雨の日に窓を少し下げて車内の空気を入れ替えたいとき、ドアバイザーが付いていないアトレーでは雨が入るのを覚悟することになる。後付けしようと商品ページを開くと、4枚セットの表記や「ハイゼットカーゴ」から始まる商品名が並んでいて、どれが自分の車の分なのか判断しにくい。先に答えを言うと、現行アトレーで買うのはフロント左右の2枚組で、適合を決めているのは車名ではなく車検証の型式欄だ。
アトレーで上下に開く窓はフロント2枚だけ
ダイハツ公式サイトのアトレー主要装備一覧表で全車標準装備として挙がっている窓の装備は「フロントドアパワーウインドゥ(運転席挟み込み防止機構付)」で、これ以外にパワーウインドウの行は無い。取扱説明書のパワーウインドウの項でも、自動全閉・自動全開が使えるのは運転席のみ、ウインドウロックスイッチで作動しなくなるのは助手席のドアガラス、という書き方になっている。
後席側は両側スライドドアで、そのガラスは「ポップアップ機構付リヤガラス」という別方式だ。取扱説明書は「ドアガラスの開閉」をフロントドアのパワーウインドウとこのリヤガラスの2項目に分けて説明しており、後者はレバーを引いてロックを解除し、レバーを押して開け、開いた状態でロックするまで押す、という手順になる。窓枠に沿って降りるのではなく、ガラスの一部を押し出して隙間をつくる構造である。なおこのリヤガラスにはグレードやオプションで有無が分かれる注記が付いているため、すべての個体に必ず備わるとは言えない。
開いた窓の隙間に屋根をかけるのがドアバイザーだから、アトレーで対象になるのはフロント左右の2枚になる。ダイハツ純正用品の設定も「フロントサイドバイザー(左右分セット)」で、社外品でも構成が明記されているものは「フロント計2枚セット」「本体2ピース」と書かれている。4枚組を探す必要はない。
現行アトレー用ドアバイザー4点の早見表
掲載する4点を、出品情報に書かれている範囲で並べる。空欄は出品情報に記載が無い項目で、記事側では埋めない。
| 商品 | 固定方式 | 材質 | 色 | 価格 |
|---|---|---|---|---|
| FINE PARTS | 両面テープ+取付金具 | 耐衝撃アクリル | グレースモーク | 6,680円 |
| YORKNEIC | 両面テープ施工済み | アクリル素材 | ブラックスモーク | 6,870円 |
| REIZ | 両面テープ+固定具のWロック | 記載なし | ライトスモーク | 7,700円 |
| ofc | 両面テープ施工済み+取付金具 | PMMA | 記載なし | 7,800円 |
価格はいずれも確認した時点のAmazon実売価格で、あとから変わる。参考にする順番は、まず自分の型式が適合表記に入っているかを見て、それから固定方式と色を比べるという流れになる。
車検証の型式欄で700系かどうかを確かめる
現行アトレーは2021年12月に登場した世代で、型式は2WDが3BD-S700V、4WDが3BD-S710V、デッキバンが3BD-S700W(2WD)と3BD-S710W(4WD)。商品ページの適合表記では、頭の排出ガス規制記号を省いた「S700V/S710V/S700W/S710W」の形で書かれることが多い。まず見るのは車検証の「型式」欄で、ここにこの4つのいずれかが入っていれば現行型にあたる。
グレードはRS・X・アトレーデッキバンの3種で、2WDと4WDのCVT車が設定されている。ボディサイズは全長3,395mm・全幅1,475mm・全高1,890mm、ホイールベース2,450mmで、グレードと駆動方式が変わっても共通だ。ドア開口部まわりの寸法もグレードで分かれないので、型式さえ合っていればグレード違いを気にする必要はない。
注意したいのは旧型のアトレーワゴン世代(S320G・S330G・S321G・S331G)で、こちらは700系とは別の部品になる。乗り換えたときに前の車のバイザーを移そうと考えるのは避けたい。窓枠の形状が違えば貼付面が合わず、走行中の浮きや脱落につながる。旧型に乗っているなら、商品ページの適合表記に自分の型式が書かれている品を別に探すことになる。
