BMW M2(G87)にドラレコを後付けするとき、付ける位置と電源の取り方は、乗っている年式と駐車監視を使うかどうかで答えが変わる。2024年10月に発表された一部改良モデルはカメラとレーダーを使う先進安全機能を標準で備えるので、フロントガラスの取付位置はそのカメラの視界を避けて決める。駐車中も録画したいなら常時電源が要り(一部のバッテリー内蔵モデルを除く)、走行中だけ録れればよいならシガーソケットで足りる。まず自分の車がどちら側かを確かめてから、手順へ進んでほしい。
M2 G87 のドラレコ取り付けで先に決める3つのこと
作業に入る前に、次の3つを決めておくと手戻りが少ない。
- 取付位置: ルームミラー裏の周辺で、先進安全機能のカメラの視界に入らない場所
- 電源: シガーソケット(ACC)か、ヒューズボックスからのヒューズ電源。駐車監視を使うなら常時電源
- 配線: フロントガラスと天井の隙間に押し込み、ピラーの中を通して電源まで引く
3つのうち、M2 で一番気をつけたいのは取付位置だ。一部改良モデルはカメラを使う先進安全機能を標準装備するので、ドラレコの位置がそのカメラの視界と重ならないようにする。
2シリーズ クーペ(G42)向けの手順は、次の記事にまとめている。
自分の M2 G87 が改良の前か後かを確かめる
G87 は2代目の M2 にあたる。初代の M2 は2016年に発表された。
新型 M2 の日本導入を伝えた報道によると、2代目の受注は2023年2月27日に始まり、納車は同年4月からの予定とされた。トランスミッションはドライブロジック付きの8速 M ステップトロニックで、6速 MT も用意された。この導入時のモデルについて、報道は衝突回避・被害軽減ブレーキ(事故回避ステアリング付)やパーキングアシストなどを備えると伝えている。
BMW の発表資料によると、一部改良した M2 は2024年10月29日に全国の BMW 正規ディーラーで注文の受付が始まり、納車は同年11月からの予定とされた。最高出力は480PS(353kW)/6,250rpm だ。この一部改良モデルは、カメラとレーダー、プロセッサーを使う先進安全機能「ドライビング・アシスト」と、駐車を助けるパーキング・アシスタントを標準装備する。
一部改良モデル(2024年10月発表)の標準装備が、2023年の導入時のモデルにそのまま当てはまるとは限らない。改良前の車でフロントガラスまわりにどんなカメラが付いているかは、取扱説明書かディーラーで確かめる。
純正・車載カメラの録画機能・市販品の3つから選ぶ
後付けの前に、BMW 側の選択肢も知っておくと選び直しが減る。比べ方は次の3つだ。
- BMW の純正アクセサリー(Advanced Car Eye 3.0 Pro): 前後のカメラと、レーダーを使う駐車中の録画。日本での取り扱いと適合はディーラーで確かめる
- 車載カメラを使う BMW の録画機能: パーキング・アシスト・プラスの装着が前提で、M2 G87 で使えるかはディーラーで確かめる
- 市販のドラレコを後付け: 取付位置・電源・配線を自分で決める。後の手順はこの方法を前提にしている
BMW の純正アクセサリー「Advanced Car Eye 3.0 Pro」
BMW の海外の公式サイト(BMW ベトナム)の案内では、Advanced Car Eye 3.0 Pro はフロントガラスに付ける QHD(2,560×1,440ピクセル)のカメラと、リアウインドウに付けるフル HD(1,920×1,080ピクセル)のカメラの組み合わせだ。振動や関連する動き、衝撃を検知すると駐車中も自動で録画し、衝撃は G センサーで、周囲の動きはレーダーで検知する。ほぼすべての BMW 車種で使えると説明されている。
ただし同じ案内には、日本での取り扱いと、M2 G87 への個別の適合の記載が無い。純正品を考えるなら、日本の BMW 正規ディーラーで取り扱いと適合を確かめる。
車載カメラを使う BMW の録画機能
