BMW M3 E90 にドラレコを付けるとき起きやすいのが、ネットで見つけたヒューズの配置表をそのまま自分の車に当てはめ、狙いと違うヒューズから電源を取ってしまう失敗だ。ヒューズの配置は年式や仕様で変わるので、番号は必ず自分の車の一覧で決める。そのうえで、カメラの位置の決まり、電源の取り方、コードを通す前のエアバッグの確認を順に押さえれば、作業の全体が見えてくる。
M3 E90 のドラレコは「位置・電源・エアバッグ」の3つを先に決める
作業に入る前に決めておくことは3つだけだ。
| 決めること | 押さえる中身 |
|---|---|
| カメラの位置 | 国交省が案内する保安基準の位置(例は上部から20%以内の範囲など) |
| 電源の取り方 | シガーソケットか、グローブボックスの奥のヒューズか |
| コードの通し方 | 天井やピラーに通す前にエアバッグの位置を確かめる |
位置は国土交通省の案内の例に収め、電源はシガーソケットかグローブボックスの奥のヒューズから取る。天井の内張りやピラーのカバーへコードを通すのは、エアバッグの位置を確かめてからにする。この順番を崩さなければ、大きな失敗はまず避けられる。
作業の前に知っておきたい M3 E90 の成り立ち
BMW の 2007 年の発表資料(米国向け)では、M3 セダンは 4 ドアの M3 で、排気量 3,999cc(4.0L)の V8 エンジンを積み、後輪を駆動する。自動車情報サイトの記事によると、4 代目 M3(E90・E92・E93)のうち、M3 セダンは 2008 年 3 月に初めて日本へ正規輸入された。
ドラレコの配線で関わるのはエアバッグだ。BMW の発表資料によると、M3 セダンは 6 つのエアバッグを備え、運転席と助手席は前面のエアバッグとシートの背もたれに収めたサイドエアバッグで守られる。さらにカーテン式ヘッドエアバッグが前席と後席外側の乗員を守る。ただしこの資料は米国向けで、日本仕様の装備の違いはこの資料からは分からない。
カメラを付ける位置の決まり
国土交通省の案内では、ドライブレコーダーは運転者の視界を妨げないよう、保安基準で定められた位置に付けるよう求めている。その例として挙げているのが「フロントガラス上部から20%以内の範囲など」だ。「など」が付いた例で、これが唯一の範囲とは書かれていない。
取り付け方の解説記事では、フロントガラス上部の範囲はルームミラーに隠れる位置にあたるとし、カメラはワイパーの拭き取り範囲に入る位置に付けることが重要だとしている。ルームミラーの裏に寄せ、本体を貼り付ける前にワイパーを動かして、拭き取られる範囲にレンズの前が入るかを見ておくとよい。
拭き取りが弱っているとカメラの前にも汚れが残る。ワイパーそのものの選び方は、同じ E90 世代の 3 シリーズの記事が参考になる(M3 に合うサイズは自分の車で確かめる)。
電源はシガーソケットかヒューズボックスか
ドライブレコーダーの電源の取り方は2通りある。
シガーソケットから取る
差し込むだけなので簡単だ。その代わり電源コードが見えてしまい、見た目は良くない。
ヒューズボックスから取る
専用の部品を使えば、知識が少なくても対応しやすいと解説されている。ただしヒューズの選び方・向き・アースの確かめが要り、作業の手間とリスクは増える。
どちらを選ぶか
手軽さを取るならシガーソケット、コードを見せずにすっきり仕上げたいならヒューズボックスで選ぶ。迷うなら、まずシガーソケットで付けて位置と映り方を決め、そのあとヒューズ電源に移すのが無駄のない順番だ。どちらの方法でも、ACC のまま長く置くとバッテリーが上がる点は後の節で触れる。
E90 の室内ヒューズはグローブボックスの奥
整備情報サイトの解説(M3 を含む 2004〜2013 年の 3 シリーズが対象)では、E90 世代の 3 シリーズはヒューズの場所が 1 か所ではなく 3 か所あり、室内のヒューズはダッシュボードのグローブボックスの奥にある。
パネルの外し方
同じ解説の手順は次のとおりだ。
- 助手席側のドアを開け、グローブボックスを開ける
- 奥にある樹脂の丸いネジ 2 つを、反時計回りに回して外す
- パネルを外す
- 奥のヒューズは手が届きにくいので、抜くときはヒューズ抜きを使う
ヒューズの一覧は自分の車で確かめる
ヒューズの配置は、生産年や仕様、付いているオプションで変わる。解説記事に載っている表を当てはめず、ヒューズのカバーの裏か、ヒューズボックスに入れてある紙のヒューズの一覧で確かめる。
電源に使うヒューズの選び方と検電
使うのは、アクセサリー(ACC)の状態で通電し、キーを OFF にすると通電しないヒューズだ。ECU(コンピューター)やエアバッグにつながっているヒューズは使わない。自動車情報誌の解説では「アクセサリー」や「ラジオ」のヒューズが理想的とされている。候補の位置は、まず取扱説明書の「ヒューズ」の項目で見当を付ける。
