タントのスピーカー交換は、商品を見る前に自分の車の型式を確かめるところから始まる。2019年7月以降のLA650S・LA660Sと、それより前の世代とでは、メーカーが公開している適合表の年式区分が別になるからだ。この記事が根拠にするのはLA650S・LA660Sの区分で、ケンウッドとカロッツェリアの適合表がどの口径を取付可としているかを先に確定させ、そのうえで選び方と候補に進む。
タントに付くスピーカーは16cm
ケンウッドの車種別スピーカー適合表と、カロッツェリアの車種別適合検索。どちらも2019年7月以降のタントについて、16cmを取付可、17cmを取付不可または非適用としている。まずここを押さえる。
| 口径 | フロントドア | リアサイド |
|---|---|---|
| 16cm | 取付可(ケンウッド◎/カロッツェリア○) | 取付可(ケンウッド◎/カロッツェリア可) |
| 17cm | ケンウッドは非適用、カロッツェリアは× | カロッツェリアは穴スペース不足のため取付不可 |
| 12cm・10cm | ケンウッドは非適用、カロッツェリアは掲載なし | 適合表で確認できず |
もう1つ、選択肢を左右する記載がある。純正ツィーターの位置を使う取り付けは、ケンウッドの表では取付不可になっている。セパレートタイプを選ぶなら、ツィーターの置き場所は自分で決めることになる。
適合表に何がどう書かれているか
記号の意味を先に押さえる
ケンウッドの適合情報の見方のページによると、記号の意味は◎が取付可、△が要加工、×が取付不可、-が非適用、空欄が未調査。同じ×と-でも意味が違い、-は「その組み合わせは表の対象外」という扱いになる。インナーブラケット欄については、別売の取付キットまたはインナーブラケットを使う取付は型番も記載する、キットとブラケットが両方◎ならいずれか一方を選ぶ、と説明されている。
ケンウッドの表の記載
対象は型式6BA-LA650S・5BA-LA650S・6BA-LA660S・5BA-LA660S(年式R1/7〜R4/10)。フロントドアの行では16cmのKFC-XS165S・KFC-RS165S・KFC-RS165に◎が付き、17cmのKFC-XS175S・KFC-RS175S・KFC-RS175、12cmのKFC-RS125、10cmのKFC-RS105、10cmフラッシュマウントのKFC-E1057Jはいずれも-。リアサイドの行でも16cmの3品番に◎が付いている。そして純正ツィーター位置/フロントドアの行は、セパレートのKFC-XS175S・KFC-XS165S・KFC-RS175S・KFC-RS165Sと単体ツィーターのKFC-ST1005が全て×だ。インナーブラケット欄は、フロントドアもリアサイドも全品番が-。この車種向けにケンウッド純正の専用ブラケットが用意されているわけではない、という読み取りになる。
カロッツェリアの表の記載
ダイハツ タント R1/7〜R4/10のフロント&センタースピーカー適合概要では、16cmのTS-C1640S・TS-C1640・TS-F1650S・TS-F1650が○、17cmのTS-V174S・TS-C1740S・TS-C1740・TS-F1750S・TS-F1750が×。掲載はこの9機種だけで、10cmクラスは載っていない。リアスピーカー装着情報では16cmの4機種が取付可で、取付方法は「スピーカー付属品またはインナーバッフル UD-K629 使用」。17cmの5機種は「穴スペース不足のため取付不可」と明記されている。
自分のタントが対象かを型式で確かめる
年式と型式の対応
取付キットメーカーが公開している適合表では、タント/タントカスタム/タントファンクロスの年式と型式が次のように整理されている。
| 年式 | 型式 |
|---|---|
| R4/10〜現在 | LA650S・LA660S |
| R1/7〜R4/10 | LA650S・LA660S |
| H27/12〜R1/7 | LA600S・LA610S |
| H25/10〜H27/12 | LA600S・LA610S |
| H19/12〜H25/10 | L375S・L385S |
| H15/11〜H19/12 | L350S・L360S |
2019年6月以前のタントに乗っている場合
