86 ZN6(2012〜2021年)のオイル交換は、街乗り中心か、山道や短い距離の行き来が多いかで時期が変わり、フィルターも一緒に替えるか、オイルクーラーを後から付けているかで用意する量が変わる。時期はトヨタの一般の目安の表、量は整備士の解説サイトなどの記載を目安にし、最後はレベルゲージで確かめるのが基本だ。自分の車と乗り方がどちらに当たるかを確かめながら読み進めてほしい。
86 ZN6のオイル交換の時期と量の目安
| 項目 | 目安 | 出典 |
|---|---|---|
| 交換時期(標準) | 15,000km または 1年 | トヨタの一般の目安の表(ガソリン車〈ターボ車除く〉の行) |
| 交換時期(シビアコンディション時) | 7,500km または 6ヶ月 | 同上 |
| オイル量(オイルのみ交換) | 5.2L | 整備士の解説サイト |
| オイル量(フィルターも交換) | 約5.4L | 整備士の解説サイト |
時期はトヨタの公式サイトの目安の表を ZN6 に当てはめた値で、ZN6 専用の指定ではない。量も整備士の解説サイトの記載で、トヨタの取扱説明書の値としては確かめていない。量は目安として用意し、入れた後にレベルゲージの上限と下限の間にあるかで決める。トヨタの取扱説明書のサイトで読める GR86(ZN8)の 4.8L・5.0L は別のエンジンの値なので、ZN6 には使わない。
ZN6のエンジンとトヨタの表の読み方
HKS の適合表では、86 の型式 ZN6(2012年4月〜2021年10月)のエンジンは FA20 だ。中古車のガリバーの諸元では、最初期のグレード G(DBA-ZN6・2012年4月〜2013年7月)も最終期のグレード GT(4BA-ZN6・2019年10月〜2021年10月)も、FA20 の水平対向4気筒DOHC・過給器なし・総排気量 2000cc で、燃料は無鉛プレミアムガソリンとなっている。
過給器の無いガソリン車なので、トヨタの目安の表では「ガソリン車(ターボ車除く)」の行で読む。ただしトヨタは、この表について車種によって異なるので取扱説明書を見るか、近くのトヨタのお店に問い合わせるよう添えている。
オイル交換の時期は使い方で決める
トヨタの目安の表で読む時期
トヨタの公式サイトの目安の表では、ガソリン車(ターボ車除く)の標準交換時期は 15,000km または 1年、シビアコンディション時は 7,500km または 6ヶ月だ。トヨタは同じ表に、あくまでも目安で早めの交換を勧めると書き、エンジンオイルはクルマを使わなくても自然に劣化するとも添えている。距離が伸びない車でも、期間のほうで替え時が来る。
シビアコンディションに当たる使い方
トヨタはシビアコンディションの例として、悪路走行が多い、走行距離が多い、山道など上り下りの頻繁な走行などを挙げる。SUBARU の公式サイトは、悪路・雪道走行、山道・登降坂路が多い、走行距離が多い、短距離走行の繰り返しが多いなどの使われ方を挙げ、その場合は通常の時期の1/2で早めに点検・交換するよう書いている。山道を走る機会が多い人や、近所の短い距離の行き来ばかりの人は、こちらに当てはめて考えたほうがよい。
SUBARU と整備店の目安
SUBARU(BRZ ZC6 のメーカー)の公式サイトの一般の目安では、エンジンオイルは約1年または約10,000kmごと、理想は約6か月または約5,000kmごとのどちらか早い方だ。舗装路を1年に10,000km程度走る使い方が前提で、BRZ や 86 の個別の記載は無い。整備店(タイヤ館)の 86 ZN6 後期型の記事(2023年7月)では、店のすすめとして 5,000km または半年を目安にしている。これはメーカーの指定ではなく店の目安だ。
選び方としては、街乗り中心で距離も短すぎないならトヨタの表の標準の時期を上限と考え、シビアコンディションに当たるなら 7,500km または 6ヶ月で替える。距離と期間は両方を見て、先に来た方で替える。早めに替えたい人は、SUBARU の理想の目安や整備店の目安(約5,000km・約6か月)に合わせればよい。
オイルフィルター(エレメント)を替える時期
