拭き残しやスジが出てきてワイパーを買い替えるとき、長さだけを確認して注文すると外すことがある。アトレーのフロントは運転席500mm・助手席350mm、リヤは350mmで、この長さは現行の貨物バンでも先代のアトレーワゴンでも変わらない。それなのに、世代によって選べる製品の種類のほうが違う。長さは合っているのに適合する品番が用意されていない、という組み合わせが実際に存在する。
アトレーのワイパーは長さ共通・製品設定が世代で分かれる
ワイパーメーカーの車種別適用検索と製品一覧を突き合わせると、長さと品番の関係は次のようになる。現行は2021年12月以降のS700V・S710V・S700W・S710W、先代は2005年5月から2021年11月までのS320G・S321G・S330G・S331G系を指す。
| 部位 | 長さ | 現行アトレー(S700系) | 先代アトレーワゴン(S320G〜S331G系) |
|---|---|---|---|
| 運転席 | 500mm | D50 / SD50 / G50 / S50 | G50 / D50 / SD50 |
| 助手席 | 350mm | D35 / SD35 / G35 / S35 | G35のみ(デザイン系の設定なし) |
| リヤ | 350mm | 専用ブレードの設定なし(替えゴムGR43のみ) | GRA35 |
迷うのは長さではなく製品の種類のほうで、この表の右2列の差がそのまま買い物の分かれ目になる。長さだけの確認で済ませたい場合は、サイズを一覧でまとめた
も用意している。
車検証の型式で自分の世代を確定する
適用検索はアトレーを年式で細かく区切っている。ここを取り違えると以降の判断が全部ずれるので、車検証の型式と初度登録年月を先に手元に置いてほしい。
現行アトレー(2021年12月〜)
区分は「R3.12〜」で、型式はS700V・S710V・S700W・S710W。貨物バンとして売られている今のアトレーがここに入る。
先代アトレーワゴン(2005年5月〜2021年11月)
先代はさらに2つに割れている。2017年11月から2021年11月までがS321G・S331G・S321G改・S331G改、2005年5月から2017年10月までがS320G・S321G・S330G・S331G。同じS321G・S331Gでも年式で区分が変わるので、型式だけでなく初度登録年月まで見て判断する。これより古いアトレーには、さらに1999年1月〜、1994年1月〜、1988年9月〜の区分がある。
通販の社外品はタイトルに型式がずらりと並ぶが、その表記だけを適合の根拠にはしない。複数車種を1つの品番でまとめている商品も多いので、自分の型式が含まれているか、長さと取り付け形状が合っているかを商品ページで自分で確かめる。
取り付け形状と、世代ごとの適合品番
製品一覧では、フロントの取り付け形状がグラファイトワイパーと視界スッキリワイパーで「Uクリップ」、デザインワイパーで「カバー付Uクリップ」と区分されている。通販でよく見る「U字フック」はこのUクリップにあたる。リヤは「リヤ専用樹脂RAタイプ」。
現行S700系は一通り揃っている
運転席/助手席の順に、デザインワイパーがD50/D35、スタンダードデザインワイパーがSD50/SD35、グラファイトワイパーがG50/G35、視界スッキリワイパーがS50/S35。現行は助手席側にも各シリーズの品番が設定されているので、フロント2本を同じシリーズで揃えられる。
先代は助手席にデザイン系が設定されない
先代で全部揃っているのはグラファイトワイパーで、運転席G50・助手席G35・リヤGRA35。デザインワイパーは運転席のD50だけで、助手席側は「取り付けはできるが拭き残しが発生するため適合品番を設定していない」という扱いになっている。スタンダードデザインワイパーのSD50も同じで助手席の設定がない。先代でフロント2本をデザイン系で揃えようとすると、ここで止まる。
撥水コートを選ぶ前にフロントガラスの内側を見る
製品一覧は撥水コートタイプを「撥水コーティング被膜を形成」する種類と説明している。拭きながらガラスに被膜を作る種類で、撥水加工を別途やる手間を省きたい人向けではある。ただしアトレーでは車両側の条件で選べない場合がある。
適合表の注意書きに該当する車がある
