真夏の屋外駐車から戻ると、ハンドルもダッシュボードも触れないほど熱くなっている。そこでサンシェードを買おうとしたときに起きやすいのが、ヤリスクロス用を掴んでしまう取り違えだ。商品名の先頭にヤリスと入っていても、適用車種欄の型式が MXPB や MXPJ なら別車種用で、10系ヤリスのフロントガラスには合わない。まず自分の型式を押さえ、そのうえで4つのタイプから使い方に合うものを選ぶ。
タイプ別に見るヤリス用サンシェードの早見表
10系ヤリスに使えるフロントガラス用サンシェードは、構造で4タイプに分かれる。同じ「サンシェード」でも設置にかかる時間・収納したときの大きさ・内装への当たり方が違うので、価格ではなくタイプの違いから絞り込むほうが失敗しない。
| タイプ | 製品 | 向く人 | 実売価格 |
|---|---|---|---|
| 折りたたみ式 | J-PREMIS ヤリス専用 | 出費を抑えて車種専用形状を選びたい | 1,980円 |
| 巻き取り式 | 趣味職人 ヤリス用 | 収納の小ささと出し入れの速さを重視する | 3,980円 |
| 傘型 | リテマス ヤリス用 | 開くだけで設置を終えたい | 3,680円 |
| 車外カバー型 | VOMIREL ヤリス10系用 | 長時間の屋外駐車でガラスの外側から遮りたい | 2,599円 |
価格はいずれも2026年8月15日時点で確認した Amazon の実売価格で、以後変動する。なお車外カバー型だけは適合表記に挙がっている型式が KSP210 と MXPA10 で、ハイブリッドの MXPH 系は明記されていない。
サンシェードで下がるのはダッシュボードの温度
JAF が行った真夏の車内温度のユーザーテストでは、2012年8月22日と23日、埼玉県戸田市の彩湖・道満グリーンパーク駐車場で、外気温35度・正午から4時間という条件の測定が行われている。この条件でサンシェードを装着したときのダッシュボード最高温度は52℃で、対策なし(白)の74℃より22℃低い。
一方、同じテストで車内の最高温度は50℃。対策なし(白)の52℃との差は2℃にとどまっている。サンシェードが下げるのは直射日光の当たる面の温度であって、車内の空気そのものではない。
他の条件と並べると対照がはっきりする。同テストの対策なし(黒)は車内57℃・ダッシュボード79℃、窓を3cm開けた条件は車内45℃・ダッシュボード75℃、エアコン作動は車内27℃・ダッシュボード61℃。窓開けは空気の温度を下げてもダッシュボードには効かず、サンシェードはその逆という関係になっている。
このテストは車種を問わない一般的な条件下のもので、ヤリスで測った値ではない。それでも、選ぶときに見るべき軸ははっきりする。ダッシュボードやハンドル、内装を直射日光から守れる面積をどれだけ確保できるか。ここが実質的な性能差になる。
車検証の型式を確認する
選び間違いのほとんどは、型式の確認を飛ばしたところで起きる。
10系ヤリスの型式は5つ
パーツメーカーの車種適合表では、4代目ヤリスの型式は KSP210、MXPA10、MXPA15、MXPH10、MXPH15 の5つで、「KSP210/MXPA1#/MXPH1#」とまとめて表記されている。MXPA 系がガソリン1.5L(エンジン型式 M15A-FKS)、MXPH 系がハイブリッド1.5L(M15A-FXE)、KSP210 が1.0Lガソリンだ。
トヨタ自動車が運営するクルマ情報サイトの諸元表によると、4代目ヤリスは2020年2月発売で、ガソリン G グレード(型式 5BA-MXPA10)は全長3,940mm×全幅1,695mm×全高1,500mm、ホイールベース2,550mm、車両重量1,000kg、乗車定員5名。全幅1,695mm の5ナンバーサイズで、フロントガラスも大型SUVのような大面積ではない。
ヤリスクロスとGRヤリスは別車種
紛らわしいのが同じヤリスの名を持つ2台だ。同適合表ではヤリスクロスの型式が MXPB10(ガソリン2WD)、MXPB15(ガソリン4WD)、MXPJ10(ハイブリッド2WD)、MXPJ15(ハイブリッド4WD)、GRヤリスが GXPA16 と記載されており、どちらもヤリスの型式グループと一つも重ならない別車種である。フロントガラスの形状も違うため、車種専用形状のシェードは流用できない。
確認は2段構えでいい。車検証の型式欄が上の5つのいずれかであることを見て、次に商品の適用車種欄にその型式が書かれているかを見る。適用車種欄に MXPB・MXPJ・GXPA という型式や「クロス」「GR」の語が出てきたら、それは10系ヤリス用ではない。