トヨタの公式サイトの目安の表では、ガソリン車(ターボ車除く)のオイルフィルターの交換時期は標準 15,000km、シビアコンディション時 7,500km だ。トヨタの日常点検の手順でも、オイルフィルターも定期的に交換が必要と書いている。SUBARU の公式サイトの一般の目安は約10,000kmごとで、エンジンオイル交換と一緒に作業することを奨めている。整備店(タイヤ館)の記事では約1万km、整備士の解説サイトでは ZN6 のオイルフィルターをオイル交換 2 回につき 1 回替えることをすすめている。
フィルターの替え時は、オイルを替える間隔と組み合わせて決める。たとえば 5,000km ごとにオイルを替えるなら、2 回に 1 回(約1万km)でフィルターも替えると SUBARU や整備店の目安に合う。トヨタの表の標準どおり 15,000km でオイルを替えるなら、フィルターも毎回替える計算になる。フィルターを替える回は入れる量が増えるので、次の節で量の違いを見ておく。
ZN6のオイル量はフィルター交換の有無で変わる
整備士の解説サイトの量
整備士の解説サイト(2級自動車整備士の運営)では、86 ZN6 のエンジンオイル量はオイルのみの交換で 5.2 リットル、フィルター交換時で約 5.4 リットルだ。トヨタの取扱説明書の値として確かめたものではなく、同サイトの記載である。この量で考えると 4L 入りの缶 1 本では足りないので、もう 1 本の 4L 缶か 1L 缶を足して用意する。余った分は、レベルゲージで足りないと分かったときの補給に回せる。
オイルクーラーを付けた車の量
パーツメーカー GReddy の 86/BRZ 前期型(ZN6/ZC6・2012〜2016年)向けオイルクーラーキットの製品ページでは、オイルクーラーを付けたときのエンジンオイル量は約 6 リットルで、通常は 5.2 リットルと書いている。通常の 5.2 リットルがフィルター交換を含む量かどうかの記載は無い。オイルクーラーなどを後から付けた車は量が増えるので、その部品の説明書の量に従う。
出典で量の書き方が違うとき
ZN6 のオイル量は、整備士の解説サイトがフィルターの有無で 2 つの量を書くのに対し、GReddy の製品ページは通常 5.2 リットルとだけ書いており、出典で書き方が分かれる。トヨタの ZN6 の取扱説明書は PDF 形式で公開されているが、ここでは取扱説明書の値を確かめていない。入れるときは少なめから入れて、レベルゲージの上限と下限の間に入るかを確かめる。
BRZ のオイル交換の時期と量は次の記事で扱っている。
GR86(ZN8)の取扱説明書の値はZN6に使わない
トヨタの取扱説明書のサイトの 86 の一覧では、2012年03月〜2016年06月と 2016年07月〜2021年09月の生産車の取扱説明書は PDF 形式、2021年10月以降の分はデジタル取扱説明書(HTML 形式)で公開されている。HTML 形式の版は 2021年10月以降の GR 86(ZN8)の取扱説明書だ。
GR86(ZN8)の取扱説明書のメンテナンスデータでは、エンジン FA24(2.4L)のオイル容量(参考値)はオイルのみ交換 4.8L、オイルとオイルフィルター交換 5.0L で、推奨はトヨタ純正モーターオイル SP 0W-20(API SP/RC・ILSAC GF-6A)、適合は同 SP 5W-30 となっている。これはエンジンの違う ZN8 の値で、ZN6(FA20・2.0L)の量や銘柄には使わない。取扱説明書のサイトで開いたページが HTML 版なら、それは ZN8 の分だと考えてよい。
ZN6に入れるオイルの粘度
整備士の解説サイトでは、86 ZN6 の推奨粘度は 0W-20 で、5W-30 も使用できると書いている。整備店(タイヤ館)の 86 ZN6 後期型の記事でも「オイル粘度は0W-20と5W-30の2種類ございます。」としている。どちらもトヨタの取扱説明書の記載として確かめたものではない。GR86 の取扱説明書にある 0W-20 と 5W-30 の書き方は、ZN8 の記載だ。
迷ったら、整備士の解説サイトが推奨とする 0W-20 を基本に考え、5W-30 にするかは作業を頼む整備店と相談して決めればよい。
