客先の駐車場に半日止めておくと、戻ったときのハンドルは素手で握れないほど熱い。プロボックスのバンは屋根のない場所に長く止める使い方が多く、フロントガラスからの日差しをどう遮るかが道具選びの問題として残る。ただしサンシェードは車種専用品が中心で、同じ160系向けでも商品ごとに適合の書き方が割れている。決め手になるのは車検証の型式欄、初度登録年月、そしてルームミラーだ。
型式・年式・ミラーで候補は3つに分かれる
フロントガラス1面を覆う傘型が2つ、後席側まで含む全窓分のセットが1つ。選択を分けるのは覆う範囲と、適合条件の厳しさだ。
| 製品 | 覆う範囲 | 商品名が名指しする型式 | 年式・ミラーの条件 | 価格 |
|---|---|---|---|---|
| WEIPIN 傘型 | フロントガラス1面 | NCP160V / NCP165V | 記載なし | ¥3,280 |
| RUIYA 傘式 | フロントガラス1面 | NSP160V / NCP160V / NCP165V / NHP160V | 記載なし | ¥2,898 |
| BMS フルセット | 全窓分 | NSP/NCP160V系 | H26/08-H28/08・自動防眩ミラー無し車 | ¥18,700 |
価格はいずれも2026年8月18日に確認したAmazonの実売価格で、以後も同じとは限らない。
フロントガラスだけ覆えればよく、車検証の型式欄が NCP160V か NCP165V なら WEIPIN の傘型で足りる。社用車に1.3Lやハイブリッドが混ざっているなら、4型式を名指ししている RUIYA。後席側やバックドアまで覆いたいなら BMS のフルセットだが、こちらは年式とミラーの条件を満たす車に限られる。
160系の型式は年式で入れ替わっている
現行のプロボックスは2014年8月6日に発表され、同年9月1日に発売されたマイナーチェンジ型だ。トヨタの発表資料では、プラットフォームのフロント部の刷新とサスペンション構造の最適化、フロントバンパー&グリルやランプ類の意匠変更が説明されている。価格表に載るのは最大積載量400kg(2名乗車時)のバンのグレードだけだ。
登場時の型式は3つで、1.3L・2WDの NSP160V、1.5L・2WDの NCP160V、1.5L・4WDの NCP165V。NCP160V は160系の登場時からある1.5Lガソリンの前輪駆動で、末尾が165Vになると四輪駆動になる。
2018年11月19日発表・12月3日発売でハイブリッドの NHP160V が加わり、同時に衝突回避支援パッケージへ昼間の歩行者検知が加えられた。2025年11月版の主要諸元表では1.3Lの NSP160V の列が無くなり、NHP160V・NCP160V・NCP165V の3つになっている。グレード名もハイブリッドが F・GL・GX、ガソリンが F・G に変わった。2025年11月25日には一部改良が発売され、2026年8月時点でも現行車種として売られている。改良の告知にはバックモニター内蔵自動防眩インナーミラーの名も並んでいる。
ボディ寸法は全長4,245mm、全幅1,690mm、全高1,525mm(4WDは1,530mm)、ホイールベース2,550mm、最小回転半径4.9m。2015年7月版から2025年11月版までこの値は変わっていない。160系であれば年式が違ってもボディの外形は同じということだ。
商品ページの適合欄は3通りに割れている
同じ160系向けでも、商品名の書き方は3通りある。型式を2つだけ名指しするもの、型式系と年式範囲とミラーの条件を組み合わせるもの、160系の4型式を全部名指しするもの。読む順番は、型式欄、初度登録年月、ルームミラーの現物、そのうえで商品名と適合欄の照合、と決めておく。
型式欄の文字列と1字ずつ突き合わせる
車検証の「型式」欄が NCP160V なのか NCP165V なのか、あるいは NSP160V・NHP160V なのかをまず確かめる。商品名には「P16#系」「NCP16#V型」のような書き方も混ざるが、#はどの数字でも当てはまるという出品者側の省略で、車検証にそのまま載る文字列ではない。この表記を見たときは型式欄と照合し直す。
初度登録年月を控える
全窓分のセット品の1つは、商品名で年式を H26/08-H28/08=平成26年8月から平成28年8月(2014年8月から2016年8月)に区切っている。160系そのものは2014年9月発売から2026年8月時点まで販売が続いているので、160系だからという理由だけでは年式の条件を満たせない。同じ車検証の初度登録年月を控えて、範囲に入るかを見る。
