スタッドレスへの履き替えや、溝が減ってきた夏タイヤの買い替えを前に、自分の型式でどのサイズを頼めばいいのか手が止まることがある。ワゴンR MH35S の純正タイヤは、駆動方式にもミッションにも関係なく、前後とも 155/65R14 75S でそろっている。ここではその根拠になる型式別データに加えて、純正ホイールの規格、指定空気圧、15インチ化と13インチ化の互換サイズまで、車検証の型式から一本でたどれる形にまとめた。
MH35Sの純正タイヤは前後とも155/65R14
MH35S は6代目ワゴンRのうち、マイルドハイブリッドを積まないガソリン車(FA)に与えられた型式で、2017年2月の登場から2020年1月のマイナーチェンジまでが該当する。この型式に属する車はすべて14インチで、駆動方式やミッションによるサイズの違いはない。
| 駆動方式 | ミッション | 型式(細分記号) | 純正タイヤサイズ |
|---|---|---|---|
| 2WD | CVT | DBA-MH35S-WFAE | 155/65R14 75S |
| 2WD | 5MT | DBA-MH35S-WFAF | 155/65R14 75S |
| 4WD | CVT | DBA-MH35S-WFAQ | 155/65R14 75S |
| 4WD | 5MT | DBA-MH35S-WFAJ | 155/65R14 75S |
MH35Sには15インチの純正設定が存在せず、4パターンすべてが155/65R14でそろう。前後で異なるサイズを履く設定もないため、4本まとめて同じサイズを注文して差し支えない。
グレードはFA一本
6代目ワゴンRは、ガソリン車のFAと、マイルドハイブリッドのHYBRID FX・HYBRID FZ、そしてスティングレー系に分かれている。このうちMH35Sを名乗るのはFAだけで、ハイブリッド系はMH55Sという別の型式になる。カタログでグレード名を探すよりも、車検証の「型式」欄にMH35Sと書かれているかどうかを見るほうが早い。
155/65R14 75Sという数字の読み方
購入時に迷いやすいのは、サイズの後ろに付く「75S」の部分になる。
- 155 … タイヤの断面幅(ミリ)
- 65 … 偏平率。断面幅に対する高さの割合(パーセント)
- R … ラジアル構造
- 14 … 対応するホイールのリム径(インチ)
- 75 … ロードインデックス。1本あたり387kgまで支えられる
- S … 速度記号。180km/hまで対応する
このうちロードインデックスと速度記号は、純正と同じか上回るものを選ぶ。155/65R14というサイズだけを合わせても、ロードインデックスが75を下回る製品を履くと負荷能力が不足する。市販の155/65R14はほぼ75Sか、より上位の値で作られているため、サイズさえ合っていれば大きく外すことは少ない。
純正ホイールは14×4.5J インセット+45
タイヤだけを買い替えるなら気にしなくてよいが、アルミホイールごと替えるとなるとホイール側の規格が要る。MH35Sの純正ホイールは次のとおり。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| リム径 | 14インチ |
| リム幅 | 4.5J |
| インセット(オフセット) | +45 |
| PCD | 100mm |
| 穴数 | 4穴 |
| ハブ径(センターボア) | 54mm |
PCD100の4穴・ハブ径54mmは軽自動車で最も数の多い組み合わせで、社外ホイールの選択肢は広い。ハブ径が54mmより大きいホイールを使う場合は、ツバ付きのハブリングを挟んで芯を出す。
インセットを変えるとどうなるか
インセットの数字を小さくするほどホイールは外側へ出る。+45から+38あたりまでは同じ4.5J〜5.0J幅でも収まる例が多いものの、フェンダーからのはみ出しは車検に直結する。ツライチ狙いで数値を攻めるより、まずは純正と同じ+45前後から始めるほうが失敗が少ない。タイヤ幅を広げた場合はインナー側との干渉も出るため、実車での確認は省けない。
ホイールナットはM12×P1.25の19HEX
スズキ車のホイールナットはネジがM12×P1.25、二面幅は19HEX、座面は60度テーパーが基本になる。トヨタ・ダイハツ系のM12×P1.5とはピッチが違い、ピッチ違いのナットを無理に締め込むとハブボルトのネジ山が潰れる。社外アルミに替えるときは、ホイール側の座面形状に合ったナットを新たに用意し、純正スチール用のナットを流用しない。