上の表で言えばLA600S・LA610S以前だ。この記事の16cmという結論は、LA650S・LA660Sの年式区分に付いている記載であって、旧型式にそのまま当てはまるとは限らない。車検証で型式を確認したうえで、同じメーカーの適合検索で自分の年式区分を引き直してほしい。他のパーツも含めて見当を付けたいなら
から入るのが早い。
16cmの中から何を見て選ぶか
口径で足切りする
メーカー2社の適合表がそろって16cmを取付可、17cmを取付不可としている以上、候補は16cmから作る。価格も2ウェイかどうかも、その次だ。この順番を守るだけで外れは激減する。
コアキシャルかセパレートか
コアキシャル(同軸2ウェイ)はウーファーとツィーターが1つのユニットにまとまっていて、純正スピーカーの位置に収まる。取り付けの手間が少ないぶん、自分で作業する人にも量販店に頼む人にも向く。セパレートはツィーターを別に置けるので高音の出方を作り込めるが、タントは適合表の上で純正ツィーター位置が使えないため、置き場所を自分で確保する話になる。工賃も上がる。迷ったらコアキシャルでいい。
純正のヘッドユニットのまま替えるなら
商品ページの定格入力・最大入力・インピーダンスの表記を見ておく。外部アンプの追加が前提の製品かどうかで、必要な作業と費用が変わるからだ。この3つが書かれていない製品は、後から確かめようがないぶん候補にしにくい。
通販の候補と、適合表との食い違い
通販には「タント対応」と書かれた製品が並ぶが、そのすべてが適合表に載っているわけではない。次の1点は商品名にN-BOX・スペーシアと並べてタントが挙がっているものの、口径は10cmクラスだ。
GSPRING 10cm カースピーカー 2WAYコアキシャル(N-BOX/スペーシア/タント対応表記)
Amazonの実売価格は確認時点で1,480円。2ウェイのコアキシャルで配線が付属する。ただしケンウッドの適合表ではLA650S・LA660Sの10cmクラス(KFC-RS105、KFC-E1057J)はいずれも非適用で、カロッツェリアのフロント適合一覧にも10cmクラスの掲載はない。メーカー側が取付可としているのは16cm。10cm品がLA650S・LA660Sに無加工で付くとは断定しない。選ぶなら、純正の取付穴に対してスペーサーやバッフルが要るのか、どの取付位置を想定した対応表記なのかを、購入前に商品ページの記載で確かめること。適合表どおりに進めたいなら、16cmのカスタムフィットスピーカーから選ぶ。
バッフル(スピーカーステー)は何のための部品か
カロッツェリアのインナーバッフルの製品説明では、スピーカーの音質はドア鉄板部の強度不足や不要な共振、その内部で起きる音の反射・干渉の影響を受けて劣化する、と説明されている。素材には密度や硬度が安定している高剛性MDFを採用。左右のわずかな材質の差が位相ズレなどを発生させるため、硬く制振性に優れたMDFが向くという理屈だ。効果としてはドアの共振などを抑えることで低域のレスポンスが向上と記載されている。対応口径は16cm・17cm。
社外品にも16cm用のスピーカーステーがある。
POG-MAX 16cm用スピーカーステー MDFバッフル 2枚(ダイハツ車向け・タント用)
2枚組で1,980円(同じく確認時点)。ただし要るかどうかは選んだスピーカー側の付属品次第で、カロッツェリアのリア取付のように付属品とインナーバッフルの両方が示されている場合もある。買う前にスピーカー本体の付属品リストを見て、二重に買わないようにしたい。
取り付け前に知っておく制約
スピーカーが付いていない場所に増設する場合
ケンウッドの表でカスタムフィットの列群に付いている条件は「純正スピーカー装着車に限る」。リアサイドの行の備考には、スピーカー無し車は3点ねじ穴加工して取り付ける、グロメット穴は塞ぐ、ねじが空回りする場合は付属のワッシャーをねじとスピーカーユニットの間に挟む、と書かれている。どこにスピーカーが付いているかはグレードや装着オプションで変わるので、ドア内張りのグリル位置と実車の装備は先に見ておく。作業でバッテリー端子を外すなら
の手順も併せて確認しておくといい。
取り付けられないものもある
