86(ZN6)用のサンシェードは、年式ではなく車検証の型式欄で決める。商品ページの適合欄に ZN6 という文字が入っているか、判断はそこだけで足りる。この車は後継の GR86 と販売期間が2021年10月で隣り合っていて、年式表記では世代を切り分けられないからだ。フロントガラス用3点とサイドウィンドウ用1点を、覆う窓と形式で分けて並べる。
最初に見るのは車検証の型式欄
車検証の「型式」欄が DBA-ZN6 か 4BA-ZN6 なら、この記事が対象にしている初代 86 だ。あとは商品ページの適合欄に ZN6 があるものを選べばいい。車名の「86」だけで選ぶと、後継の GR86 用や、型式が ZN6 ではない限定車向けの商品を掴む余地が残る。
今回取り上げる4製品は次のとおり。価格はいずれも Amazon の実売価格で、確認時点の値。
| 製品 | 覆う窓 | 形式 | 適合欄の型式表記 | 価格(確認時点) |
|---|---|---|---|---|
| LANTU | フロント | 板状 | ZN6型/GRMN86-FRSPORT型 | ¥2,089 |
| CarBott | フロント | 板状 | ZN6型/ZC6型 | ¥2,180 |
| Mozan | フロント | 傘型 | ZN6型 ZC6型 | ¥3,380 |
| EYQDY | サイド | 格納式 | 86/86 GT ZN6 | ¥3,499 |
86(ZN6)は2012年4月から2021年10月までの車
型式は最初から最後まで ZN6
トヨタ自動車の公式サイトにある認定中古車の車両情報では、86 のモデル・年式が「2012年4月~2013年7月」から「2019年10月~2021年10月」まで並んでいる。最初の期間の GT は型式が DBA-ZN6、最後の期間の GT リミテッド ブラックパッケージは 4BA-ZN6。頭の識別記号は途中で変わるが、ZN6 の部分は通しで同じなので、前期か後期かをサンシェード選びのために特定する必要はない。
2ドアクーペで乗車定員4名
同じ車両情報の諸元欄では、全長×全幅が全期間 4240×1775mm、ホイールベース 2570mm、室内長×室内幅×室内高 1615×1490×1060mm。全高は 1300mm と 1320mm の両方が存在する。ボディタイプはクーペ、ドア数は2ドア、乗車定員は4名。サイド用を選ぶときは、この2ドアという車体を前提に窓の位置を数えることになる。
なお、この車のバルブ型番を前期・後期で分けて調べたい場合はこちら。
年式で合わせると外れる3つの場面
「2021年」は初代と GR86 の両方にある
トヨタ自動車が2021年10月28日に出したニュースリリース「新型GR86を発売」によると、GR86 は同日から販売店を通じて発売されている。一方 ZN6 の最後のモデル期間は2019年10月~2021年10月。同じ月に一方が終わり、もう一方が始まっている。しかも GR86 の主要諸元は全長 4,265mm・全幅 1,775mm・全高 1,310mm・ホイールベース 2,575mm で、ZN6 の数値と一致しない。別設計の別世代なので、GR86 向けと書かれた商品を流用してよいとは言えない。
後継世代に乗っている読者はこちらへ。
車名が「86」でも型式が ZN6 とは限らない
同じ認定中古車の車両情報には「86(2016年1月~2016年2月)GRMN」というページがあり、そこに表示されている型式は GRMN86 で ZN6 ではない。諸元も全長 4290mm・室内長 950mm・乗車定員2名と、標準の 86 とは別物の数字が並ぶ。同じ車名の中に型式の違うモデルが実在する以上、「86 用」という表記は適合の根拠にならない。GRMN に ZN6 用がそのまま合うかどうかは、今回参照した資料では確認できていない。
商品ページの年式表記が揃っていない
実際に売られている商品を見ると、適合年式の書き方が「2012年 – 2021年」「2012年4月 – 2021年10月」「H24.03~現行」とばらついている。ZN6 は2021年10月で販売を終えているので、最後の「現行」は事実と合わない。商品名の年式と説明文の年式が食い違っている実例もある。年式表記の精度は出品者ごとに違うと考えて、型式の文字列で照合するほうが早い。
比べる軸は4つに絞れる
商品ページから客観的に読み取れる軸は次の4つ。
- 覆う窓 — フロントガラス1枚を覆うタイプか、サイドウィンドウを覆うタイプか。駐車中にダッシュボードとステアリングへの直射日光を防ぐならフロント用、休憩時に横からの視線と日差しを遮るならサイド用。
