ZN6の86でLED化を考えたとき、後期の車でヘッドライト用のLEDバルブを探し始めてしまう人がいる。2016年7月から2021年9月までの後期は、ヘッドライトやポジションなどが元からLEDで、交換用のバルブの規格が示されていない。後期の車でバルブを差し替える作業の中心は、室内灯とナンバー灯になる。ここでは室内灯からナンバー灯へ、部位ごとの外し方の違いを順に追う。
交換の手順を追うのは室内灯とナンバー灯
ZN6型の86は、バルブメーカーの適合のまとめで、2012年4月から2016年6月までがハロゲン仕様車とHID仕様車、2016年7月から2021年9月までがLED仕様に分かれている。以下、前者を前期、後者を後期と呼ぶ。
後期のLED仕様は、同じまとめでヘッドライト(ロービーム・ハイビーム)とポジションの欄が「-」になっている。自動車カスタム情報サイトも、マイナーチェンジ後はヘッドライト・フォグ・ポジション・ウインカー(サイドを除く)・テールなどがLED化されたと書いている。
一方、フロントのルームランプとナンバー灯の電球は、前期と後期で規格が変わらない。バニティ・カーテシ・ラゲッジの各ランプの電球の規格は、ここでは確かめていない。
| 部位 | 電球の規格 | 前期と後期 |
|---|---|---|
| フロントのルームランプ | T10×31(12V10W) | 自動車カスタム情報サイトの一覧で同じ値 |
| ナンバー灯(ライセンスランプ) | T10(12V5W) | 自動車カスタム情報サイトの一覧で同じ値 |
電球メーカーの適合表(マイナー前)でも、ルームはフェストン形のT10×31(12V10W)、ナンバー灯はT10(12V5W)とされている。バルブメーカーのまとめも、ハロゲン仕様車・HID仕様車・LED仕様のいずれもナンバー灯はT10としている。フロントのルームランプはT10×31、ナンバー灯はT10で、どちらもマイナーチェンジの前後で同じ規格だ。
作業の前に自分の車で確かめること
前期と後期の区切り
区切りは2016年6月と2016年7月の間にある。トヨタの公式サイトにある86の取扱説明書の一覧も、2012年3月から2016年6月までと、2016年7月から2021年9月までの2つの区分に分かれている(2021年10月以降は後継のGR86の区分)。中古で買って時期が分からないなら、まず自分の車がどちらに入るかを決めておく。部位ごとのバルブの規格は
にまとめている。
純正のバルブの形を見てから買う
バルブの形は部位によって違うので、買う前に純正のバルブを確かめる。電球メーカーの適合表にも、年式・グレード・装備によって電球の形が違う場合があるので車に付いている電球と一致するかを確かめること、規格の違う電球に替えると点灯の異常などの不具合が起きる可能性があることが注記されている。
もう1つ見ておきたいのが、元から純正LEDになっている部位だ。バルブメーカーの適合のまとめには「純正オプション・グレードにより純正LEDの場合があります。その場合は商品の装着ができない場合がございます」という注意があり、現車を確かめるよう求めている。規格の表どおりに見えても、その部位が純正LEDなら社外のバルブは付かない場合がある。
元から付いていないランプがある
SINMAITのセットの販売ページの商品説明では、トヨタ86(ZN6)のGグレードは純正装備にバニティランプとカーテシランプの設定が無いとされている。メーカーの資料ではなく出品者の記載だが、セットを買う前に自分の車のサンバイザー裏とドアの下を見て、付いているランプの場所と数を数えておく。
用意する道具と作業前の準備
道具は、手を守る軍手と細い内張りはがしを用意する。マイナスドライバーで代用するなら、傷を防ぐために先にビニールテープを巻く。プレート形のLEDなら、固定にスポンジの隙間テープがあると使える。ZN6専用のルームランプセットには、取り外し用の工具が付くものもある(後の比較の節で触れる)。
作業の前にルームランプのスイッチをOFFにする。点灯していた直後の電球はとても熱く、86の室内灯をLED化したスポーツカー専門店のメカニックの作業記事でも「点灯していた直後の交換は電球がアツアツなので要注意」とされている。すぐに触らず、冷めてから外す。
フロントのルームランプの交換手順
レンズカバーの外し方
カバーはツメで留まっているので、隙間に内張りはがしを差し込み、少しずつこじって外す。外す前に写真を撮っておくと、戻すときに迷わない。工具の先に布を当てると樹脂に傷が付きにくい。隙間が見当たらないときは無理にこじらず、まわりのパネルを先に外す作りかを確かめる。
LEDに差し替える
86(ZN6)のフロントのルームランプは、カバーを外して中の電球をLEDに交換するだけだと、先の作業記事は書いている。販売ページでも、コルサのセットは「レンズを外して取り付けるだけ」、SINMAITのセットは「レンズを外し、純正のルームランプと交換するだけ」とされ、配線の加工は要らないとされている。
