ムーヴでコンソールボックスを後付けする必要があるかどうかは、世代とグレードでほぼ決まる。ダイハツのムーヴ主要装備一覧表では、新型(7代目)のフロントセンターアームレスト(ボックス付)がRS・G・Xに標準装備、Lだけ非装備となっており、前席中央に肘置きも小物入れも最初から無いのはLに乗る人だけだ。さらにダイハツの純正アクセサリー(インテリア)の掲載品目を見るとコンソールボックス本体の設定はなく、足すなら社外品から選ぶことになる。そして商品を選ぶ段でつまずくのが、新型ムーヴとムーヴキャンバスが主要諸元表上まったく同じ型式表記を持つという事実である。
掲載3点の性格を先に見比べる
対応する世代がそれぞれ違うので、まず自分の車の世代に該当する行だけを見ればよい。価格と在庫は変動するため、比較の軸には入れていない。
| 商品 | 対応型式(世代) | 形状 | 素材 | 肘置き | 充電端子 |
|---|---|---|---|---|---|
| ruiya 3in1コンソールトレイ | LA850/LA860S(7代目) | トレイ型 | ABS | 兼ねない | なし |
| クラフトワークス アームレストコンソール | LA850S/LA860S(7代目・キャンバス併記) | アームレスト型 | 記載なし | 兼ねる | USB |
| ZTIUR アームレストクッション | LA150S/LA160S(6代目) | アームレスト型 | PUクッション | 兼ねる | なし |
7代目に乗っていて肘置きが欲しいならアームレスト型、飲み物とゴミの置き場を作りたいならトレイ型、という分かれ方になる。
「LA850S/LA860S対応」の表記だけでは選べない
ダイハツが公開しているムーヴの主要諸元表によると、新型ムーヴの型式は「ダイハツ5BA-LA850S」(2WD)と「ダイハツ5BA-LA860S」(4WD)。ところがダイハツが公開しているムーヴキャンバスの主要諸元表でも、車名・型式の表記はこれと同一である。つまり商品ページに「LA850S/LA860S対応」と書いてあっても、その商品が新型ムーヴ用に設計されたのかムーヴキャンバス用なのかは、型式表記だけでは判別できない。
判別材料は2つある。商品名と説明文に「ムーヴキャンバス」「canbus」が入っていないか、そして対応年式が2025年6月以降(新型ムーヴ)と2022年7月以降(ムーヴキャンバス2代目)のどちらで書かれているか。この2点で切り分ける。
室内寸法を並べると設計が別物であることがはっきりする。新型ムーヴは室内長2,140mm・室内幅1,335mm・室内高1,270mm、ムーヴキャンバスは室内長2,180mm・室内幅1,345mm・室内高1,275mm。型式表記が同じでも車内の寸法は一致していない。
装備の前提も違う。ダイハツのムーヴキャンバス主要装備一覧表によると、キャンバスはフロントセンターアームレスト(ボックス付)が全車標準装備で、Lだけ非装備の新型ムーヴとは前席中央の出発点が異なる。キャンバス専用として設計された商品は標準アームレストがある前提で寸法と設置方法が決められている可能性があり、新型ムーヴにそのまま流用できるとは限らない。
自分のムーヴがどの世代かを確定する
ダイハツ公式のモデルヒストリーと中古車情報サイトのカタログに載る歴代モデルの型式一覧を突き合わせると、世代と型式の対応は次のようになる。車検証の「型式」欄を見れば1分で確定できる。
| 世代 | 型式 | 販売期間 |
|---|---|---|
| 7代目 | LA850S/LA860S | 2025年6月〜販売中 |
| 6代目 | LA150S/LA160S | 2014年12月〜2023年7月 |
| 5代目 | LA100S/LA110S | 2010年12月〜2014年12月 |
| 4代目 | L175S/L185S | 2006年10月〜2010年12月 |
6代目の販売終了から7代目の登場まで約2年の空白がある点は覚えておくと役に立つ。中古車で買った個体の年式が2023年から2025年の間にまたがることはない。6代目は乗車定員5名、7代目は4名で、前席・後席まわりの設計そのものが違う。7代目向けの商品を6代目に流用する前提で選んではいけないし、その逆も同じだ。
選び方の基準
対応型式と車名を両方確認する
