NV200バネットのサンシェードは、覆う窓の範囲で決まる。日中に停める時間が長いだけならフロントガラス用の1枚で足りるし、仮眠や車中泊で中を見えにくくしたいなら全窓分のセットが要る。同じM20型でもバンとワゴンがあり、後席まわりのガラスは注文時に選ぶ装備なので、必要な範囲は個体ごとに変わる。
覆う窓の範囲で3通りに分かれる
候補は大きく3つ。フロントガラス1枚を覆う折りたたみ式、同じくフロント用でも開くだけで形が保たれる傘型、そしてフロント以外の窓まで含めた全窓用セットだ。フロント用で足りるか全窓分が要るかは、停め方と自分の個体の窓の構成で決まる。
| 使い方 | 候補 | Amazon実売価格(確認時点) |
|---|---|---|
| 日中に停める時間が長い | リテマス フロントガラス用(折りたたみ式) | ¥2,280 |
| 1日に何度も停めて降りる | WeCar 傘型(フロントガラス用) | ¥2,380 |
| 仮眠・車中泊で中を見えにくくしたい | ねことあそぼ マルチサンシェード(全窓用) | ¥2,999 |
価格は確認した時点のもので、変動する。そして選択は使い方だけで決まらない。NV200バネットは後席まわりのガラスの仕様が注文時の選択で分かれる車だからだ。
M20型のバンとワゴンを見分ける
車検証の型式欄を見る
日産の公式FAQでは、この車のバンとワゴンをまとめて「NV200バネットバン・ワゴン(2009/05〜・M20型)」と表記している。M20型は2009年5月の新発売モデル以降を指す呼び方で、バンとワゴンの両方を含む。
日産の公式諸元表(2024年7月版)に載る車名型式は、バンの2WDが「ニッサン5BF-VM20」、バンの4WDが「ニッサン3BF-VNM20」、ワゴンが「ニッサン3BA-M20」。自分の個体がどれかは車検証の型式欄で分かる。商品の適合表記と照らすときは、まずこの3つのどれに当たるかを押さえる。
グレードと車体寸法
同じ諸元表のグレード構成は、バンがDX(2人乗)・DX・VX・GX・ルートバン、ワゴンが16X-2R(5名)・16X-3R(7名)。全長4400mm(ルートバンなど一部は4410mm)、全幅1695mm、全高はバンが1855mmまたは1885mm、ワゴンが1850mm。ホイールベースは2725mmで全グレード共通、エンジンはHR16DE、総排気量1.597L。
これは2024年7月版の内容なので、今のグレード構成や装備がこのままとは限らない。
後席まわりのガラスは個体で分かれる
同じ諸元表の全車標準装備には「スーパーUVカットグリーンガラス〈フロント〉」と「熱線リヤウインドウ」が挙がっている。フロントガラスのUVカット自体は、どのグレードにも入っている。
一方で「UVカット断熱プライバシーガラス〈スライドドア、リヤサイド、バックドア〉」は全車標準ではない。「スライドサイドウインドウ〈両側、フラッシュタイプ〉」と組み合わせたセットメーカーオプションとして載っていて、注記には「ルートバンを除く」とある。メーカーオプションは注文時にしか選べない装備だから、後席まわりが色付きガラスかどうかは個体によって分かれる。中古で買ったなら、前の所有者がどう注文したかで決まっている。
色付きガラスが入っている個体なら、後ろの窓の日よけの優先度は下がる。ただしそれで日よけが不要になると決まるわけでもないので、カタログのグレード名ではなく実車の窓を見て決める。
下がるのはダッシュボードの温度
JAFの実測値
JAF(日本自動車連盟)のユーザーテスト「真夏の車内温度」では、晴れ・気温35度の条件で正午から4時間、駐車条件の異なるミニバン5台を測っている。車内最高温度/ダッシュボード最高温度の順に、対策なし(黒)が57℃/79℃、対策なし(白)が52℃/74℃、サンシェード装着が50℃/52℃、窓開け(3cm)が45℃/75℃、エアコン作動が27℃/61℃。
