中古で手に入れた DR64V の NV100クリッパーにサンシェードを付けるなら、買うものは覆いたい面数で決まる。駐車中の日射だけ抑えたいならフロントガラス1枚、荷室を外から見られたくないなら後ろ5面、荷室で仮眠まで考えるなら全8面のフルセット。どれを選ぶ場合も、先に車検証の「型式」欄で DR64V の4桁を確かめておく。この車名は2013年12月にベース車ごと入れ替わっていて、前の世代とは中身が別物だからだ。
使い方別に、買うものを決める
配達や現場移動で1日に何度も乗り降りするなら、フロントガラス1枚だけの製品で足りる。停めている間に荷室の中を見られたくないなら後ろ5面。荷室で仮眠や車中泊までするなら、前後をまとめて塞ぐ8面のフルセットになる。面数を先に決めてから製品を選ぶ順番にすると、迷いが減る。
| 使い方 | 覆う範囲 | 製品 | 価格(確認時点) |
|---|---|---|---|
| 停めるたびに着け外し | フロント1枚 | ruiya パラソル型 | 2,450円 |
| 着脱の手数を減らす | フロント1枚 | 趣味職人 マグネット式 | 3,980円 |
| 荷室の目隠し | 後ろ5面 | 趣味職人 リアセット | 17,900円 |
| 車中泊で前後を塞ぐ | 全8面 | atmys フルマルチシェード | 32,400円 |
価格はAmazonの実売価格で、いずれも確認時点の表示。時期によって動く。
DR64V は1年3か月だけ売られた型式
新車で買えた期間
日産のニュースリリースによれば、DR64V 世代の NV100クリッパーが発売されたのは2013年12月3日。後継の DR17V が2015年3月3日発売なので、新車として売られていたのは約1年3か月しかない。発売時のグレードは DX・GX・GXターボの3つで、エンジンは K6A(GXターボのみ K6Aターボ)。日産はこのモデルをスズキからのOEM供給車だと公表している。なおリリースから分かるのは発売日どうしまでで、生産終了の正確な日付までは特定できない。
前の世代は三菱ベースの別物
2012年1月25日に「クリッパー バン」を改名して出た NV100クリッパーは、三菱自動車工業からのOEM供給を受けるモデルで、エンジンは全車 3G83 だった。同じ車名のまま、2013年12月に車体そのものが入れ替わっている。商品名に「NV100クリッパー」としか書かれていない製品を型式を見ずに買えないのは、これが理由。
後継 DR17V との違い
DR17V もスズキからのOEM供給車だが、エンジンは吸気可変バルブタイミング機構を採用した R06A に変わった。ベース車を作っているスズキの公式資料では、DR64V 世代のベースにあたるエブリイ(EBD-DA64V)のホイールベースが2,400mm、後継の DA17V/DR17V は2,430mm で、寸法の段階から違う。
窓は8面。前3面と後ろ5面で役割が違う
前の3面
フロントガラスと左右のフロントドアガラス。ここは日射を止めてダッシュボードやハンドルの表面温度を抑える側で、走り出す前に外す前提の窓になる。
後ろの5面
左右のスライドドアガラス、左右のリアクォーターガラス、バックドアのガラス。こちらは外からの視線を切る側で、荷室の中身や仮眠中の姿を隠す用途に効く。
市販品が3通りに分かれているのも、この区切りに沿っている。フロントセットは3枚、リアセットは5枚、フルセットが8枚全部。留め方はどれも簡易吸盤で、使わないときは折りたたんで収納する形。「8点セット」という表記はこの8面を指す。
商品ページの適合表記と「汎用品」の見分け方
DR64W(リオ)が併記されている場合
DR64V はバン、DR64W は NV100クリッパー リオというワゴンで、別の型式。商品側の扱いは統一されておらず、フルセットには「NV100クリッパーリオDR64Wには対応できない」と明記したものがある一方、フロント用には「DR64V / DR64W 専用」と両方を掲げるものもある。両方が併記されていても、そこから読めるのはその製品が両方を適合として掲げていることまでで、ガラスが同じ部品だという確認にはならない。後ろを覆うセットほど、適合表記を細かく見る。
