納車したZR-VをLED化しようとバルブの適合表を開くと、ヘッドライトの欄が空欄か「設定なし」になっていて手が止まります。球切れに備えて替えの型番を控えておきたい、という場面でも同じ壁に当たります。ZR-V(RZ3・RZ4・RZ5・RZ6)は外まわりの灯火がほぼ全てLEDで、抜き差しできる電球という部品そのものが車両に存在しないためです。Honda公式の取扱説明書をもとに、どの灯火がLEDで、どこに電球が残っているのかを一覧にしました。
ZR-V(RZ3・RZ4・RZ5・RZ6)の灯火早見表
まず全体像から押さえます。ZR-Vで交換用のバルブを買う場面は、この表を見れば2か所しかないことが分かります。
対象になる型式と年式
ZR-Vの発売は2023年4月21日。型式は4種類あり、ガソリンとe:HEVで数字が交互に並びます。
| 型式 | パワートレイン | 総排気量 | 駆動方式 |
|---|---|---|---|
| 5BA-RZ3 | ガソリン 1.5Lターボ | 1,496cc | FF |
| 5BA-RZ5 | ガソリン 1.5Lターボ | 1,496cc | 4WD |
| 6AA-RZ4 | e:HEV 2.0L | 1,993cc | FF |
| 6AA-RZ6 | e:HEV 2.0L | 1,993cc | 4WD |
数字の並びには癖があります。RZ3とRZ5がガソリン、RZ4とRZ6がe:HEVで、連番でガソリンからハイブリッドへ切り替わるわけではありません。迷ったら型式の頭を見ます。5BAで始まればガソリン、6AAで始まればe:HEVです。もっとも、灯火の仕様は4型式すべてで共通なので、バルブを探すうえで型式の違いに悩む場面は出てきません。車検証の「型式」欄を見れば自分の車がどれかは数秒で分かります。
灯火別のバルブ早見表
| 灯火 | ZR-Vの光源 | ユーザーによる交換 |
|---|---|---|
| ロービーム/ハイビーム | LED | 不可(Honda販売店) |
| デイタイムランニングライト/車幅灯 | LED | 不可 |
| フロントウインカー | LED | 不可 |
| サイドウインカー | LED | 不可 |
| アクティブコーナリングライト | LED | 不可 |
| ブレーキランプ(制動灯) | LED | 不可 |
| テールランプ(尾灯) | LED | 不可 |
| リアウインカー | LED | 不可 |
| バックランプ(後退灯) | LED | 不可 |
| ナンバー灯(番号灯) | LED | 不可 |
| ハイマウントストップランプ | LED | 不可 |
| バニティミラー照明灯 | 電球 12V 2W | 可 |
取扱説明書のなかで電球の仕様が数字で明記されているのは、バニティミラー照明灯の12V 2Wだけです。それ以外の灯火はすべてLEDで、点検と交換はHonda販売店の扱いになります。
ヘッドライトに交換用バルブの型番が無い理由
H4やHB3、H11といった規格を当てはめようとしても、ZR-Vには該当がありません。取扱説明書のヘッドライトの項目には、次の一文が書かれています。
> ロービームヘッドライト、ハイビームヘッドライトはLEDを使用しています。点検、交換はHonda販売店に依頼してください。
LEDの光源は基板に実装され、ヘッドライトユニットと一体になっています。電球のように口金から抜いて差し替える構造ではないため、交換用バルブという部品が最初から存在しません。
ハロゲン仕様は設定されていない
車種によっては、下位グレードだけハロゲンでバルブ交換ができる、という分かれ方をします。ZR-Vにその分岐はありません。ガソリンのX・Zも、e:HEVのX・Zも、ヘッドライトは全てLEDです。グレードを調べてから適合表を引き直す、という手間は不要です。
適合表の「設定なし」が意味すること
市販のバルブ適合表でZR-Vを引くと、ヘッドライトのロー・ハイともに「設定なし」と表示されます。これは在庫切れや未対応という意味ではなく、交換できる部品が車両側に無いという意味です。同じ扱いはウインカー、ブレーキ、テール、バックランプ、ナンバー灯、ハイマウントにも並びます。
社外品を探し続けても該当製品には行き着きません。適合表の空欄を見た時点で、バルブ交換という手段からは離れて考えることになります。
交換できる電球はバニティミラー照明灯だけ
純正は12V 2W・社外品はT6.3
サンバイザーの化粧鏡を開いたときに点く小さな照明が、ZR-Vで唯一の電球です。取扱説明書の「その他の電球」の項目に載っており、仕様は12V 2W。左右のサンバイザーに1個ずつで、車1台あたり2個です。
社外のLEDバルブはT6.3という規格で流通しています。「ZR-V専用」を名乗る製品も中身はこのT6.3で、2個セットで売られるのが一般的です。ZR-Vの室内でLED化の対象になるのは、事実上この2個だけになります。
交換の手順と注意点
レンズをマイナスドライバーで軽くこじって外し、電球を抜いて差し替えます。取扱説明書にも同じ手順が載っています。レンズは樹脂なので、ドライバーの先端に薄い布を巻いておくと傷が付きにくくなります。
なお取扱説明書の電球の交換に関する項目をひととおり見ても、マップランプやカーゴスペース照明灯には電球の仕様も交換手順も載っていません。室内の照明でユーザーが手を入れる余地が残っているのは、バニティミラーの2個という理解で足ります。
フォグライトはバルブではなくユニットで考える
純正はディーラーオプションのLEDフォグライト
