雨の日に窓を細く開けたまま換気したい、洗車のあとの水滴が気になる。そうした理由でCX-5のドアバイザーを探すと、最初に目に入るのは価格の開きだろう。マツダ公式に載る純正アクリルバイザーは税込29,370円、通販の社外品には5,300円のものもある。ただしこの2つは、同じ条件で並んだ金額ではない。
CX-5のドアバイザーは世代を決めてから選ぶ
マツダが出した発売時のニュースリリースを並べると、CX-5の世代は2つではなく3つある。初代が2012年2月16日、2代目が2017年2月2日(発表と予約受注開始は2016年12月15日)、そして新型が2026年5月21日の販売開始で、リリースには9年ぶりのフルモデルチェンジと書かれている。
| 世代 | 発売日 | カタログの適用車台番号・型式 | 純正アクリルバイザー |
|---|---|---|---|
| 初代(KE系) | 2012年2月16日 | KEEFW・KE2AW・KE2FW・KE5AW・KE5FW | 品番 K031 V3 700 |
| 2代目(KF系) | 2017年2月2日 | KFEP・KF2P・KF5P | 品番 K123 V3 700/K262 V3 700・税込29,370円(取付費込) |
| 新型 | 2026年5月21日 | 記載を確認できず | 税込33,660円(取付費込)・品番の表示なし |
ドアバイザー選びで効いてくる区切りは、2017年2月と2026年5月の2か所だ。 世代が変わると車台番号の並びがまるごと入れ替わるので、車検証の型式欄の先頭2文字がKEかKFかを見れば、どちらの世代向けの商品を探すかが決まる。
2代目(KF系)の型式と、商品側の適合表記のずれ
2025年12月現在の主要諸元表に載る2代目の型式は3系統。ガソリン2.0Lがマツダ・6BA-KFEP(PE-VPS型・総排気量1.997L)、ガソリン2.5Lがマツダ・6BA-KF5P(PY-RPS型・2.488L)、ディーゼル2.2Lがマツダ・3DA-KF2P(SH-VPTS型・2.188L)。ボディは全長4,575×全幅1,845×全高1,690mm、ホイールベース2,700mm、乗車定員5名だ。
やっかいなのは、諸元表が「6BA-KFEP」と識別記号付きで書くのに対し、社外ドアバイザーの適合表記はハイフンより後ろの「KFEP」だけを並べていることが多い点。しかも粒度がばらばらで、型式を並べたもの、「KF系」とだけ書いたもの、「kf系 H28.12〜」と年月で区切ったもの、「2017年2月〜2024年」と年で区切ったものが混在する。
年で区切った表記はとくに注意がいる。今回そろえた中には2024年までと書かれたものがあるが、マツダが公開している2代目の主要諸元表は2025年12月現在のものが存在する。文字が一致しないことだけを理由に諦めたり、逆に付くと決めつけたりせず、車検証の型式と初度登録年月を伝えて販売元に適合を確認する。 初度登録年月が表記の範囲外に出たときも同じだ。
初代(KE系)に乗っているなら
初代向けのアクセサリーカタログ(2016年3月改訂版)が挙げている適用車台番号はKEEFW・KE2AW・KE2FW・KE5AW・KE5FWの5つ。2代目向けのカタログ(2016年12月発行版)はKFEP・KF2P・KF5Pの3つで、重なりがない。
初代の純正アクリルバイザーは1台分(4枚セット)で、部品番号はK031 V3 700。カタログの記載は取付費込価格25,714円、本体価格23,122円だが、これは消費税8%込の当時の参考価格で、今も同じ金額で買えるかは確認していない。2代目用のK123 V3 700・K262 V3 700とは別番号なので、初代に2代目用は選べない。
純正アクリルバイザーは何を含んだ金額か
価格と部品番号
マツダが公式サイトのアクセサリー詳細ページで示している2代目用の純正アクリルバイザーは、税込29,370円で内容は1台分(4枚セット)。ページには「本商品の表示価格は取付費込価格です」と明記されている。
カタログでは同じ商品が本体価格と取付費込価格に分けて載る。2024年6月現在版は取付費込価格28,930円(消費税抜26,300円)、本体価格25,410円(消費税抜23,100円)、部品番号K262 V3 700。2016年12月発行版は取付費込価格25,812円(消費税抜23,900円)、本体価格23,220円(消費税抜21,500円)、部品番号K123 V3 700で、こちらは消費税8%込の表示だ。同じ2代目でもカタログの版で部品番号が違うので、注文するときは年式を伝えて販売会社に品番を確認する。
なお掲載価格はメーカー希望小売価格(消費税10%込)の参考価格で、価格は販売会社が独自に定めると書かれている。取付費込価格は新車時の場合の金額なので、すでに乗っている車への後付けなら工賃は改めて見積もりを取る。
保証の範囲