適合の確かめ方は3段階になる。第1に車検証の型式欄で自分のムーヴの型式を確定する。第2に商品ページの対応型式を見る。ただしLA850S/LA860Sの場合は前述のとおり型式だけでは新型ムーヴ用かキャンバス用か区別できないので、商品名と説明文の車名表記を必ず確認する。第3に対応年式の記載を見る。この3つが揃って初めて、自分の車に向けて作られた商品だと言える。
前席の間を自分で測る
諸元表の室内幅は車室内の最大幅であって、前席の間に空いている幅ではない。この数字から設置可否を判断することはできないので、必ず実測する。測るのは、左右の前席シートの間で最も狭い部分の幅、前後方向に置ける長さ、肘を置いて無理のない高さの3つ。シートを一番後ろまで下げた状態と普段の運転位置の両方で測っておくと、シートを動かしたときに当たる失敗を避けられる。商品ページの外形寸法は最大部の値であることが多く、脚部やベルト部を含めた設置面の広さは別に確認する。
固定方式で手間と安定感が変わる
後付けコンソールは、前席の間に置くだけのもの、シートのレール部や隙間に差し込むもの、シートの脚部やレールにベルト・ステーで留めるものに分かれる。置くだけのタイプは工具が要らず原状回復も容易だが、急ブレーキや急なハンドル操作で動く可能性がある。固定式は安定する代わりに取り付け位置がシート形状に依存し、適合の確認がよりシビアになる。シートアレンジを頻繁に使うなら、取り外しに手間のかかる固定式は不便を感じやすい。
素材は用途で決める
ABS樹脂は硬質で拭き掃除がしやすく、ドリンクホルダーやゴミ箱を兼ねるトレイ型に多い。PVCレザーやPUクッションは肘を置いたときの当たりが柔らかく、アームレストとしての座り心地を優先するタイプに使われる。飲み物やゴミを扱うのが主目的なら手入れのしやすい樹脂系、長距離で肘を休めたいなら表面が柔らかいタイプ、という分け方になる。車内の基調色に合う色があるかも見ておきたい。
充電端子は必要な人だけ選ぶ
新型ムーヴには、ダイハツの公式サイトに掲載された室内装備一覧によればインパネセンタートレイにワイヤレス充電機能(Qi)、インパネにUSBソケットが1口設定されている。運転席まわりの充電がこれで足りているなら、端子なしの収納重視モデルを選んだほうが配線の手間もコストも減る。逆に後席や助手席の手元で充電したい場面が多いなら端子付きを選ぶ価値がある。ただしUSB端子付きを選ぶと、そこへ電気を送る給電元をどこから取るかを先に決める必要が出てくる。インパネのUSBソケットは1口しかないため、そこをコンソールへの給電に使うと手元の充電に使える口が減る。
置く前に確かめる干渉ポイント
新型ムーヴとムーヴキャンバスは、どちらも主要諸元表の車種記号欄が「CVTインパネセンターシフト」と表記されている。シフトレバーが前席の間に立っていないぶんコンソールを置く余地が生まれるが、そこは後席への通路でもある。設置前に次の5点を確認したい。
- シフトまわりの操作系へ手が届く動線を塞いでいないか
- パーキングブレーキの操作を妨げないか。ダイハツのムーヴ主要装備一覧表には電動と足踏み式の両方が載っており、グレードでどちらが付くかが分かれる
- 前席のシートベルトのバックルが埋もれて差し込みにくくならないか
- 前席の間を後席への移動に使っている場合、塞いで乗り降りに支障が出ないか
- シートを最後端まで下げたとき、リクライニングさせたときに当たらないか
安全面では、固定が甘いと急ブレーキや衝突時に動いて乗員に当たる恐れがある。置くだけのタイプでも滑り止めが効いているか、シートの間で保持されているかを確かめる。運転席側に高さのあるものを置くと腕の動きを妨げるので、肘とハンドル操作に干渉しない高さに収める。エアバッグの展開経路をふさぐ位置や方法での取り付けは避け、中に重い物や割れ物を入れたまま走らない。取り付け後は走り出す前に、シフト・パーキングブレーキ・シートベルトの操作が普段どおりできることを必ず確かめる。不安が残るなら取り付けを見送るか、販売店に相談したほうがよい。
新型ムーヴ(LA850S/LA860S)向けの2点
飲み物とゴミの置き場をまとめたいなら、トレイ型を選ぶ。商品ページの記載では、2025年新型のダイハツ ムーヴ LA850/LA860S 専用として、コンソールトレイ・ドリンクホルダー・ゴミ箱を1つにまとめた3in1構成、素材はABS、滑り止めと静音設計とある。拭き掃除がしやすい樹脂系なので、コーヒーの輪染みやゴミの汁気を気にせず使える。肘置きとしての厚みは持たないので、アームレストが欲しい人の答えにはならない。 Amazonの実売価格は確認時点で4,692円。
