10系ヤリスのホイールは、PCD100・4穴・ハブ穴径54mmの3つが合っていれば装着でき、あとはリム径・リム幅・インセットを何にするかという選択の問題になる。この3つはガソリン車もハイブリッド車も、14インチ車も16インチ車も共通だ。名前の近いGRヤリスとヤリスクロスは取付規格が別で、そちらのホイール情報は持ち込めない。自分のグレードの純正サイズを先に押さえてから社外品を選ぶ、という順番で進めるのが早い。
付くかどうかはPCD100・4穴・ハブ径54mmで決まる
10系ヤリス(2020年2月以降、GRヤリスを除く)の取付規格は、PCD100mm・ボルト穴数4・ハブ穴径(センターボア)54mm・ナット締結。トヨタ公式の工場装着タイヤ・ホイールサイズの資料によると、2019年12月20日以降・2022年7月25日以降・2024年1月以降のどの区分でもこの4つの値は変わっていない(数値は約mm表記)。駆動方式もエンジンもインチ数も問わず共通なので、ここは車種さえ間違えなければ迷う場所ではない。
その車種の取り違えが唯一の落とし穴になる。GRヤリスはPCD114.3・穴数5・ハブ穴径60mm(RZ系が18×8J・インセット45、RCが17×7J・インセット40)。ヤリスクロスも同じくPCD114.3・穴数5・ハブ穴径60mm(205/65R16が16×6 1/2J・インセット45、215/50R18が18×7J・インセット50)。どちらもボルト穴の数と位置がヤリスと合わず、装着できない。通販ではヤリスクロス用のタイヤ・ホイールセットの商品名にヤリスの文字が入ることがあり、商品名の中に5-114.3や5穴という表記があればヤリス用ではない。
純正のタイヤ・ホイールサイズ早見表
| タイヤサイズ | ホイール | インセット | 材質 | 設定 |
|---|---|---|---|---|
| 175/70R14 84S | 14×5 1/2J | 40 | スチール(樹脂フルキャップ付) | 標準 |
| 185/60R15 84H | 15×6J | 45 | スチール(樹脂フルキャップ付) | 標準 |
| 185/55R16 83V | 16×6J | 45 | アルミ(切削光輝+ブラック塗装/センターオーナメント付) | メーカーオプション |
| 195/50R16 84V | 16×6J | 50 | アルミ(切削光輝+ダークグレー塗装/センターオーナメント付) | メーカーオプション(2024年1月以降・ガソリン車XのMT) |
2024年1月以降のグレード別では、ハイブリッド車Zとガソリン車Zが185/60R15標準で185/55R16がメーカーオプション。ハイブリッド車のG・X・Uは2WDが175/70R14標準、E-Fourは185/60R15標準。ガソリン車のGとXは175/70R14標準になる。E-Fourには14インチの標準設定がないので、4WDに乗っているなら15インチ以上で考えることになる。
標準設定はすべてスチールホイール+樹脂フルキャップで、アルミはメーカーオプションにしか設定がない。純正の見た目を変えたい動機がそのまま社外ホイールの需要になっているのはこのためだ。なお2019年12月20日以降と2022年7月25日以降の区分では、185/60R15にも15×6J・インセット45のアルミ(センターオーナメント付)がメーカーオプションで設定されていた。
型式で自分の車を特定する
自動車情報サイトのグレード・型式一覧によると、2020年2月から2024年1月までは1.0LガソリンがKSP210、1.5Lガソリンの2WDがMXPA10・4WDがMXPA15、ハイブリッドの2WDがMXPH10・E-FourがMXPH15。2024年1月の一部改良以降のハイブリッドは2WDがMXPH14・4WDがMXPH17。車検証の型式欄を見れば、どれに当たるかはすぐ分かる。
社外ホイールを選ぶ順番
合わなければ物理的に付かない値
