エブリイのサンシェードを探すと、乗用のエブリイワゴン(DA17W)向けの情報が先に並ぶ。バンの DA17V はワゴンと別型式でグレード名も別系統だから、適合表を流し読みしたまま買うと、届いてからグレード欄に自分の車が無いことに気づく。選び分けの軸は難しくない。駐車のたびに前だけ覆いたいならフロント用の1枚、荷室で寝るなら窓をまとめて覆う1台分セットで、この2つのどちらに寄るかで候補が決まる。
フロント用1枚か、1台分セットか
覆う範囲で商品は2種類に分かれる。フロント用は前面ガラス1枚だけを覆うもので、配達や買い物で停めるたびに数十秒で着脱する使い方に向く。1台分(フルセット)は前面に加えて前後のドアガラス・後席側面・後部の窓まで覆う複数枚構成で、荷室での仮眠や車中泊のように中を見られたくない場面で要る。毎日の駐車が短いならフロント用、荷室で寝るならフルセット、という分け方で外さない。
| 製品 | 覆う範囲 | メーカー表記のスペック | 価格 |
|---|---|---|---|
| セイワ IMP291 | フロント1枚 | ポップアップ/UVカット率100%・遮光率100%・遮熱率58% | 2,436円 |
| Lamicall | フロント1枚 | 6層断熱素材 | 2,299円 |
| Cartist | 1台分8ピース | 5層構造・吸盤式・収納袋付き | 6,990円 |
| SUNVIC | 1台分フルセット | 6層構造 | 7,690円 |
価格は2026年8月17日時点で確認した Amazon の実売価格で、その後変わる。スペック欄の数値はいずれも商品ページのメーカー表記であって、第三者機関の測定値だという記載は確認できていない。
前提を2つだけ先に置く。フロントガラスと運転席・助手席のドアガラスを覆うシェードは駐停車中の使用に限られ、走り出す前に外す。そしてスズキのニュースリリースと主要諸元表によると、2026年5月8日の一部仕様変更で新車の型式は DA18V に切り替わっているため、商品ページの「現行」という表記が DA17V を指しているとは限らない。
DA17V という型式で押さえておくこと
サイズとルーフ形状
スズキが公開しているエブリイの主要諸元表によると、DA17V は2015年2月18日発売で、全長3,395mm・全幅1,475mm、ホイールベース2,430mm、乗車定員4名。最大積載量は350kg(4名乗車時は250kg)。
シェード選びに直接効くのはルーフ形状の違いだ。ハイルーフは JOINターボ・JOIN・PC・PA に設定され、全高1,895mm・荷室高1,240mm。標準ルーフは GA に設定され、全高1,800mm・荷室高1,140mm。荷室長は2名乗車時で1,910mm(PC・PA)、4名乗車時は975mmとなる。車中泊で全窓を覆うつもりなら、この荷室の高さと長さの差が寝床の作り方に響く。
カタログの型式表記と、いまの新車の型式
2015年2月時点のカタログでは、DA17V の車名・型式表記は「スズキ EBD-DA17V」と「スズキ HBD-DA17V」の2通りが併記されている。車検証の型式欄にもこの接頭記号を含む形で載る。
一方、現在スズキが公開している主要諸元表では車名・型式が「スズキ 3BD-DA18V」「スズキ 5BD-DA18V」、エブリイワゴンは「スズキ・3BA-DA18W」で、ルーフ形状はハイルーフのみ、機種は JOINターボ・JOIN・PC・PA になっている。DA17V はすでに新車として売られている型式ではない。
グレード名も別系統だ。2015年2月発売時のバンは GA・PA・PC・JOIN・JOINターボ の5種類で、乗用のワゴンは JPターボ・PZターボ・PZターボスペシャル。商品ページの適合欄にワゴンのグレード名しか並んでいなければ、その時点で自分の車の話ではない。
走行中に使える窓と、駐車中しか使えない窓
国土交通省が公開している道路運送車両の保安基準と細目告示では、窓ごとに扱いが分かれている。保安基準第29条第3項は、前面ガラスおよび側面ガラス(告示で定める部分を除く)について、運転者の視野を妨げないものとして可視光線の透過率等が告示の基準に適合しなければならないと定める。細目告示第195条第3項第2号はその基準を、運転者が交通状況を確認するために必要な視野の範囲に係る部分における可視光線の透過率が70%以上であることと定めている。
つまりフロントガラスと、運転席・助手席のドアガラス(運転者席より前方の側面ガラス)を覆うシェードは駐停車中の専用品で、走り出す前に必ず取り外す。 走行中の日よけとして買うものではない。
一方、細目告示第195条第4項は70%の基準から除かれる「告示で定める部分」を運転者席より後方の部分と定め、そこに運転者席より後方の座席等の側面ガラスが含まれるとしている。スライドドアより後ろに窓がある DA17V では、この後方部分が70%基準の適用対象外にあたる。ただしこれは透過率の基準の話に限られ、後方視界の確保など他の規定まで含めた適法性はここでは判断できない。走行中に付けたままにする前提で後方用を選ぶ、という買い方はしないほうがいい。