対策なし(黒)とサンシェード装着を比べると、車内温度の差は7℃なのに対して、ダッシュボードの差は27℃。効くのは直射を受ける面の温度のほうだ。
涼しさそのものは期待しない
同じテストの結論は、サンシェード対策や窓開け対策をしていても温度抑制効果は低く、車内温度の上昇を防ぐことはできない、というもの。しかもテスト車両はミニバン5台で、NV200バネットのようなキャブオーバー型の商用バンでの実測ではない。フロントガラスの傾きも面積も違うから、同じ数値がそのまま出るとは言えない。乗用ミニバンでの選び方は
で扱っている。
停めるときは可能なら日陰を選び、乗り込むときは先にドアや窓を開けて熱気を逃がしてから閉める。ダッシュボードの上に電子機器や樹脂製品を置いたままにしない。サンシェードはこの手順と組み合わせて初めて実用になる。
選び方の軸
対応範囲は冒頭のとおり。残りは固定方式・収納性・専用品かどうかの3つで、いずれも仕事で毎日動かす車ほど効いてくる。
固定方式
折りたたみ式は畳んだときに薄くなる代わりに、広げてバイザーや吸盤で押さえる手間がかかる。傘型は開いて置くだけで形が保たれるので出し入れが速い。どちらが上ということはなく、1日に停める回数の多さで決まる軸だ。
収納のしやすさ
荷室を仕事で使う車だから、畳んだあとの置き場所が問題になる。荷室に転がすと荷物に埋もれて、そのうち使わなくなる。収納ポーチが付くものや、畳んだときに座席の隙間へ差し込める厚みのものだと習慣として続きやすい。
車種専用か汎用か
NV200バネットはエンジンの上に運転席があるキャブオーバー型で、フロントガラスが立っていて面積も広い。乗用車向けの汎用品は寝たフロントガラスを前提にした形が多く、上下や左右に隙間が残りやすい。車種名や型式を明記した専用品のほうが隙間は出にくいが、その適合表記は出品者が提供している情報であって、メーカーが出した適合表ではない。他の車種でも同じ軸で選んでいる——
と
。
まず1枚ならフロントガラス用の折りたたみ式
リテマスのフロントガラス用は、商品名で車種専用をうたう折りたたみ式。まず1枚だけ用意するならここに当たる。商品名には遮光・UVカット・断熱といった語が並ぶものの、遮光率や素材の層構成といった数値は商品名からは読み取れない。数値で比べたい人には材料が足りない商品だと先に言っておく。
朝に停めて夕方まで動かさない、といった日に効く。走り出す前に外す前提の道具で、付けたまま走ることはできない。
リテマス NV200バネット フロントガラス用サンシェード(車種専用・折りたたみ式)
出し入れの速さで選ぶ傘型
WeCarの傘型は、商品名で日産NV200バネット向けのフロントガラス用とし、傘型・折りたたみ式としている。開いて置くだけで形が保たれるので、配達や訪問で1日に何度も停めて降りる使い方だと差が出る。
引き換えに、畳んだあとをどこに置くかは自分で決めることになる。荷室に放り込むと荷物の下になるので、運転席まわりに置き場所を作ってから使い始めるといい。軽の商用バンでも同じ軸で選んでいる
も参考になる。
WeCar NV200バネット 傘型サンシェード(フロントガラス用・折りたたみ式)
仮眠や車中泊まで見るなら全窓用セット
ねことあそぼのマルチサンシェードは、商品名に「M20/VM20/VNM20型」と型式が明記され、折り畳み式・車種専用・全窓用・収納ポーチ付きとしている。型式が商品名にある分、自分の車検証と照らし合わせやすい。同じブランドに素材違いのバリエーションもある。
全窓分が要るのは、荷室で仮眠や車中泊をする場合と、後席まわりに色付きガラスが入っていない個体で中を見えにくくしたい場合だ。諸元表の荷室内側寸法はバンのDX(2人乗)で長1900mm・幅1500mm・高1365mm、5人乗仕様では長が1900mm〔1125mm〕のように後席使用時の値が併記される。ワゴンには荷室内側寸法の記載がない。寝られるかどうかの目安であって、シェードの適合とは別の話だ。車内の使い方は
にまとめてある。
