雨の日の送り迎えや、雪道から戻った日の足元。スペーシアのマットは砂と水を受け止め続けるから、数年で毛足が寝て色も変わってくる。買い替えで最初につまずくのは素材やブランドではなく型式のほうで、MK系は3世代あり、世代が違えばマットも別商品になる。車検証で型式を確かめる、素材とセット枚数を決める、商品ページの対応表記と突き合わせる——この順番で進めれば形違いを引く確率はかなり下がる。
MK系3世代の型式と、対応表記のあるマットの早見表
| 世代 | 型式 | 販売期間 | 対応表記のあるマットの例 | 価格(2026年8月確認時点) |
|---|---|---|---|---|
| 初代 | MK32S / MK42S | 2013年3月〜2017年12月 | Aviles 互換品(3色から選択) | ¥6,600 |
| 2代目 | MK53S | 2017年12月〜2023年11月 | LUCKEASY 3Dフロアマット | ¥9,480 |
| 3代目 | MK54S / MK94S | 2023年11月〜 | LUCKEASY カーマット / M&K エクセレントタイプ | ¥9,599 / ¥6,800 |
まず見るべきは車名ではなく型式で、ここさえ合っていれば候補は自動的に絞られる。価格はAmazonで確認した時点の実売値で、変動する前提で見てほしい。
車検証のどこを見るか
型式は自動車検査証の「型式」欄に載っている。DBA-MK32S、5AA-MK53S、4AA-MK54Sのように、頭のアルファベット3〜4文字とハイフン、その後ろにMK○○Sが並ぶ。マット選びで使うのはハイフンの後ろだけだ。頭の記号は排出ガスや安全装備の区分を表すもので、初代は2013年3月からのDBA-MK32Sに2015年5月からDAA-MK42Sが加わり、2代目は2021年12月に頭がDAAから5AAへ変わっている。頭が違っても、後ろが同じMK53Sなら同じ世代を指す。
世代の境目は2017年12月と2023年11月
この2つの時期がフルモデルチェンジにあたる。境目の前後は同じ「スペーシア」でも中身が別の車なので、マットも当然別になる。だから商品を選ぶときは、「スペーシア用」とだけ書かれたものではなく、MK32S・MK42S・MK53S・MK54S・MK94Sのどれかを明記した商品を選ぶ。3代目は中古車カタログ上、NA車が5AA-MK94S、ターボ車が4AA-MK54Sとして掲載されている。標準車のスペーシアにはターボの設定がないため、標準車の型式一覧に4AA-MK54Sは載っていない。
型式の取り違えが起きやすい3か所
早見表どおりに探しても、通販の検索結果には紛らわしいものが混ざる。買う前に潰しておきたいのは次の3つだ。
MK54SとMK94Sの併記表記をどう読むか
3代目向けの商品には「MK54S MK94S 専用」と両方を書くものと、MK54Sだけを書くものがある。これは出品者が商品ページに記載した対応表記であって、メーカーの適合表ではない。2つの型式でフロア形状が同じだと示すメーカー資料は、今回の調査では確認できなかった。だから両型式が書いてあっても「どちらでも確実に合う」とは読まず、注文前に商品ページの対応型式と対応年式を自分の車検証と照らす。同じ世代でも年式途中の仕様変更やグレード、すでに付けている他部品の影響で形が合わないことはある。届いたらまず敷く前に形を合わせ、合わなければ使わずに返品や交換を検討する——この一手間が最後の砦になる。
スペーシア ベースは別のモデル
スペーシア ベースは2022年8月26日に発売された軽商用車で、乗用のスペーシアとは別のモデルとして売られている。車名が似ているので検索結果には並んで出てくるが、乗用向けとベース向けは別物として扱う。商品名にどちらが書いてあるかで見分ける。
ギアは世代がどこで動いたか
スペーシア ギアは2024年9月20日発売のモデルから、2023年11月にフルモデルチェンジしたスペーシアとスペーシア カスタムをベースにしている。ギアのマットを探すなら、この2024年9月より前か後かで世代が変わる。
素材で分かれるのは水と汚れへの構え
型式が決まったら次は素材だ。大きく2系統ある。
カーペット系とラバー・TPE系
