中古で手に入れた X5 E70 にドラレコを付けるとき、本体をフロントガラスのどこに貼るかより先に手が止まるのが、電源をどこから取るかだ。シガーソケットに差して済ませるか、足元のヒューズボックスや天井の配線から取ってコードを隠すかで、作業の手間と仕上がりの見た目が分かれる。本体の位置には決まりがあるので、それも先に押さえておく。
E70 のドラレコ、電源の道と本体の位置
E70 でドラレコの電源を取る道は、主に3つある。
- 車内のシガーソケットに差す。最も簡単だが、電源コードが見えやすい。
- 室内のヒューズボックスから、ヒューズ電源取りで取る。配線を隠しやすいが、E70 のヒューズボックスは助手席の足元にあり、グローブボックスの下から開ける作業になる。
- 天井(オーバーヘッドコンソールやサンルーフのモジュール付近)の配線から取る。E70 オーナーの報告にある道で、配線への割り込みになる。
本体は、前面ガラスの上部20%以内か、ルームミラーで隠れる範囲に付ける(詳しくは次の次の節)。
選び方は、コードを隠したいかどうかで決めればいい。見た目を気にせず早く付けたいならシガーソケット、隠したいならヒューズボックスか天井の配線だ。どの道でも、取る電源が常時かエンジン連動かは、自分の車でテスターを使って確かめる。 E70 はヒューズの割り当てが装備と製造年で違い得るので、ほかの E70 の番号をそのまま使わない。
対象にする E70 の範囲(2006〜2013年生産)
BMW X5 の E70 型は2代目の X5 で、生産期間は2006年7月7日〜2013年7月28日、モデルイヤーは2007〜2014年。ボディは5ドアの SUV で、先代は E53 型、後継は F15 型にあたる。
E70 は2010年に LCI(後期型への改良)を受けた。改良型は2010年4月のニューヨーク・オートショーで公開され、北米では2011年モデルとして出ている。ヒューズの割り当ては製造年でも違うとされるので、同じ E70 でも前期と後期で割り当てが違い得ると考えておく。
本体の取り付け位置の決まり
前面ガラスの上部20%以内か、ルームミラーの陰
自動車情報サイト MOTA や All About の解説では、前面ガラスに付けるドラレコ(道路や交通の状況を撮るカメラ)は、前面ガラスの上縁からガラス開口部の実長の20%以内の範囲か、ルームミラー(車室内後写鏡)で隠れる範囲に取り付ける決まりだとされている。根拠として道路運送車両の保安基準の窓ガラスの条(第29条)とその細目告示が挙げられるが、細目告示の条文番号は解説によって第39条・第195条と書き方が違う。番号にこだわるより、範囲そのものを守ればいい。
目安として、ルームミラーの高さはおおむね上部20%の範囲に収まるので、ルームミラーの裏側か、ルームミラーと同じ高さに付ければ決まりの範囲に入る、と MOTA の解説は書いている。
検査標章とカメラの視角を避ける
本体は検査標章(車検のステッカー)に重ならない所にする。重なると撮影の支障になる。フロントガラスに衝突被害軽減ブレーキなどのカメラが付いている車では、そのカメラの視角に入らない所を選ぶ。視角に入ると機能に支障が出るおそれがある。
手元の E70 にそうしたカメラが付いているかどうかは、ここで当たった出典では確かめられていない。 ルームミラーの付け根まわりを自分の目で見て確かめる。
電源の取り方3つを比べる
| 電源の道 | 作業の手間 | 気をつけること |
|---|---|---|
| シガーソケット | 差すだけで、最も簡単 | センターコンソールのソケットから取ると電源コードが見える |
| 室内のヒューズボックス | 助手席の足元にもぐって開ける | 配線は隠しやすいが、どのヒューズから取るかを確かめる |
| 天井の配線 | オーナーの報告では、足元より楽だろうと書かれている | 配線への割り込みになり、線の役割は個体で違い得る |
