ワゴンRのシートカバーは、車検証の型式と初度登録年月が分かれば候補がぐっと減る。MH23S、MH34S・MH44S、MH35S以降という3つの帯で適合表が別々に組まれていて、帯をまたぐと同じワゴンR用の表記でも付かない。型式が合っていても、1列目のシート形状やサイドエアバッグの有無で品番はさらに分かれる。まず自分がどの帯に属するかを確かめてから商品を見に行く順番が、いちばん早く終わる。
型式と年式で3つの帯に分かれる
シートカバーの車種別適合表の記載では、ワゴンRの適合区分は次のように切られている。
| 型式 | 対応年式 | この記事で扱う商品 |
|---|---|---|
| MH35S・MH55S・MH85S・MH95S | 平成29年2月以降 | 3点 |
| MH34S・MH44S | 平成24年9月〜平成29年2月 | なし |
| MH23S | 平成20年10月〜平成24年8月 | 1点 |
現行帯が平成29年2月から始まるのは、スズキが2017年2月1日に新型ワゴンRとワゴンRスティングレーを発売したことと重なる。型式が合っていても初度登録年月が範囲の外なら適合しない場合があるため、車検証は型式と初度登録年月の両方を見る。
MH34S・MH44S の帯は、今回挙げた4点の対象から外れる。この帯に乗っているなら、以降の確認手順はそのまま使えるので、該当年式の適合表を持つ製品を同じ手順で探すことになる。
車検証のどこを見れば型式が分かるか
車検証の型式欄は「5AA-MH95S」「5BA-MH85S」のように、排出ガス記号を頭に付けた表記になる。ハイフンより後ろの MH95S、MH85S の部分が、適合表で使われる型式にあたる。頭の記号まで含めて検索すると候補が出てこないことがあるので、後ろ側だけを控えておけばいい。
注文前に控える5項目
適合表に当たる前に、次の5つを手元にそろえる。ここまで決まれば候補は数点まで落ちる。
- 車検証の型式(MH23S、MH35S、MH85S など)と初度登録年月
- 1列目がベンチシートか、運転席にシートリフターが付いているか
- サイドエアバッグの有無(グレードで変わる)
- シートヒーターの有無
- ラゲッジマットなどメーカーオプションの装着有無
ひとつでも空欄のまま注文すると、届いてから合わないと分かることになる。
1列目の形とシートリフター
ワゴンR用の適合表では「1列目ベンチシート」「運転席シートリフター無し車」といった条件が指定されていて、条件が違えば別の品番になるか、そもそも適合しない。乗車定員4人の指定が付く場合もある。運転席の座面高さを変えるレバーが付いているかどうかは、実車で触って確かめるのが早い。
オプション装着とシートヒーター
適合表には「MH35S/MH55S/MH85S/MH95Sのオプションラゲッジマット装着車は適合不可」という但し書きがある。型式も年式もシート形状も合っているのに使えない、という分かれ方をするので、適合表は表の本文だけでなく注記まで読む。ワゴンRには運転席&助手席シートヒーターの設定があり(ステアリングヒーターは HYBRID ZX)、装備車が適合表で別区分になっていることもある。
サイドエアバッグ対応は何を指すのか
装備されるのはどのグレードか
スズキが公開しているワゴンRの安全装備の案内では、運転席・助手席SRSエアバッグは全車に備わり、フロントシートSRSサイドエアバッグとSRSカーテンエアバッグは HYBRID ZX に装備される、と記載されている。ワゴンRなら全車にサイドエアバッグが付いている、ではない。自分のグレードに付いているかどうかで、選ぶべき縫製が変わる。
「対応」表示が意味すること
