週末に現行のタントへ市販のドラレコを自分で付けるなら、本体を貼る前に、コードの通し道と電源の取り先を決めておく必要がある。走行中だけ録画できればよいか、駐車中も録画したいかで、電源の取り方が分かれるからだ。基本の流れは、フロントガラス上部の決められた範囲に本体を付け、コードを天井の内張りから助手席側のピラー、助手席の足元へ通し、電源をシガーソケットから取る形になる。
タントのドラレコ取り付けは位置・配線・電源の3つで決まる
この記事の対象は、2019年7月発売の4代目タント(LA650S/LA660S)だ。決めることは次の3つになる。
| 決めること | 基本のやり方 |
|---|---|
| 取付位置 | 国土交通省の案内が例に挙げる「フロントガラス上部から20%以内の範囲など」に収める |
| 配線 | 天井の内張りに押し込み、助手席側のピラーを通って助手席の足元へ |
| 電源 | 走行中だけならシガーソケット(ACC電源)が手軽。駐車中も録画するなら常時電源が要る |
作業は「取付位置の仮決め → 角度の調整 → 配線 → 両面テープで本固定」の順に進める。両面テープで貼るのは配線の後、最後の工程だ。
作業の前に確かめること
型式・エアバッグ・スマートアシストのカメラの3つを先に確かめておく。ダイハツの純正アクセサリーにもタント/タント ファンクロス向けのドラレコがあるので、自分で付けるかどうかは次の節で比べてから決めてもよい。
型式と世代
ダイハツ公式のWEBカタログ(2019年〜2026年モデル)では、LA650SがFF(2WD)、LA660Sがフルタイム4WDで、型式の頭は発売時期により5BAと6BAがある。タントカスタム系のグレードと、ファンクロス・ファンクロスターボも同じカタログに含まれ、型式は同じLA650S/LA660Sだ。
前の世代の販売期間は、1代目が2003年11月〜2007年12月、2代目が2007年12月〜2013年10月、3代目が2013年10月〜2019年7月(ダイハツ公式のモデルヒストリー)。取付位置や配線の考え方は前の世代でも使えるが、後で紹介する電源取り出しハーネスは、出品者の記載の対象がLA650S/LA660S(令和元年7月〜)だ。前の世代のタントなら、車検証で型式を確かめ、部品の適合は販売ページや販売店で確かめる。
エアバッグの装備
ダイハツのタント公式ページでは「6つのエアバッグ」を挙げ、SRSサイドエアバッグとSRSカーテンシールドエアバッグは前突・後突時は膨らまず、側突時のみ膨らむと説明している。ページには「グレードにより設定は異なります」と注記があるので、自分の車の装備は主要装備一覧表で確かめる。ピラーまわりの配線に関わる(フロントの配線の節)。
スマートアシストのカメラ
ダイハツのタント公式ページでは、スマートアシストは車両に搭載したステレオカメラで周囲の状況を認識すると説明している。ダイハツのスマアシ公式サイトは、ステレオカメラに汚れがある時、フロントウィンドゥ外側が汚れ・泥・湿った雪などに覆われている時、フロントウィンドゥ内側が曇っている時などは、機能が適切に作動しない場合があると注意している。
ダイハツ公式のカタログには「タントL(スマートアシスト非装着車)(2021年9月発売)」というグレードもあり、カメラの有無はグレード・年式で違いうる。カメラとの位置関係は、取付位置を決めるときに確かめる。
純正ドラレコか、市販品を自分で付けるか
純正の2つのモデルと市販品の違い
ダイハツの純正アクセサリーのページでは、タント/タント ファンクロス向けのドライブレコーダーとして次の2種を載せている。市販品を自分で付ける場合と並べると、違いは次のとおり。
| 映像の確かめ方 | エンジン停止後の録画 | 取り付け | |
|---|---|---|---|
| 純正のナビ・ディスプレイオーディオ連動モデル | 録画した場所をナビやディスプレイオーディオの地図で確かめながら、前後方または前方、車室内(追加オプション)の映像を見る | エンジン停止後もしばらく録画を続ける監視録画と、振動を検知して自動で録画を始める駐車録画 | 販売店で装着 |
| 純正のスマホ連携モデル | スマホアプリ「withDR」で動画の確認・ダウンロード・設定変更 | 振動を検知して自動で録画を始める駐車録画 | 販売店で装着 |
| 市販品を自分で付ける | 製品の仕様による | 駐車監視には常時電源の配線が要る | 位置決め・配線・電源の取り出しを自分で行う |