商品名に「ハイゼットカーゴ」や「ピクシスバン」が並ぶ理由
現行アトレーはハイゼットカーゴと車体を共有していて、ドアまわりの部品も共通に扱われる。ダイハツ純正用品のフロントサイドバイザーも、1つの品番でアトレーとハイゼットカーゴの S700V/S710V/S700W/S710W をまとめて受け持っている。
社外品はさらに広く、適合表記を「S700V S710V アトレー ハイゼットカーゴ/S700W S710W アトレーデッキバン ハイゼットデッキバン/S700B S710B ディアス サンバーバン/S700M S710M ピクシスバン」と並べて、OEM供給されている姉妹車まで一括で対象にしている商品もある。商品名の先頭が自分の車の名前でなくても慌てなくていい。適合表記に自分の型式が文字として入っているかどうかだけを見れば足りる。逆に、車名だけの記載で型式が書かれていない商品は、そこで判断を止めずリンク先で確かめたい。
ダイハツ純正のフロントサイドバイザー
ダイハツ純正用品を扱う販売店の商品情報によると、品名は「(PT)フロントサイドバイザー(左右分セット)」で、新品番が08610-K5013、旧品番が08610-K5010。適合型式は「S700V/S710V/S700W/S710W」で、材質は樹脂(ポリ塩化ビニル)、取り付けは「両面テープで貼付と付属のブラケットで固定します」と説明されている。左右2枚の構成で、社外品と同じくフロント分だ。
同じ販売店が確認した時点で表示していた価格は8,905円だった。ただしこれは当該店舗が付けた値段で、メーカー希望小売価格や全国共通の定価ではない。純正用品は販売会社が価格を独自に定めるので、正確な金額と在庫は買う先に聞くしかない。手を動かしたくない人にとっては、ディーラーで取り付けまで頼めるのが純正を選ぶ理由になる。社外品との差額は千円前後から二千円ほどの幅に収まる価格帯で、工賃を別に払う前提なら差はもう少し開く。
社外品を比べる4つの軸
1つ目は固定方式。両面テープだけで留めるものと、テープに加えて金具や固定具(リベット、クリップ、ゴムキャッチなど)を併用するものがある。純正も「両面テープで貼付と付属のブラケットで固定します」という併用方式で、走行風で持ち上がる力を機械的にも受けたいなら併用式を選ぶことになる。
2つ目は材質の記載で、掲載品では耐衝撃アクリル・PMMA・アクリル素材と書かれたものがあり、純正は樹脂(ポリ塩化ビニル)。3つ目は色の濃さで、グレースモーク・ブラックスモーク・ライトスモークと段階が分かれる。外から車内をどれだけ見せたくないか、ミラー越しの視認性をどれだけ残したいかで決める。4つ目は付属品と説明書の有無で、取付金具や日本語の説明書が付くかどうかが自分で作業するときの手間に直結する。
もう1つ足すなら、助手席側のミラーの見え方だ。アトレーはサイドアンダーミラー付ドアミラーが全車標準で付く。中古車情報メディアのグーネットの解説でも、視界やドアミラーを遮ってしまうものは車検が通らない場合があるとされている。仮合わせの段階で運転席に座り、ミラーで見る範囲が欠けていないかを確かめておくと、貼ってから気づく事態を避けられる。
掲載4点を軸ごとに見る
金具まで付いてくる選択肢
ofcの製品は、出品者の説明に構成がもっとも細かく書かれている。「■フロント計2枚セット ■取り付け金具付き ■材質:PMMA ■簡易取付説明書付属 ■裏面には強力両面テープ装着済み」とあり、枚数・金具・材質・テープ施工済みの4点がすべて明示されている。適合はハイゼットカーゴとアトレーの S700V/S710V(R3/12〜)。一方で同じ説明には「当店は販売のみになりますので、御取付等のサポートは行っておりません」「当商品は輸入品(非純正部品)の為、多少の汚れ、傷がある場合が御座います」との断りもあり、取り付けは自己責任になる。
ofc ハイゼットカーゴ/アトレー S700V・S710V 用 フロントドアバイザー 2枚セット(PMMA・取り付け金具付き)