ZR-Vのフォグライトは標準装備ではなく、Honda純正アクセサリーのディーラーオプションとして設定されています。品番と仕様は次のとおりです。
| 品番 | 色 | 色温度 | 消費電力 |
|---|---|---|---|
| 08V31-TKR-A00 | クリア | 5,800K | 7W(片側) |
| 08V31-TKR-B00 | イリデッセントイエロー | 2,700K | 7W(片側) |
装着にはフォグライトガーニッシュ(08V38-3V0-000A など)が別途セットで要ります。純正フォグもLEDユニットなので、バルブ単体の型番という考え方が当てはまりません。色を変えたいときは、バルブではなくユニットごと選び直す形になります。
社外ユニットはL1Bが主流
フォグを付けずに納車した車両では、フォグ位置のカバーを社外の専用ユニットに置き換える製品が流通しています。ZR-V(RZ3/RZ4/RZ5/RZ6)向けとして売られているユニットは、L1B規格のバルブを使うタイプが主流で、ユニットとバルブがセットになった商品が多くを占めます。
ZR-Vでバルブの型番を意識する場面は、この社外フォグユニットのL1Bと、バニティミラーのT6.3の2つに絞られます。
ヘッドライトの明るさに不満があるとき
バルブ交換以外の手段を探すことになる
ハロゲン車なら明るいバルブへ替えるという打ち手がありますが、ZR-Vではその選択肢が最初から閉じています。明るさが足りないと感じたときは、光軸のずれ、レンズ表面の曇りや汚れ、ユニット自体の不具合といった別の原因を疑う流れになります。光軸は車検や点検のタイミングで調整でき、費用も交換に比べれば軽く済みます。
フォグの追加で足元を補う
前方の照射そのものを底上げしたい場合、現実的な手段はフォグライトの追加です。純正のLEDフォグライトは片側7Wで、悪天候時や暗い路地での足元の見やすさに効きます。純正ディーラーオプションと社外ユニットのどちらでも追加でき、後付けが利く数少ない灯火です。
純正LEDが切れたときの扱い
交換はユニット単位になる
LEDは寿命の長い光源ですが、切れないわけではありません。ZR-Vで切れた場合、電球を1個抜いて差すという直し方ができないため、灯火のユニットごと交換する形になります。電球1個を数百円で替える感覚とは費用の桁が変わるので、症状が出たら早めに販売店で見積もりを取ると計画を立てやすくなります。
保証の適用を先に確認する
新車から日が浅い車両であれば、灯火のLEDが新車保証の対象になる場合があります。自費で交換する前に保証書の条件を確かめておくと、話が早く進みます。費用が読めない灯火だからこそ、保証の有無を先に押さえる価値があります。
LED化・ドレスアップで実際にできること
外装で後付けできる余地は小さい
ZR-Vの外まわりは、購入した時点でLEDが完成しています。ヘッドライトもウインカーもテールもバルブ交換の対象外なので、外装のドレスアップはバルブ選びではなく、フォグユニットの追加や光り方を変えるパーツ側の話になります。取り付けの実務や箇所ごとの難易度は
で扱っています。
ハイフラはZR-Vでは起きない
社外の適合表には「ウインカーをLED化すると高速点滅(ハイフラ)が出るので抵抗やリレーを追加する」という注意書きが載っています。これはバルブ交換式の車種に向けた共通の記載です。前後のウインカーが最初から純正LEDのZR-Vでは、ハイフラ対策を考える必要がありません。抵抗やハイフラ防止リレーを買い足す場面は出てきません。
よくある質問
ZR-Vのヘッドライトバルブの型番は?
該当する型番はありません。ロービーム・ハイビームとも純正LEDで、取扱説明書も点検と交換をHonda販売店に依頼するよう記載しています。ハロゲン仕様の設定が無いため、H4やHB3といった規格のバルブは装着できません。
ZR-Vのバックランプは何のバルブですか?
バックランプ(後退灯)もLEDです。T16やT20といった電球は使われておらず、ユーザーが交換する設定はありません。明るさを上げる目的でバルブを差し替える、という手段が取れない構造になっています。
ZR-Vのフォグランプのバルブ型番は?
純正のフォグライト(08V31-TKR-A00 ほか)はLEDユニットで、バルブ単体の型番はありません。社外のフォグランプユニットを装着する場合は、L1B規格のバルブを使う製品が主流です。
ZR-Vで自分で交換できる電球はありますか?
バニティミラー照明灯(12V 2W)だけです。サンバイザーの化粧鏡の照明で、左右に1個ずつ入っています。社外のLEDはT6.3規格として売られています。
型式によってバルブの適合は変わりますか?
変わりません。5BA-RZ3、5BA-RZ5、6AA-RZ4、6AA-RZ6の4型式で灯火の仕様は共通です。ガソリンとe:HEVの違いも、FFと4WDの違いも灯火には影響しません。
まとめ
ZR-Vのバルブ型番が見つからないのは、探し方の問題ではありません。ヘッドライト、ウインカー、ブレーキ、テール、バックランプ、ナンバー灯、ハイマウントまで、外まわりの灯火はすべて純正LEDで、抜き差しできる電球が車両に存在しないためです。
覚えておく数字は2つに絞られます。バニティミラー照明灯の12V 2W(社外LEDはT6.3・2個)と、社外フォグユニットを組む場合のL1B。この2つ以外にZR-Vでバルブを買う場面は出てきません。純正LEDが切れたときはユニット単位の交換になるので、症状が出た時点でHonda販売店に相談する流れになります。

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