4タイプの構造と向き不向き
固定方式・展開と収納の手間・収納したときの大きさ・内装への当たり方。この4点で見ると、どのタイプが自分の使い方に合うかが決まる。
折りたたみ式(サンバイザーで挟む)
車種専用形状の板状シェードを、サンバイザーで挟んで留めるタイプ。吸盤も粘着剤も使わないのでガラスに装着跡が残らない。畳み方に慣れが要る点だけが弱く、8の字に折る方式が多い。毎日出し入れするなら、この一手間を許容できるかが分かれ目になる。
巻き取り式(マグネットで留める)
形状記憶フレームが入った生地を、サンバイザー側に付けたマグネットベルトの磁力で留めるタイプ。フレームを芯に巻くだけで畳め、広げるときはフレームが自動で戻る。柄や骨がないので、ダッシュボードや内装に硬い部材が当たらない。
傘型(開いて立てかける)
傘のように開いてフロントガラスを覆い、柄をダッシュボード側に置いて支えるタイプ。設置は開くだけで済むが、柄や骨が内装に当たりうる。車種専用形状ではなく寸法で合わせる製品もあり、その場合はフロントガラスの幅と高さを実際に測ってから買う必要がある。
車外カバー型(ガラスの外側から覆う)
フロントガラスの外側に被せて日射を反射するタイプで、役割が車内用と違う。車内用はガラス自体は熱を受けつつ内装への直射を防ぐのに対し、車外用はガラス面に日射が届く前に遮る。ただし装着・取り外しのたびに車の周りを回る動作が要るため、駐車環境によっては使いにくい。
4製品のメーカー記載仕様を比べる
以下の遮光率や温度に関する数値は、いずれもメーカー・販売元の自社表記だ。第三者機関が同一条件で測った比較値ではないので、製品間の優劣はこの数値ではなく構造と適合型式で判断する。
J-PREMIS ヤリス専用(折りたたみ式)
メーカーの製品仕様表記によると、適用車種は「トヨタ ヤリス/型式 KSP210・MXPA1#・MXPH1#型/年式2020年2月-現行」の車種専用品。多層アルミメッキと厚手ポリプロピレン不織布を組み合わせたグレーのハニカム設計で、本体を広げて下部をガラスに押し当て、サンバイザーを下げて挟むだけで装着できる。収納袋がハンドルの日よけカバーを兼ねる。折りたたみは8の字方式で、メーカー自身が慣れに時間を要する場合があると注意書きしている。「最大15℃以上車内温度を緩和」は自社表記。
J-PREMIS トヨタ ヤリス フロントガラスサンシェード 車種専用(KSP210/MXPA1#/MXPH1#型・2020年2月〜現行)
趣味職人 ヤリス用(巻き取り式)
同じくメーカー表記で「新型ヤリス KSP210・MXPA10/15・MXPH10/15型」対応。重量72g、使用時の約2%まで小さく収納できることで UA 日本記録認定を取得したとされ、30D極細糸・日本縫製の素材を採用している。サンバイザーに装着したマグネットベルトへネオジム磁石で固定する方式で、傘式と違って柄や骨が内装に当たらないとしている。ドライブレコーダー対応の明記があるのは4製品でこれだけ。「紫外線と日差しを99%遮断」は自社表記。
趣味職人 サンシェード 新型ヤリス KSP210 MXPA10/15 MXPH10/15型 マグネット固定・巻き取り収納
リテマス ヤリス用(傘型)
商品表記の対応型式は「MXPA15・MXPH10・MXPH15・KSP210・MXPA10」。開くだけで設置でき、シャフト部分が紐仕様のためダッシュボードやインテリアを傷つけにくいとしている。骨は防錆コーティングを施したグラスファイバー製の10本骨。使わないときは折りたたんで付属カバーに収める。「100%遮光・UVカット」は自社表記。
ヤリス MXPA15/MXPH10/MXPH15/KSP210/MXPA10 傘型サンシェード フロントガラス用
VOMIREL ヤリス10系用(車外カバー型)
メーカー表記は「トヨタ ヤリス 10系 4代目 KSP210/MXPA10型 2020年モデル〜現行」対応。高反射アルミ素材をフロントガラスの外側に被せ、ドアに挟む耳・ミラーバンド・ホイールフックの3点で固定するため、風のある日でもずれにくいとしている。軽量で折りたたんで収納できる。適合表記に MXPH 系が挙がっていないので、ハイブリッド車で検討するなら販売元に確認してからにしたい。
VOMIREL トヨタ ヤリス 10系 KSP210/MXPA10型専用 車外サンシェード フロントガラスカバー
取り付けと収納の実際