検電テスターの当て方
検電テスターのクリップを車体のネジ山やボルトに付け、先端をヒューズの金属部分に当てて通電を見る。塗装や樹脂は電気を通さないので、クリップは塗装を貫いているネジ山に付ける。
候補をしぼる順番
- キーを OFF にした状態で通電するヒューズを調べ、候補から除く
- 残りの中から、ACC の状態で通電するヒューズを探す
この順で調べると、キーを切っても電気が流れ続けるヒューズを誤って選ばずに済む。
ヒューズ電源の付け方とアースの取り方
ヒューズ電源の部品を挿す
ヒューズ電源タイプの部品は、目当てのヒューズと差し替えて使う。差し替えるヒューズは元と同じアンペア数にする。違うアンペア数にすると発火の原因になりうる。形状も平型・ミニ平型・低背があるので、車に合う同じ形状のものを選ぶ。
二股のうち、コードが分岐している側を電源側に挿す。どちらが電源側かは、ヒューズを抜いた状態でエンジンをかけ、2 つの金属部分に検電テスターを当てて光ったほうで見分ける。
アースは塗装されていない金属に
マイナス側(アース)の端子は、塗装されていない車体の金属部分のネジ山やボルトへ確実に接続する。余ったコードは束ねて、フロアマットの下などに隠す。
コードの隠し方とエアバッグの確認
M3 セダンはカーテン式ヘッドエアバッグを持つが、BMW の発表資料はエアバッグの収納位置までは書いていない。天井の内張りの縁やピラーのカバーの内側へコードを通す前に、車両の取扱説明書や販売店で、エアバッグの位置とコードを通してよい経路を確かめる。
確かめが取れてからの一般的な隠し方は次のとおりだ。
- 本体から出ているコードを、天井の内張り(ヘッドライナー)の隙間に入れていく
- フロントガラスの端まで来たら、ピラーのカバーを外してコードを隙間に収める
- 下からコードを出し、マットの下を通す
どの段階でも、コードは無理に押し込まない。
バッテリーの場所と、上がらせないための注意
整備情報サイトの解説では、E90 世代の 3 シリーズのバッテリーはトランクの右側、内張りの奥にある。エンジンルームの右側、ジャンプスタート用の端子の近くにも配電の点がある。場所は作業の前に知っておくと慌てない。
長い時間 ACC の状態のままにしておくと、バッテリーが上がる。取り付けのあと、映り方や設定を確かめる間も ACC のまま放置しない。バッテリーの交換が必要になったときは次の記事が参考になる。
自分で付けるか、プロに頼むか
ヒューズボックスからの電源取りは自己責任の作業で、車種によっては DIY での電源取りが難しい。多少のリスクが伴うので、自信がなければプロに任せるのが賢明だと解説されている。
M3 E90 で手が止まりやすいのは、手の届きにくいグローブボックスの奥のヒューズと、コードを通す前のエアバッグの位置の確認だ。シガーソケットで付けるなら自分で、ヒューズ電源と天井・ピラーへの配線まで行うなら、エアバッグの位置と通してよい経路を確かめられないうちはプロに頼む。この線引きで判断すれば迷わない。
よくある質問
どのヒューズ番号から電源を取ればよいか
番号はここでは挙げない。配置が年式や仕様で変わるので、自分の車のヒューズの一覧で「アクセサリー」や「ラジオ」のヒューズを探し、検電テスターで ACC で通電しキー OFF で通電しないことを確かめてから決める。
カメラはフロントガラスのどこまで下げてよいか
国土交通省の案内が例に挙げるのは「フロントガラス上部から20%以内の範囲など」だ。迷ったらこの例の範囲に収め、ルームミラーの裏に寄せたうえで、ワイパーの拭き取り範囲に入る位置にする。
エンジンを切っても録画させたいときの注意は
ACC で通電するヒューズから取ると、キーを OFF にした時点で電源は切れる。録画させたいからといって ACC のまま車を離れると、バッテリーが上がる。駐車中の録画に対応した配線と、それでバッテリーが上がらないかどうかは、ドラレコの取扱説明書や取り付け店で確かめる。
元のヒューズと違うアンペア数にしてよいか
しない。ヒューズ電源の部品に差すヒューズは、元と同じアンペア数・同じ形状にする。
まとめ
まず電源の取り方をシガーソケットかヒューズボックスかの1つに決め、そのうえで自分の車のヒューズの一覧と取扱説明書で最終確認してから手を動かす。
- 位置は国交省の案内の例(上部から20%以内の範囲など)に収め、ワイパーの拭き取り範囲に入れる
- E90 世代の室内ヒューズはグローブボックスの奥にあり、番号は自分の車の一覧で決める
- 天井やピラーへコードを通す前に、エアバッグの位置と通してよい経路を確かめる
同じ M3 E90 のほかの整備も、手順を確かめてから進めたい。

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