ダイハツのドライブレコーダー機能一覧では、連動モデルの室内カメラは、標準装備またはメーカーオプションのディスプレイオーディオとは同時装着できないとされている。純正の品番や装着の条件は今回の調べでは確かめていないので、販売店で聞く。
選び方の目安
選び方はこう考える。録画した場所を車の画面ですぐ確かめたい、取り付けは販売店に任せたいなら、純正の連動モデルを選ぶ。 機種を自分で選び、配線まで自分でやるなら市販品だ。その場合も、ピラー内のエアバッグが関わる配線はディーラーへの相談がドラレコメーカーから案内されている。販売店や専門店に取り付けを頼めば、部品代のほかに工賃がかかる。
市販のドラレコの機種選びは次の記事で比べている。
ナビから見直すなら、こちらも合わせて読むとよい。
フロントカメラの取付位置の決め方
国の基準とメーカーの推奨位置
国土交通省は、ドライブレコーダーは運転者の視界を妨げないよう保安基準で定められた位置に取り付けるよう呼びかけている。冒頭の表の「20%以内の範囲」は、その位置の例として「など」付きで挙げられたもので、決まりの全部を言い切ったものではない。
ドラレコメーカーのJVCケンウッドの取付手順では、本体を含めてフロントガラスの上から20%以内で、運転者の前方視界を妨げない位置にするとしている。推奨は助手席側のルームミラー周辺で、雨の日を考えてワイパーで拭える位置だ。巻尺でガラスの長さを測り、取付位置の下限をテープで印付けしておくと決めやすい。同社は、この基準が保安基準の窓ガラスの規定とその細目に基づくもので、車検への適合と視界不良による事故の防止が目的だと説明している。
スマートアシストのカメラとの関係
ダイハツの2016年の発表では、スマートアシストIIIの小型ステレオカメラをフロントガラス上部に設置したと説明し、一部改良した3代目のタント(2016年11月30日発売)に搭載した。現行のタントのカメラの位置は、この発表では確かめられない。ドラレコも同じフロントガラス上部に付けるので、カメラに近い場所になりうる。ドラレコ本体や配線がカメラの前やその周りのガラスにかからないかを、取扱説明書かディーラーで確かめてから位置を決める。
両面テープは位置が決まってから貼る
取付ブラケットの両面テープは非常に強力で、一度貼ると容易に貼り直せない。貼り直すと粘着力が落ちて走行中に外れるおそれがあるので、位置が決まるまでは裏紙を剥がさない(JVCケンウッドの取付手順)。
フロントの配線手順(天井からピラー、足元へ)
作業の順番
JVCケンウッドの取付手順では、次の順に進める。始める前に車を平らで安全な場所へ移し、仮止めの状態では運転しない。
- 取付位置を仮決めし、取付ブラケットの両端をテープで仮固定する(両面テープの裏紙はまだ剥がさない)
- 電源を入れて、取付ブラケットの角度を調整する
- 配線する
- 両面テープで取付ブラケットをガラスに固定する
天井からピラー、足元までの通し方
同社の手順のうち、シガーソケットから給電する例の通し方は次のとおり。
- 取付ブラケットに電源コードを通し、先端を約5cm出しておく
- 電源コードを天井の内張り(ルーフライニング)の中に押し込んで隠し、ブラケット上部から助手席側のピラーまで内張りの中を通す
- コードが落ちてくる場合は、市販のスポンジテープ(厚み1〜1.5mm)を巻いて部分的に太くする
- ピラー内に通せない場合は、両面テープ付きのコードクリップで固定する。クリップはガラス面ではなくピラーに貼る
- ドアの開閉でコードが挟まれないよう配線止めで固定し、助手席エアバッグの作動範囲には配線しない
- 余ったコードは助手席の足元のカーペットの下(奥)に隠し、前後に動く助手席のレールに挟まれないようにしてシガーソケットまで通す。余りは結束バンドなどで軽くまとめる
ピラーまわりはディーラーに相談する
JVCケンウッドの取付手順は、ピラー内にエアバッグが装備されている車では、配線方法によってはエアバッグが正しく動作しない恐れがあるとして、車を購入したディーラーに相談するよう案内している。タントの公式ページが挙げる6つのエアバッグには、カーテンシールドエアバッグが含まれる(グレードで設定が異なる)。タントの助手席側のピラーにコードを通す前に、ディーラーに相談する。 ピラーの中のエアバッグの位置や、どの経路なら影響しないかは、今回の調べでは確かめていない。