点灯を確かめてから戻す
LEDを差したら、カバーを戻す前に点灯を確かめる。LEDを直視すると目を傷めるおそれがあるので、手でLEDを遮りながら見る。光らなければ、向きを逆にして挿し直す。 LEDバルブには端子に極性(プラスとマイナスの向き)があり、86の作業記事でも一般的な解説でも、点かないときは逆さに(180度回して)差し直すとされている。プレート形は両面テープで貼る前に点灯を確かめる。カバーは、こじった側ではなく反対側から順にはめ込む。
カーテシランプとバニティランプの交換
ドア下のカーテシランプ
ドアの下に付いているカーテシランプは、86の作業記事の言い方では「パコっと外して中の電球を交換」するだけだ。外したら中の電球をLEDに付け替え、点かなければ逆さに挿し直す。
サンバイザー裏のバニティランプ
サンバイザー裏のバニティミラーの照明には「管ヒューズのような特殊な電球」が付いていて、同じ作業記事は忘れがちな場所としている。室内灯をまとめて替えるときは、サンバイザー裏も確かめる。 なお、Gグレードにはこの2つのランプの設定が無いという出品者の記載がある(作業前の節を参照)。
ラゲッジランプとナンバー灯の交換
トランクのラゲッジランプ
トランクルームの照明は、ランプ本体を外してから電球を交換する(86の作業記事)。レンズだけを外すフロントのルームランプとは外し方が違う。
トランク裏のカバーからナンバー灯を外す
ナンバー灯は、トランク裏のカバーを外すと電球が取り出せる。LEDバルブに付け替えて戻すだけだ(86の作業記事)。電球はT10で、前期と後期で同じだ。
ナンバー灯は専用のLEDを選ぶ
同じ作業記事は、ナンバー灯専用のLEDバルブを使わないと光度不足になる場合があるとしている。ナンバー灯はルームランプ用の汎用品で済ませず、ナンバー灯用とうたう品を選ぶ。
候補はLMMCのナンバー灯用LEDだ。商品名に「86 ZN6」「T10」「ナンバー灯」「6連」「無極性」「ホワイト」とあり、販売ページの商品説明では、2球セット・12V車用、無極性(極性フリー)、消費電力は1球あたり約0.6W、色温度は約6500ケルビン、1年の保証とされている。同じ商品説明には、純正がLEDバルブの装着車(装着グレード)には取り付けできないので実車を確かめるよう書かれている。
LMMC 86 ZN6 T10 LED ナンバー灯 6連 無極性(2球セット)
ZN6専用のルームランプセットの選び方
セットを比べる基準
比べるのは、中身の点数、自分の車にあるランプとの一致、取り外し用の工具の付属、極性の注意の記載、年式の記載の5つだ。3つのセットを販売ページの記載に沿って並べる。
| セット | 中身(販売ページの記載) | 付属の工具 | 極性の注意 | 年式の記載 |
|---|---|---|---|---|
| コルサ N86-K1 | フロント1・カーテシ2・バニティ2・ラゲッジ1 | 専用工具 | 商品説明で触れていない | 商品名に「マイナー後も適合」 |
| SINMAIT | フロント1・バニティ2・ラゲッジ1・カーテシ2 | 取付工具2枚 | 不点灯のときは口金を反対側へ | 「H24.4~」 |
| スフィアライト SLRM-43 | フロント1・バニティ2・カーテシ2・ラゲッジ1 | 内張りはがしセット | 商品説明で触れていない | 記載が無い |
3セットとも、販売ページの記載では中身は6点だ。Gグレードはバニティとカーテシが無いという出品者の記載があるので、Gグレードの車では使わない分が出る場合がある。
選ぶなら、Gグレードの車は商品名に「Gグレード対応」とあり、商品説明でGグレードのランプの設定にも触れているSINMAITのセットが判断しやすい。初めての作業で点かないときの対処まで書いてあるほうがいい人にも、極性の注意が商品説明にあるSINMAITのセットが合う。後期の車なら、商品名に「マイナー後も適合」とあるコルサのセットから見る。ただしこれも出品者の表記なので、どのセットも、自分の車のランプの場所・数・形と照らしてから買う。
コルサのセット
商品名に「86(ZN6) スバル BRZ(ZC6)」「マイナー後も適合」「専用設計」「専用工具付」「6点セット」とある。販売ページの商品説明では、専用工具と取付説明書が付き、3030CHIPのSMDを使い、ライトユニットの形に合わせた車種専用設計で、レンズを外して取り付けるだけ、1年の保証とされている。
CORSA 86(ZN6)・BRZ(ZC6) 専用 LEDルームランプセット N86-K1(6点・専用工具付)
SINMAITのセット