PCD100、穴数4、そしてセンターボア。この3つが第1関門で、1つでも外れたら残りを検討する意味はない。センターボアが54mm未満のホイールはハブに通らない。逆に社外品は汎用寸法で54mmより大きいことがあり、その場合は外径がホイール側のセンターボア・内径54mmのツバ付きリング(ハブリング)を併用して車体側のハブに芯を合わせる。商品情報にセンターボアの数値が載っているかは購入前に見ておきたい。
付いてから効いてくる値
第2関門はリム径(純正は14〜16インチ)、リム幅(純正は5 1/2Jまたは6J)、インセット(純正は40/45/50)、1本あたりの重量、デザイン。インセットの数字が純正より小さいほど外側へ、大きいほど内側へ寄るので、ツラ位置を攻めるなら小さく、内側のクリアランスを気にするなら大きく振ることになる。見た目を変えたいのか、冬タイヤ用の2セット目を安く用意したいのかで、ここの詰め方は変わる。後者なら14インチを選んでコストを抑える手もある。
インチを変えるときと車検で見られるところ
負荷能力を純正より下げない
国土交通省の保安基準の細目を定める告示 第89条では、積車状態の軸重を輪数で割った荷重が、そのタイヤの負荷能力以下であることを求めている。ヤリスの純正指定は175/70R14が84S、185/60R15が84H、185/55R16が83V、195/50R16が84Vなので、この指標を下回るタイヤは選ばない。公式資料に設定があるのはこの4通りで、17インチ以上の適合はここでは断定できない。
フェンダーから外側へ出さない
同じ告示の第178条では、直進姿勢で車軸中心を含む鉛直面と、車軸中心を通り前方30度および後方50度に交わる2平面にはさまれた範囲について、タイヤ・ホイール・ホイールキャップ等の回転部分が直上の車体より外側へ突出していないことを求めている。乗用車で突出とみなされない例外は、タイヤのサイドウォール部の文字または記号と、サイドウォール部の保護帯・リブ等で突出量が10mm未満の部分だけ。ホイール本体やホイールキャップはこの例外に含まれない。
アルミホイールの刻印と損傷
第89条は軽合金製ディスクホイールについて、別添2「軽合金製ディスクホイールの技術基準」に基づく鋳出しまたは刻印によるマークが表示され、かつ損傷がないものを堅ろうとされるものとする、と定めている。あわせてハブボルトやナットの緩み・脱落、車輪の著しい振れ、リムの損傷が基準に適合しないものとして挙げられている。中古品を検討するときはこの3点が効いてくる。
ナットはホイールに合わせて選び直す
座面形状は使うホイール側で確認する
ヤリスの取扱書には、タイヤの取り付けには使用しているホイール専用のナットを使用すること、ナットは必ずテーパー部を内側にして取り付けることが、守らないとホイールが外れ落ちるおそれのある事項として書かれている。純正ナットを社外ホイールに流用してよいとは書かれていないので、ホイールを替えたらナットも合わせて用意する前提で考える。実際、公式のタイヤ・ホイール諸元表を見るとホイール側のボルト穴径は純正でもスチールが14mm、アルミが19mmと違う。
ホイールナットメーカーの協永産業は、ナット座には60度テーパー座・球面座・平面座などがあるとして、必ず使用するホイールの取り付け面を確認するよう案内している。取り付け方向についてもテーパー部を取り付け方向に向けるとしている。座面形状は車種ではなくホイール側で決まる、と覚えておけばよい。
締め付けは103N・mで番号順に
取扱書の指定は103N・m(1050kgf・cm)。車体を下ろしたあと、図の番号順で2、3度に分けて締め付ける手順になっている。ねじ部にオイルやグリースを塗らないこと、ホイール接触面の汚れをふき取ることも書かれている。ねじ部やホイールのボルト穴につぶれや亀裂があれば販売店で点検を受ける。装着後しばらく走ったら緩みが出ていないかを見て、必要ならトルクレンチで規定値まで締め直しておく。
用途別に選ぶ2つの候補
| 新品スタッドレス+ホイールセット | 中古スチールホイール | |
|---|---|---|
| Amazon実売価格(確認時点) | ¥74,800 | ¥9,999 |
| 状態 | 新品 | 中古 |