カロッツェリアのページには、サテライトスピーカーについて「全車標準でSRSカーテンシールドエアバッグ装着のため取付不可」と記載されている。ダッシュボードやピラーへの増設を考えていたなら、ここで打ち止めだ。サブウーファーのTS-WH1000A・TS-WH500A・TS-WX400DAなどは荷室取付けで条件付き可とされ、接続にRCAケーブルCD-052が必要と書かれている。
純正オプションという選び方
社外品を自分で組み合わせるのが不安なら、ダイハツの純正アクセサリーにも道がある。タント/タント ファンクロス向けのページには「アルパイン プレミアムサウンドシステム」が掲載されていて、アルパインプレミアムスピーカーとその性能を最大に引き出すデッドニングキットのセット、と案内されている。圧倒的なストロークを実現し、通常スピーカーでは再生困難な低音を再生する「プレミアムサブウーファー(リヤ)」を採用、という説明だ。価格と納期は販売店に確認する。適合の判断を自分で背負わなくて済むのが、この選択肢の実質だ。
音源側を替えるという手もある
スピーカーを替えても、送り出す側が古いままだと変化を感じにくいことがある。いま付いているのがラジオだけ、あるいはオーディオレスなら、先にこちらを替えたほうが体感は大きい。
1DIN メディアプレーヤー スピーカー付き(ダイハツ車用変換コネクタ・専用配線付き)
9,800円(確認時点)。ダイハツ車用の変換コネクタと専用配線が付属する1DIN機で、USB・SDスロットとRCA出力を備える。スピーカー交換とどちらを先にやるかは、いま何が付いているかで決まる。ナビごと入れ替える前提なら
のほうが話が早い。
スピーカーリングは音質の部品ではない
スピーカーリングやガーニッシュは、ドア内張りのスピーカーグリル周りに被せる内装ドレスアップ部品だ。音の出口の見た目を整えるもので、音質を変えるための部品ではない。ここを混同したまま買うと期待外れになる。形は型式ごとに違うので、自分の型式が明記された製品を選ぶ。
LA650S/LA660S タント・タントカスタム・タントファンクロス用 フロントスピーカーリング 鏡面2ピース
2ピースで5,500円(確認時点)。内装をまとめて手を入れるなら
も見ておくといい。
よくある質問
タントには何cmのスピーカーが付きますか
2019年7月以降のLA650S・LA660Sなら16cmだ。ケンウッドの表ではフロントドア・リアサイドとも16cmの3品番に◎、カロッツェリアの表でも16cmの4機種が○になっている。
17cmのスピーカーは取り付けられますか
取り付けられない。カロッツェリアのリアスピーカー装着情報は17cmの5機種を「穴スペース不足のため取付不可」と明記し、フロントも×。ケンウッドの表では17cmの3品番が非適用だ。
純正ツィーターの位置にツィーターを追加できますか
ケンウッドの適合表では、純正ツィーター位置/フロントドアの行に並ぶセパレート4品番と単体ツィーターKFC-ST1005が全て×になっている。この表の上では選べない取り付け方だ。
インナーバッフルは必要ですか
一律に必要とは書かれていない。カロッツェリアのリア取付は「スピーカー付属品またはインナーバッフル UD-K629 使用」で、付属品で足りる場合がある。一方でケンウッドの表は専用インナーブラケットが全品番-なので、そちらの前提では市販のステーを探すことになる。
純正オプションのスピーカーはありますか
ある。ダイハツの純正アクセサリーページにアルパイン製スピーカーとデッドニングキットをセットにした「アルパイン プレミアムサウンドシステム」が掲載されている。
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まとめ
LA650S・LA660Sのタントは16cm。17cmは入らず、純正ツィーター位置も使えない。この3点が今回の適合表から読み取れる線引きで、ここを踏み外さなければ大きく外すことはない。
進め方はこうだ。16cmのコアキシャルで候補を1つに絞る、次にメーカーの適合検索で自分の年式区分を引き直して品番を突き合わせる、それから注文する。通販の商品説明にある対応表記と適合表の記載が食い違ったときは、口径のほうを優先して確かめること。
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