ヤリスのタイヤチェーンは、車種名ではなくタイヤサイズの数値で選ぶ。トヨタが公開している工場装着タイヤ・ホイールサイズの一覧によると、ヤリスの工場装着タイヤは175/70R14・185/60R15・185/55R16・195/50R16の4種類あり、同じヤリスでも合うチェーンが変わるからだ。取り付ける場所は取扱説明書が指示するとおり前2輪。まずは自分の車のタイヤ側面を見て、どのサイズが付いているかを確かめるところから始めたい。
タイヤサイズ表記と3製品の早見表
| 製品 | 対応タイヤサイズの表示 | 確認時点の価格 | 想定する使い方 |
|---|---|---|---|
| RDRDN 非金属タイヤチェーン | 数値なし(車種名の表記のみ) | 11,189円 | サイズを調節しながら繰り返し使う |
| Teriao 非金属スノーチェーン | 165-275mm/R12からR19 | 2,500円 | 緊急脱出用として積んでおく |
| ZGQJBS 非金属タイヤチェーン | 数値なし(車種名の表記のみ) | 11,999円 | 収納バッグごと積みっぱなしにする |
3製品はいずれも商品ページで「ヤリスクロス/ヤリス 10系」と一括の適合表記になっている。商品ページの掲載情報では、対応タイヤサイズが数値で示されているのはTeriaoだけで、残る2点は車種名の表記にとどまる。車種名の一致だけを根拠にせず、自分のタイヤサイズが対応範囲に入るかを数値で確かめる。 数値で確認できないときは、出品者に問い合わせるか別の製品に切り替えたほうがいい。
自分のヤリスのタイヤサイズを確かめる
標準は175/70R14と185/60R15の2種類
トヨタが公開している工場装着タイヤ・ホイールサイズの一覧によると、標準設定は175/70R14 84Sと185/60R15 84Hの2つ。ホイールは14インチが14×5 1/2J、15インチが15×6Jのスチールホイールで、どちらも樹脂フルキャップが付く。ハイブリッドのE-Four(4WD)は185/60R15 84Hが標準で、同じグレードでも2WD側は175/70R14が標準という組み合わせがある。駆動方式が違えば、合うチェーンのサイズも変わる。
メーカーオプションの16インチが付いている場合
メーカーオプションには185/55R16 83Vと195/50R16 84Vの設定がある。どちらも16×6Jのアルミホイールで、インセットは185/55R16が45、195/50R16が50。195/50R16はガソリンのマニュアル車に用意されたもので、ヤリスの工場装着サイズのなかでは外径が大きい側にあたる。PCD100・4穴・ハブ穴径54mmは4設定とも共通なので、見分ける手掛かりはタイヤ側の数値になる。
タイヤ側面の表記で読み取る
カタログのグレード名ではなく、実車のタイヤ側面(サイドウォール)の刻印を見る。「175/70R14」のように数字とRが並ぶ部分がタイヤサイズで、チェーンを選ぶときはこの数値をそのまま商品の対応サイズと突き合わせる。ここで挙げた4サイズはトヨタが公開している2024年1月以降の一覧にもとづくもので、それより前の年式や、前のオーナーがタイヤ・ホイールを替えている車では設定が異なる可能性がある。
チェーン規制はスタッドレスでは通れない
冬タイヤを履いていても止められる
国土交通省の雪道情報ページによると、チェーン規制(タイヤチェーンを装着していない車両の通行止め)が出ている区間では、スタッドレスタイヤを装着していてもチェーンを付けていない車は通行できない。判断されるのは冬タイヤかどうかではなく、チェーンを付けているかどうか。 スタッドレスとチェーンは、どちらかがあればいいという関係ではない。
規制が出るのはどんなときか
同じページでは、規制は大雪特別警報や大雪に対する緊急発表が行われるような異例の降雪時に実施されるとしている。対象区間は直轄国道6箇所と高速道路8箇所の合計14区間で、急な上り下りがある峠など、過去に雪による立ち往生や通行止めが起きた場所のうち、チェーンを着脱できる場所や解除まで待機できる場所がある区間が選ばれている。ヤリスの取扱説明書も、冬を迎える前の準備として冬用タイヤ(4輪)またはタイヤチェーン(前部タイヤ用)を使うことを挙げており、冬用タイヤは指定サイズを使って空気圧を推奨値に調整し、4輪とも装着することを求めている。
規制で使える3タイプと認定表示
