ロッキーのジャッキは、車の取扱説明書の図で指定されたジャッキアップポイントに掛け、持ち上げたら必ずリジッドラックで支える。掛ける位置を書いた資料は、トヨタ・ライズやロッキーハイブリッドのオーナーの整備記録、タイヤ店や解説サイトの記事で、ロッキーの取扱説明書の原文やメーカーの資料は確かめられていない。また、ロッキーは標準の状態ではスペアタイヤを積んでいないので、自分でやるタイヤ交換の中心は夏タイヤと冬タイヤの履き替えだ。
ロッキーのジャッキポイントと出典ごとの書き方
ジャッキは、車の取扱説明書をよく読み、指定されたジャッキアップポイントに掛ける。不適切な位置に掛けると部品が変形して作業中に車体が落ちたり、故障の原因になったりする。位置は車種によって違い、取扱説明書のほか販売店や整備業者でも確かめられる(ENEOSウイングと乗りものニュースの解説)。ENEOSウイングの解説は、使うジャッキの種類(パンタグラフジャッキかガレージジャッキか)によってもジャッキアップポイントが変わるので注意が要る、としている。
確かめられた資料の書き方は次のとおりだ。どれもロッキーの取扱説明書の原文ではないので、掛ける前に手元の取扱説明書の図で位置を確かめる。
| ジャッキ・場所 | 位置の書き方 | 出典 | 書かれている車 |
|---|---|---|---|
| 側面の下側 | 「サイドシルに掛ける」(取扱説明書の記述として紹介) | オーナーの整備記録 | トヨタ・ライズ(A200 系) |
| 側面の下側 | 「車の側面の下側に4か所」 | 車のパーツ交換を解説するサイト | トヨタ・ライズ |
| ガレージジャッキ・フロント | ボルトに樹脂パッドを当てる位置(写真) | オーナーの整備記録 | ロッキーハイブリッド |
| ガレージジャッキ・フロント | 「フロントメンバー中央」 | タイヤ取付どっとこむの解説 | トヨタ・ライズ |
| ガレージジャッキ・リア | バンパー裏のけん引フック | オーナーの整備記録 | ロッキーハイブリッド |
| ガレージジャッキ・リア | 「シルバーの突起物」(リアの画像は無い) | タイヤ取付どっとこむの解説 | トヨタ・ライズ |
車載ジャッキを掛ける場所
トヨタ・ライズ(A200 系)のオーナーの整備記録は、取扱説明書の記述として、ジャッキは「サイドシルに掛ける」とあると紹介し、パンタグラフジャッキを使う前提の指定だろうと書いている。車のパーツ交換を解説するサイトのライズの記事も「車の側面の下側に4か所ジャッキアップポイントがあります」としている。どちらもライズについての記載で、ロッキーの取扱説明書の原文を確かめた物ではない。
ガレージジャッキを掛ける場所
フロントは、ロッキーハイブリッドのオーナーの整備記録が位置を写真で示し、「ボルトにジャッキの樹脂パッドを当てて持ち上げる感じ」と書いている。タイヤ取付店のタイヤ取付どっとこむの解説は、トヨタ・ライズについて「フロントのジャッキアップポイントはフロントメンバー中央のところ」としている。
リアは、ロッキーハイブリッドのオーナーの整備記録がバンパー裏のけん引フックをジャッキポイントとし、同じタイヤ取付店のライズの解説は「シルバーの突起物」とだけ書いている。出典によって書き方が揃っておらず、同じ物を指しているかは確かめられていない。タイヤ取付店の解説自身も「参考程度」「詳しくは自動車メーカーのディーラーにお問合せ下さい」と書いているので、フロントもリアも、取扱説明書の図か販売店で確かめてから掛ける。
ロッキーは標準でスペアタイヤを積んでいない
ダイハツの公式サイトのグレードのページには、価格の注記として「スペアタイヤレス&タイヤパンク応急修理セットおよびタイヤ交換用工具付の価格です。」とある。標準の状態ではスペアタイヤを積まず、タイヤパンク応急修理セットとタイヤ交換用工具が付く。
同じページは、「タイヤ交換用工具」の中身(ジャッキが入っているかなど)も、タイヤパンク応急修理セットの内容や使い方も書いていない。積まれている工具の中身と使い方は、自分の車に積まれた物と取扱説明書で確かめる。車のパーツ交換を解説するサイトは、ロッキーの純正ジャッキは助手席シートの下に入っているとしている(同じサイトのライズの記事も助手席の下)が、メーカーの資料で確かめた置き場所ではない。
ENEOSウイングの解説では、車載用のジャッキはタイヤがパンクしたときなどの緊急時に備えて積まれている物とされる。ただ、ロッキーは標準でスペアタイヤを積んでいないので、パンクしたときにスペアタイヤ(応急用タイヤ)へ付け替える手順は、標準の車の手順としては示せない。標準の状態でパンクしたときに使うのはタイヤパンク応急修理セットだ。自分でやるタイヤ交換は、夏タイヤと冬タイヤの履き替えのように、付け替える車輪が手元にある場合になる。
自分で履き替えるときに揃える道具
ENEOSウイングとコンチネンタルの解説をもとにすると、揃える道具は次のとおりだ。