サンバイザーで挟む方式の手順は3つ。シェードを広げ、下端をフロントガラスの内側下部に押し当てて位置を合わせ、左右のサンバイザーを下ろして上端を挟み込む。取り外しは逆順で、サンバイザーを上げて引き抜き、畳んで収納袋へ入れる。マグネット式の場合は、あらかじめサンバイザーに磁石ベルトを付けておき、シェード側を磁力で吸着させる。
差が出るのは畳むときだ。折りたたみ式の8の字は最初のうち手こずることがあり、巻き取り式はフレームを芯に巻くだけ、傘型はボタンで閉じてカバーに入れるだけで終わる。毎日出し入れするものなので、この手間の差は価格差より効いてくる。面倒だと感じた道具は結局使わなくなり、遮光率がいくら高くても意味がなくなる。
なお、車中泊で目隠しも兼ねたいなら、フロントガラス用のシェードだけでは足りない。荷室側の作り込みは別の話になる。
走行前に必ず取り外す
道路運送車両の保安基準第29条では、第3項が前面ガラス及び側面ガラス(告示で定める部分を除く)について、運転者の視野を妨げないものとして、ひずみや可視光線の透過率などに関し告示で定める基準に適合することを求めている。
さらに第4項は、窓ガラスに貼り付けできるものを限定列挙している。列挙されているのは整備命令標章、臨時検査合格標章、検査標章、保安基準適合標章、自動車損害賠償保障法関連の標章、道路交通法63条4項の標章、告示で定める運転視野に支障がないもの、国土交通大臣等が指定したもので、日よけの類は含まれていない。
つまりフロントガラス用サンシェードは駐車中に使う道具であって、付けたまま走り出すものではない。乗り込んだら外す、という運用が前提になる。だからこそ、取り外しと収納が億劫にならない製品を選ぶ意味がある。
よくある質問
ヤリスクロス用のサンシェードはヤリスに使えるのか
使えない。パーツメーカーの適合表でヤリスクロスは MXPB10・MXPB15・MXPJ10・MXPJ15 と記載され、ヤリスの型式グループとは一つも重ならない。フロントガラスの形状も違うため、車種専用形状の製品は流用できない。
サンシェードを付ければ車内は涼しくなるのか
空気の温度はほとんど変わらない。JAF のテストではサンシェード装着時の車内最高温度が50℃、対策なしの白い車が52℃で、差は2℃だった。効果が大きいのはダッシュボードなど直射日光の当たる面で、こちらは74℃と52℃で22℃の差が出ている。内装の保護と、乗り込んだ直後にハンドルへ触れるかどうかの部分で効いてくる道具だと考えたほうがいい。
ドライブレコーダーを付けていても使えるのか
フロントガラス上部にドライブレコーダーやセンサー類があると、車内用シェードの上端が干渉する場合がある。今回の4製品ではドライブレコーダー対応を明記しているものが1つあり、明記のない製品は取付位置と本体サイズによって当たり方が変わる。同じ車種専用品でも、年式・グレード・メーカーオプションの装備によって形状が合わないことがあるとメーカー自身が注意書きしている。
汎用の傘型はヤリスに合うのか
傘型には車種専用形状ではなく寸法で合わせる製品がある。メーカーが「本製品のサイズは143×77.5cmです」と示したうえで、購入前にフロントガラスのサイズを測って適合を確認するよう求めている例もある。傘型を選ぶなら、車種名の表記だけで判断せず、自分の車のガラスの幅と高さを測って展開サイズと突き合わせる。
装着したまま走ってよいのか
駐車中に使うものと考えて、走り出す前に外す。保安基準第29条第3項が前面ガラスについて運転者の視野を妨げないことを求めており、第4項の貼り付け可能なものの列挙にも日よけは入っていない。
まとめ:買う前に確認したい3点
最後に、注文ボタンを押す前の確認事項を並べておく。
- 車検証の型式が KSP210・MXPA10・MXPA15・MXPH10・MXPH15 のいずれかで、商品の適用車種欄にその型式が入っているか
- 期待しているのは車内の涼しさか、ダッシュボードと内装の保護か(後者なら効果は出る)
- 毎日畳んで仕舞える収納方式か。折りたたみ式の8の字が面倒なら巻き取り式か傘型を選ぶ
出費を抑えて車種専用形状を選ぶなら折りたたみ式、出し入れの速さを最優先するなら巻き取り式、開くだけで済ませたいなら傘型、屋外に長く駐めてガラスの外側から遮りたいなら車外カバー型。この4つのうちどれが自分の駐車環境に合うかを決めれば、あとは型式の確認だけで買える。
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