電源の取り方(シガーソケット・ヒューズ・ハーネス)
ドラレコの電源は、通常シガーソケットなどのACC電源から取れる。ACC(アクセサリー)電源は、エンジンはかかっていないけれど通電してラジオやカーナビなどが動く状態(アクセサリーモード)で使える電源だ。長時間アクセサリーモードにしておくとバッテリーが上がるので注意する。
シガーソケットから取る
いちばん手軽なのがシガーソケットにプラグを差す方法で、JVCケンウッドの取付手順もシガーソケットまで配線する例で説明している。ただし自動車情報誌の解説は、シガーソケットに差すと電源コードが見えてしまうと指摘している。自分の車のシガーソケット(アクセサリーソケット)の有無と場所は、実車と取扱説明書で確かめる。
ヒューズから取る
- 車の取扱説明書でヒューズの位置と用途を確かめる。ヒューズボックスはハンドルの付け根やグローブボックス周辺にあることが多いが、これは一般論で、タントでの位置は今回の調べでは確かめていない
- 検電テスターで、目的の状態(ACCか常時か)で電気が流れるかを確かめる
- ヒューズには平型・ミニ平型・低背の3タイプとアンペア数の違いがあるので、交換するヒューズと同じ形状・アンペア数の製品を使う。ECUなど重要な電源のヒューズは使わない
- アース(マイナス)は、ボディから出ているネジ山やボルトなどのうち、塗装や樹脂部分を貫通しているものを使う
シガーソケットの電源を分けるハーネス
ソケットの口にプラグを差さずに電源を取りたいなら、シガーソケットのACC電源をカプラーオンで分けるハーネスを使う手がある。商品名の対象が「タント/タントカスタム LA650S/LA660S R1/7~」のものを、次の節で2つ比べる。
2つの電源取り出しハーネスの中身と適合の記載
販売ページの商品説明(出品者の記載)を並べると次のとおり。どちらも商品名の対象は「タント/タントカスタム LA650S/LA660S R1/7~」(令和元年7月〜)で、商品名に「カプラーオン」とある。
| 変換アダプターの記載が無い方 | 変換アダプター付きの方 | |
|---|---|---|
| 取り付けの記載 | シガーソケットから赤配線→ACC、黒配線→マイナス信号を取り出す | 純正シガーソケット裏のコネクタへ割り込み、ACC電源を取り出す |
| シガーソケット変換アダプター | 商品名と箇条書きに記載が無い | 付く(そのままドラレコなどを接続できる) |
| 商品説明の適合車種 | タント・タントカスタムを含む複数のダイハツ車(「など」付き) | 「トヨタ/レクサス/ダイハツ車など」 |
| 常時電源 | 商品名と箇条書きに記載が無い | 商品名と箇条書きに記載が無い |
| タントファンクロスの名 | 商品名と箇条書きに記載が無い | 商品名と箇条書きに記載が無い |
変換アダプターの記載が無い方
販売ページの商品説明では、トヨタ/ダイハツ車専用のシガーソケット電源取り出しハーネスで、取り付けるとシガーソケットから「(1)赤配線→ACC (2)黒配線→マイナス信号」の電源を取り出せ、ACC連動させたい電装品(ドライブレコーダー/DVDプレイヤーなど)の取り付けに使う、と書かれている。取り出した赤と黒の配線を、ドラレコ側の電源コードにどうつなぐかを先に決めておく。
タント/タントカスタム LA650S/LA660S向け シガーソケット電源取り出しハーネス(カプラーオン)
シガーソケット変換アダプター付きの方
販売ページの商品説明では、トヨタ/レクサス/ダイハツ車の純正シガーソケット裏のコネクタへ割り込み取り付けすることでACC電源が取り出せ、シガーソケット変換アダプタ付きなので、そのままレーダー探知機やドライブレコーダーなどを接続できる、と書かれている。純正のシガーソケットがある車が前提の取り付け方だ。
商品名の対象の「タント/タントカスタム LA650S/LA660S R1/7~」で、純正のシガーソケットがあり、ドラレコをシガープラグのまま使うなら、こちらが組み合わせやすい。 タントファンクロスの名と常時電源の記載は、どちらのハーネスの商品名と箇条書きにも無い。
シガーソケット変換アダプター付き タント/タントカスタム LA650S/LA660S向け 電源取り出しハーネス
駐車中も録画したいなら常時電源から取る