サンシェードで実際にどこまで変わるのか
JAFが公開しているユーザーテスト「真夏の車内温度」では、2012年8月22日・23日に晴れ・外気温35度の条件で、正午から4時間の車内温度を測っている。テスト車両はミニバン5台。
| 条件 | 車内 | ダッシュボード |
|---|---|---|
| 対策なし(黒) | 57℃ | 79℃ |
| 対策なし(白) | 52℃ | 74℃ |
| サンシェード装着 | 50℃ | 52℃ |
| 窓開け3cm | 45℃ | 75℃ |
| エアコン作動 | 27℃ | 61℃ |
読み方を間違えないでほしい。サンシェードを付けても車内は50℃まで上がる一方、ダッシュボードは79℃から52℃へ落ちている。効いているのは主に直射を受ける面であって、車内全体の温度ではない。JAF自身もこのテストの結びで、サンシェード対策や窓開け対策をしていても温度抑制効果は低く、人や動物が耐えられない温度になり、車内温度の上昇を防ぐことはできないとしている。テスト車両はミニバン5台なので、軽ボンネットバンの DA17V で同じ数値がそのまま出るとは言えない。
だからサンシェードは、ハンドルやダッシュボードが触れないほど熱くなるのを抑える道具として置くと期待とずれない。日陰に停める、乗った直後に窓を開けて熱気を逃がす、エアコンで下げる、という手順と組み合わせて初めて実用になる。乗車後の冷房の効きが落ちてきたと感じるなら、風の通り道側も一度見ておきたい。
DA17V 向けサンシェードの選び方
覆う範囲を先に決める
冒頭の分岐がそのまま比較の第1軸になる。仕事で1日に何度も停める使い方なら、着脱に手間のかかる全窓セットは持て余す。逆に荷室で仮眠や車中泊をするなら、フロントだけでは中が見えるので、前席側面・スライドドア・後部の窓まで覆えるセットにして、外からの視線と朝方の日差しをまとめて切る。
固定方式で着脱の速さが変わる
ポップアップ型は広げて置くだけで自立し、たたむとリング状に小さくなる。吸盤式はガラス面に押し付けて留めるので位置を細かく決められる代わりに、貼る前の下準備と吸盤の手入れが要る。折りたたみ型は面で覆えるが、サンバイザーで押さえる前提のものが多い。1日に何度も乗り降りするなら着脱の速さ、週末の車中泊中心なら覆う面積、と優先順位が入れ替わる。
メーカー表記の数値は序列にしない
商品ページに並ぶ「5層構造」「6層断熱素材」「UVカット率100%」「遮光率100%」「遮熱率58%」といった数値は、各商品ページのメーカー表記では第三者機関の測定値だとの記載が確認できない。層数についても業界共通の試験規格が確認できないため、層が多いほど遮熱性能が高いという読み方はしない。数値そのものより、覆う範囲・固定方式・サイズが自車に合うかで決める。
たたんだあとの収まり
DA17V は荷室を仕事の積載に使うことが多い。常時積みっぱなしにするなら、たたんだあとの形(リング状か板状か)と厚み、収納袋が付くかどうかが実際の判断材料になる。助手席側の隙間や運転席背面に収まるサイズかを、購入前に商品ページの収納時寸法で見ておく。
DA17V 対応サンシェード4選
フロント用の2点
セイワ(SEIWA)のポップアップサンシェード IMP291 は、商品ページで適合を「スズキ エブリイ(DA17V)(DA17W)」、対応グレードを「JOIN/PC/PAリミテッド/PA」と表記したフロント用。メーカー表記のスペックは UVカット率100%・遮光率100%・遮熱率58%で、方式はポップアップ、用途として猛暑対策・車中泊・プライバシー保護を挙げている。DA17V の型式とグレードを名指しで書いている点が効くので、列挙されたグレードに自分の車が入るなら第1候補にしていい。
セイワ IMP291 ポップアップサンシェード(エブリイ DA17V・DA17W 専用/フロント用)
Lamicall のフロントガラス用サンシェードは、商品ページで素材を「6層断熱素材」、適合を「スズキ エブリイ/エブリイワゴン DA18V・DA18W・DA17V・DA17W型」と表記している。覆う対象はフロントガラスのみ。新旧2世代の型式をまとめて適合に掲げているので、DA17V から乗り換えの予定がある人や、家族で新旧2台に乗っている場合に扱いやすい。グレードの列挙はないため、適合欄の型式表記で判断することになる。
Lamicall 6層断熱 フロントガラス用サンシェード(エブリイ DA17V・DA17W 対応)
1台分セットの2点
