中古で買ったスペーシアの拭きムラが気になってきたとき、最初に詰まるのがワイパーの長さだ。この車は3世代が併存していて、フロントの前提が世代でそっくり入れ替わる。初代は運転席500mm・助手席425mmの左右別寸、2代目以降は左右とも475mm。車検証の型式を先に確かめてから表を見れば、長さの取り違えはほぼ防げる。
型式別のワイパーサイズ早見表
ワイパーメーカーNWBの車種別適用検索と、同社が公開している品番とサイズの対応表、それにPIAAの車種別適用検索を突き合わせると、スペーシアのサイズは次の3区分に分かれる。
| 型式 | 運転席側 | 助手席側 | リア |
|---|---|---|---|
| MK32S・MK42S(2013年3月〜2017年11月) | 500mm | 425mm | 305mm(リヤ専用樹脂RBタイプ) |
| MK53S(2017年12月〜2023年10月) | 475mm | 475mm | 250mm(リヤ専用樹脂RAタイプ) |
| MK54S・MK94S(2023年11月〜) | 475mm | 475mm | ブレードの適合品番なし |
初代だけ左右の長さが違い、2代目以降は左右とも475mmで同じ。これが世代をまたいで一番効いてくる差だ。リアは3代目で事情が変わるので、後段で個別に扱う。
自分の車がどの区分に当たるかを型式で見分ける
車検証の型式欄に並ぶMK32S・MK42S・MK53S・MK54S・MK94Sのどれかが、そのまま区分の答えになる。ただし各社の区分の切り方は少しずつ違う。NWBは4区分(H25.3〜H29.11/H29.12〜R2.7/R2.8〜R5.10/R5.11〜)、PIAAは3区分(H25.3〜H29.11/H29.12〜R5.10/R5.11〜)、ソフト99のガラコワイパーの適合検索は4区分(平25.3〜平28.11/平28.12〜平29.11/平29.12〜令5.10/令5.11〜)。NWBが2代目を2つに割っているのは撥水コート系の注記の有無が違うからで、長さの設定はどちらの区分も左右475mm・リア250mmで変わらない。
カスタムやギアも同じ表でよい。NWBは車種名を「スペーシア(ギア含む)」と表記し、PIAAは初代の区分に「カスタム,カスタムZ含む」、2代目・3代目の区分に「カスタム,ギア含む」と注記している。ソフト99も2代目の年式選択肢を「平29.12〜令5.10 カスタム,ギア含む」としている。一方でスペーシアベースは各社とも別車種として分けられており、この表の射程には入らない。型式から部品を引く作業は他の消耗品でも同じ流れになる。
初代(MK32S・MK42S)は運転席側の形状に注意が要る
長さは運転席500mm・助手席425mm・リア305mm
フロントは運転席側500mm、助手席側425mm。NWBの適用検索は運転席側に視界スッキリワイパーS50と視界良好ワイパーR50、助手席側にデザインワイパーD43・グラファイトワイパーG43・視界スッキリワイパーS43を設定していて、同社の対応表でS50が500mm、D43・G43・S43が425mmと示されている。PIAAの適用検索も運転席側が50系(WSU50・WG50など、呼番10)、助手席側が43系(WSU43・WG43など、呼番6)で一致する。リアはNWBのグラファイトワイパーGRB30、PIAAの超強力シリコートワイパーWSU30RSやスーパーグラファイトワイパーWGW30RS・WG30RS(呼番1RS)が設定されている。
エアロ形状はメーカーで判断が割れる