カーペットタイプは踏み心地の良さが持ち味で、内装の質感を保ちたい人向き。ラバータイプにはTPE素材を使ったものがあり、こちらは水や泥への耐性が持ち味だ。雪・泥・こぼれた飲み物を受け止める使い方が多いならラバー・TPE系、車内の見た目を優先するならカーペット系、という分け方で決めていい。子どもの送り迎えやアウトドアで使うスペーシアなら、私は前者を勧める。
3D立体タイプが効く場面
3D立体タイプは、メーカーの製品説明によると3Dスキャナーを使った車種別の専用設計で、立体構造が足元の汚れを逃さず、水をはじいて足元をカバーするとされている。ヒールパッドと固定フックを備え、取り外して水洗いできる製品もある。要するに、平面のマットが取りこぼす縁からの流れ出しを立ち上がりで止める作りだ。
価格差はどこから出るか
価格の差は主に素材と成形方法、それにセット枚数から来る。平面のカーペット系より、車種別に立体成形するTPE系のほうが高くなりやすく、ラゲッジマットを含むフルセットはさらに上へ動く。安い順に並べて上から見るのではなく、必要な範囲と素材を先に決めてから価格を見たほうが結果的に納得できる。
比較の物差しは3つに絞る
商品ページで確認できて、しかも使い勝手に直結するのはこの3点だ。
セット枚数と対象範囲
同じ「フロアマット」でもセット内容は商品ごとに違う。1列目だけのもの、1列目と2列目をカバーするもの、ラゲッジマットを足した3枚から4枚のフルセットまである。後席やラゲッジまで守りたいなら、商品名と仕様欄の枚数表記を先に読む。スライドドアから乗り降りする子どもがいるなら2列目は入れておきたい。
固定フックの位置が合うか
ずれにくさの分かれ目は固定方法にある。純正は留め具の位置が車種に合わせて調整されており、社外品にもヒールパッドと固定フックを備える製品がある。車両側のフックとマット側の穴が合うかどうかを見る。商品ページに固定具の記載がない製品は、敷いたあとに自分でずれを確認する前提で選ぶ。
運転席のヒールパッド
運転席側はかかとが当たる部分から先に傷む。かかと部分を補強するヒールパッドがあるかどうかは、運転席マットを比べるときの分かりやすい違いになる。長く乗るつもりなら、ここは付いているものを選んでおく。
純正と社外、どちらを選ぶか
スズキは純正フロアマットについて、フロアにジャストフィットするサイズになるよう設計し、留め具も車種に合わせて位置調整をしてずれにくくしていると公式サイトで説明している。難燃性や耐久性といった自社の品質基準をクリアしている、との記載もある。種類によっては抗アレルゲン、抗菌、防臭、防ダニ、消臭の効果があるとも書かれており、車種ごとに設定が異なる。
対する社外品は、素材・色・価格の選択肢が広い。純正は留め具位置の適合と品質基準が説明されている一方、社外品は選べる幅で勝負している——という線引きで考えるとよい。社外品を選ぶなら、対応型式・対応年式・セット枚数の3点を必ず読み合わせる。逆に言えば、この3点さえ潰せば社外品は十分に候補になる。
世代別の候補
ここからは世代ごとに、対応表記のある商品を挙げる。いずれも出品者の記載に基づくもので、メーカーの適合表ではない点は前述のとおりだ。
3代目(MK54S・MK94S)— 両型式を併記しているカーマット
商品ページで「MK54S MK94S 専用」「2023年11月〜現行」と表示しているカーマットがある(LUCKEASY)。3代目は型式が2つに分かれるので、両方を併記している商品は照合が1回で済む。2026年8月確認時点の実売価格は¥9,599だった。
3代目スペーシア MK54S・MK94S 向けフロアマットを見る
3代目 — 色を選べるエクセレントタイプ
同じ3代目向けに、対応開始を令和5年11月と表示した互換品のエクセレントタイプもある(M&K)。商品名に書かれている型式はMK54Sで、色はエクセレントブラックのほかチェックグレー、エクセレントウェーブグレー、チェックブルーの設定が確認できた。内装に合わせて色を選びたい人はこちら。2026年8月確認時点で¥6,800と、上のカーマットより手が届きやすい。
3代目向けエクセレントタイプ 色違い4種の設定を見る
2代目(MK53S)— 3Dタイプ