Cartist の1台分サンシェードは、商品ページで「スズキ エブリイ DA17W DA17V」「5層構造」「1台分」「遮光」「収納袋付き」「吸盤式」「8P(8ピース)」と表記している。8枚組で窓をまとめて覆えて収納袋も付くが、同じタイトルに適合年式として「2024年2月~現行」と書かれている。DA17V でも2024年2月より前の年式が含まれるかは、この表記からは読み取れないので、自分の初度登録年月と照らして出品者に確認したい。年式で適合表記が区切られている製品が実在する、という実例でもある。
Cartist 5層構造 1台分8ピース サンシェード 吸盤式・収納袋付き(エブリイ DA17V・DA17W)
SUNVIC の遮光シェードは、商品ページで「スズキ エブリイ サンシェード DA17W DA17V」「6層構造」「フルセット」と表記している。フロント単体ではなく全窓をまとめて覆う構成で、適合は DA17W と DA17V の両方を挙げている。年式の区切り表記がない分、荷室で寝ることが決まっていて全窓を一度に揃えたいならこちらが素直だ。
SUNVIC 6層構造 遮光シェード フルセット(エブリイ DA17V・DA17W)
車中泊の使い方から寝床の寸法まで詰めるなら、荷室側の作り込みも合わせて見ておくといい。
買う前の適合チェックと、吸盤の下準備
車検証と商品ページを照合する手順
- 車検証の「型式」欄で DA17V であることを確認する(EBD-DA17V/HBD-DA17V のように接頭記号が付く)。
- 初度登録年月を確認する。
- 商品ページの適合型式に DA17V が含まれるかを見る。
- 適合年式の記載があれば、自車の年式が範囲に入るかを見る。
- グレード表記があれば、自分のグレードが列挙に含まれるかを見る。列挙に無いグレードでも使えると決めつけない。
- 1台分セットなら、付属枚数とどの窓に対応する枚数かを確認する。
今回の4製品はいずれも DA17V と DA17W を同じ適合として掲載しているが、それは両方に使えるとメーカーが表記しているという事実までで、両車のガラスが同一部品だと確認できたわけではない。ハイルーフと標準ルーフで全高と荷室高が違う点も含め、最後はメーカーの適合情報で確かめてほしい。
吸盤式を長持ちさせる
ガラスの内側は油膜とホコリで吸着が落ちる。装着前に内窓用クリーナーなどで拭き上げてから貼ると付きが違う。吸盤が効かなくなってきたら、中性洗剤を薄めた水で洗ってよく乾かすと戻ることが多い。真夏の車内に放置すると吸盤が変形しやすいので、使わないときは畳んで収納袋に入れる。ガラス内側を触るついでに、拭き取りの相棒も点検しておきたい。
よくある質問
サンシェードを付けたまま走ってもいいですか
フロントガラスと運転席・助手席のドアガラスを覆うものは駐停車中だけの使用で、走る前に外す。可視光線透過率70%の基準を満たさなくなるためだ。後方の窓は70%基準の対象外にあたるが、それ以外の規定まで含めた適法性は本記事の出典では判断できないので、付けたまま走る前提では選ばない。
ワゴン(DA17W)用と書かれた製品はバン(DA17V)に使えますか
商品ページの適合欄に DA17V が併記されていれば、メーカーがバンにも使えると表記していることになる。DA17W としか書かれていない製品を、ガラスが同じだろうと推測して流用しない。バンとワゴンは型式もグレード名も別系統だ。
サンシェードを使うと車内はどのくらい涼しくなりますか
JAFのテストではサンシェード装着時の車内が50℃、ダッシュボードが52℃という測定値だった。下がり方が大きいのはダッシュボード側で、車内全体は高いままだ。テスト車両はミニバン5台なので、DA17V で同じ数値が出るとは言えない。
自分の年式の DA17V に合うかはどこで確認しますか
車検証の型式欄と初度登録年月を見てから、商品ページの適合型式と適合年式に当てる。適合年式が「2024年2月~現行」のように区切られている製品では、範囲の外の年式が対象かどうかを表記だけで判断しない。
フロント1枚と1台分セットはどちらを買うべきですか
停める時間が短く、荷室で寝ないならフロント1枚で足りる。荷室で仮眠や車中泊をする、あるいは外からの視線を切りたいなら1台分セットを選ぶ。迷ったら、まずフロント1枚を試してから足りない窓を足していく順番でも遠回りにはならない。
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まとめ
DA17V のサンシェードは、駐車のたびに前だけ覆うならフロント用の1枚、荷室で寝るなら1台分セット、という用途分岐でまず1つに絞る。そのうえで、車検証の型式欄と初度登録年月を商品ページの適合型式・適合年式に当てて最終確認する、という順番で買えば外しにくい。フロント用は走り出す前に外す前提の商品であり、JAFの測定値が示すとおり、車内全体を涼しく保つ道具でもない。ダッシュボードやハンドルの熱さを抑えるものと考えて、日陰への駐車や乗車直後の換気と合わせて使ってほしい。
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