- ジャッキ: パンタグラフジャッキかガレージジャッキ
- リジッドラック(うま): 持ち上げた車体を支える台。ガレージジャッキはバランスを崩しやすいので必ず併用する
- 輪止め: 作業中に車が動かないように固定する
- ナットに合うレンチ: 車のパーツ交換を解説するサイトは、ロッキーのナットのソケットを21ミリとしている(同じサイトのライズの記事も21ミリ)。メーカーの資料で確かめた値ではない
- トルクレンチ: ナットを正しく締めたり緩めたりするための専用の工具で、規定トルクで締めるのに使う
ENEOSウイングの解説は、個人でやる場合はホイールからタイヤを外して付け替える「組み替え」を避け(専用の機器が要り難しい)、ホイールごと付け替える「履き替え」だけにとどめるよう勧めている。自分でやるのはホイール付きのタイヤの履き替えまでにして、組み替えは店に任せるのが正解だ。
ジャッキを掛ける前の準備
作業の前の手順は次のとおり(ENEOSウイングと乗りものニュースの解説)。
- 舗装された硬く平らな地面に停める
- シフトをPに入れ、パーキングブレーキ(サイドブレーキ)を掛け、エンジンを切る
- 車が動かないように輪止めで固定する
- ジャッキアップポイントを取扱説明書で確かめる
- 持ち上げる前に、レンチでナットを少しだけ緩めておく
ナットを緩めるのは、車を持ち上げる前に少しだけ。ここで外しきらず、外すのはリジッドラックで支えた後にする。
ジャッキアップしてリジッドラックで支える
タイヤを交換できる高さまで持ち上がったら、リジッドラックを掛ける。ジャッキだけで車を支えていると、ジャッキが外れて車が落ちたときに挟まれる危険がある(乗りものニュースとENEOSウイングの解説)。ジャッキアップ中は車体の下に入らない。
パンタグラフジャッキのとき
先にネジを回して高さを出し、先端をジャッキアップポイントに合わせて置いてから、ネジをゆっくり回して持ち上げる(ENEOSウイングの解説)。
ガレージジャッキのとき
レバーで高さを出し、先端をジャッキアップポイントに合わせて置き、レバーをゆっくり動かして持ち上げる。持ち上げたら、リジッドラックを車体の下の左右のジャッキアップポイントに置く(ENEOSウイングの解説)。フロントとリアのどこに掛けるかは、前の表のとおり出典ごとに書き方が違う。
慣れたつもりの作業で起きる失敗
トヨタ・ライズのオーナーの整備記録は、知ったつもりで作業すると、サイドシルをつぶしたり、スタッドボルトを折ったりもする、と注意している。2回目以降の履き替えでも、掛ける前に取扱説明書の図で位置を見直す。
タイヤを外して付け替える手順
- リジッドラックで支えたら、レンチでナットを緩めて外し、タイヤを外す(乗りものニュースの解説)
- 付ける前に、ナットのネジ部と、ナットとホイールの間(接触面)のゴミ・砂・サビを落とす
- 付け替えるタイヤを付け、ナットを対角線の順に締める
- 規定トルクの半分の値にトルクレンチを合わせて各ナットを一度締め、その後で規定トルクに合わせ直して締める
ゴミや砂、サビが残っていると、締めたときに見かけだけのトルク(コンチネンタルの言い方で「偽のトルク」)が出て、適正に締まらないことがある。
締める順番は対角線の順で、4本のナットは十字に、5〜10個のナットは星を描くように締める(コンチネンタルの解説)。HEV 車のホイールはダイハツの公式サイトでハイブリッド専用の5穴とされているので、星を描く順になる。乗りものニュースの解説は、地面に近い位置から対角線の順に締める、としている。半分のトルクで一度締めてから規定トルクで締める手順は、コンチネンタルの解説が整備士の手順として紹介している。
締め付けトルクと車体の下ろし方
ロッキーの締め付けトルク
車のパーツ交換を解説するサイトは、ロッキーのホイールナットの締め付けトルクを「103N・m(10.5kg・m)」とし、ライズ・ロッキーの締め付けトルクをまとめたオーナーの資料も「ホイールナット:103Nm」としている。トヨタ・ライズのオーナーの整備記録も103N・mと書いている。ただし、どれも取扱説明書の原文を引いた物ではなく、ロッキーハイブリッドのオーナーの整備記録には「102N/m」と書かれた物もある。値は車の取扱説明書で確かめてから締める。
どの車でも同じトルクで締めてよいわけではなく、車種ごとに規定のトルク値が違う(コンチネンタルの解説)。最後はトルクレンチで、ナットを規定トルクで締めて仕上げる(乗りものニュースの解説)。
締めすぎもゆるみも危ない
締めすぎると、ネジ山がつぶれたりホイールスタッドが伸びたりして、重大な問題が起きるおそれがある。逆にナットがゆるむと、最悪の場合は走行中にホイールが外れることもある(コンチネンタルの解説)。タイヤ取付店の解説も、締めすぎやゆるみはボルト・ナットやハブボルトの損傷、タイヤ・ホイールの脱輪の原因になるとしている。
