F80 のドラレコの付け方は、駐車中も録画したいかと、電源コードが見えても構わないかで分かれる。走行中に録れれば足り、コードが見えてもよいならシガーソケットで済む。配線を隠したい人や駐車監視まで使いたい人はヒューズボックスから電源を取ることになり、BMW の電源管理への配慮も要る。まず自分がどちら側かを決めてから、位置と電源の順に読み進めてほしい。
F80 のドラレコは「位置」と「電源」の2つで決まる
本体はフロントガラスの上部、ルームミラーの周りに付ける。国土交通省の案内では、ドラレコは運転者の視界を妨げないよう保安基準で定められた位置に付けるものとされ、その例に「フロントガラス上部から 20%以内の範囲など」が挙げられている。
電源は、差し込むだけのシガーソケットか、配線を内張りの裏に隠せるヒューズ電源のどちらかから取る。駐車中も録るなら配線は2系統になり、BMW の駐車中の電源管理を意識した確かめ方が要る。バッテリーの警告が出たときに消して済ませないことも、この車で付けるなら最初に覚えておきたい。
対象の F80 と、ミラー周りの純正装備
型式と年式
対象は日本仕様の BMW M3 セダン(F80)。BMW Japan の 2014 年 2 月の発表資料では、2014 年 2 月 19 日にニュー BMW M3 セダンとニュー BMW M4 クーペの注文の受付を全国の正規ディーラーで始め、納車は 2014 年 7 月からの予定とされた。
中古車のガリバーのカタログ情報では、型式は CBA-3C30、エンジン型式は S55B30A、駆動方式は FR、トランスミッションは 7 速 M DCT Drivelogic で、2014 年 7 月〜2019 年 9 月のモデルとしてまとめられている。同じ発表資料の価格表の注記では、M3 セダンの M DCT モデルは右ハンドル仕様で、助手席側は左側になる。
ミラー周りの純正装備
同じ発表資料の主な標準装備には、次の3つが載っている。
| 装備(2014 年発表時点の標準装備) | ドラレコとの関わり |
|---|---|
| ETC 車載器システム(ルーム・ミラー内蔵タイプ) | ドラレコを置くことが多いミラーに ETC が組み込まれている |
| ドライビング・アシスト(カメラで前方を監視) | カメラの取り付け位置は発表資料に書かれていない |
| PDC(フロント&リヤ)/リヤ・ビュー・カメラ | 後退時の確認の装備で、録画する装備としては書かれていない |
これは 2014 年の発表時点の標準装備で、後の年式や特別仕様車まで同じとは限らない。自分の車のミラーとフロントガラスの周りを見て確かめてから位置を決める。
本体を付けてよい位置と、F80 で避けたい位置
上部 20%以内の範囲に収める
All About の取り付け方の解説では、フロントガラスの上部 20%の範囲はおおむねルームミラーに隠れる位置にあたるとされる。そのうえで、レンズはワイパーの拭き取り範囲に入れる。外れると水滴で映像が見づらくなる。ミラーの後ろ側に貼ってあるステッカーとも重ならないようにする。ワイパーの寸法は次の記事にまとめている。
ミラー周りの純正部品をふさがない
F80 は ETC 内蔵のルームミラーと、カメラで前方を監視する運転支援が標準装備だ(2014 年発表時点)。ミラーの周りに純正の装備が集まるので、両面テープで貼る前に本体とステーを仮に当てて確かめる。見るのは次の3つだ。
- 前方カメラの視野にかかっていないか
- ミラーの角度を調整するときに当たらないか
- ETC 内蔵ミラーの本体と配線をふさいだり押したりしていないか
カメラがガラスのどこにあるかは発表資料に書かれていないので、実車で見て判断する。
電源の取り方を比べて選ぶ
電源の取り方は3通りある。向く人で選ぶと迷わない。
| 取り方 | 作業 | 電源コード | 向く人 |
|---|---|---|---|
| シガーソケット | プラグを差し込むだけ | 車内に見える | まず手軽に付けたい人 |
| ヒューズボックス | ヒューズの選び方とアースの取り方を自分で確かめる | 内張りの裏に隠せる | 見た目を整えたい人 |
| 駐車監視用の2系統 | 止めた後も電気が来る系統と、電源の入り切りに連動する系統の両方をつなぐ | 隠す前提 | 駐車中も録りたい人 |
迷うなら、まずシガーソケットで付けて録画の位置と映りを確かめ、配線を隠したくなってからヒューズ電源に移るのが手戻りが少ない。
駐車監視をする場合
駐車中も録画する配線は、いわゆる常時電源と、車の電源の入り切りに連動する電源の2つをつなぐ。ドラレコ販売店 BlackboxMyCar の BMW 向けの配線の解説は、どちらの信号を使うかをその車の正確な情報から特定するよう求めている。見た目の似た BMW の配線例をそのまま写さないことだ。
ヒューズ電源の取り方と、F80 での確かめ方
テスターで通電を確かめる
ベストカーWeb の電源の取り方の解説に沿うと、手順は次のとおり。
- 電気が流れると光る検電テスターを用意する
- エンジンは止めたまま、電装品に通電する状態にする
- テスターを当てて、通電しているヒューズを探す
- 車の電源を切ったときに通電しなくなることを確かめる
- 容量が 15A で、ECU やエアバッグに関わる回路ではないヒューズを選ぶ
エンジンを止めて電装品に通電したままの状態を長く続けると、バッテリーが上がる。調べる回路を先に絞り、テスターを当てる時間は短くする。