カタログには「マツダ純正アクセサリーは、ジャストフィット&ベストクオリティの3年ただし6万km保証付です」とある。マークの付いていない商品の保証期間は3年で、期間内でも走行距離は6万kmまで。起算日はマツダの販売店およびマツダ指定サービス工場でマツダ車に取り付けた日だ。カタログに掲載されていない商品を装着した場合は保証対象外で、掲載商品でも掲載外の商品と組み合わせて装着した場合も対象外になる。
オートエクゼ製という選択肢
販売店で選べるバイザーには、オートエクゼ製もある。2代目用は「(AutoExe)スポーツサイドバイザー」で税込31,350円(取付費込)、エアアウトレット付きの前後4枚セット。ただし公式ページには、株式会社オートエクゼが取扱う市販品でマツダ純正部品ではないこと、一部取扱っていない販売店もあること、品質はマツダ純正部品とは異なる一般市販部品の基準で製作され保証もオートエクゼの1年(ただし2万kmまで)になることが書かれている。純正アクリルバイザーとの同時装着はできない。
純正と社外を同じ土台に並べ直す
ここがこの記事の中心になる。公式表示の29,370円には部品代と取り付け工賃の両方が入っている。一方、通販に出ている社外ドアバイザーの価格は本体だけの値で、取り付けは自分でやるか別途工賃を払う。
つまり「純正29,370円 対 社外5,435円」と単純に並べると、差が実態より大きく見える。比べるなら、純正の本体価格25,410円と社外の本体価格、あるいは純正の取付費込価格と社外の本体価格+工賃、というように同じ条件どうしで突き合わせる。
総額で考えるなら足すものは3つ。本体価格、取り付けの手間か工賃、そしてやり直しの余地だ。両面テープで貼るタイプは位置を決めたら基本的に貼り直しがきかないので、自分で付けて安く済ませる場合は、その手間とやり直しの効かなさを自分で引き受けることになる。今回調べたCX-5用ドアバイザーの掲載価格は3,550円から14,800円の幅にあった(初代向けの製品を含む)。どちらの価格も確認した時点の値で、変動する。
社外ドアバイザーを比べる4つの軸
- 固定方法:両面テープだけで貼るものと、テープに加えて取付金具(止め具)を併用するものがある。金具併用は、テープの粘着が落ちてきたときに金具が受ける構造だ。長く付けるつもりなら、まずここを見る
- 同梱物:説明書が付くか、どんなテープが付くかは製品によって分かれる。自分で装着するなら購入前に確かめる
- 見た目:メッキモール付きをうたう製品と、スモークの色味だけの製品がある。メッキモールは窓まわりに明るい線が入るので、外装の雰囲気を変えたくないならモール無しを選ぶ
- 枚数:純正は初代・2代目とも1台分(4枚セット)と明記されている。社外品も4枚セットが基本だが、枚数が商品名にしか書かれていない製品もある。フロント2枚だけの商品と取り違えないよう記載を確認する
KF系向けの社外ドアバイザー4製品
| 製品 | 価格 | 適合表記 | 固定・同梱 |
|---|---|---|---|
| BRIGHTZ(品番 INJ-V-088) | 5,435円 | KFEP・KF2P・KF5P | 商品名に記載なし |
| DressCarParts | 5,300円 | KF系 | 取付金具・メッキモール付き |
| ofc | 8,200円 | KF系 | 止め具付き・取付用金具・ダブル固定 |
| D.Iプランニング | 12,480円 | KF系 | 専用金具・強力テープ・説明書付き |
価格はいずれもAmazonの実売価格(確認時点)で、変動する。
型式表記で選ぶならBRIGHTZ
適合表記を車検証と突き合わせたいなら、迷わずBRIGHTZだ。商品名にKFEP・KF2P・KF5Pの3型式を並べており、今回そろえた社外品の中では表記がいちばん具体的で、諸元表の型式と照らしやすい。
BRIGHTZ CX-5 KF系 サイドドアバイザー(品番 INJ-V-088・KFEP/KF2P/KF5P 表記)
自分で付けるならD.Iプランニング
自分で取り付けるつもりで、手順の裏づけがほしいならD.Iプランニング。専用金具・強力テープ・説明書付きと同梱物を商品名で明示している。今回の4製品では最も高い価格帯になる。
D.Iプランニング マツダ CX-5 KF系 サイドバイザー(専用金具・強力テープ・説明書付き)
固定の作りを重く見るならofc
固定の作りを重く見るならofcを選ぶ。止め具付き・車種専用設計・スモーク仕様・取付用金具・ダブル固定と、固定方法をいちばん詳しく書いている製品だ。
ofc CX-5 KF系 ドアバイザー(止め具付き・ダブル固定・スモーク仕様)
見た目を変えたいならDressCarParts
窓まわりの見た目を変えたいならDressCarParts、変えたくないなら他の3製品という分け方でいい。取付金具とメッキモール付きをうたい、価格は今回そろえた社外品では安いほうに入る。