ベース車のエブリイ DA64V 用との関係
同じメーカーが、エブリイ用を車種コード g002、NV100クリッパー用を b012 として別々に用意している。区分も価格も同じ形で並んでいるので、わざわざエブリイ用を選ぶ理由がない。逆に、品番体系が同じでも別コードで管理されている以上、OEM供給車だからエブリイ用がそのまま使えると決めつける材料にもならない。
年式表記が販売期間とずれている場合
フロント用のある製品は適用車種を「日産 NV100クリッパー DR64V型 2代目 (2013.12~2014.4)」と書いているが、後継の DR17V が出たのは2015年3月なので、2014年4月で切れる書き方は実態と合わない。同じページの中でタイトルが「4層構造」、説明文が「超耐久6層構造」と食い違っている例もある。照合する相手は年式ではなく、車検証の型式欄にある DR64V の4桁と、商品ページの型式表記が一致するかどうか。
ルーフ形状の記載が無い場合
DR64V には標準ルーフとハイルーフがある。スズキの公式資料ではベース車の全高が標準1,790mm・ハイルーフ1,875mm、荷室内高も1,110mm と1,195mm で、どちらも85mm 違う。ところが今回見たサンシェードの商品ページには、ルーフ形状の区別がどれにも書かれていなかった。フロント1枚なら関係しないが、後方の窓を覆うものは窓の形が変わる可能性が残る。注文前に出品者へ確かめるか、届いてから現車で合わせる前提で買うことになる。
「汎用品です」と書かれた製品
タイトルに車種名と型式が入っていても、中身が汎用品の製品がある。傘式とワイヤー式は、商品説明の1行目に「本商品は汎用品です。“表題に記載している車種”に対する専用品ではありません。」と書かれていた。傘式にはさらに、商品のサイズとフロントガラスのサイズ、フロントガラスからダッシュボードまでの寸法を確認してから判断するようにという警告が付く。別のメーカーのフロント用はタイトル自体に「汎用品」と入れ、大サイズ 横145cm×縦80cm、小サイズ 横140cm×縦70cm と実寸を出している。見分け方は単純で、商品説明の1行目と注意書きに汎用品と書いてあるかどうかを見る。 汎用品を選ぶなら、自分でフロントガラスの横幅と高さを測ってからサイズを決める。
なお「遮光99%」「4層構造」「断熱」といった語は、いずれもメーカーか出品者の表記で、第三者機関の測定値だという記載は確認できなかった。層数に共通の試験規格も見つからないので、層が多いほど遮熱性能が高いという読み方はしない。
留め方とたたんだ形で差が出る
留め方
サンバイザーで挟む方式は、下端をフロントガラスに押し当ててサンバイザーを下ろすだけで留まるので、吸盤の手入れが要らない。磁石式はサンバイザー側に磁石ベルトを付けておき、そこへ吸着させる形で、位置決めが速く、傘型のように骨や柄が内装に当たらない。枚数の多い後ろ側用やフルセットは簡易吸盤。毎日着け外しする前側は手数の少ない方式、駐車中だけ使う後ろ側は枚数をさばける方式、と分けて考える。
たたんだときの大きさと重さ
軽バンは荷室を積載に使うので、シェードの置き場所が荷物と競合する。巻き取り収納の磁石式は72g、ワイヤー式は約180g でワイヤーフレームをひねって収納袋に入れる形、傘型は棒状にたたまれる。8枚構成のフルセットは折りたためるとされているが、枚数がある以上それなりの容積になる。ドアポケットか、助手席の足元か、荷室か——たたんだものをどこに置くかを買う前に決めておくと、結局いちばん長く使える。
フロント1枚で足りるなら、この2点
吸盤を使わないパラソル型