シガーソケットに差せばドラレコ本体に電源を供給でき、取り付けは最も簡単だ。ただしセンターコンソールのソケットから取ると電源コードが見えてしまう。コードが見えても構わないなら、まずはシガーソケットで動作を確かめ、隠す工事は後から考えても遅くない。
E70 のヒューズ配置を解説する海外のサイトでは、シガーライターの系統のヒューズとして97・111・113・115・118番が挙げられている。97番は「シガーライター(20A)」、111番は「前のシガーライター(20A)」、113番は「センターアームレストのシガーライター(20A)」とされ、115番と118番は表で用途が空欄だ。この番号も装備と製造年で違い得るので、自分の車の配置図で確かめる。
ヒューズボックスと天井の配線の道は、次の節から順に見ていく。
E70 のヒューズボックスの場所と開け方
室内(助手席の足元)のヒューズボックス
E70 のヒューズ配置を解説する海外のサイトでは、室内のヒューズボックスは助手席の足元の右側にあるとされている。開け方は、グローブボックスの下にもぐって3本のネジを外し、カバーを外す。その上の右側にある緑のネジを外すと、ヒューズボックスが下へ降りてくる、という手順だ。
荷室のヒューズボックス
同じサイトでは、荷室にもヒューズボックスがあり、荷室の右側の内張りの奥にある(右側の内張りを外して開ける)と解説されている。
どちらの箱でも、ヒューズの数と割り当ては、装備と製造年で違うとされている。 解説サイトも、最新の配置は車に付いてくる冊子で確かめるよう案内している。番号はほかの E70 の例をそのまま使わず、自分の車の配置図と、テスターでの通電の確かめで決める。
電源を取るヒューズの選び方
自動車情報誌ベストカーの記事では、ヒューズボックスから電源を取るときは、アクセサリー(エンジンはかかっていないが、ラジオなどが動く状態)で通電するヒューズを探し、通電は検電テスター(電気が流れるかを発光で知らせる道具)で確かめるよう解説している。ECU(コンピュータ)やエアバッグ(A/BAG)の系統のヒューズは避ける。 どのヒューズから取れるか不安なら、ディーラーに電源が取れるヒューズを尋ねるとよい、ともある。
E70 オーナーの報告も参考になる。海外の X5 E70 オーナー向け掲示板の投稿では、室内のヒューズボックスの3番(サイレンと傾斜センサーの系統)が常時電源として使えたという書き込みが2人からある。2012年式の xDrive35i のオーナーは、空いていた7番を「半ば連動する(semi-switched)」電源として使ったと書いている。どちらも個人の報告で公式の情報ではなく、割り当ては装備と製造年で違い得るので、テスターで確かめてから使う。
同じ掲示板には、室内のヒューズボックスで常時電源は見つかったが、エンジン連動の電源は見つからず、切ってから30分ほどで切れる回路しかなかった、という報告もある。エンジンを切ってもしばらく通電が続く回路がある前提で、通電は切った直後だけでなく、時間を置いてからも確かめる。
天井の配線から電源を取る道
海外の X5 E70 オーナー向け掲示板の投稿では、天井の配線から電源を取った報告もある。2010年の35d のオーナーは、サンルーフのモジュールの大きな黒いコネクター(灰色のコネクターの隣)で、緑/白の線が+12V の連動電源、黒/茶がマイナスだったと書き、テスターで確かめるよう勧めている。別のオーナーは、オーバーヘッドコンソールの配線の緑/白の線と、同じ束の赤/茶の線(常時電源として)に割り込んで使った。足元のヒューズボックスは作業しにくく、天井の配線に割り込む方が楽だろう、と書くオーナーもいる。
線の色と役割は個人の報告で、個体で違い得る。 色だけを頼りに割り込まず、検電テスターで役割を確かめてからつなぐ。配線への割り込みに慣れていないなら、ほかの2つの道を選ぶ方がいい。
アースはボディの金属部に取る
アース(マイナス側)は、車のボディ全体がマイナス線になっているので、ボディのネジやボルトの金属部に取る。塗装は電気を通さないので、塗装や樹脂を貫いて金属に届いている所を選ぶ。