ねことあそぼ NV200バネット M20/VM20/VNM20型 マルチサンシェード(全窓用・収納ポーチ付き)
走行前に外す。換気にはメッシュカーテン
前席まわりは透過率70%以上
国土交通省の道路運送車両の保安基準 第29条第3項は、自動車の前面ガラス及び側面ガラス(告示で定める部分を除く)について、運転者の視野を妨げないものとして、ひずみ、可視光線の透過率等に関し告示で定める基準に適合しなければならないと定めている。細目告示 第195条第3項第2号は、その基準を「運転者が交通状況を確認するために必要な視野の範囲に係る部分における可視光線の透過率が70%以上のものであること」としている。同条第4項は70%基準から除かれる部分を「運転者席より後方の部分」とし、その第1号に運転者席より後方の座席等の側面ガラスを挙げている。
つまりフロントガラスと運転席・助手席のドアガラスを覆う遮光サンシェードは、駐停車中の使用に限られる。走り出す前に外す。後方の側面ガラスは70%基準の対象外だが、付けたままの走行が後方の見え方まで含めて問題ないかどうかは、この条文だけでは決まらない。
駐停車中の換気に足す
POG-MAXのメッシュカーテンは、商品名に「M20/VM20/VNM20」と型式を明記した運転席/助手席のフロントサイド用2枚組。遮光板ではなく網状で、風を通しながら日差しと視線を弱める種類の商品だ。Amazon実売価格は確認時点で¥4,580。
網状であっても遮光する以上、装着した状態でその窓の可視光線透過率が70%以上を保てるとは限らない。走行中も付けたままでよいと決めつけず、停めて換気したいときの用品として使う。この線引きは車種が変わっても同じで、
でも同じ扱いにしている。
POG-MAX NV200バネット用 メッシュカーテン 運転席・助手席用2枚組
買う前に確認する4点
- 車検証の型式欄で5BF-VM20・3BF-VNM20・3BA-M20のどれかを確かめる。バンかワゴンかがここで分かる。
- 外から見て、後席まわりのガラスが色付きかどうかを確かめる。
- 覆いたい窓の枚数を数える。フロント、前席ドア左右、スライドドア左右、リヤサイド、バックドア。
- 商品ページの適合表記に、自分の型式が含まれているかを確かめる。
同じM20型でも窓まわりは個体で違う。カタログのグレード名だけで判断せず、実車を見てから注文する。
よくある質問
汎用サンシェードでも使えますか
使えないとは言い切れないが、隙間は出やすい。フロントガラスが立っていて面積も広いぶん、寝たフロントガラス向けの形だと上下や左右が余る。
サンシェードを付けたまま走ってもいいですか
フロントガラスと運転席・助手席のドアガラスに付けるものは、走り出す前に外す。網状のメッシュカーテンも同じ扱いにしておく。
フロントだけと全窓セット、どちらを買うべきですか
停めている間の直射を減らしたいだけならフロント用。荷室で仮眠する、後席まわりに色付きガラスが入っていない、といった事情があるなら全窓用セットになる。
NV200バネットは生産終了と聞きましたが、今買っても大丈夫ですか
日産車体のニュースリリース(2025年7月15日)によると、湘南工場で生産しているNV200バネットの生産委託を2026年度末をもって終了することが決まっている。裏を返せば2026年度末までは生産が続く予定で、販売が終わった車ではない。
まとめ
覆う窓の範囲で選ぶ、というのが最初の分かれ道になる。日中に停める時間が長いだけならリテマスのフロント用、1日に何度も停めるならWeCarの傘型、仮眠や車中泊まで見るならねことあそぼの全窓用セットが当たる。
候補を1つに絞ったら、車検証の型式と商品ページの適合表記を突き合わせて最終確認する。サンシェードだけで車内が涼しくなるわけではない。日陰に停める、乗る前に熱気を逃がす、エアコンで下げる——その手順の一部として使う道具だ。
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