雨の日に窓を少し開けて走りたくても、後付けのドアバイザーは車種名だけでは決まらない。タントで決め手になるのは型式で、現行の LA650S・LA660S 向けと先代の LA600S・LA610S 向けは別々の製品として売られている。先に車検証で自分の型式を確定させ、それから製品を選ぶ。この順番なら買い間違えようがない。
タントのドアバイザーは型式で決まる
ドアバイザーは、ドアの窓上部に取り付ける雨よけの部品だ。付けておくと雨の日でも窓を数センチ開けたまま走れるので、車内にこもった空気を入れ替えられる。駐車中に熱気を逃がしたり、湿気で曇りやすい状況を和らげたりする使い方もできる。逆に、換気の必要がなく窓まわりを見た目そのままにしておきたいなら、無理に付ける部品ではない。
タント用として売られているドアバイザーは、LA650S・LA660S 系(4代目)と LA600S・LA610S 系(3代目)に分かれている。調べた範囲では、世代をまたいで共用できると明記した製品は見つからなかった。「タント用」という表示だけで判断せず、商品ページの適合型式が車検証の「型式」欄の値と一致しているかを必ず確かめる。
| 製品 | 対応型式 | 固定方式 | 張り出し | 価格 |
|---|---|---|---|---|
| 専用設計スモークバイザー | LA650S・LA660S | 両面テープ+固定金具 | 標準 | 7,480円 |
| MOTOR POWER ワイドタイプ | LA650S・LA660S | テープ施工済み+金具 | ワイド | 12,000円 |
| 専用設計スモークバイザー | LA600S・LA610S | 両面テープ+固定金具 | 標準 | 6,820円 |
| BREED ドアバイザー | LA600S・LA610S | 両面テープ+金具 | 標準 | 4,980円 |
価格は4製品とも Amazon の実売価格の確認時点の値で、変動する。購入前に商品ページで見直してほしい。
歴代タントの型式と年式
| 世代 | 型式(FF/4WD) | 販売時期 |
|---|---|---|
| 初代 | L350S/L360S | 2003年11月〜2007年12月 |
| 2代目 | L375S/L385S | 2007年12月〜2013年10月 |
| 3代目 | LA600S/LA610S | 2013年10月〜2019年7月 |
| 4代目(現行) | LA650S/LA660S | 2019年7月〜 |
ダイハツの公式車種カタログとモデルヒストリーに載っている型式とモデル期間をまとめた。3代目は中古車として流通している台数が多く、4代目は現在も販売が続いている。2022年10月に加わったタントファンクロスは型式が4代目と同じ LA650S・LA660S なので、ドアバイザーも4代目タント/タントカスタム向けの枠から選ぶ。
FF と 4WD で型式は別だが、製品側はどちらも同じ品番で両方の型式を併記している。調べた範囲では駆動方式で作り分けている製品は見当たらなかった。駆動方式は選び分けの条件にならない。
タントは2代目以降、助手席側のセンターピラーをドアの中に内蔵したミラクルオープンドアを採用している。助手席側の窓まわりの形が一般的な軽自動車と違うので、車種と世代の専用設計品でないと形が合わない。
型式が決まったあとの絞り込み方
型式で候補が2つに絞れたら、あとは次の3つで決める。
固定方式で選ぶ
固定方式は大きく2通りある。強力両面テープだけで貼るタイプと、両面テープに加えてドアサッシに引っ掛ける取付固定金具を併用するタイプだ。金具併用は、万一テープが緩んでも一気に落ちにくい構成で、車両メーカーの純正用品と同じ考え方をとっている。ただし金具は補助であり、日常的にバイザーを保持しているのは両面テープの側だ。テープの施工品質がそのまま持ちに直結する。
幅で選ぶ