金属・ウレタン&ゴム・布製の3つ
国土交通省が規制中に通行できるとしているのは、金属チェーンタイプ(金属製のチェーンやワイヤーの製品)、ウレタン&ゴムチェーンタイプ(ゴムなどの樹脂製の製品)、布製カバータイプ(アラミドなどの特殊繊維製の製品)の3種類。薬剤を吹き付けるスプレー式は、規制中の通行には使えない。 布製のカバーは頼りなく見えるかもしれないが、3タイプの1つとして挙げられている。
JASAA認定が示していること
日本自動車交通安全用品協会(JASAA)の認定制度の説明では、認定は協会規格JASA432(非金属製タイヤチェーン)にもとづいて作られた製品を、認定委員会の立会いのもと実車走行試験で確認したもの。試験は例年1月に北海道で実施され、制動試験・登坂試験・耐空転試験・静的けん引試験・耐久試験・緩衝試験・着脱試験が行われる。認定マークはタイヤチェーン収納ケースの外側に表示され、認定番号は「JASA、00-000」の形式で記載される。
認定は非金属製を選ぶときの目印
この説明で認定制度が明記されているのは非金属製タイヤチェーンで、金属製チェーンや布製カバーについての記載は見当たらない。つまり認定の有無だけで金属製や布製の良し悪しを決めることはできず、非金属製を選ぶときの目印として使うのが実態に合う。収納ケースの外側に表示を確認できない製品を、認定品として扱わないでおきたい。
ヤリスでチェーンを選ぶ5つの基準
対応タイヤサイズで合わせる
基準①。商品が対応するタイヤサイズの範囲に、自分のヤリスのサイズが数値で含まれているかを見る。車種名だけの表記では、どのサイズまで対応するのかが読み取れない。ヤリスの取扱説明書も「タイヤチェーンはタイヤサイズに合ったものを使用してください」と明記している。
車体との干渉は自分で確かめる
基準②。取扱説明書の注意書きは「この車両に適合したトヨタ純正タイヤチェーンのご使用をおすすめします。市販のタイヤチェーンを使用する場合は、車体に干渉しないことをあらかじめご確認ください」としている。装着後にタイヤハウス内やサスペンション周辺と当たらないかを、ハンドルを左右に切った状態まで含めて見る。 雪の日にぶっつけ本番でやることではないので、届いた日の明るいうちに一度付けてみる時間を作っておきたい。
装着環境・使い方・収納から逆算する
基準③は装着のしやすさ。チェーンを付けるのは暗く寒い路肩や駐車場になることが多いので、ジャッキアップが不要か、車を動かさずに付けられるか、手袋のまま留め具を扱えるかで負担が変わる。基準④は想定する使い方で、年に一度あるかどうかの緊急脱出用と割り切るのか、毎シーズン繰り返し使うのかで選ぶ製品が変わる。掲載情報に「使い捨て」と書かれている製品を、繰り返し使う前提で選ばない。基準⑤は収納。ヤリスは荷室に余裕が大きい車ではないため、ケースやバッグの大きさが積みっぱなしにできるかを決める。非金属タイプは金属タイプより嵩張りやすい点も見ておく。
ヤリスの適合表記がある3製品を比べる
サイズ調節ができる非金属タイプ
RDRDNの非金属タイヤチェーンは、商品ページの掲載情報で「サイズ調節可能」「ジャッキアップ不要」「取付簡単」と表示されている。適合表記は「トヨタ ヤリスクロス/ヤリス 10系」で、ヤリスとヤリスクロスが一括で書かれている。対応タイヤサイズの数値が掲載情報にないため、14インチから16インチまでのどこを想定した製品なのかが読み取れない。 確認時点のAmazon実売価格は11,189円。調節の幅に自分のサイズが入るかは、買う前に出品者へ確かめておきたい。価格も在庫も変わるので、買う時点で見直してほしい。
RDRDN 非金属タイヤチェーン(ヤリスクロス/ヤリス 10系 適合表示・サイズ調節可能)
対応サイズが数値で示された軽量タイプ
Teriaoの非金属スノーチェーンは、掲載情報で素材がTPUポリウレタン/ナイロン、対応範囲が「165-275mm/R12からR19」と数値で表示されている。適合表記は同じく「ヤリスクロス/ヤリス 10系」だが、3製品のなかで対応タイヤサイズを数値で確認できるのはこれだけで、タイヤ側面で読み取った数字をそのまま当てはめて判断できる。ただし掲載情報には「使い捨て」「並行輸入品」の表記があり、毎シーズン使い続ける前提の製品ではない。確認時点の実売価格は2,500円で、価格の桁が他の2点と違う分、緊急用に1組積んでおく使い方と噛み合う。