ruiya のフロントガラス用は、適合を「新型 日産 nv100クリッパー DR64V / NV100クリッパーリオ DR64W 専用」と表記したパラソル型。吸盤を使わず、広げて下部をフロントガラスに押し当て、サンバイザーを下げて挟むだけで留まる。表側がアルミメッキの遮光シート、裏側がポリウレタンの断熱シートという構造で、覆うのはフロントガラス1枚のみ。確認時点のAmazon実売価格は2,450円で、4点のなかでは最も安い。 前述の層数と適用年式の食い違いがあるページなので、適合は型式表記だけで判断する。在庫表示は残りわずかだった。
ruiya NV100クリッパー DR64V/DR64W 専用 フロントガラス用サンシェード(パラソル型・吸盤不要)
巻き取って小さく収納するマグネット式
趣味職人の 14s-b012-fu は、サンバイザーに付けた磁石ベルトへネオジム磁石で吸着させる方式。メーカーは72g、使用時の約2%まで小さく収納できると表記していて、フレームを芯にして巻き取るだけで収納できる。柄や骨がダッシュボードや内装に当たらないので、傘式で内装を傷つけた経験があるならこちら。ドライブレコーダーにも対応する。確認時点のAmazon実売価格は3,980円。同じメーカーの傘式やワイヤー式に付いている「汎用品です」の断り書きが、この製品の説明には無い。
趣味職人 NV100クリッパー DR64V系 フロントガラス用サンシェード(マグネット式・巻き取り収納)
後ろを覆うなら、5面か8面か
後ろ5面だけのリアセット
趣味職人のプライバシーサンシェード(01s-b012-re)は、適合が「NV100クリッパーDR64V系」。商品内容はスライドドアガラス2枚・クォーターガラス2枚・リアガラス1枚の計5枚で、「本製品は【リアセット】です。フルセットではありません」と明記されている。簡易吸盤で着脱し、使わないときは折りたたむ。確認時点のAmazon実売価格は17,900円。前側は覆わないので、フロントの日射対策には別途フロント用が要る。
趣味職人 プライバシーサンシェード NV100クリッパー DR64V系 リアセット(後ろ5面)
全8面のフルセット
atmys のフルマルチシェード(02s-b012-sa)は、フロントガラス1枚・サイドドアガラス2枚・スライドドアガラス2枚・クォーターガラス2枚・リアガラス1枚の8枚構成で、これがこの車の窓の全部にあたる。リオ DR64W には対応できないと商品ページに明記されている。 確認時点のAmazon実売価格は32,400円で、4点では最も高い。前後をまとめて塞ぐ車中泊向けの構成で、停めるたびに8枚を着け外しする使い方には合わない。同じ品番表記・同じ価格の別ページも存在するため、比べるときは品番表記で見ると重複が分かる。
atmys NV100クリッパー DR64V系 フルマルチシェード フルセット(全8面)
走る前に外す窓と、そうでない窓
可視光線透過率70%がかかる窓
国土交通省の保安基準第29条第3項は、前面ガラスと側面ガラス(告示で定める部分を除く)について、運転者の視野を妨げないものとして告示で定める基準に適合しなければならないと定める。細目告示第195条第3項第2号はその基準を、運転者が交通状況を確認するために必要な視野の範囲に係る部分で、可視光線の透過率が70%以上であることとしている。フロントガラスと前席の左右ドアガラスを覆うシェードは駐停車中の使用に限られ、走り出す前に外す。
運転者席より後方の窓
同じ細目告示の第195条第4項は、70%の基準から除かれる部分を「運転者席より後方の部分」と定め、そこに運転者席より後方の座席等の側面ガラスが含まれるとしている。DR64V ではスライドドアガラス・リアクォーターガラス・バックドアのガラスの5面がこれにあたり、70%基準の対象からは外れる。ただし付けたまま走ることが、道路交通法の積載方法や後写鏡の視認性まで含めて適法かどうかは、この条文だけでは決まらない。裏づけが取れていない以上、走るときは前後とも外す運用にしておく。
サンシェードで下がる幅と、下がらない部分
実測で下がった幅
JAFのユーザーテストが2012年8月22日・23日に埼玉県戸田市の駐車場で行った「真夏の車内温度」の測定値がある。晴れ・気温35度、正午から4時間、駐車条件の異なるミニバン5台を並べ、各車の室温を25℃に揃えて計ったもの。