適合表の撥水コート系には「撥水コートワイパーは、運転支援システムのセンサーがフロントガラス内側にある車両には適合できません」という注意が付く。付いているのは、現行アトレーの撥水コート系すべてと、2017年11月以降のアトレーワゴン。強力撥水コートデザイン、撥水コートデザイン、強力撥水コートグラファイト、撥水コートグラファイト、そして撥水コート系の替えゴムまで含まれる。2017年10月までのアトレーワゴンにはこの注意は付いていない。
確認のしかたと、該当した場合
運転席に座って、フロントガラス上部のルームミラー付近を内側から見る。カメラ類が付いていればこの注意の対象になるので、撥水コート系は選ばない。代わりに、コートの付かないグラファイトタイプやエアロ形状のブレードを選べばいい。カメラの有無が自分で判断しにくいときは、車検証を持って販売店に見てもらうのが早い。
ブレードごと替えるか、替えゴムだけにするか
金属のアーム側に付く骨組みごと替えるのがブレード交換、ガラスに当たるゴムだけを抜き差しするのが替えゴム交換だ。
ブレードごと替えたほうがいい場合
前回いつ替えたか覚えていない、骨組みに錆や変形が見える、エアロ形状に替えて見た目も変えたい——このどれかに当てはまるならブレードごと替える。ゴムだけ新品にしても、骨組みがガラスに押し付ける力が落ちていれば拭き残しは残る。
替えゴムで足りる場合
1年以内にブレードを替えていて、骨組みに傷みがないならゴムだけで足りる。ワイパーメーカーが公表している交換の目安は本体が1年に1回、ゴムが6カ月に1回で、倍ほど違う。前回ブレードごと替えたのかゴムだけ替えたのかで、今回買うものが決まる。
替えゴムの品番は今付いているブレードで決まる
アトレーの替えゴムは全世代共通で、運転席GR11(TW4G)、助手席GR5(TW10G)、リヤGR43(TN35G)。ただし適用検索には「替えゴムの適合品番は『純正ワイパー』に準じたもの」で、過去に交換している場合は購入したワイパー品番から対応替えゴムを選ぶように、という案内が付いている。つまり車種から引ける品番は純正ブレードが付いたままの車のためのものだ。すでに社外品のブレードに替えている車がこれを見て買うと、長さは合っても端面形状が合わずに入らない。
現行アトレー(S700系)に選ぶフロントワイパー
現行で撥水コートを避けるなら、コートの付かないエアロ形状のブレードが素直な選択になる。運転席500mm・助手席350mmという長さは適用検索のD50・G50とD35・G35に一致し、取り付けもUクリップだ。
INEX エアロワイパーブレード 2本 500mm×350mm 現行アトレー S700V/S710V/S700W/S710W 対応
500mmと350mmが2本セットで届くので、フロントを一度で片付けられる。Amazonの実売価格は確認時点で¥1,720(価格は変動するのでリンク先の表示を見てほしい)。拭き取り時の音が気になっているなら、製品一覧が「ワイパーのビビリを軽減」と説明しているグラファイトタイプを純正系で選ぶ手もある。注文前に、商品ページの型式表記に自分のS700V・S710V・S700W・S710Wが入っているかだけ確認しておく。
同じダイハツの商用軽で迷っている人向けに
もある。
先代アトレーワゴンに選ぶフロントとリヤ
先代はフロントとリヤを別々に考える。デザイン系で2本揃えられない代わりに、リヤは専用ブレードを選べる世代だ。
フロント2本
INEX エアロワイパーブレード 2本 500mm×350mm 先代アトレーワゴン S320G/S330G/S321G/S331G 対応
長さの構成は現行向けと同じ500mm×350mmで、対応型式の表記が先代側になっている。Amazonの実売価格は確認時点で¥1,720。2017年11月以降のアトレーワゴンは撥水コート系が選べない側に入るので、コートの付かないこの手の形状のほうが判断は楽になる。
リヤワイパー
INEX リアワイパーブレード 350mm 先代アトレー S320G/S321G/S330G/S331G 用
適用検索で先代に設定されているリヤ専用ブレードはGRA35(350mm)で、樹脂タイプの取り付けになる。Amazonの実売価格は確認時点で¥1,190。この350mmのリヤブレードは先代向けの選択肢で、現行S700系には同じようには選べない。現行に付けるつもりで買わないよう、型式を先に確定させておく。
前後まとめて替えゴムで済ませる
骨組みがまだ使えるなら、前後3本のゴムだけ替えるのが一番手数が少ない。運転席GR11(TW4G)、助手席GR5(TW10G)、リヤGR43(TN35G)という3つの品番に相当するものを買えばいい。
アトレー ワイパー替えゴム フロント2本+リア1本 計3本セット 純正互換品