Teriao 非金属スノーチェーン TPUポリウレタン/ナイロン(対応 165-275mm・R12〜R19)
収納バッグが付く非金属タイプ
ZGQJBSの非金属タイヤチェーンは、掲載情報で「ジャッキアップ不要」「車両移動不要」「簡単装着」「収納バッグ」と表示されている。バリエーション表記は「トヨタ ヤリスクロス/ヤリス 10系」だが、商品名の先頭は「トヨタ ヤリス クロス 10系 yaris cross R2.8-現行 に適用」とヤリスクロス側の年式で書かれている。商品名がヤリスクロスを指している以上、ヤリスへの適合をこの表記だけで決めることはできない。 対応タイヤサイズの数値も掲載情報にはない。確認時点の実売価格は11,999円。
ZGQJBS 非金属タイヤチェーン(ヤリスクロス/ヤリス 10系 適合表示・収納バッグ付)
3製品とも、掲載情報のなかにJASAA認定(JASA432)の表示は確認できなかった。認定の有無は収納ケース外側のマークで確かめるものなので、掲載情報にない以上は認定品として扱わない。認定品であることを条件にしたいなら、認定表示が明記された製品を別に探すことになる。隣の車種の数値を知っておくと一括表記のずれにも気づきやすい。
取り付けと走行で守る条件
取り付けは前2輪、作業は安全な場所で
ヤリスの取扱説明書「寒冷時の運転」は、タイヤチェーンを前2輪に取り付けるよう指示している。作業は安全に作業できる場所で行い、チェーンに付属の取扱説明書にしたがって留める。国土交通省もタイヤチェーンは駆動輪に着けることが基本としており、取扱説明書の前2輪という指示と同じ方向を向いている。取り付けたら約0.5〜1.0km走行して締め直す。走り出してすぐ止まれる場所を、付ける前に決めておく。
走ってよい速度の上限
取扱説明書の警告は「装着したチェーンに定められた制限速度、もしくは30km/hのどちらか低い方をこえる速度で走行しない」と定めている。チェーン側の指定が30km/hより高い数字であっても、車両側の30km/hが上限になる。大きいほうの数字を採らない、と覚えておけばいい。
装着中に避ける操作と運転支援の扱い
同じ警告のなかで、タイヤチェーン装着時にLTA(レーントレーシングアシスト)を使用しないこと、路面の凹凸や穴を避けて走行すること、急加速・急ハンドル・急ブレーキを避けること、カーブの手前で十分に減速することも求められている。降雪期は視界の確保も同時に効いてくるので、ワイパーの状態もこの時期に見ておきたい。
よくある質問
E-Four(4WD)でもチェーンは前輪だけでいい?
取扱説明書はタイヤチェーンを前2輪に取り付けるよう指示しており、4輪すべてに装着することを求めているのは冬用タイヤのほう。E-Fourだから後輪にも付ける、という指示は書かれていない。
スタッドレスを履いていればチェーンは要らない?
チェーン規制が出ている区間では、スタッドレスを装着していてもチェーンなしでは通行できない。規制の出る可能性がある道を走る予定なら、スタッドレスとは別にチェーンを積んでおくことになる。
布製のスノーソックスでもチェーン規制を通れる?
国土交通省は布製カバータイプを、規制中に通行できる3タイプの1つに挙げている。使えないのは薬剤を吹き付けるスプレー式のほう。
チェーンを付けたまま何km/hまで走れる?
チェーンに定められた制限速度と30km/hのうち、低いほうが上限になる。製品側の表示だけを見て速度を決めない。
「ヤリスクロス用」と書かれたチェーンをヤリスに使える?
商品名の車種適合表記は出品者側の申告で、ヤリスとヤリスクロスを「10系」とまとめて書いている例がある。両車は別の車種なので、表記が一致していても、対応タイヤサイズの数値に自分のサイズが含まれるかを見ないと判断できない。ヤリス側の工場装着タイヤは14インチから16インチまで4サイズある。
まとめ
最初にやるのは、車庫でタイヤの側面をのぞき込んで175/70R14のような刻印を読むこと。車検証やカタログを開くのはその後でいい。買う前は、読み取った数値が対応範囲に入る製品かを見る。届いたら、車体に当たらないかを自分の目で確かめる。買ったあとは前2輪に取り付け、0.5〜1.0km走って締め直し、30km/hとチェーン側の指定速度の低いほうを守って走る。迷ったら車種名ではなく数値に戻る、それだけで選択肢はかなり絞れる。
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