車体を下ろすとき
下ろす前に、タイヤが正しく付いているか、ナットが十分に締まっているかを確かめる。下ろすときは車体の下に人や物が無いかを確かめ、ジャッキのハンドルはゆっくり操作する。急に回すと車体が落ちるおそれがある(ENEOSウイングの解説)。
走った後の増し締め
交換後50〜100kmを目安に走ってから、ホイールナットの増し締めをする。 増し締めにもトルクレンチを使い、車種ごとの規定トルクで締める。多くの整備工場やタイヤ販売店は無料の増し締めを案内している(コンチネンタルの解説)。トルクレンチを持っていないなら、店の増し締めを使えばよい。
トヨタ・ライズの手順と見比べたいときは、次の記事も参考になる。
HEV 車とガソリン車のホイールの違い
パワートレインとグレード
Car Watch の発売記事によると、ロッキーは2021年11月1日の発売分から、パワートレインが e-SMART HYBRID を積むハイブリッド(HEV)モデル、新開発の1.2リッターエンジンを積む2WDのガソリンモデル、従来から続く1.0リッターターボを積む4WDモデルの3種類になった。ダイハツの公式サイトのグレード名は「Premium G HEV」「X HEV」(1.2L・2WD)と「Premium G」「X」(1.2L・2WD/1.0Lターボ・4WD)と「L」だ。
グレードごとのホイール
公式サイトのグレードのページでは、ホイールは次のとおりだ。
| グレード | ホイール | 穴数 |
|---|---|---|
| Premium G HEV | 17インチアルミホイール(切削) | ハイブリッド専用[5穴] |
| X HEV | 16インチアルミホイール | ハイブリッド専用[5穴] |
| Premium G | 17インチアルミホイール(切削) | 公式の出典に書かれていなかった |
| X | 16インチアルミホイール | 公式の出典に書かれていなかった |
| L | 16インチのフルホイールキャップ | 公式の出典に書かれていなかった |
冬タイヤのセットを用意する前に
HEV 車のホイールはハイブリッド専用の5穴なので、冬タイヤなどのホイール付きのセットを用意するとき、別のロッキーのホイールを使い回すときは、穴数とタイヤサイズが自分の車に合うかを先に確かめる。 ガソリン車の穴数は確かめた公式の出典に書かれていなかったので、ガソリン車のホイールを HEV 車に付けられるとは言えない。
なお、ダイハツの公式サイトは「2026年8月下旬をもちまして、ロッキーの現行モデルの生産を終了いたしました。」と告知している。サイズや冬のセット選びは次の記事で確かめてほしい。
よくある質問
ロッキーにスペアタイヤは積まれている?
標準の状態では積まれておらず、タイヤパンク応急修理セットとタイヤ交換用工具が付く(ダイハツの公式サイトのグレードのページの価格の注記)。パンクしたときは応急修理セットを使う。
ロッキーのホイールナットの締め付けトルクは?
車のパーツ交換を解説するサイトやライズ・ロッキーの締め付けトルクをまとめたオーナーの資料は103N・mとしているが、どれも取扱説明書の原文の引用ではなく、「102N/m」と書いたオーナーの記録もある。取扱説明書の値で締める。
ガレージジャッキはどこに掛ける?
フロントは、ロッキーハイブリッドのオーナーの整備記録がボルトに樹脂パッドを当てる位置を写真で示し、タイヤ取付店の解説はトヨタ・ライズについてフロントメンバー中央としている。どちらもメーカーの資料ではないので、取扱説明書の図か販売店で確かめる。リアの書き方の違いは前の表のとおりだ。
増し締めはいつする?
交換後50〜100kmを目安に走ってから、トルクレンチで規定トルクに増し締めする(コンチネンタルの解説)。
HEV 車にガソリン車のホイールを付けてよい?
HEV 車のアルミホイールはダイハツの公式サイトでハイブリッド専用の5穴とされ、ガソリン車の穴数は確かめた公式の出典に書かれていなかった。付けられるとは言えないので、穴数とタイヤサイズを自分の車で確かめてから用意する。
まとめ
まず使うジャッキをパンタグラフジャッキかガレージジャッキのどちらか1つに決め、その掛け場所を取扱説明書の図で最終確認してから作業に入る。ほかに押さえることは次のとおりだ。
- ロッキーは標準の状態ではスペアタイヤを積まず、タイヤパンク応急修理セットとタイヤ交換用工具が付く
- 持ち上げたらリジッドラックで支え、ジャッキアップ中は車体の下に入らない
- ナットは対角線の順に、規定トルクの半分で一度締めてから規定トルクで締め、交換後50〜100kmを目安に増し締めする
- HEV 車のホイールはハイブリッド専用の5穴なので、セットを用意する前に穴数とタイヤサイズを確かめる

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