サイドエアバッグ対応をうたうカバーは、エアバッグが出る位置の縫い目を意図して弱く作ってある。スズキの純正シートカバーの製品案内には、SRSサイドエアバッグ展開ラインに特殊縫製糸を使用しており、展開時には糸が切れて正しく展開する、と書かれている。シートカバーメーカーのイレブンインターナショナルも、1列目背もたれの両横とサイドエアバッグの開閉部分に専用の縫製と縫製糸を使い、他の部分より糸が切れやすくしていると説明している。
同社は、正しく取り付けないと衝突したときにサイドエアバッグが正常に作動せず、重大な障害や最悪の場合は死亡につながる恐れがある、という注意も示している。あわせて、平成28年5月時点でサイドエアバッグの正式な安全規格がないため、対応表示は自社独自の評価試験の結果に基づくものだ、とも書いている。対応品を買えば装着方法を問わず安全、という話ではない。
素材とカバー範囲で絞る
素材で分かれるところ
レザー調(PVC系)は表面を拭き取れるので、飲みこぼしや泥汚れが多い使い方に強い。製品によっては抗菌防臭や難燃性が試験規格の合格として表示されていて、そこまで書いてある製品は選ぶ根拠がはっきりする。布・ニット系は価格が抑えられ、肌当たりの柔らかさと通気で選ばれる。防水タイプは水を通しにくく、濡れた荷物や作業着のまま乗る使い方に効く。スズキの純正シートカバーの案内によれば純正のラインアップにも丸洗いできるモデルや防水タイプがあり、洗えるかどうかは長く使うほど効いてくる。
何席分を覆うか
全席分のセットは見た目が揃い後席の汚れも防げるが、装着に時間がかかる。前席のみのセットは費用も手間も軽く、運転席の擦れを隠すだけなら足りる。座布団のように置くタイプや被せるだけのタイプは着脱が早い代わりに、専用設計のフルカバーよりずれやすい。何席分入っているかは商品ごとに違うので、必要な範囲と一致しているかを買う前に見る。
なお純正シートカバーは、新車開発中から実際のシート設計図面を使う車種専用設計とされ、純正シートと同様に耐候(光)性能が高いとされて3年6万kmの保証が付く。社外品を見るときも、車種専用設計か、洗えるか、色あせにどれだけ強いか、という物差しはそのまま使える。
型式帯別のおすすめ4点
クラッツィオ ジュニア(MH35S以降の帯・全席分)
車種別専用設計のフルカバーで、素材はBioPVC、生地厚は0.8mm。抗菌防臭加工はJIS L 1902合格、難燃性はJIS D 1201合格と表示されている。スポンジ素材は最大10mm、フロントシート座面には高反発スポンジ8mmが入る。パンチング加工のアーチデザインにダブルステッチ、カラーはアイボリー、ブラック、ブラウンの3色。仕様が数字で開示されている分、届いてからの落差が小さい。1列目の形とラゲッジマットの但し書きだけは、注文前に品番側で確かめておく。
クラッツィオ ジュニア ワゴンR/フレア用 シートカバー ブラック
MH55S・MH35S 専用のレザー&パンチング
現行帯の前半、MH55S と MH35S に絞った専用設計。表面はレザー調で、座面に通気のためのパンチングが入る。拭き取りで済ませたいが総革調だと蒸れが気になる、という間を取りたいときに収まる。MH85S・MH95S は対象に入らないので、平成29年2月以降でも自分の型式が後期側なら次の1点を見る。
トランセス MH55S/MH35S ワゴンR専用シートカバー レザー&パンチング
MH35S から MH95S までをまとめたレザー調5席分
現行帯の4型式をまとめて対象にした5席分のセット。レザー調で防水をうたい、濡れたものを積む機会が多い使い方に向く。対象型式の範囲が広い製品ほど、シート形状やオプションの但し書きで外れる余地が残るため、自分の条件との突き合わせは省かない。
ワゴンR MH35S/MH55S/MH85S/MH95S用 レザー調シートカバー 5席分
MH23S 世代に残る専用品
平成20年10月から平成24年8月までの MH23S 向けで、スティングレーも対象に含む専用設計。素材はフェイクレザー。擦れた座面を隠したいだけなら、この帯で車種専用のものを選べること自体が効いてくる。MH34S・MH44S には使えない。