ZN6のオイル交換の手順
整備士の解説サイトの手順を、作業の順に並べる。ドレンボルトやフィルターの締め付けの強さ(トルク)はここでは扱わないので、整備書や作業を頼む店で確かめてほしい。
古いオイルを抜く
- エンジンの上のオイルフィラーキャップを反時計回りに回して外す。固くて緩まないときは専用の工具を使う。
- ドレンボルト(14mm)を緩めて古いエンジンオイルを抜く。
- 抜き終えたらドレンパッキンを新品に替えてドレンボルトを締める。
フィルターを替える
フィルターも替える回は、オイルフィルターレンチでオイルフィルターを外す。同サイトのレンチの大きさの記載は 66.5mm だ。新しいフィルターは O リングにオイルを塗ってから取り付ける。
新しいオイルを入れて確かめる
オイルを入れてキャップを閉め、エンジンを暖機してから止め、レベルゲージでオイルが L と F の間にあるかを確かめる。ゲージの見方は次の節のとおりだ。作業中にオイルをこぼしたら完全に拭き取る。エンジンが熱いときは発火する恐れがあると、トヨタの日常点検の手順は注意している。
入れた後と日ごろのオイル量の点検
トヨタの日常点検の手順では、エンジンオイルの量の点検は、エンジン始動前か、エンジンを止めてから少なくとも 5 分以上たってから行う。
- オイルレベルゲージを抜いてきれいに拭く。
- ゲージが止まるまで一杯差し込み、再び抜く。
- 上限と下限の間にオイルが付着しているかを見る。
- 下限以下なら給油キャップを外して補給し、もう一度点検する。上限と下限の間ならキャップを確実に取り付ける。
上限以上にオイルを補給しない。トヨタはエンジンに悪影響をおよぼす恐れがあるとしている。補給口からゴミが入らないようにすることも、同じ手順に書かれている。交換の直後だけでなく、日ごろから同じ手順で量を見ておくと、減りに早く気づける。
よくある質問
4L缶1本で足りる?
整備士の解説サイトの量(オイルのみ 5.2L・フィルター交換時約 5.4L)で考えると足りない。1L 缶などを足して用意する。
5W-30を入れてもいい?
整備士の解説サイトでは、86 ZN6 の推奨は 0W-20 で、5W-30 も使用できると書いている。整備店(タイヤ館)の 86 ZN6 後期型の記事は、オイル粘度に 0W-20 と 5W-30 の 2 種類があるとしている。どちらも ZN6 の取扱説明書の記載としては確かめていない。
フィルターは毎回替える?
オイルを替える間隔しだいだ。トヨタの表のガソリン車(ターボ車除く)の行では標準 15,000km・シビアコンディション時 7,500km が目安で、整備士の解説サイトはオイル交換 2 回に 1 回をすすめている。
GR86の取扱説明書の4.8Lを使ってもいい?
使わない。4.8L は GR86(ZN8・FA24)の取扱説明書の値で、ZN6 とはエンジンが違う。
メンテナンスノートが無いときはどうする?
トヨタのよくある質問は、交換時期はクルマの使われ方や用途によって異なるとして、クルマに搭載のメンテナンスノートで確かめるよう案内している。中古で手元に無いなら、トヨタの取扱説明書のサイトで生産時期に合う PDF 版を探すか、トヨタのお店に問い合わせる。
まとめ
最初にやることは、ボンネットを開けてレベルゲージで今のオイルの量を見て、オイルクーラーなど後から付けた部品が無いかを実車で確かめることだ。次に、車検証の型式が ZN6 であることと、手元のメンテナンスノートに交換の記録や時期の記載があるかを見る。
- 時期は、トヨタの一般の目安の表のガソリン車(ターボ車除く)の行(標準 15,000km または 1年・シビアコンディション時 7,500km または 6ヶ月)を基準に、使い方で選ぶ。
- 量は出典で書き方が分かれるので、記載の値を目安に用意し、レベルゲージの上限と下限の間で決める。
- GR86(ZN8)の取扱説明書の値は ZN6 に使わない。
86 ZN6 のほかの手入れは、次の記事を参考にしてほしい。

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