商品名に「トヨタ86 ZN6」「Gグレード対応」「配線加工不要」「工具付き」とある。販売ページの商品説明では、フロントルームランプが54連、バニティランプが3連、ラゲッジランプが9連、カーテシーランプが2連で、スポンジスペーサー×2と取付工具2枚が付く。発光色は6000Kのホワイトで、購入日から1年の保証とされている。対応はトヨタ86[H24.4~]ZN6・スバルBRZ[H24.3~R2.11]ZC6と書かれ、年式やグレードなどで異なる場合があるので、セット内容と自分の車のルームランプを確かめてから買うよう出品者が書いている。「H24.4~」の記載だけでは、後期の車に付くとまでは言い切れない。
SINMAIT トヨタ86 ZN6・BRZ ZC6用 LEDルームランプ 6灯セット 6000K
スフィアライトのセット
商品名に「ZN6 ZC6 専用設計」「微点灯 対策」とある。販売ページの商品説明では、フロントルームランプが54チップ、バニティランプが3チップ、カーテシーランプが2チップ、ラゲッジランプが9チップで、内張りはがしセットが1つ付く。カラーは6500K(ホワイト)。商品名と商品説明の箇条書きのどちらにも、前期・後期の区別や年式の限りの記載が無い。年式の境目の車や後期の車では、販売元の適合の案内や自分の車のランプの形と照らしてから選ぶ。
スフィアライト 86・BRZ(ZN6・ZC6)専用 LEDルームランプセット SLRM-43
3セットとも、商品名にスバルのBRZ(ZC6)も並んでいる。兄弟車の手順は
にまとめている。
ヘッドライトは別の作業として考える
前期のヘッドライトは、バルブメーカーの適合のまとめで、ハロゲン仕様車がロービームH11・ハイビームHB3、HID仕様車がロービームD4S・ハイビームHB3。同じ前期でも、仕様によってロービームの規格がまったく違う。 後期は、最初の節のとおり交換用のバルブの規格が示されていない。純正LEDの部位には社外のバルブが付かない場合があるという注意も、ヘッドライトを考えるときに同じく当てはまる。
同じバルブメーカーは、HIDやLEDは高電圧を発生するため取付けに危険を伴うとし、取付けの際はバッテリーのマイナスターミナルを外し、ヘッドライトのスイッチをOFFにした状態で行うよう書いている。グレードや仕様によっては、バルブアダプターやキャンセラーなどの追加部品が要る場合があるともしている。ヘッドライトの手順はここでは扱わない。規格は
で部位別に確かめてほしい。
よくある質問
後期の86でも自分でLEDに替えられますか
2016年7月から2021年9月までの後期でも、バルブを差し替える作業の中心は室内灯とナンバー灯になる。フロントのルームランプ(T10×31)とナンバー灯(T10)は、自動車カスタム情報サイトの一覧でマイナーチェンジの前後で同じ規格だ。ただし純正オプションやグレードで純正LEDになっている部位には、社外のバルブが付かない場合がある。後期のヘッドライト・フォグ・ポジションは、ここで追う手順の対象外だ。
LEDに替えたのに点かないときは
向きを逆にして挿し直す。LEDバルブには端子に極性があるからだ。カバーを戻す前に確かめておけば、外し直さずに済む。なお、LMMCのナンバー灯用LEDは販売ページの商品説明で無極性とされている。
Gグレードでもセットを全部使えますか
SINMAITのセットの販売ページの商品説明(出品者の記載)では、86(ZN6)のGグレードは純正装備にバニティランプとカーテシランプの設定が無いとされている。その場合、6点セットのうち使わない分が出る場合がある。自分の車のランプの場所と数を先に数えておく。
バッテリーは外したほうがいいですか
室内灯については、作業の前にルームランプのスイッチをOFFにするよう一般的な解説は書いている。バッテリーのマイナスターミナルを外すようにという注意は、バルブメーカーがHIDやLEDの取付けについて、ヘッドライトのスイッチをOFFにすることと合わせて書いているものだ。
取扱説明書で確かめられますか
トヨタの公式サイトには86の取扱説明書が発行時期の区分ごとに載っていて、2021年9月までの区分はPDFで見られる。中にどの項目が載っているかはここでは確かめていないので、自分の車の時期の区分を開いて見てほしい。
まとめ
前期か後期か分からないなら、まず自分の車が2016年6月までの区分と2016年7月からの区分のどちらに入るかを確かめる。そのうえで、付いているランプの場所と数、純正のバルブの形を自分の目で見てから買う。
- フロントのルームランプはT10×31、ナンバー灯はT10で、マイナーチェンジの前後で同じ規格。ただし純正LEDの部位には社外のバルブが付かない場合がある
- 交換は室内灯からナンバー灯へ。フロントのルームランプはレンズカバー、ラゲッジランプはランプ本体、ナンバー灯はトランク裏のカバーを外す
- 点かなければ向きを逆にして挿し直し、カバーは点灯を確かめてから戻す
- ヘッドライトは別の作業。後期(2016年7月から2021年9月まで)は交換用のバルブの規格が示されていない
ほかの86の記事も合わせて見ておくと、内装や車の手入れの段取りを決めやすい。
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