トランセス MH23S ワゴンR/スティングレー専用シートカバー フェイクレザー
取り付けと装着後の確認
届いたカバーをただ被せるだけだと、対応品でも用をなさない場面がある。手を動かす前に2つだけ押さえる。
展開ラインとラベルの向きを合わせる
スズキの純正シートカバーの案内では、SRS AIRBAG ラベルが車両外側になるよう装着すること、シートとシートカバーのSRSサイドエアバッグ展開ラインが合うよう装着すること、取付・取扱説明書を参照して正しい手順で行うことが示されている。カバー側とシート側の展開ラインがずれたまま被せると、対応品を選んだ意味がなくなる。展開ライン部分は糸が切れやすくしてあるので、引っ張って位置を合わせるような力のかけ方もしない。
装着後に座席を動かして確かめる
カバーを通すためにヘッドレストを抜いたときは、必ず元どおりに戻す。同じ案内にはヘッドレストは重要な保安部品なので正しく取り付けると明記されている。高さが合っていない、奥まで差し込まれていない、という状態のまま走らせない。座席の動きも見ておきたい。スズキが公開している室内の案内によれば、ワゴンRの後席はシートごとに前後位置とリクライニング角度を調節でき、背もたれはワンタッチで倒せて荷室が広がる。装着前と同じようにスライド、リクライニング、背もたれを倒す操作ができるかを一通り試す。
よくある質問
シートカバーを付けたまま車検は通るのか
シートカバーの装着そのものを禁じる規定は確認できていないため、通る通らないをここで断定しない。はっきり言えるのは3点。ヘッドレストは保安部品なので正しく取り付けること、シートベルトの通し位置やバックルの操作をカバーが妨げないこと、サイドエアバッグ装備車では展開を妨げない装着が前提になること。迷うなら装着した状態のまま整備工場や販売店に見てもらう。
ワゴンRスマイル用と共通で使えるのか
ワゴンRスマイルはワゴンRとは別のモデルで、型式もMH系ではなくMX系になる。ワゴンR用の適合表に並ぶのは MH35S・MH55S・MH85S・MH95S・MH34S・MH44S・MH23S などで、ワゴンRスマイルの型式は入っていない。スマイルに使うなら、スマイル用として適合が示された製品を別に選ぶ。
シートヒーター装備車でも装着できるのか
シートヒーター装備車は適合表で別区分になっていることがあるので、装備の有無を確認したうえで、その条件に合う品番を選ぶ。カバーを付けたときの熱の伝わり方については参照できる資料を確認できていないため、ここでは触れない。気になるなら製品側の記載を見るか、販売元に問い合わせる。
取り付けは自分でできるのか
製品の作りで手間が大きく変わる。専用設計のフルカバーはヘッドレストを外し、シートの隙間にカバーの端を差し込んで留める工程があり、全席分だとそれなりに時間がかかる。被せるタイプや座布団タイプは短時間で済む。所要時間は製品と作業する人の慣れで変わるため一律には言えないが、どの製品でも付属の取付説明書の手順に従うのが前提になる。自信がなければ取り付けを扱う店に頼む手もある。
まとめ
型式と初度登録年月、1列目の形とシートリフター、サイドエアバッグ、オプション装着。この4点を控えてから適合表に当たれば、ワゴンRのシートカバー選びは長引かない。現行帯(MH35S・MH55S・MH85S・MH95S)で仕様の数字まで見て決めたいならクラッツィオ ジュニア、型式が MH55S・MH35S に収まるなら専用のレザー&パンチング、防水込みで4型式をまとめたいならレザー調の5席分、MH23S ならフェイクレザーの専用品。まず候補を1点に絞り、その品番の適合情報をメーカー側で最終確認してから注文する。
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