ルームミラーは現物を見る
主要装備一覧表には、ルームミラーとして防眩インナーミラーと、バックモニター内蔵自動防眩インナーミラーの2つが載っている。後者には44,000円(消費税抜き40,000円)という価格が併記されていて、価格が併記される欄はオプションの扱いだ。つまり同じ NCP160V でも、自動防眩ミラーが付いている個体と付いていない個体がある。年式やグレードから機械的に決まるものではないので、運転席に座って見るのが早い。
3製品を4つの軸で比べる
比べる軸は、覆う範囲、展開と収納の手順、適合条件の厳しさ、使わないときの置き場所の4つ。商品名から読み取れる事実だけを置く。遮光率やUVカット率といった出品者側の性能表記は測定条件が示されておらず、優劣の根拠には使えない。
WEIPIN 傘型(NCP160V・NCP165V を名指し)
フロントガラス1面用の傘型で、商品名が名指ししている型式は NCP160V と NCP165V の2つ。NSP160V と NHP160V の記載は無い。収納式のハンドルとワンタッチ収納をうたう。1.5Lガソリンの2WDか4WDに乗っていて、覆うのはフロントガラスだけでよいなら、条件がいちばん単純なのがこれだ。
WEIPIN プロボックス専用 傘型サンシェード フロントガラス用(NCP160V / NCP165V・収納式ハンドル)
RUIYA 傘式(160系の4型式を名指し)
同じくフロントガラス1面用の傘式で、商品名では NSP160V・NCP160V・NCP165V・NHP160V の4型式を名指ししている。強化十本骨、吸盤、収納ポーチ付き、プルリング式。1台目が1.3L、2台目がハイブリッドというように社用車の型式が混在している職場では、名指しの範囲が広いぶん使い回しの相談がしやすい。
RUIYA プロボックス160系専用 傘式サンシェード フロントガラス用(強化十本骨・収納ポーチ付き)
BMS ブラックアルミサンシェード フルセット(全窓分)
全窓分のフルセット。商品名には「トヨタ プロボックスバン NSP/NCP160V系 H26/08-H28/08」「自動防眩ミラー無し車」「K1-068-C-F2」と書かれている。枚数の記載は商品名には無いので、収納したときのかさは商品ページで確かめておきたい。年式とミラーの2条件を満たさない車では、この製品は候補から外れる。
BMS ブラックアルミサンシェード フルセット(プロボックスバン NSP/NCP160V系・自動防眩ミラー無し車)
使い方から決める
日中の営業回りで1日に何度も乗り降りするなら、開いて置くだけ・畳んで抜くだけで済む傘型のほうが手間が少ない。荷室で仮眠したり車内で書類仕事をしたりするなら、後席側の窓とバックドアまで覆えるセット品が要る。積み荷を日差しから守りたいだけの用途でも、フロントガラス1面を覆うだけでは荷室には届かない。傘型・折りたたみ型はいずれもフロントガラス1面用として売られていて、後席側の窓・リヤクォーター・バックドアは覆えない。
同じ商用バンでも車種が変われば条件の読み方は少し変わる。
バンのガラスは5か所に分かれている
主要装備一覧表でのガラスの呼び分けは、ウインドシールドガラス(フロントガラス)、フロントドア、リヤドア、リヤクォーター、バックドアの5か所。全窓分のセットが何面を指しているのかは、この数え方で読む。UVカット機能付プライバシーガラスはリヤドア・リヤクォーター・バックドアに設定され、フロントガラスにはUVカット機能付ウインドシールドガラス(熱吸合わせ・グリーン)、フロントドアにはUVカットグリーンガラスが一覧表に載っている。
一覧表の注記では、バックドアガラスの色はリヤドアガラス、リヤクォーターガラスよりも薄いタイプとなる、とされている。プライバシーガラスが入っている車でも、後ろからの視線をどう扱うかはバックドアだけ別に考えることになる。
荷室(荷台内側)の寸法は、長さが2名乗車時1,810mm・5名乗車時1,040mm、幅が2名乗車時1,420mm・5名乗車時1,415mm、高さ935mm。乗車定員は2名/5名で、最大積載量はガソリン車が2名乗車時400kg・5名乗車時250kg、ハイブリッド車が2名乗車時350kg・5名乗車時200kg。この長さで横になる使い方をするなら、覆う面はフロントだけでは足りない。