問題は運転席側の形状だ。NWBはデザインワイパー・グラファイトワイパー・撥水コート系の運転席欄をすべて「注1」とし、「取り付けはできますが拭き残しが発生するため適合品番を設定していません」と説明したうえで、トーナメント形状のS50とR50だけを設定している。ソフト99はパワー撥水ブレードPB-9などを運転席側に設定しているが「注3」が付き、その意味は「ガラス面の曲がりが強いなどのため、わずかに拭き残しが発生する場合があります」。対してPIAAはスリムヴォーグWSVS50AやエアロヴォーグWAVS50を注記なしで設定している。替えゴムの側でも、NWBは運転席側にGR95(TW50RG・500mm)という曲面ウィンドウ用の区分を指定していて、助手席側のGR8(TW1G・425mm)とは区分そのものが違う。ガラスの曲がりが強いことが、この判断の割れの背景にある。
2代目(MK53S)は左右同じ475mmで買い間違えにくい
NWBの適用検索は左右ともデザインワイパーD48・グラファイトワイパーG48・視界スッキリワイパーS48を設定し、対応表でD48・G48・S48はいずれも475mm。PIAAも左右とも48系(WSU48・WG48など、呼番8)で、オートバックスの公式サイトにあるスペーシア向けの解説も2代目を運転席475mm・助手席475mm・リア250mmと案内している。同じ品番を2本買えば済むので、この世代は長さの取り違えが起きにくい。
引っかかるとすればリアだ。NWBはグラファイトワイパーのGRA25(リヤ専用樹脂RAタイプ・250mm、対応替えゴムはGR39=TN25G)だけを設定し、PIAAはスーパーグラファイトワイパーのWGW25RL(呼番16RL)だけで他シリーズは適用なし。ソフト99はグラファイト超視界ブレードのリア欄を「適合なし1(適合品番が無いため)」、パワー撥水ブレードを「替えゴムにて適合あり」としている。前後まとめて同じシリーズで揃えたいなら、シリーズを決める前にリアの設定があるかを見ておく。
3代目(MK54S・MK94S)はリアの替え方が変わる
フロントは2代目と同じ左右475mm。NWBは左右ともD48・G48・S48、PIAAは左右とも48系(呼番8)、ソフト99も左右とも呼番8系(パワー撥水ブレードPB-8など)を設定している。
リアはブレードごと交換する製品の適合品番が、主要メーカーで設定されていない。NWBの適用検索はリア欄を「注1」(前述の拭き残しの注記)とし、替えゴムのリア欄も同じ注1。PIAAはリア欄が全シリーズ適用なし。ソフト99はパワー撥水ブレードのリアを「替えゴムにて適合あり」として替えゴム側にだけ呼番30を設定し、こちらにも注3が付いている。この世代のリアは替えゴム交換が基本線で、長さの近そうなブレードを見つけても、それだけを頼りに買ってはいけない。
もう1つ、エアロ形状を選ぶとフロントの左右で品番が変わる。PIAAの適用検索ではエアロヴォーグが運転席側WAVS48(呼番8)・助手席側WAVS45(呼番7)、クレフィットエアロが運転席側CFAG48(呼番93)・助手席側CFAG45(呼番92)で、助手席側だけ1段短い。トーナメント形状の超強力シリコートワイパーやスーパーグラファイトワイパーは左右とも48系で揃うので、2本まとめ買いのときはどちらの系統かで手順が変わる。
リアは長さより先に取付タイプを見る
リア用のブレードは、長さが合っていても取付形状の区分が違えば装着できない。NWBのリア専用ブレードには「リヤ専用樹脂RAタイプ」と「RBタイプ」があり、初代に設定されるGRB30はRBタイプの305mm、2代目に設定されるGRA25はRAタイプの250mmで、長さだけでなく区分そのものが違う。雪用のリアも「リヤ専用Aクリップ」と「リヤ専用Bクリップ」に分かれ、初代は2B(280mm)、2代目は7A(250mm)が設定されている。リアを買うときは、まずその製品が自分の型式の欄に設定されているかを見て、長さの確認はその後。この順番を逆にすると、届いてから付かないと分かることになる。
雪用は雨用と同じ長さで買えない