- フロント用の形式 — 板状のスプリングワイヤー式は、袋から出すと自然に広がり、左右のサンバイザーで挟んで留める。傘型は柄の角度を変えてガラスの傾きに合わせる。どちらが優れているかは商品ページからは判定できないので、扱い方の違いとして見る。
- 収納 — 板状は8の字にねじって畳み、傘型は傘をたたんでポーチに入れる。畳んだ実寸は商品ページに書かれていない。室内長 1615mm の車なので、置き場所は先に決めておきたい。
- 適合表記の書きぶり — 型式まで書いてあるか、車名だけか。
遮蔽率や「温度上昇を軽減」といった効果の数値は軸に入れない。今回見た範囲でも製品ごとに数値が違い、いずれも出品者の自己申告で測定方法が示されていないからだ。
86(ZN6)向けサンシェード4選
LANTU|適合欄に限定車の型式まで書いてある板状
適合は「トヨタ 86 初代 ZN6型/GRMN86-FRSPORT型 年式:2012年 – 2021年」。高密度アルミ遮熱シートとポリウレタン断熱素材を交互に重ねた4層構造で、吸盤を使わずサンバイザーで挟み込んで固定する。使用後は8の字にねじって畳む。今回の4製品で、適合欄に限定車の型式を併記しているのはこれだけだが、それは表記の話であって、GRMN への適合を保証するものではない。付属の収納袋は駐車時のステアリングカバーとしても使えるとされる。
LANTU トヨタ86 初代 ZN6型 フロントサンシェード(板状・スプリングワイヤー式・4層構造・ハンドルカバー兼用収納袋付き)
CarBott|適合年式が販売期間と一致している板状
適合は「トヨタ 86 ・スバル BRZ ZN6型/ZC6型 2012年4月 – 2021年10月」。適合年式を月まで書いていて、その範囲がトヨタの車両情報の販売期間と一致しているのは4製品でこれだけだった。表面は銀色のアルミニウム断熱材、背面は黒いコーティングでグレアを軽減するとされ、針穴からの光漏れを軽減する加工についても記載がある。固定は左右のサンバイザーで押さえるだけで、吸盤も粘着剤も使わない。折りたたんだ状態で届くため多少のシワがあるとの断り書きがある。
CarBott トヨタ86/スバルBRZ ZN6型・ZC6型 フロントサンシェード(板状・サンバイザー固定・折りたたみ式)
Mozan|柄の角度を変えられる傘型
適合は「トヨタ 86 スバル BRZ ZN6型 ZC6型に適合。年式:2012年-2021年」。傘柄は曲げられて360°調整でき、中棒はガラス繊維を10本使う。内装に当たる部分には保護パーツを採用したと書かれている。ダッシュボードの上に置いて開く方式なので、板状の展開が面倒に感じる人向け。使わないときは傘をたたんで収納ポーチに入れる。購入日から90日のメーカーサービスが付くとの記載もある。
Mozan トヨタ86/スバルBRZ ZN6型・ZC6型 傘型フロントサンシェード(曲がる傘柄・ガラス繊維10本骨)
EYQDY|窓の位置を指定して買う格納式サイド用
適合は「トヨタ86/86 GT ZN6」。両面粘着テープで窓枠に取り付け、窓と一緒に動くタイプと固定するタイプの2通りから選べる。素材はメッシュで、窓を開けたままでも使えて風を通せるとされる。商品名の末尾に「(左前)」と位置が入っているとおり、これは窓1枚ぶんの商品だ。
EYQDY トヨタ86 ZN6 格納式サイドウィンドウサンシェード(メッシュ・両面テープ取付・位置別「左前」)
サイド用は窓1枚ずつ売られている
上の格納式は、商品名の末尾が「(左前)」のものと「(左後部)」のもので別々に登録されていて、価格はどちらも同じだった。複数の窓を覆いたいなら、その枚数だけ注文することになる。別のメッシュ製品も末尾が「(前)」になっている。「4枚セット」と枚数だけを書いた製品もあるが、説明文が商品名の繰り返し1行だけで、4枚がどの窓に対応するのかは書かれていない。
取り付けが両面粘着テープで窓枠に貼る方式である以上、貼る面の形状は現車で見ておきたい。車中泊や休憩での目隠しとしての使い方は、商品ページに書かれている範囲では「外からの視線を遮る」「メッシュなら窓を開けたまま風を通せる」まで。
効果はどこまで見込めるか
JAF が公表しているユーザーテスト「真夏の車内温度」は、2012年8月22日・23日、埼玉県戸田市の駐車場、晴れ・気温35度、テスト車はミニバン5台という条件で行われている。公表されている値は次のとおり。
| 条件 | 車内最高温度 | 車内平均温度 | ダッシュボード最高温度 |
|---|---|---|---|
| 対策なし(黒) | 57℃ | 51℃ | 79℃ |
| 対策なし(白) | 52℃ | 47℃ | 74℃ |
| サンシェード装着 | 50℃ | 45℃ | 52℃ |
| 窓開け(3cm) | 45℃ | 42℃ | 75℃ |