海外の X5 E70 オーナー向け掲示板の投稿では、ダッシュボードの下に分かりやすいアースの場所が無く、ダッシュ下の金属フレームに小さなネジを打ち込んでアースを取った、という報告がある。足元のヒューズボックスから電源を取るなら、アースの場所も一緒に探しておく。
配線を隠して通す手順
コードの通し方
コードを隠す一般の手順は、本体から出ているコードを天井の内張り(ヘッドライナー)とガラスの隙間に押し込みながらフロントガラスの端まで運び、そこでピラーのカバーを外してコードを隙間に収める。その先は足元の電源の位置まで下ろしていく。
E70 のピラーの内側の構造(エアバッグの有無や位置、内張りの外し方)は、ここで当たった出典では確かめられていない。 ピラーのカバーを外す前に、車の取扱説明書や販売店・専門店で確かめ、分からなければピラーの内張りを外さずに済む道を選ぶか、作業をお店に頼む。
作業の順
- 本体の位置を決める(前面ガラスの上部20%以内かルームミラーの陰・検査標章とカメラの視角を避ける)
- 電源の道を決める(シガーソケット・室内のヒューズボックス・天井の配線)
- テスターで、取る電源が常時かエンジン連動かを確かめる
- アースをボディの金属部に取る
- コードを天井の内張りとピラーの中に隠して通す
- エンジンをかけて録画が始まるか、切ったときにどうなるかを確かめる
駐車監視とバッテリー
アクセサリーの状態で長く使うとバッテリー上がりの元になる、と注意されている。駐車中も録画する駐車監視のために常時電源へつなぐときは、バッテリーの電圧が下がったら電源を切る機能を使い、その電圧を設定する。
海外の X5 E70 オーナー向け掲示板の投稿では、天井の配線から常時電源を取ったオーナーの1人が、電源を切る電圧を12.2V に設定し、その方が妥当に思えると書いている。個人の設定例で、推奨の値ではない。
前に挙げた、エンジンを切ってから30分ほど通電が続く回路の報告もある。駐車監視を使わないつもりでも、エンジンを切った後にドラレコがどう動くかは見ておく。
よくある質問
シガーソケットにつなぐだけで使える?
使える。差すだけで電源は取れるが、コードが見える仕上がりになる。エンジンを切った後に電源がどうなるかは、自分の車で確かめておく。
何番のヒューズから電源を取ればいい?
どの E70 にも当てはまる番号は、出典からは言えない。 海外の X5 E70 オーナー向け掲示板では、室内のヒューズボックスの3番が常時電源として使えたという投稿が2人からあるが、個人の報告で、割り当ては装備と製造年で違い得る。番号は自分の車の配置図とテスターで決める(「電源を取るヒューズの選び方」の節)。
本体の位置で車検に通らないことはある?
MOTA や All About の解説が挙げる決まりは、前面ガラスの上縁から開口部の実長の20%以内か、ルームミラーで隠れる範囲だ。この範囲に収め、検査標章に重ねないことが前提になる。迷ったらルームミラーの裏側か同じ高さを目安にする。
自分で付けるか、お店に頼むか
ヒューズボックスや車の配線から電源を取る作業は、車によっては自分でやるのが難しく、自己責任になる、と解説されている。シガーソケットで済ませるなら自分で付けやすい。足元にもぐる作業や配線への割り込みに迷うなら、ディーラーに電源が取れるヒューズを尋ねるか、取り付けをお店に頼む方がいい。
まとめ
最初にやるのは、自分の E70 の現物を見ることだ。助手席の足元のヒューズボックスを開けてヒューズの並びと配置図を見比べ、ルームミラーの付け根に運転支援のカメラが無いかも見ておく。そのうえで車検証の年式を控えておくと、配置図と照らすときの手掛かりになる。
本体は前面ガラスの上部20%以内かルームミラーの陰に付け、電源はシガーソケット・室内のヒューズボックス・天井の配線から選ぶ。どの道を選んでも、つなぐ前にテスターで電源の性質を見る。作業の順は「作業の順」の節のとおりだ。
同じ E70 のほかの記事も参考にしてほしい。

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