指定空気圧240kPaと締め付けトルク85N・m
MH35Sの指定空気圧は前後とも240kPaとされている。軽自動車は車重に対してタイヤが小さいぶん指定値が高めで、普通車の感覚で200kPa前後に合わせると不足する。ホイールナットの締め付けトルクは4輪とも85N・m(870kgf・cm)で、グレードによる違いはない。
空気圧はドア開口部のラベルが正本
指定空気圧は運転席ドアの開口部に貼られたラベルに、装着タイヤサイズとセットで記載されている。カタログ値やネット上の数字ではなく、この車両ラベルが自分の車にとっての正本になる。インチアップやインチダウンをして純正と違うサイズを履いている場合、ラベルの数字をそのまま使うのではなく、負荷能力が同等になる空気圧へ換算する必要がある。この換算はタイヤ販売店が持つ負荷能力対応表で出せるため、サイズを変えた時点で一度出してもらうとよい。
月に一度、冷えた状態での点検を習慣にしておくと、空気圧不足による偏摩耗や燃費悪化を避けられる。
応急用スペアタイヤはT125/70D14
MH35Sに積まれる応急用スペアタイヤはT125/70D14で、指定空気圧は420kPaと本来のタイヤよりかなり高い。積みっぱなしのまま何年も点検しないと、いざ使うときに空気が抜けている。応急用は走行距離と速度に制限があり、装着したまま走り続ける前提のタイヤではないため、使ったらそのまま販売店へ向かう。
15インチ化・13インチ化の互換サイズ
サイズを変えるときの基準になるのが外径になる。純正155/65R14の外径は557mmで、ここから大きく離れるほど速度計の表示と実速度がずれる。
| 用途 | サイズ | 外径 | 純正との差 |
|---|---|---|---|
| 純正 | 155/65R14 | 557mm | — |
| インチアップ | 165/55R15 | 562mm | +5mm(+0.9%) |
| インチダウン | 145/80R13 | 562mm | +5mm(+0.9%) |
| 参考(小径) | 165/50R15 | 546mm | −11mm(−2.0%) |
165/55R15は同じ6代目の純正サイズ
15インチへ上げる場合の定番が165/55R15になる。このサイズは同じ6代目のMH55S・HYBRID FZリミテッドが純正で履いているサイズで、車体側の骨格が共通のMH35Sにとっては素性のわかった選択になる。外径差も+5mmと1%以内に収まる。ホイールは15×4.5J〜5.0J、インセットは+45前後が目安になる。
145/80R13はスタッドレスの定番
冬タイヤの費用を抑えたいなら13インチへ落とす手がある。145/80R13の外径は562mmで、こちらも純正との差は+5mmに収まる。軽自動車のスタッドレスとして最も流通量が多いサイズのため、製品も価格帯も選びやすい。ただしMH35Sには13インチの純正設定がなく、ブレーキキャリパーとの隙間はホイールの内側形状しだいで変わる。13インチ化するときは、ホイールメーカーの適合検索で型式を指定して確認するか、販売店に現車で合わせてもらう。
外径が離れたサイズを避ける理由
外径が小さくなると、同じ速度でもタイヤの回転数が増え、実速度より速い数字がメーターに出る。逆に大きくすればメーターは実速度より遅い数字を示す。車検の速度計検査には許容範囲があり、外径差が2%を超えるあたりから余裕が乏しくなる。165/50R15のように−2.0%まで小さくなるサイズは、上の表に参考として載せてはいるものの、積極的に選ぶ理由は乏しい。外径差は±1%以内、つまり552mm〜562mmの範囲に収めるのが扱いやすい。
MH35SとMH55Sの見分け方
同じ6代目でも型式が違えば純正サイズが変わる場合がある。ワゴンRのタイヤを買う前に、自分の型式を確定させておきたい。
車検証の型式欄で判断する
車検証の「型式」欄には、DBA-MH35S のように排出ガス記号と型式が並んで記載されている。MH35Sならガソリン車のFA、MH55Sならマイルドハイブリッド車になる。エンジンルームを開けなくても、車検証の1行でタイヤサイズまで決まるのがこの車の分かりやすいところになる。
6代目の型式別サイズ一覧
| 型式 | 主なグレード | 純正タイヤサイズ |