| タイヤ | 付属(185/60R15) | なし |
| 商品名から分かること | タイヤサイズと適合車種 | 適合車種のみ |
冬用に一式そろえるなら前者。商品ページの記載では、ホイールステーションが出品する4本セットの適合車種にヤリス、ヴィッツ、シエンタ(4穴車)、カローラフィールダー、フィット、グレイス、シャトル、スイフトほかが挙げられている。タイヤサイズ185/60R15はヤリスZグレードとE-Fourの標準サイズと同じなので、この2つに乗っているなら純正サイズのまま冬用が組める。ホイールのリム幅やインセット、ホイールとタイヤの銘柄、製造年は商品名には出てこない。
185/60R15 スタッドレスタイヤ&ホイール4本セット(ヤリス・ヴィッツ・シエンタ4穴車ほか対応)
手持ちのタイヤを組むためにホイールだけ安く用意したいなら後者。タイヤショップエムズが出品する中古のスチールホイール4枚組で、商品名ではヤリス・アクア・ヴィッツ向けとされている。リム径やリム幅、インセット、対応年式や型式の限定、キャップの有無は商品名からは読み取れないため、出品ページ側の情報で確認してから注文する。価格も在庫も変動するので、金額はあくまで確認時点のものと見ておきたい。
ヤリス・アクア・ヴィッツ用 鉄ホイール4枚セット(中古)
注文前に確認する項目
セット品も中古品も、商品名に書かれる情報は限られる。次の項目のうち商品ページで埋まらないものがあれば、出品者に問い合わせて回答を得てから注文するのが安全側の進め方だ。
- リム径(インチ)、リム幅(J数)、インセット
- PCD、穴数、センターボア
- ナットが付属するのか別途必要なのか
- 中古なら振れ・曲がり・修復歴・ガリ傷の程度
- タイヤ付きならタイヤの製造年
このうちPCDと穴数が確認できない商品は、ヤリス対応という表記だけを根拠に買わない。 前述のとおりヤリスクロス用のセットにもヤリスの語が入るためで、5穴と書かれていればその時点で対象外になる。インセットも、純正の40/45/50から大きく離れた値ははみ出しや内側の干渉につながりうる。
よくある質問
GRヤリス用のホイールはヤリスに付くのか
付かない。GRヤリスはPCD114.3・5穴・ハブ穴径60mmで、PCD100・4穴のヤリスとはボルト穴の位置も数も合わない。
ヤリスクロス用として売られているセットは流用できるのか
こちらも使えない。ヤリスクロスもPCD114.3・5穴・ハブ穴径60mmで、4穴のヤリスには取り付けられない。
純正のナットを社外ホイールにそのまま使ってよいのか
取扱書は使用しているホイール専用のナットを使うよう求めている。座面形状はホイール側で決まるため、買うホイールの取り付け面に合うナットかどうかを確認して選ぶ。
14インチ標準のグレードに15インチや16インチを履かせてよいのか
公式資料には14・15・16インチの設定がある。ただしタイヤの負荷能力を純正指定より下げないこと、フェンダーから外側へ突出させないことが条件になるので、組み合わせごとにメーカーや販売店の適合情報で確かめてほしい。
中古のホイールでも車検に通るのか
アルミなら技術基準に基づくマークの表示と損傷がないことが求められる。加えてナットの緩み、車輪の著しい振れ、リムの損傷は基準不適合とされているため、届いたら振れと傷の程度を見ておく。
まとめ
ヤリスのホイール選びは、PCD100・4穴・ハブ穴径54mmという共通条件を確認したうえで、自分のグレードの純正サイズ(14インチなら175/70R14、15インチなら185/60R15、16インチなら185/55R16か195/50R16)を起点に候補を1つまで絞り、最後にメーカーや販売店の適合情報で装着できるかを確かめる、という順番になる。落とし穴は2つ、GRヤリスとヤリスクロスの規格違いと、ホイールに合わせたナットの用意だ。冬タイヤ用にもう1セット組むつもりなら、タイヤチェーンとの使い分けも一度考えておくと無駄がない。
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