張り出し幅には標準タイプとワイドタイプがある。ワイドタイプは張り出しが大きい分、窓を開けたときに雨が入り込みにくい。そのかわり外から見たときの主張が強くなり、価格も上がりやすい。標準タイプは純正装着車に近い見え方になる。どちらが正解ということはなく、雨の日にどれだけ窓を開けたいかで決めればいい。
付属品と説明書で選ぶ
初めて自分で取り付けるなら、日本語の取付説明書が付くか、両面テープが貼り付け済みの状態で届くかが効いてくる。テープが未貼付の製品は、バイザー側にテープを正しい位置で貼るところから作業が始まる。その分だけ位置ずれの余地が増える。
現行 LA650S・LA660S 向けの2製品
2019年7月以降のタント/タントカスタム/タントファンクロスが対象になる。
標準幅・両面テープと固定金具付き
4代目専用設計のスモークバイザー。商品ページには強力両面テープと取付固定金具の両方が付属すると書かれている。張り出しは標準的で、純正で付いている車と並べても見え方がほとんど変わらないのが選ぶ理由になる。価格は7,480円(Amazon 実売価格・確認時点)。社外品。
タント/タントカスタム LA650S・LA660S 専用設計 スモークドアバイザー(両面テープ+取付固定金具付き)
ワイドタイプ・テープ施工済み
MOTOR POWER のワイドタイプ。商品ページによれば両面テープは貼り付け済みの状態で届き、取付金具と取付説明書も付く。張り出しが大きいので、雨の日に窓を大きめに開けたい人向け。今回の4製品では価格が最も高く、12,000円(Amazon 実売価格・確認時点)。社外品。
MOTOR POWER タント/タントカスタム LA650S・LA660S ワイドタイプ サイドバイザー(テープ施工済み・金具・説明書付き)
雨の吹き込みを減らすことを優先するならワイド、外観を変えずに換気だけ足したいなら標準幅。迷ったら標準幅を選んでおけば、見た目で後悔することはまずない。
先代 LA600S・LA610S 向けの2製品
2013年10月から2019年に4代目へ切り替わるまでのタント/タントカスタムが対象になる。
標準タイプ・固定金具付き
3代目専用設計のスモークバイザー。強力両面テープと取付固定金具の両方が付属すると商品ページに書かれている。4代目向けの標準タイプと同じ作りの先代用にあたる製品で、価格は6,820円(Amazon 実売価格・確認時点)。社外品。
タント/タントカスタム LA600S・LA610S 専用設計 スモークドアバイザー(両面テープ+取付固定金具付き)
BREED・日本語説明書付き
日本語の取付説明書と取付金具が付属する製品。今回の4製品では価格が最も低い4,980円(Amazon 実売価格・確認時点)で、初めて自分で貼る人が試しやすい。
BREED タント/タントカスタム LA600S・LA610S ドアバイザー(取付金具・日本語説明書付き)
3代目は中古で買った個体が多い世代だ。すでに古いバイザーが付いているなら、貼り替える前に端を軽く押して浮きがないか確かめておく。貼り替える場合は、古いテープの残りをきれいに取り除いてから新しいバイザーを貼る。
両面テープを一度で決めるための条件
取り付けの失敗はほぼテープの扱いで決まる。両面テープメーカーの3Mが公開している接着マニュアルの指針に沿って、作業の順に押さえる。なおこれは一般的な指針で、各製品に同じテープが使われていると断定できるものではない。
貼り付け面の清掃と脱脂
接着は貼り付け面の汚れに大きく左右される。同マニュアルでは、ホコリ・汚れ・水分の除去にイソプロピルアルコールなどのアルコール類が有効とされている。拭き取りは往復させたり円を描いたりせず一方向に行い、布は常に新しい面を使う。溶剤が乾いたことを確かめてから貼る。塗装面やコーティング面に強い溶剤を使うと表面を傷めるので避ける。
作業に向く気温と低温時の対処