DressCarParts CX-5 KF系 ドアバイザー(取付金具・メッキモール付き)
いずれも適合表記はKF系向けで、初代や新型には選べない。
2026年5月発売の新型に乗っているなら
今回そろえた社外ドアバイザーは、商品名の適合表記がすべて初代(KE系)か2代目(KF系)向けで、新型に適合するとうたう商品は検索結果に無かった。初代・2代目向けと書かれた社外品を新型に流用できるかどうかも確認できていない。
現時点で確認できるのは純正側の2択だ。 マツダのアクセサリーページに載る純正アクリルバイザーが税込33,660円(取付費込)で、商品説明は「車両と一体感を追求したデザインを採用。」、注記に[AutoExe]スポーツサイドバイザーおよび各ベーシックパッケージとの同時装着はできないとある。このページに部品番号の表示はない。もう1つが[AutoExe]スポーツサイドバイザー/スモーク仕様の税込37,950円で、こちらはマツダ純正部品ではない。
ドアバイザーでできること、できないこと
窓を細く開けたまま雨の日に換気する。これがドアバイザーの用途であって、駐車中の車内温度を下げる装備ではない。
JAFが公開している真夏の車内温度のユーザーテスト(2012年8月22日・23日、埼玉県戸田市の彩湖・道満グリーンパーク駐車場、晴れ・気温35度、正午から4時間)では、窓を3cm開けた車の車内最高温度が45℃、平均温度が42℃だった。対策なしの黒い車は最高57℃・平均51℃、白い車は最高52℃・平均47℃、サンシェードを装着した車は最高50℃・平均45℃、エアコンを作動させた車は最高27℃・平均26℃。JAFはまとめとして、サンシェード対策や窓開け対策をしていても温度抑制効果は低く、人や動物が耐えられない温度となり車内温度の上昇を防ぐことはできない、としている。 夏の駐車中の暑さ対策としてバイザー単独に頼らず、別の手段と組み合わせて考えたい。
買う前の適合確認3ステップ
- 車検証で型式(例:6BA-KFEP)と初度登録年月を確認する
- 初度登録年月を世代の区切りに当てはめる。2017年2月より前なら初代、2017年2月から2026年4月なら2代目、2026年5月以降なら新型
- 候補の商品の適合表記に、自分の型式のハイフン以降(KFEPなど)があるかを見る
3つ目で見当たらなければ、そこで判断を止めて販売元に問い合わせる。この3手順を踏んでおけば、届いてから合わないと分かる事態はほぼ避けられる。
よくある質問
純正と社外で価格がここまで開くのはなぜか
価格の土台が違うため。純正の公式表示29,370円は取付費込価格で、部品代と取り付け工賃の両方が入っている。カタログ上の本体価格は25,410円(部品番号K262 V3 700・2024年6月現在版)だ。社外品の通販価格は本体だけの値なので、そのまま並べると差が実態より大きく見える。
商品説明の適合表記に自分の型式が見当たらない
不適合と決まったわけではない。車検証の型式は識別記号付きで書かれ、社外品の表記は粒度がばらばらなので、文字がそろわないことはよくある。前述の3ステップの3つ目まで進めて、販売元に型式と初度登録年月を伝えて確認する。
純正の保証はどこまで効くのか
3年ただし6万kmで、期間内でも走行距離が6万kmを超えれば切れる。起算日はマツダの販売店またはマツダ指定サービス工場でマツダ車に取り付けた日。カタログ掲載外の商品を装着した場合や、掲載商品でも掲載外の商品と組み合わせた場合は対象外になる。
1台分は何枚か、前後で分けて買えるのか
純正アクリルバイザーは初代・2代目とも1台分(4枚セット)と明記されている。社外品も4枚セットが基本だ。前後で分けられるかは今回の材料では確認できていないので、フロント2枚だけの商品と取り違えないよう枚数の記載を見る。
ドアバイザーを付けると夏の車内は涼しくなるのか
ならない。JAFのテストでは窓を3cm開けた状態でも車内最高温度は45℃で、JAF自身が窓開け対策の温度抑制効果は低いとまとめている。バイザーは雨の日に窓を細く開けられるようにする装備と割り切る。
まとめ
CX-5のドアバイザーでつまずくのは、製品の優劣ではなく世代と価格表示の2点だ。まず車検証の型式でKE系・KF系・新型のどれかを決め、その世代向けの中から候補を1つに絞る。KF系なら、適合表記の具体さで選ぶならBRIGHTZ、自分で付けるならD.Iプランニング、固定の作りならofc、見た目を変えるならDressCarPartsという分かれ方になる。絞ったら最後に、車検証の型式と初度登録年月をメーカーや販売元の適合情報に当てて確認する。純正と比べるときは、公式の29,370円が取付費込であることを思い出して、同じ条件どうしで並べ直せばいい。
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