同じ車でも、雨用と雪用では設定される長さが変わる。NWBの適用表では2代目の運転席が雨用475mm(D48)に対し雪用450mm(D45W・グラファイト雪用ワイパーはR-9)、初代の助手席が雨用425mm(D43)に対し雪用430mm(D43W)、初代のリアが雨用305mm(GRB30)に対し雪用280mm(2B)。ソフト99でも2代目は雨用がPB-8、雪用がPS-7と別の呼番になる。雨用の数値をそのまま雪用の売り場に持ち込まない。
設定の穴も世代で違う。初代の運転席側の雪用はD50WやR-11に加えてアダプタークリップC-7が併記されており、これは別途購入が必要とされている。2代目の助手席側は雪用の設定そのものが無く、NWBの欄は注1。3代目はNWBが運転席・助手席・リアのすべてを注1としている一方、ソフト99はパワー撥水雪用のPS-8を左右に設定し(いずれも注3付き)、リアは適合なしとしている。なおNWBは「雪用ワイパーは替えゴム交換ができません」と注記していて、雪用はブレードごと交換する前提になっている。
取付形状と替えゴムの選び方
フロントはUクリップ、純正はトーナメント形状
NWBの製品一覧では、この車に設定されるグラファイトワイパーと視界スッキリワイパーが「Uクリップ」、デザインワイパーが「カバー付Uクリップ」の区分に入る。オートバックスの解説も初代・2代目とも「国産車に一般的なカバーなしのUタイプの固定方式」と説明している。商品ページでは長さと合わせて、Uクリップ対応と書かれているかを確かめる。純正はトーナメント形状で、同解説は初代・2代目とも「標準装備はトーナメント形状になっています」としている。エアロ形状に替えること自体は製品によって可能だが、ソフト99はパワー撥水エアロスムースについて「純正ワイパーとは形状が異なります」と明記している。
替えゴムは長さと断面形状の区分を両方合わせる
NWBの対応表では、フロントの475mmがGR10(TW3G)、425mmがGR8(TW1G)、500mmがGR11(TW4G)。初代の運転席側だけは曲面ウィンドウ用のGR95(TW50RG・500mm)が指定される。リアは250mmがGR39(TN25G)、300mmがGR41(TN30G)で、いずれもTNタイプの区分。長さが同じでも区分が違えばブレードに収まらない。なお同社は「替えゴムのサイズは、機能上実際の寸法と異なる場合がありますが、性能及び取付けに支障はありません」と注記している。
過去にワイパー本体を社外品へ替えている車は、車種別の適用表に載っている替えゴムの品番をそのまま買ってはいけない。NWBは適用検索の中で「替えゴムの適合品番は『純正ワイパー』に準じたものです。過去にワイパーをご交換されている場合は購入したワイパー品番をお確かめのうえ、NWB雨用ワイパー一覧の『対応替えゴム』をご覧いただきお選びください」と案内している。ソフト99も同様に、ブレードを自社製品に替えている場合は替えゴム対応表を見るよう案内している。この場合は装着中のブレードの品番を先に読む。オートバックスの解説が言うとおり、ゴムはブレードと同じメーカーで揃える。断面形状が違うと取り付けられないことがある。
同じ長さの中から何を基準に選ぶか
長さと取付形状が決まれば、残る判断軸は3つに絞れる。1つ目はゴムの種類で、撥水コート系は水をはじく方向の設定、グラファイト系はNWBが「ワイパーのビビリを軽減」と説明する方向の設定。2つ目は形状で、純正と同じトーナメント形状か、見た目の変わるエアロ形状か。初代の運転席側はここが分かれ道になる。3つ目はリアも替えるかで、世代によってリアの設定があるシリーズが限られる。
撥水タイプを狙うなら、注記を1つ確かめてほしい。NWBは注5として「撥水コートワイパーは、運転支援システムのセンサーがフロントガラス内側にある車両には適合できません」と定義し、スペーシアでは初代(H25.3〜H29.11)と、2代目のうちR2.8〜R5.10の区分で撥水コート系の欄にこの注5を付けている。ソフト99も注5として、カメラやセンサーのある車は取扱説明書を確認するよう案内している。自分の年式区分の欄に注記が付いていないかは、買う前に必ず見る。