ruiya 新型ムーヴ LA850/LA860S 専用 3in1 コンソールトレイ(ドリンクホルダー・ゴミ箱付き/ABS素材)
肘を置きながら充電もしたいなら、USB端子付きのアームレスト型になる。商品ページの記載では、ブランドCRAFT WORKSのコンソールボックスとして、ムーヴとムーヴキャンバスの両方の車名、USB、アームレスト、センターコンソール、収納、新型ムーヴという語が挙げられている。ムーヴとキャンバスを併記した商品なので、購入前に自分の車の型式・年式に対する適合を出品者に確認しておくと確実だ。Lグレードで肘置きが無い人には、この形状が最も素直な埋め方になる。実売価格は確認時点で6,613円。
クラフトワークス ムーヴ/ムーヴキャンバス USB付きアームレストコンソールボックス
6代目ムーヴ(LA150S/LA160S)向けの1点
中古で6代目に乗っているなら、対応型式が明記された商品を選ぶ。商品ページの記載では、ZTIURのアームレストとしてダイハツ ムーヴ LA150S/LA160S 対応、車肘置き、PUクッション、小物入れ収納ボックス、落下防止、高さ調節可能、取り付け簡単とある(色は黒)。PUクッションなので肘の当たりが柔らかく、高さ調節ができるぶん運転姿勢に合わせて肘の位置を追い込める。実売価格は確認時点で5,499円。
ZTIUR ダイハツ ムーヴ LA150S/LA160S アームレストコンソール(PUクッション・高さ調節可/黒)
5代目と6代目をまとめて対応とうたう収納ケース型も流通しているが、車名だけで型式の記載がない汎用品は適合の確証が取れないので候補から外すのが安全だ。
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前席まわりを整えるなら、内装のほかのパーツも合わせて見ておくと重複買いを避けられる。世代が違うと適合も変わるので、型式に合う記事から読んでほしい。
よくある質問
ムーヴにダイハツ純正のコンソールボックスはある?
ダイハツの純正アクセサリー(インテリア)の掲載品目を見ると、インナーハンドルパネル、シフトベゼルパネル、カップホルダーパネル、シートカバー、カーペットマット類などが並ぶが、コンソールボックス本体やアームレスト本体の設定は確認できない。コンソールまわりの掲載は「カップホルダー(前席/掘込み式)カッパー加飾」「インパネセンタートレイ カッパー加飾」といった加飾品にとどまる。足すなら社外品になる。
ムーヴキャンバス用と書かれた商品はムーヴに使える?
使えるとは言えない。型式表記が同じでも室内寸法は違い、キャンバスはフロントセンターアームレストが全車標準で前席中央の前提そのものが異なる。キャンバス専用と明記された商品は候補から外したほうがよい。
Lグレード以外でも後付けする意味はある?
ある。RS・G・Xには標準でボックス付きのアームレストが付くので、判断軸は「肘置きが要るか」ではなく「ドリンクホルダーやゴミ箱を足したいか」に変わる。標準装備で足りていると感じるなら、買わない判断も十分に成り立つ。
工具なしで取り付けられる?
置くだけのタイプなら工具は要らない。ただし作業時間や難易度は車内の状態と商品で変わるので、商品ページの取り付け説明を購入前に読んでおく。差し込み式やベルト固定式は、シート形状との相性を実車で確かめる必要がある。
後付けして車検や安全面で問題はない?
車検の可否は検査時の状態と検査員の判断によるため、ここで断定はできない。安全面では、走行中に動かないこと、運転操作とエアバッグの展開経路を妨げないことが前提になる。判断に迷うなら販売店に相談してほしい。
なお、サイズが合うかは現物合わせで初めて分かる部分がある。購入前に返品・交換の条件を確認しておき、届いたら取り付ける前に外形を測って自分の実測値と突き合わせるとよい。取り付けた跡が付くタイプは返品条件に影響することがある。
まとめ
順番は決まっている。まず車検証の型式欄で世代を確定する。次に、LA850S/LA860Sならムーヴキャンバスと表記が重なるので、商品名の車名と対応年式まで見て切り分ける。そのうえで前席の間を実測し、最後に肘置き優先かドリンクとゴミの置き場優先かで形状を決める。この順に潰していけば、届いてから置けないと気づく事態はほぼ避けられる。
今日できるのは最初の2つだ。車検証で型式と初度登録年月を確認し、メジャーで前席の間を測っておく。
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