| エアコン作動 | 27℃ | 26℃ | 61℃ |
条件どうしを引き算して「何℃下がる」とは書けない。サンシェードを装着した車のボディカラーが公表されておらず、差をサンシェードだけの働きに帰属できないからだ。テスト車も2ドアクーペではない。JAF 自身は「サンシェード対策や窓開け対策をしていても温度抑制効果は低く、人や動物が耐えられない温度となり、車内温度の上昇を防ぐことはできない。」と結論している。この記事で認める効き目は、ダッシュボードなど内装面に直射日光が当たるのを遮ることまでだ。内装の日焼けを抑える目的なら、買う理由は十分にある。
走り出す前に外す装備として扱う
国土交通省が示している不正改造の具体例では、着色フィルムの貼り付けについて対象範囲が前面ガラスと運転席・助手席の側面ガラス、基準が可視光線の透過率70%未満の貼り付けを禁止とされている。前面ガラス等への装飾板の装着も、対象は前面ガラスと運転者席より後方を除く側面ガラスで、可視光線透過率70%未満は不可とされる。運転者席より後方の側面ガラスは装飾板の対象から外れている。
この案内の範囲で考えると、フロントガラス用は駐車中に使い、走り出す前に外して収納する装備だ。サイド用も、運転席と助手席の窓については同じ扱いにしておく。
注文する前に見る5つ
- 車検証の型式欄を見る。DBA-ZN6 か 4BA-ZN6 なら対象。GRMN86 なら型式が別、ZN8 なら後継の GR86 で対象外。
- 商品ページの適合欄に ZN6 の文字があるか探す。BRZ の ZC6 と併記されているものは多いが、判断するのは ZN6 の有無。
- 商品名の年式と説明文の年式が食い違っていないか見る。「現行」と書いてあるものは表記が更新されていない。
- ルームミラーの根元の処理を商品画像で見る。ある傘型製品は「車両形状によりルームミラー部分の切り込み有無が異なります」と出品者自身が注意書きを出していて、別の板状製品はサンバイザーでミラーの後ろに固定すると書いている。同じ ZN6 専用でもミラーまわりの形は揃っていない。
- サイド用なら、覆いたい窓の位置と枚数を数えてから注文する。
同じ車の他のパーツ選びは、こちらでも型式を軸にまとめている。
よくある質問
BRZ 用と書かれたサンシェードは 86(ZN6)に使えますか
「ZN6型/ZC6型」のように両方の型式を併記した商品なら、適合欄に ZN6 が入っているので対象に含まれる。一方、BRZ の ZC6 だけを書いて ZN6 に触れていない商品については、今回参照した資料の範囲で使えるとは言えない。併記があるかどうかで判断してほしい。
GR86 用のサンシェードを 86(ZN6)に流用できますか
流用できるとは言えない。GR86 は全長 4,265mm・ホイールベース 2,575mm で、86(ZN6)の 4240mm・2570mm と一致しない別設計の車だ。
前期と後期でサンシェードは変わりますか
型式は通して ZN6 なので、適合欄が ZN6 なら期間で分かれてはいない。ただし全高に 1300mm と 1320mm の2つの値があり、どの時期に変わったかは今回確認した範囲では特定できていない。フロントガラスの形状が前期と後期で同じかどうかも資料になく、断定はできない。
板状と傘型はどちらを選べばいいですか
出し入れの速さを取るなら板状、ガラスの傾きに合わせて角度を決めたいなら傘型。86 は室内長 1615mm の2ドアクーペで置き場所が限られるから、畳んだあとをどこに置くかまで考えて選びたい。ただし畳んだ実寸はどちらも商品ページに書かれていないので、実物で確かめることになる。
汎用サイズの M や L でも代用できますか
今回参照した資料には汎用サイズの寸法も 86(ZN6)のフロントガラスの寸法も含まれておらず、合うかどうかを判断できない。確認できていない以上、ここでは車種の型式を名指しした商品だけを扱っている。
異音が気になるときは
サンシェードとは別の話になるが、こちらでリコール届出の確認手順まで整理している。
まとめ
まず車検証の型式欄で DBA-ZN6 か 4BA-ZN6 を確かめ、そのうえで商品ページの適合欄に ZN6 があるものへ候補を絞る。残った中から、覆う窓(フロントかサイド)と形式(板状か傘型)で1つに決めて、最後にルームミラーまわりの処理を商品画像で確認する。フロント用を1枚だけ買うなら、適合年式が販売期間と一致していた CarBott から見るのが素直な順序だ。効き目については、内装への直射日光を遮る装備と考えておくのがいい。
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