Amazonの実売価格は確認時点で¥1,880。現行S700系はリヤ専用ブレードの適合品番が設定されておらず、設定があるのはリヤの替えゴムGR43(TN35G)だけなので、現行に乗っていてリヤの拭きが悪い場合は実質この道になる。長さは全世代とも350mmで、替えゴムの品番も共通だ。ただし前の節で書いたとおり、純正以外のブレードに替えている車はブレード側の対応替えゴムを見る。
雪の多い地域で乗る場合
ここは世代差が大きい。先代アトレーワゴン系には、グラファイトデザイン雪用ワイパーが運転席D50W・助手席D35W、グラファイト雪用ワイパーが運転席R-11・助手席R-5・リヤ4Aと設定されている。これに対し現行アトレーは雪用ワイパーの適合品番が運転席・助手席・リヤとも1つも設定されていない(適合表ではいずれも「取り付けはできるが拭き残しが発生するため適合品番を設定していない」扱い)。
積雪地で現行アトレーに雪用を付けたいなら、この一覧からは選べない。冬が来る前に販売店やメーカーに相談しておくほうが、店頭で困るより早く片付く。
交換の手順と、次に替える時期
形状ごとに手順が分かれる
ワイパーメーカーの交換方法の案内では、ブレード交換が「Uクリップタイプ」「リヤ樹脂タイプ」「Aクリップタイプ」に分かれている。アトレーはフロントがUクリップ、リヤがリヤ樹脂タイプだ。替えゴムのほうはゴムの端面形状ごとに分かれ、アトレーは運転席・助手席がTWタイプ、リヤがTNタイプ。買ったものがどの形状かを先に確認してから作業に入る。
作業中の注意
同じ案内では、ガラスを保護するためタオルなどの布を敷いてから作業し、取り外しと取り付けが終わったらワイパーアームを静かに元の位置に戻すよう求めている。アームを立てたまま手を離すとガラスに戻ってしまうので、そこだけは丁寧にやる。細かい手順は製品ごとに違うから、商品パッケージの裏面や同梱の説明書に従う。
交換のサインと点検
交換のサインとして挙げられているのは、ガラスに筋が残る、ビビり音がする、といった症状だ。期間で決め打ちせず、症状が出たら目安より早くても替えていい。国土交通省が示す日常点検の15項目には「ワイパーの拭き取り状態」が入っていて、ウインドウォッシャーの噴射状態と液量も並んでいる。ガラス周りをまとめて見ておくなら
のような消耗品と一緒に点検日を決めてしまうと忘れにくい。
よくある質問
アトレーとアトレーワゴンでワイパーの長さは違いますか
違わない。適用検索と製品一覧を突き合わせると、運転席500mm・助手席350mm・リヤ350mmで、現行の貨物バンでも先代のアトレーワゴンでも共通だ。変わるのは長さではなく、どのシリーズの品番が設定されているかのほう。
現行アトレーに撥水コートのワイパーは使えますか
車両次第としか言えない。適合表の撥水コート系には運転支援システムのセンサーがフロントガラス内側にある車両には適合できない旨の注意が付いていて、現行アトレーの撥水コート系はすべてこれに該当する。フロントガラス内側にカメラ類があるなら選ばない。無ければ選択肢に入る。
リヤワイパーはどのアトレーにも付いていますか
現行アトレーの主要装備一覧表には「リバース連動リヤワイパー」と「リヤウインドゥデフォッガー」が装備項目として載っている。ただしどのグレードに標準で付くかまでは読み取れていない。グレードや年式で変わりうるので、リヤ用を買う前に自分の車に実際に付いているかを見て確かめてほしい。
替えゴムだけ買えば安く済みますか
骨組みが傷んでいなければ済む。交換の目安が本体1年・ゴム6カ月と違うので、前回ブレードごと替えたなら今回はゴムだけで足りることが多い。ただし社外品のブレードに替えている車は、車種から引いた替えゴム品番ではなく、今付いているブレードの対応替えゴムを選ぶ必要がある。
まとめ
アトレーのワイパーは、長さで迷う必要がない。運転席500mm・助手席350mm・リヤ350mmは全世代共通で、分かれるのは世代ごとの製品設定のほうだ。現行S700系ならフロントは各シリーズが揃うがリヤは替えゴムのみ、先代ならリヤ専用ブレードが選べる代わりに助手席のデザイン系が無い。まず車検証で世代を決め、撥水コートを選べる車かどうかを見て、ブレードごとか替えゴムかを決める。ここまで絞れば候補は1つに定まるので、最後は
とメーカーの適合情報で品番と長さを照合してから注文すればいい。
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