FINE PARTSの製品は、商品名に「(年式: R03(2021)年12月~ 型式:S700V/S710V) 国産 専用設計」と適合が書かれている。出品者の説明では「国産車種別専用設計ドアバイザー」「取付金具&説明書付き」「材質:耐衝撃アクリル カラー:グレースモーク」の3点が挙げられている。説明書が付く点は、初めて自分で貼る人には効く。セット枚数は出品情報に書かれていないので、そこはリンク先で確認したい。商品名の一部に「ハイセットカーゴ」という表記ゆれがあるが、これは出品側の表記で、指しているのはハイゼットカーゴだ。
FINE PARTS アトレー S700V/S710V 専用設計 サイドバイザー(耐衝撃アクリル・グレースモーク・取付金具&説明書付き)
テープ施工済みで手数を減らしたい場合
YORKNEICの製品は、商品名で「新型 アトレー S700V/S710V 2021年~現行」と適合を示している。材質は「軽量で、上質な質感を持つアクリル素材を採用し、頑丈な性質で耐熱性、耐衝撃性、耐久性に優れ」と説明され、固定については「接着面には耐久性のある両面テープが施工済み」とだけ書かれている。取付金具の記載が説明文に無いため、金具併用を望むならリンク先で付属品を確かめる。セット枚数の記載も無い。
YORKNEIC 新型アトレー S700V/S710V 用 サイドバイザー(アクリル素材・ブラックスモーク・両面テープ施工済み)
色の濃さで選ぶときの見方
濃い順に並べると、YORKNEICの「程よい透明感を残した高級感溢れる人気のブラックスモークカラー」、FINE PARTSのグレースモーク、REIZの「視認性を妨げないライトスモークカラー」となる。車内を見えにくくしたいならブラック寄り、ミラーやサイドの見え方を優先するならライト寄りという分け方でいい。色の濃さは窓ガラスに貼るフィルムの話とは別なので、透過率の基準に照らして選ぶ性質のものではない。
姉妹車と共用したい場合
REIZの製品は適合の広さと固定方式が持ち味だ。適合表記にアトレーデッキバン、ディアス(サンバーバン)、ピクシスバンまで含む。固定は「両面テープと固定具のWロック仕様」で、セット内容は「本体2ピース(両面テープ施工済み)」と「固定具(リベット,クリップ,ゴムキャッチ)」。「フロント左右の後端にワンポイントとなるロゴを配置」という記載からも、対象がフロント2枚であることが読み取れる。デッキバンのS700W/S710Wに適合が及ぶのは掲載品ではこれだけなので、デッキバン乗りはここから見るのが早い。材質の記載は出品情報に無い。
REIZ S700系 アトレー/ハイゼットカーゴ 車種専用ドアバイザー 左右セット(両面テープ+固定具のWロック)
自分で貼るときの条件と手順
順番は、仮合わせ、洗浄と脱脂、貼り付け、圧着になる。出品者の注意書きでも「必ず貼り付け前に仮合わせを行い、貼り付け面の洗浄・脱脂をお願いします」「装着後は保証対象外となります」と書かれている商品がある。両面テープは一度貼ると位置を直しにくく、剥がせば保証も効かなくなる。剥離紙を剥がす前に、左右の向き、前後の位置、窓枠との隙間、ミラーの見え方まで確認しておく工程が成否を分ける。
脱脂を省かない
脱脂は省けない。車両用両面接着テープのメーカー技術資料によると「使用前にボディ及びモール等、部品表面のテープ接着部の油分(ワックス等)、汚れ等を脱脂溶剤等で確実に拭き取ってください」とある。洗車したばかりでもワックスや撥水剤の被膜が残っていれば接着力は落ちる。
気温が低い時期は暖めてから貼る
気温にも条件がある。同じ技術資料には「15℃以下になると接着しにくくなりますので、作業場を暖めてください。貼りつけ面と部品を暖房器具などで暖めてください」とあり、出品者の注意書きでは「外気温が10度を下回りますと両面テープの接着力が低下します」と案内している商品がある。数字の基準は出所によって違うが、寒い時期はテープ面と貼付面を暖めてから貼るという結論は共通だ。貼ったあとは技術資料の「テープ貼りつけ面を十分圧着してください」に従って面全体を押さえる。粘着面に指で触れると皮脂が付くので、位置を決めてから押さえる順序で作業する。
貼った当日は濡らさない