ドラレコの駐車監視機能を使うには、エンジンがかかっていない状態でも通電している常時電源から電源を取る必要がある。常時電源とACC電源を取り違えると、バッテリー上がりを起こす。 ヒューズから取るときは、前の節の検電テスターでの確かめを省かない。
紹介した2つのハーネスは、取り出せる電源としてACCとアース/マイナスを書いていて、常時電源の記載はどちらの商品名と箇条書きにも無い。駐車監視用の電源には、この2つを当てにしない。
駐車中の録画を販売店での取り付けで済ませたいなら、純正の2つのモデルにある駐車録画も選べる。ダイハツのドライブレコーダー機能一覧では、駐車録画の対象は前方と後方HDカメラ(連動モデルは室内も)で、バックカメラは対象外とされている。
バッテリーの状態が気になるなら、交換の目安も見ておく。
リアカメラの配線(バックドアまで)
カー用品の解説記事では、室内用のリアカメラはリアウインドウ上側の中央に付け、配線は次のように進めるとしている。
- フロント本体からリアカメラへ向けて配線を進める。リアデフォッガー(リアウインドウの熱線)の配線コードと同じ箇所を通すと作業しやすい
- 垂れ下がったコードが運転者の視界を妨げないよう助手席側を通し、内張りの内側に隠す。内張りが容易に外れない車種では無理に外さず、内張りを浮かせてすき間に押し込む
- SRSエアバッグやカーテンエアバッグの近くは避ける
- ハッチバックなどは、バックドアの開閉で配線が引っ張られないよう、ヒンジ付近のジャバラ状の部品にナンバー灯や熱線の配線と一緒に通す方法がある
- 狭い所や曲がった所は配線ガイドを使い、ゆっくり引く
- 引き終えたケーブルは余裕を持たせた長さでリアウインドウにマスキングテープで仮止めし、内張りを戻す前に動作を確かめる
左右均等に映るよう、向きの調整は2人で作業するとよい。タントはカーテンシールドエアバッグの設定がある車(グレードで異なる)なので、手順3を守る。
よくある質問
フロントガラスのどこまでなら付けてよい?
国土交通省の案内が位置の例として挙げるのは「フロントガラス上部から20%以内の範囲など」で、「など」付きの例示だ。その中でも前方視界を妨げない位置にし、スマートアシストのカメラまわりにかからないかを取扱説明書かディーラーで確かめる(取付位置の節)。
シガーソケットからの電源で駐車監視はできる?
駐車監視機能を使うには、シガーソケットなどのACC電源ではなく常時電源から取る必要がある。紹介した2つのハーネスも、常時電源の記載はどちらの商品名と箇条書きにも無い。
タントファンクロスにもこのハーネスは使える?
2つのハーネスの商品名の対象は「タント/タントカスタム LA650S/LA660S R1/7~」で、タントファンクロスの名は、商品名と商品説明の箇条書きのどちらにも記載が無い。ファンクロスは型式こそ同じLA650S/LA660Sだが、使えるかどうかは出品者か販売店に確かめてから買う。
純正ドラレコと市販品はどちらがいい?
ダイハツがタント/タント ファンクロス向けに載せている純正の連動モデルは、録画地点をナビやディスプレイオーディオの地図で確かめたい人、取り付けを販売店に任せたい人に向く。機種を自分で選び、位置決め・配線・電源の取り出しまで自分で行うなら市販品になる。ピラー内のエアバッグが関わる配線は、市販品でもディーラーへの相談が案内されている。
まとめ:買う前と作業の前に確かめること
- 車検証の型式がLA650S/LA660Sか。前の世代なら、部品の適合を販売ページや販売店で確かめる
- 取付位置は国土交通省の例示「フロントガラス上部から20%以内の範囲など」に収め、スマートアシストのカメラまわりは取扱説明書かディーラーで確かめる
- 配線は天井の内張り→助手席側のピラー→助手席の足元。ピラーに通す前にディーラーに相談する
- 走行中だけならACC電源、駐車監視なら常時電源。紹介した2つのハーネスは、常時電源の記載がどちらの商品名と箇条書きにも無い
- ハーネスの商品名の対象は「タント/タントカスタム LA650S/LA660S R1/7~」で、タントファンクロスの名は記載が無い
- 商品名の対象の「タント/タントカスタム LA650S/LA660S R1/7~」で、純正のシガーソケットがあり、ドラレコをシガープラグのまま使うなら、変換アダプター付きのハーネス
ほかの電装の作業は、次の記事も参考になる。
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