの中でいちばん手数が少ない。
ruiya アルトラパン HE33S 専用 サンシェード フロントガラス用(4層構造・吸盤不要)
Coleya HE33S 専用(ミラー固定を併用)
対応車種は「スズキ アルト ラパン 3代目 HE33S 2015〜」。外側がナノアルミメッキ素材の反射層と超高密度ポリウレタン層、裏側が遮光断熱機能のブラッククロームメッキ層で、一般的なサンシェードよりも厚みがあり皺ができにくい設計と記載されている。固定はマジックテープでルームミラーに留めてからサンバイザーで挟む方式で、上端の位置が決まる分だけ収まりを取りやすい。形状記憶合金の採用でワンタッチ展開ができ、両面を折りたたんで収納袋に入れられる。1年の保証期間内の不具合は新品交換対応とある。
Coleya アルトラパン 3代目 HE33S 専用 サンシェード(形状記憶合金・ワンタッチ展開)
BIXUAN HE33S/HE93S型(適合表記に新型式を併記)
適合は「スズキ・アルトラパン(3代目)HE33S/HE93S型(2015年 −)専用設計」で、HE33S と HE93S を併記している点が他の2製品と違う。適合表記の読み方でいえば、新旧どちらの型式かを迷っている人が最初に候補に入れやすい。車種をスキャンして得たデータで作られたとされ、素材は高密度ポリエステルに厚めの熱反射コーティング。折りたたむだけでコンパクトになり、収納バッグから出してガラスに沿わせてセットする手順で、ドアポケットやグローブボックスにも収まると記載されている。
BIXUAN アルトラパン HE33S/HE93S型 専用 フロントシェード(車種スキャンデータ設計)
後席やリアまで覆いたいとき
趣味職人のシームレスライトは、フロントガラス1枚・サイドドアガラス2枚・後部座席ドアガラス2枚・リアガラス1枚の計6枚構成で、フロント以外の窓も覆える。固定は簡易吸盤で、フロント用3点とは方式が違う。生地はシボ加工で、収納時のシワが目立ちにくいとされる。選ぶ前に確認するのは適合注記のほうで、レーダーブレーキサポート装着車以外ではガラス上部の中央に隙間ができると明記されている。枚数が増えれば収納も出し入れの手間も増えるので、後席の目隠しや車中泊の視線対策が本当に要るかで判断が分かれる。
趣味職人 シームレスライト サンシェード アルトラパン HE33S系 対応(6枚セット)
付け方と、走り出す前の取り外し
バイザー挟み込みタイプの手順は、袋から出して広げる、ルームミラーの位置に切り欠きや固定部があるものは先に位置を合わせる、下端をダッシュボードに沿わせてガラスに押し当てる、左右のサンバイザーを下ろして上端を挟む、という順になる。挟み終えたら外から見て、上部中央やAピラー際に大きな隙間が残っていないかを確かめる。
隙間が出やすいのはルームミラーの根元、ガラス上部中央のセンサー周り、左右のAピラー際の3か所だ。車種専用設計をうたう製品でも隙間がゼロになるとは限らないので、届いたら一度装着してこの3か所の収まりを見ておく。
フロントガラス用サンシェードは駐車中に使うもので、走り出す前に必ず外す。道路運送車両の保安基準 第29条第3項は、自動車の前面ガラス及び側面ガラスは運転者の視野を妨げないものとして告示で定める基準に適合しなければならないと定めており、道路交通法 第55条第2項も運転者の視野を妨げるような積載での運転を禁じている。エンジンをかける前に外して畳み、袋に入れてから発進する流れにすると付けっぱなしを防げる。
畳み方と、乗り込んだ直後の順番
畳むときは製品の折り目に沿う。無理な折り方でアルミ蒸着面に折り筋を増やさない。砂やほこりが付いたままだと表面を傷めるので、乾いた布で払ってからしまう。ワイヤー入りや形状記憶合金入りは決まった畳み方から外れると型が崩れやすい。使わない季節も車内に置きっぱなしにせず、袋に入れて保管する。
乗り込んだ直後は、まずシェードを外し、ドアや窓を開けて中の熱い空気を逃がしてからエアコンを入れる。JAF の公表値でも車内平均が26℃まで下がっていたのはエアコン作動の条件だけで、シェードは駐車中に面の温度上昇を抑える役、エアコンは乗車後に空気を冷やす役と分けて考えると順番を間違えない。
よくある質問
サンシェードは意味がないと聞くが本当か
面の温度と空気の温度を分けて考える必要がある。JAF の公表値では、サンシェード装着の条件でダッシュボード最高が52℃、対策なし(黒)が79℃、対策なし(白)が74℃と示されている。一方で車内平均は装着時でも45℃で、JAF 自身が温度抑制効果は低く車内温度の上昇を防ぐことはできないと述べている。内装の焼けとハンドルやダッシュボードの熱さには効き、車内を涼しく保つ用途には向かない。
HE33S 用と書かれた製品は新しい型式のラパンにも使えるか
メーカーが適合表記で明記していない限り、使えるとも使えないとも言えない。判断材料になるのは表記そのもので、BIXUAN のように HE33S と HE93S を併記している製品もあれば、HE33S 単独表記の製品もある。併記があるかどうかを事実として確認し、無ければ出品者に問い合わせる。
汎用サイズでも代用できるか
車種専用設計は、隙間が出やすい場所の形に合わせて型を取っている点が汎用品と違う。ただし専用品でも隙間がゼロになるとは限らず、実際に装備条件によって上部中央に隙間ができると明記している製品がある。汎用品を使うなら、ルームミラーの根元・ガラス上部中央・左右のAピラー際の収まりを自分で見て判断することになる。
走行中に付けたままにしてよいか
駐車中に使うものなので、走り出す前に外す。前面ガラスは運転者の視野を妨げないものであることが保安基準で求められ、視野を妨げる状態での運転は道路交通法でも禁じられている。
まとめ
順番はいつも同じだ。車検証の型式欄で HE33S を確認し、商品ページの適合表記を型式記号・年式・装備注記の3点で読み、そのうえでカバー範囲・固定方式・素材の層構造・収納形状の4軸で比べる。
毎日出し入れするフロント1枚なら手数の少ない ruiya、上端のずれを抑えたいなら ミラー固定を併用する Coleya、新旧の型式で迷っているなら併記のある BIXUAN。後席の目隠しや車中泊まで考えるなら6枚構成の趣味職人になる。候補を1つに絞ったら、最後にメーカーの適合情報で自分の型式と装備を照らし合わせてから注文する。
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