|---|---|---|
| MH35S | FA | 155/65R14 75S |
| MH55S | HYBRID FX / HYBRID FZ | 155/65R14 75S |
| MH55S | HYBRID FZリミテッド | 165/55R15 75V |
| MH85S | FA / FX | 155/65R14 75S |
| MH95S | HYBRID FX / HYBRID FZ | 155/65R14 75S |
6代目の大半は14インチで、15インチはリミテッドやスティングレーの上位グレードに限られる。MH35Sの場合は迷う余地がなく、155/65R14の一択になる。
タイヤ交換の時期と費用の目安
サイズが決まったら、次に気になるのが替えどきと予算になる。
溝1.6mmと使用年数で判断する
タイヤの溝にはスリップサインが埋め込まれていて、残り溝が1.6mmまで減るとトレッド面と同じ高さで現れる。ここまで来た状態は使用限界で、車検も通らない。溝が残っていても、ゴムは時間とともに硬くなるため、使用年数はおおむね3〜5年が目安になる。片減りのような偏摩耗が出ている場合は、溝の残量にかかわらず交換とアライメント点検の対象になる。
費用の目安
155/65R14の夏タイヤは1本あたり3,289円〜14,960円ほどの幅がある。アジアンブランドと国産プレミアムで価格差が大きく出るサイズになる。工賃はこれと別に、組み替えが1本1,100円〜、バランス調整が1本1,100円〜、ゴムバルブ交換が1個275円〜、廃タイヤ処分が1本250円〜が目安になる。4本を一度に替えると、タイヤ本体に加えて工賃側でおよそ1万円前後を見込んでおくと計算が合いやすい。
よくある質問
ワゴンR MH35Sに165/55R15は履けますか
履ける。同じ6代目のMH55S・HYBRID FZリミテッドが純正で採用しているサイズで、外径差も+5mm(+0.9%)と小さい。ホイールは15×4.5J〜5.0J、インセット+45前後を選ぶ。ただしタイヤの外径が変わるぶん、空気圧は純正の240kPaをそのまま使うのではなく、負荷能力が同等になる値へ販売店で換算してもらう。
4WDと2WDでタイヤサイズは違いますか
違わない。MH35Sは2WD・4WDのどちらも、CVT・5MTのどちらも、前後すべて155/65R14 75Sで共通になる。4WD車だからといって別サイズを探す必要はない。
スタッドレスは何インチを買えばよいですか
純正と同じ155/65R14を選べば確認の手間がない。費用を抑えたい場合は145/80R13へのインチダウンという手もあり、外径差は+5mmに収まる。ただしMH35Sに13インチの純正設定はないため、ホイールを新規に買うならメーカーの適合検索で型式指定の確認を通しておく。
ホイールナットはトヨタ車のものを流用できますか
できない。スズキはM12×P1.25、トヨタ・ダイハツ系はM12×P1.5でネジピッチが違う。見た目が似ていても互換性はなく、無理に締めるとハブボルト側のネジ山を傷める。MH35Sには19HEX・60度テーパー座のM12×P1.25を用意する。
空気圧はどこを見れば分かりますか
運転席ドアの開口部に貼られたラベルに、純正タイヤサイズと前後それぞれの指定空気圧が記載されている。MH35Sは前後240kPaが指定値になる。月に一度、タイヤが冷えている状態で点検すると、偏摩耗と燃費悪化を抑えられる。
まとめ
ワゴンR MH35S のタイヤ選びは、車検証で型式を確かめた時点でほぼ終わる。押さえておく数字を並べると次のようになる。
- 純正タイヤは前後とも 155/65R14 75S。2WD・4WD・CVT・5MTすべて共通で、15インチの純正設定はない
- 純正ホイールは 14×4.5J インセット+45/PCD100/4穴/ハブ径54mm
- ホイールナットは M12×P1.25・19HEX・60度テーパー座、締め付けトルクは85N・m
- 指定空気圧は前後240kPa。正本は運転席ドア開口部のラベル
- インチアップは165/55R15(外径+5mm)、インチダウンは145/80R13(外径+5mm)が扱いやすい
サイズを純正から動かしたときだけ、空気圧の換算とホイールの適合確認という2つの作業が増える。純正と同じ155/65R14で組む限りは、この2つを飛ばして注文しても問題は起きない。

コメント