温度について公表されている値
JAF のユーザーテスト「真夏の車内温度」では、2012年8月22日・23日に埼玉県戸田市の駐車場で、天候は晴れ、気温35度の条件で、ミニバン5台を使って正午から4時間の測定が行われている。プロボックスのような商用バンでの実測ではない。公表されている値は条件ごとに次のとおり。
| 条件 | 車内最高 | 車内平均 | ダッシュボード最高 |
|---|---|---|---|
| 対策なし(黒) | 57℃ | 51℃ | 79℃ |
| 対策なし(白) | 52℃ | 47℃ | 74℃ |
| サンシェード装着 | 50℃ | 45℃ | 52℃ |
| 窓開け(3cm) | 45℃ | 42℃ | 75℃ |
| エアコン作動 | 27℃ | 26℃ | 61℃ |
同じテストの結論は、対策なし(黒)の車内温度が一番高く推移していたが、サンシェード対策や窓開け対策をしていても温度抑制効果は低く、人や動物が耐えられない温度となり、車内温度の上昇を防ぐことはできない、というものだ。ダッシュボードの値と車内の値は別の測定点なので、混ぜて読まない。サンシェードを装着した車のボディカラーは公表資料に明記が無く、条件どうしを引き算して何℃下がると読むこともできない。
内装への直射日光を遮る道具として考えるのが実際に近い。車内の空気を涼しいまま保つ道具ではない。
走り出す前に外す
国土交通省が示している不正改造の具体例では、着色フィルムの貼り付けについて、自動車の前面ガラス及び運転席と助手席の側面ガラスを対象に、可視光線の透過率70%未満の着色フィルム等の貼り付けを禁止としている。装飾板の装着についても、前面ガラス等と側面ガラス(運転者席より後方の部分を除く)で、装着した状態の可視光線透過率が70%未満のものは不可とされ、対象は被牽引自動車以外のすべての自動車だ。
運転者席より後方の窓はこの70%の基準の対象から外れている。とはいえフロントガラス用サンシェードは駐車中に使う道具で、走り出す前に外す。前面ガラスと運転席・助手席の窓に付けたまま走ることは想定されていない。
よくある質問
160系用と書かれていれば NCP160V にも使えるのか
160系用という表記だけでは決まらない。商品名が名指ししている型式に NCP160V が入っているか、年式やミラーの条件が付いていないかを見る。今回の3製品でいえば、傘型の2つはどちらも NCP160V を名指ししていて、フルセットは年式とミラーの条件を満たす車に限られる。
ハイブリッドの NHP160V と共通で使えるのか
商品側が適合欄に NHP160V を書いているかどうかで決まる。RUIYA は商品名で NHP160V を名指ししているが、WEIPIN の商品名にその記載は無い。なお NHP160V が存在するのは2018年12月以降に売られた個体だけで、それ以前の160系にハイブリッドの設定は無い。
サクシードと書かれた商品はプロボックスに使えるのか
商品側が適合欄でプロボックスを明記していない限り判断できない。姉妹車だからという理由で読み替えない。
フロントガラス用だけで足りるのか
駐車中に運転席まわりと内装への直射日光を遮りたいだけなら足りる。荷室で横になる、積み荷を日差しから守る、後ろからの視線を遮る、のいずれかが目的なら足りない。
自動防眩ミラーが付いているか分からないときは
運転席に座ってルームミラーを見る。装備一覧表の上ではオプション扱いで、年式やグレードからは決まらない。見分けに自信が持てないなら、ミラーの条件が付かない傘型を選ぶほうが外れが少ない。
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乗用車で同じ手順を踏むときは、こちらも参考になる。
まとめ
最初にやることは、運転席に座ってルームミラーを見ることだ。自動防眩かどうかで落ちる製品がある。そのうえで車検証の型式欄と初度登録年月を控え、商品名の適合表記と1つずつ照合する。
- WEIPIN の傘型:NCP160V・NCP165V に乗っていて、フロントガラス1面で足りる人向け。
- RUIYA の傘式:160系の4型式を名指ししていて、型式が混在する職場でも共用の相談がしやすい。
- BMS のフルセット:後席側とバックドアまで覆いたい人向け。年式とミラーの条件を満たす車に限る。
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