2代目向けには、「MK53S 専用」「2017年12月〜」と表示している3Dフロアマットがある(LUCKEASY)。2代目は販売期間が6年近くあるので、対応年式の表記が自分の年式までカバーしているかは確認しておきたい。立体構造の作りは、車中泊や雪道帰りで足元が濡れる使い方と相性がいい。2026年8月確認時点の実売価格は¥9,480。
2代目スペーシア MK53S 向け3Dフロアマットを見る
初代(MK32S・MK42S)— 両型式対象の互換品
初代は型式が2つあるが、商品名で「MK32S MK42S」の両方を対象に挙げている互換品がある(Aviles)。3色から選ぶ形式なので、内装がくたびれてきた個体なら色替えのつもりで選ぶ手もある。2026年8月確認時点で¥6,600。年式の進んだ車に入れる部品としては、価格の面で選びやすい部類だ。
初代スペーシア MK32S・MK42S 向けフロアマットを見る
敷き方を間違えると何が起きるか
商品選びと同じくらい、敷き方が結果を左右する。国土交通省は、フロアマットを固定せずに使ったり重ね敷きをしたりすると、アクセルペダルがマットに引っかかって急加速につながる不具合が起きることがあるとして、固定して使う・重ね敷きをしない・運転前に正しく固定されているか確認する、の3点を挙げている。同じ注意喚起では、ペダルが戻らない状態でブレーキ操作を繰り返すと、ブレーキ倍力装置の機能が大幅に低下し、ブレーキ操作に大きな踏力が必要になるとも説明されている。
手順は難しくない。まず今まで使っていたマットを外し、重ねないようにする。次に車両側の固定フックへマットの穴を合わせて留める。そのうえで運転席に座り、アクセルとブレーキを最後まで踏み込んで、マットが動かないか、ペダルに触れないかを確かめる。最後に走り出す前にもう一度ずれを見る。新品が届いた日は、古いマットを車内に残したまま上へ重ねない——これだけは徹底したい。
手入れと交換の目安
ラバー・TPE系には取り外して水洗いできる製品がある。洗ったあとは完全に乾かしてから車内へ戻す。濡れたまま敷くと車体側のカーペットに湿気が残るからだ。冬場は乾きが遅いので、洗うなら晴れた休日の午前中がいい。
交換の判断は運転席側を見れば早い。かかとの当たる部分が薄くなってきたら、他の席がまだきれいでも運転席から傷んでいる。ヒールパッドのない製品を使っているなら、この摩耗はさらに早く出る。
よくある質問
MK53S用のマットは3代目にも使えますか
同じ扱いにはしないほうがいい。2代目と3代目の間にはフルモデルチェンジがあり、別世代として設計されている。3代目に乗っているなら、MK54SまたはMK94Sの表記がある商品から選ぶ。
純正マットの上に重ねて敷いてもいいですか
重ねない。国土交通省が挙げている注意点のひとつが重ね敷きで、ペダルへの引っかかりにつながる。純正を外してから新しいマットを敷く。
1列目だけのセットでも足りますか
使い方次第だ。運転者だけが乗るなら1列目で足りるが、後席に子どもを乗せる、荷物を積むといった使い方なら2列目やラゲッジまで含むセットを選ぶ。枚数はあとから足しにくいので、買うときに決めておく。
スペーシア ベース用のマットとは何が違いますか
そもそも別の車のマットになる。スペーシア ベースは軽商用車として売られているモデルで、乗用のスペーシアとは車として別物だ。商品名にベースと入っているものは、乗用のMK系には選ばない。
まとめ
購入前に確認する点を並べておく。
- 車検証の「型式」欄を見て、MK32S・MK42S・MK53S・MK54S・MK94Sのどれかを確定させる
- 雪や泥を受けるならラバー・TPE系、内装の質感ならカーペット系で素材を決める
- 1列目だけか、2列目やラゲッジまで含めるかを決めてからセット内容を見る
- 商品ページの対応型式と対応年式を、自分の車検証と初度登録年月に照らす
- 届いたら敷く前に形を合わせ、固定フックへ留めてからペダルの踏み込みを確認する
型式さえ間違えなければ、あとは素材と枚数の好みの問題になる。純正は留め具位置と品質基準が説明されている点で堅く、社外品は色と価格の幅で選べる。どちらを取るかは、その車をあと何年乗るかで決めるといい。
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