技術資料には「接着後24時間以内の洗車は避けてください。(やむをえず必要な場合でも、最低1時間以上は確保してください。)」とある。出品者側も、取り付け後24時間は水分を付着させないよう案内している商品がある。屋根のある場所で作業して、翌日まで濡らさない段取りを組みたい。なお取扱説明書には「ダイハツサービス工場で取り付けられた装備(販売店オプション)の取り扱いについては、その商品に付属の取扱説明書をお読みください」とある。ここに書いた条件は目安として読み、実際の作業では手元の説明書の指示を優先する。
車検で問題になるかどうか
中古車情報メディアのグーネットの解説によると「ドアバイザー(サイドバイザー)はオプション品であるため、車検時の保安基準は特に規定がありません」という整理になる。ただし同じ解説では「あまりにも大きく、視界やドアミラーを遮ってしまうものであったり、窓に触れてしまうものでは車検が通らない場合もあります」「鋭角で歩行者を傷つけるようなでっぱりのある形状のものは、車検に通らない可能性があります」とも述べられている。部品そのものが禁じられているのではなく、視界を妨げる・窓ガラスに接触する・鋭角な突起があるという状態が問われるという読み方になる。実際の合否は個々の車の状態と検査官の判断によるので、記事の側で保証はできない。
混同されやすいのが窓ガラスに貼る着色フィルムとの関係だ。取扱説明書には「フロントウインドウガラス、および運転席・助手席のドアガラスに着色フィルム(含む透明フィルム)などを貼り付けないでください。視界を妨げるばかりでなく、不正改造につながるおそれがあります」という注意があるが、これはガラス面に貼るフィルムについての記述で、窓枠の外側に付くドアバイザーの話ではない。スモークの濃さを比べるときにフィルムの基準を持ち込む必要はない。
よくある質問
アトレーのドアバイザーは何枚組を買えばいいですか
フロント左右の2枚組でいい。純正用品も「フロントサイドバイザー(左右分セット)」の設定で、社外品でも構成が明記されているものはフロント2枚組だ。商品ページに「4枚」とあった場合は、別の車種と兼用の表記か、そもそも対象車が違う可能性を疑う材料になる。
ハイゼットカーゴ用と書かれた商品はアトレーに使えますか
適合表記に自分の型式が入っていれば対象に含まれる。純正用品も1つの品番でアトレーとハイゼットカーゴの4型式を受け持っている。判断は車名ではなく型式表記で行う。
旧型のアトレーワゴンで使っていたバイザーは移せますか
移せる前提で考えないほうがいい。純正フロントサイドバイザーの適合型式に旧型のS320G・S330G・S321G・S331Gは含まれておらず、流用できるかどうかは確認できていない。旧型に乗っているなら、その型式が明記された商品を別に探すことになる。
後席の窓にもバイザーは付けられますか
後席側はポップアップ機構付リヤガラスで、上下にスライドしない。出品者の商品説明では「少し窓を開けて空気の流れに役が立って実用性高いドアバイザーです」と用途が説明されているが、この使い方が効くのは上下に開くフロント側になる。後席の換気はレバーで押し開くリヤガラスの役目だ。
取り付けは自分でできますか
両面テープと付属の金具で留める部品なので、仮合わせと脱脂を丁寧にやれば自分で貼れる範囲にある。ただし取り付けサポートを行わないと明記している出品者もあり、装着後は保証の対象外になる商品もある。手を出したくないなら、ディーラーで純正用品を取り付けてもらう選択肢がある。
まとめ:型式から決めれば迷わない
やることは4つで、車検証の型式欄でS700V・S710V・S700W・S710Wのどれかを確かめ、フロント2枚組の商品に絞り、固定方式と色で候補を1つまで詰め、最後にリンク先の適合表記と枚数の記載を自分の型式と突き合わせる。デッキバンならS700W/S710Wを含む商品、説明書が欲しいなら金具と説明書が付く商品、というふうに決め手を先に1つ持っておくと早い。価格と在庫は動くので、そこは買う直前に見る。
この記事にはAmazonアソシエイトを含むアフィリエイト広告を含みます。

コメント