| 条件 | 車内最高温度 | ダッシュボード最高温度 |
|---|---|---|
| 対策なし(白) | 52℃ | 74℃ |
| サンシェード装着 | 50℃ | 52℃ |
白い車の対策なしと比べると、車内最高温度の差は2℃、ダッシュボード最高温度の差は22℃。 黒い車の対策なし(57℃/79℃)と比べれば差はもっと大きく出るので、どちらと比べた数字なのかで見え方が変わる。
サンシェードだけでは足りない部分
JAF自身がこのテストをまとめて、サンシェードや窓開けの対策をしていても温度抑制効果は低く、人や動物が耐えられない温度になり、車内温度の上昇を防ぐことはできないとしている。テスト車両はミニバン5台で軽キャブバンの実測ではなく、同一車両で付け外しを比べたものでもない。数値がはっきり動いたのは直射を受ける面のほうで、空気の温度は大きくは下がらない。乗り込んだ瞬間にハンドルやシフトが触れないほど熱い、という状態を減らす道具と考えると期待を外さない。日陰に停める、乗車直後に窓を開けて熱気を逃がす、エアコンで下げる——この手順と組み合わせて実用になる。
買う前の確認手順と、買ったあとの扱い
注文前に見る順番
- 車検証の「型式」欄で DR64V の4桁を確認する(接頭記号が付く形で記載される)。
- バンの DR64V か、ワゴンのリオ DR64W かを同じ欄で区別する。
- 覆いたいのが前3面か、後ろ5面か、8面全部かを決める。
- 商品ページの適合表記に DR64V が含まれるかを見る。
- 商品説明の1行目と注意書きに「汎用品」が無いかを確かめる。あれば、フロントガラスの横幅と高さ、ダッシュボードまでの寸法を自分で測る。
- 後ろを覆うセットなら、自車のルーフ形状を確かめ、記載が無ければ出品者に問い合わせる。
- 商品内容の欄で枚数を数え、フロント/リア/フルのどれなのかを確定させてから注文する。
取り付けと手入れ
磁石式はベルトの位置を最初に決めてしまうと、以後の着脱が速くなる。吸盤式はガラス内側の油膜とホコリで吸着が落ちるので、内窓用クリーナーで拭き上げてから貼る。効かなくなってきたら、薄めた中性洗剤で洗ってよく乾かすと戻ることが多い。傘型は骨や柄を内装に当てると傷になるため、開閉のときに気をつける。どの方式も、真夏の車内に広げたまま放置すると生地やフレームが変形しやすい。
よくある質問
エブリイ DA64V 用と書かれた製品は使えるか
同じメーカーがクリッパー用を別の車種コードで揃えているので、エブリイ用を選ぶ理由がない。ガラスが同一部品だと示す資料も確認できていない。
DR64W(リオ)と兼用の製品は買っていいか
フロント用には両方を適合として掲げる製品が実在する。後ろ側は分けている製品があるので、リアセットやフルセットでは自車がバンかワゴンかを型式で照合してから選ぶ。
サンシェードを付ければ車内は涼しくなるか
空気の温度はあまり下がらない。JAFの測定で大きく動いたのはダッシュボードの表面温度で、涼しさを求めるなら換気とエアコンが先になる。
後ろの5面は付けたまま走ってよいか
可視光線透過率70%の基準の対象からは外れるが、それだけで走行時の適法性が決まるわけではない。前後とも外して走るのが無難。
標準ルーフとハイルーフで選ぶものは変わるか
ベース車側の公表値では全高も荷室内高も85mm 違うが、今回見た商品ページにルーフ形状の記載は無かった。どちらでも同じ製品が使えるかは確認できていない。
まとめ
- 車検証の「型式」欄が DR64V か(DR64W はワゴンで別)
- 覆いたいのは前3面か、後ろ5面か、8面全部か
- 商品説明の1行目に「汎用品」と書かれていないか
- たたんだシェードを荷室のどこに置くか
この4つが決まれば、あとは商品ページの型式表記と枚数を照らすだけで済む。
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