買う前と交換のときにやりがちなこと
助手席側の430mmという数字に引っ張られない
初代の助手席側は資料によって表記が割れる。ワイパーメーカーの適用表では425mm相当(NWBのD43・G43・S43、PIAAの呼番6)が適合品番として設定されているのに対し、オートバックスの解説は助手席側を430mmと案内している。買うときはメーカーの適用表の品番を優先し、430mmという数字だけで製品を選ばない。同じく初代は左右の長さが違うので、同じものを2本買うと片側が余る。中古で買った車や過去に交換している車は現物も見ておきたい。ソフト99は「車両のモデルチェンジに関わらず、ワイパーの仕様が変更となっている場合がございます」「装着時には、取付形状及びボディ・ワイパーアーム等干渉しないことをよくご確認の上、作業を進めてください」と案内している。
アームは運転席側から起こし、助手席側から戻す
オートバックスの解説は「フロントワイパーは運転席側から順に起こし助手席側から順に戻すようにします。助手席側を先に起こしたり運転席側を先に戻すとワイパー同士が干渉して傷付くことがあります」と説明している。替えゴムを差し入れるときは「ワイパーゴムの反りがワイパーブレードの形状に合っているか確認して」「ストッパーのある側が運転席側にあるのを確認して全ての爪がワイパーゴムに引っかかるように」する。リアの手順も同じ考え方でよいとされている。
よくある質問
スペーシアカスタムやスペーシアギアも同じサイズでいいですか
同じ型式なら同じ表を見てよい。NWBは車種名を「スペーシア(ギア含む)」と表記し、PIAAは各区分に「カスタム,カスタムZ含む」「カスタム,ギア含む」と注記している。ただしスペーシアベースは各社とも別車種として分けられている。
3代目(MK54S・MK94S)のリアワイパーはどう替えればいいですか
替えゴム交換が基本線になる。NWBとPIAAはリアのブレード適合品番を設定しておらず、ソフト99が替えゴム側にだけ呼番30を設定している(注3付き)。長さの近いブレードを見つけても、それを根拠に買わない。
初代(MK32S・MK42S)にエアロ形状のワイパーを付けてもいいですか
メーカーで判断が割れている。NWBは運転席側のデザイン系を注1として適合品番を設定せず、ソフト99は設定はあるが注3付き、PIAAはスリムヴォーグやエアロヴォーグを注記なしで設定している。選ぶ製品の適用表に拭き残しの注記が付いていないかを見てから決める。
雪用ワイパーも雨用と同じ長さを買えばいいですか
同じではない。2代目は運転席が雨用475mmに対し雪用450mm、初代の助手席は雨用425mmに対し雪用430mm、初代のリアは雨用305mmに対し雪用280mm。雪用は雪用の欄を引き直す。
この適合データはいつ時点のものですか
ソフト99の適合検索の結果画面には「※このデータは、令和6年6月現在のデータです。」と明記されており、同社は「※本適合データは、予告なく変更することがありますので、ご了承ください。」とも案内している。買う前に最新の適用表を見直す。
まとめ
型式で区分を決め、シリーズと形状で候補を1つに絞り、最後にそのメーカーの適用表で自分の年式区分の欄を引く。この順番なら迷いどころは減る。確認する項目は5つだけだ。車検証の型式(MK32S・MK42S/MK53S/MK54S・MK94S)、フロントの長さ(500mmと425mm、または475mmを2本)、フロントの取付形状(Uクリップ)、リアは自分の区分に設定があるかどうか、そして撥水コート系や雪用の注記の有無。表の数値を先に覚えるより、自分の区分の欄をそのまま読むほうが早い。

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