使ってはいけない回路
エアバッグ・ブレーキ・ステアリング・エンジン制御に関わる回路は、手軽なアクセサリー電源として使わない。電源を取りやすそうに見えても、ここは最初から候補から外す。
アースの取り方
マイナス側は、車のボディ全体がマイナス線になっていることを使い、ヒューズボックスの近くのネジやボルトに取る。塗装や樹脂を貫通して金属に届いているものを選ぶ。
配置図の番号を当てにしない理由
海外のヒューズ配置図サイトを見比べると、F80 を含む F30 系の室内側のヒューズボックスの位置の記述が一致しない。一方は助手席側の箱を挙げ、もう一方はエンジンルームと荷室の3か所だけを挙げる。どちらのサイトも、割り当ては年式や装備で変わると断っている。
BMW 向けの配線の解説も、箱の位置だけではどの回路が使えるかは分からないとしている。ネット上の番号ではなく、自分の車のヒューズボックスの表示とテスターで決める。
配線の通し方
ヒューズ電源にするなら、配線は内張りの裏に回して隠す。そのとき気を付けるのは次の3つだ。
- 内張りの裏で配線を挟み込まない
- エアバッグが開く経路をまたぐ通し方をしない
- コネクター・内張りのクリップ・動く部品・整備で開ける所に余裕を残す
ある BMW で示された経路が別の BMW に当てはまるとは限らない。同じ BMW の M モデルの手順も参考にはなるが、内張りの形は自分の車で確かめる。
駐車監視と BMW の電源管理
止めた後の通電を確かめる
BlackboxMyCar の BMW 向けの解説は、電源が切れるかの確認を、車の電源を切った直後ではなく、車両が定める停止の手順を経た後に行うよう勧めている。同じ解説が引く BMW のサービス情報(2018 年 12 月)では、世代と装備によってこの確認の時間が違い、全部の BMW に共通の確認時間は無いとされる。止めてすぐテスターを当てて「切れた」「切れない」と決めない。
警告が出たとき
同じ解説が引く BMW のサービス情報は、駐車中の電流が多すぎる原因の候補に、制御ユニットの不具合と後付けの用品を挙げている。ドラレコだけが原因とは限らない。
バッテリーの警告が出たら、表示された文言と出た時期を記録する。監視が敏感すぎるだけと片付けず、カメラを動かし続けるために監視を迂回したり警告を消したりしない。駐車監視用の外付けバッテリーパックを足しても、車両側にすでにある電気の不具合は直せない。バッテリー自体の状態も合わせて見ておきたい。
取り付け後の確認と日ごろの使い方
付けた後は、録れているかを定期的に確かめる。国土交通省は、記録できていないトラブルは本体よりも SD カードが原因で起こっているとして、事故のときに映像を記録できないこともあるので、各メーカーに問い合わせるとともに映像を定期的に確認するよう呼びかけている。
事故のときは、安全な場所へ移動した後に記録停止のスイッチを押すか電源を抜いて録画を止める。電源が入ったままだと撮り続け、肝心の映像が上書きされるおそれがある(国土交通省の案内)。
自分で付けるか、店に任せるか
DIY での電源取りが難しい車両もあり、自分で行う作業は自己責任になる。シガーソケットで付けるなら自分で十分だが、内装を外す作業とヒューズの選び方に自信がなければ、取り付けを店に任せるほうがよい。
本体を選ぶときは、国土交通省の案内にあるとおり、販売者の連絡先や適切な保証期間、適切な性能表示があるものを選ぶ。
よくある質問
ミラーの裏ならどこに付けてもよい?
よくない。国土交通省の案内の範囲(フロントガラス上部から 20%以内の範囲など)に入れたうえで、ワイパーの拭き取り範囲・ステッカー・ETC 内蔵ミラーと前方カメラ(2014 年発表時点の標準装備)との位置関係を仮当てで確かめる。詳しくは位置の節を見てほしい。
F80 のヒューズの番号は決まっている?
当てにできる番号は無いと考えたほうがよい。海外の配置図サイトを見比べると室内側の箱の位置の記述からして食い違い、割り当ては年式や装備で変わるとされている。自分の車の表示とテスターで決める。
駐車監視でバッテリーは上がらない?
上がらないとは言い切れない。BMW のサービス情報では、駐車中の電流が多すぎる原因の候補に、後付けの用品と並んで制御ユニットの不具合も挙げられている。警告が出たら文言と時期を記録し、消さずに原因を確かめる。
純正のリヤ・ビュー・カメラがあっても後ろのドラレコは要る?
2014 年発表時点の標準装備のリヤ・ビュー・カメラは後退時の確認の装備で、録画する装備としては発表資料に書かれていない。後ろの映像も残したいなら、ドラレコ側で後方を撮る構成を考える。自分の車に付いているかは実車で確かめる。
まとめ:取り付け前に見直す4つの項目
- 本体の位置は国土交通省の案内の範囲(フロントガラス上部から 20%以内の範囲など)に入り、ETC 内蔵ミラーと前方カメラ(2014 年発表時点の標準装備)をふさいでいないか
- 電源はシガーソケットかヒューズ電源か、駐車監視をするかを決めたか
- ヒューズは番号ではなく、表示と検電テスターで通電を確かめて選んだか
- バッテリーの警告が出たら記録し、消して済ませない段取りになっているか
同じ F80 の手入れや用品選びは、次の記事にまとめている。

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