初期の接着力は温度に左右されやすく、低温では極端に低くなることがある。同マニュアルは15℃以上の環境での作業を勧めており、すぐに高い初期接着力が必要ならテープと貼り付け面をあらかじめ温めておくことが有効だとしている。低温で圧着した場合でも、密着した状態のまま温度が上がれば接着力は回復する。冬の屋外なら、日中の暖かい時間帯を選ぶか、屋内やガレージで車体を温めてから貼る。
圧着の目安と貼ったあとに待つ時間
両面テープは圧力をかけて初めて初期の接着力が出る感圧型だ。同マニュアルでは、表面が平滑な相手なら1平方センチあたり20ニュートン(約2キログラム重)以上の圧着力が目安とされ、表面が荒れている場合はさらに強く押さえることが推奨されている。指ではなく手のひらで、端から端まで体重をかけるつもりで押さえる。
圧着直後の接着力は最終値には届かない。同マニュアルが示す例では、圧着後20分でおよそ50パーセント、24時間後で90パーセント、72時間で100パーセントに達する。粘着剤が時間をかけて相手の細かい凹凸に入り込むためで、温度が高いほど早く進む。取り付け直後の洗車や高速走行は避け、数日置いてから通常どおり使う。
買う前に知っておきたい注意点
車検については、中古車情報サイトのグーネットが公開している車検の解説記事で、ドアバイザーはオプション品であり保安基準に特段の規定はないと説明されている。ただし、視界やドアミラーを遮るほど大きいもの、窓に触れてしまうもの、鋭角で歩行者を傷つけるような突起がある形状のものは指摘される可能性があるとされる。車種専用設計の製品を、指定された位置に正しく取り付けることが前提になる。
両面テープは年数が経つと硬くなったり縁から浮いたりする。浮いた状態で高速道路を走ると風圧で一気に外れることがあるので、洗車のついでに端を押して確かめる習慣をつけておきたい。
付けると変わる点もある。洗車のときにバイザーとドアサッシの隙間に汚れが残りやすくなるし、窓まわりの見た目も変わる。走行中の風の当たり方が変わるので音の出方も変わりうるが、その差は車両や速度、製品でばらつくので数値では示せない。
自分で貼るのが不安なら、販売店で取り付けるメーカー純正用品という選択肢もある。取り付けまで任せられる一方、品番や価格は販売店ごとに扱いが異なるので、必要ならディーラーに直接確認するのが早い。
よくある質問
LA650S 用のドアバイザーを LA600S に付けられますか
世代別に分かれている製品なので、そのまま流用できるとは考えないでほしい。3代目には3代目の適合型式が書かれた製品を選ぶ。
4WD の LA660S でも同じ製品でいいですか
問題ない。4代目向けの製品は LA650S と LA660S を同じ品番で併記している。
冬に取り付けても大丈夫ですか
気温が低い日は初期の接着力が出にくい。暖かい時間帯を選ぶか、屋内で車体を温めてから作業する。
取り付け後すぐに洗車機に入れても平気ですか
やめておいたほうがいい。接着力が上がりきるまでには数日かかる。その間は洗車機も高速走行も控える。
換気のためだけに付ける価値はありますか
雨の日に窓を数センチ開けられるかどうかは、実際に使うと差が出る部分だ。車内の空気を入れ替える機会が多いなら、付ける価値は十分にある。
まとめ
現行の LA650S・LA660S なら、標準幅で固定金具付きの専用設計スモークバイザーが基準になる。雨の吹き込みを減らしたいときだけワイドタイプに振ればいい。先代の LA600S・LA610S なら、同じ作りの標準タイプが順当で、費用を抑えたいなら説明書付きの BREED を選ぶ。
最初にやることは1つ、車検証で型式と初度登録年月を確認することだ。そこが決まれば候補は2つに絞れる。あとは固定方式と幅を選び、暖かい日に脱脂と圧着を丁寧にやる。それでこの部品は長く持つ。
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