BMW の録画機能の発売を伝えた報道によると、BMW には駐車支援機能「パーキング・アシスト・プラス」用の前後左右の車外カメラをドライブレコーダーとして使う機能があり、日本では2019年11月に BMW コネクテッド・ドライブ・ストアでのオンライン販売が始まった。追加のカメラは要らず、エアバッグが作動するような大きな衝撃を受けたときに前後20秒ずつ合計40秒間、車両の周囲360度を自動で記録し、手動でも最大40秒間記録できる。当時の対象は3シリーズ(パーキング・アシスト・プラス装着車のみ)・7シリーズ・8シリーズ・X5・X7の5モデルだった。
この機能はパーキング・アシスト・プラスの前後左右のカメラが前提で、2019年の対象車種に M2(G87)は入っていない。2024年10月の BMW の発表資料にも、ドライブ・レコーダーとパーキング・アシスト・プラスについての記載は無い(標準装備として書かれているのはパーキング・アシスタント)。M2 G87 でこの録画機能が使えるかは確かめられていないので、自分の車の装備とあわせて BMW 正規ディーラーで確かめる。
市販のドラレコを後付けする
ディーラーで純正の2つが使えないと分かったときや、カメラの数・駐車監視の有無を自分で選びたいときは、市販品の後付けが現実的だ。取付位置・電源・配線はすべて自分で決めることになるので、次の節から順に押さえていく。
フロントガラスの取付位置の決まりとカメラの避け方
自動車情報サイトの解説では、フロントガラスに付ける機器は、道路運送車両の保安基準の細目を定める告示の第39条(窓ガラス)により、ガラス開口部の実長の20%以内の範囲か、ルームミラーで遮られるフロントガラスの範囲に付けなければならないとされる。ルームミラーの裏側か、ルームミラーと同じ高さに付ければ問題ないとも解説されている。
同じ解説は、最適な位置を「ルームミラー裏側周辺で、衝突被害軽減ブレーキ用のカメラの視角に入らない場所」とし、カメラの視角にドラレコが入るとその機能に支障をきたすおそれがあるとしている。一部改良モデルの M2 はカメラを使う先進安全機能を標準装備するので、ドラレコ本体と配線は、そのカメラの視界を避けて付ける。M2 のカメラの正確な位置と視界の範囲は出典では確かめられていないので、取扱説明書やディーラーで確かめてから位置を決める。改良前の車でも、フロントガラスにカメラがあれば同じように避ける。
もう1つ、ドラレコ本体が検査標章(車検ステッカー)に重なる位置は撮影の支障になるので外す。
フロントガラスまわりを触るついでにワイパーも替えるなら、サイズは次の記事で確かめられる。
電源の取り方と G87 のヒューズボックスの場所
電源の取り方は2つある。駐車監視を使うかどうかで選ぶのが早い。
シガーソケット(ACC)から取る
シガーソケットに挿す方法は、配線の加工が少なく手軽だ。ただし ACC 電源なので、駐車監視には使えない。走行中の録画だけで足りるなら、この方法で十分だ。
ヒューズボックスからヒューズ電源で取る
ヒューズ電源で取る方法は、コードを内張りの中に隠せ、常時電源のヒューズを選べば駐車監視も使える。駐車監視機能を使うには、エンジンが止まっていても通電する常時電源から電源を取る必要がある(一部のバッテリー内蔵モデルを除く)。ヒューズ電源タイプの電源ソケットを使えば、ヒューズから分岐させたコードの先にシガーソケットを作れる。
常時電源とアクセサリー電源を取り違えると、バッテリー上がりを起こす。駐車監視を使うならこの方法を選び、どのヒューズが常時電源かを先に確かめておく。
G87 のヒューズボックスの場所
ヒューズ配置の解説サイトによると、G42・G87(2021〜2024年)のヒューズとリレーのボックスは、助手席側のグローブボックスの下と、運転席側のインストルメントパネルの下にある。荷室の右側の保護カバーの下には、メインのヒューズとリレーのボックスがある。G87 で当てはまるのは2023〜2024年の車で、2025年以降の年式はこの解説の対象年に入っていない。
同じ解説サイトは、各ヒューズの用途は製造年・電装品の装備・納車先の地域によって図と異なることがあると注意している。どのヒューズから電源を取るか(ACC か常時電源か)は、自分の車のヒューズの割り当て表かディーラーで確かめてから決める。
作業前にそろえる道具
作業を始めてから足りない物に気づくと、外したカバーを戻せないまま止まることになる。先にそろえておきたい道具は次のとおりだ。
- ドライブレコーダー本体
- シリコンオフ(パーツクリーナーやアルコールでもよい)とウエス
- 内張り剥がし
- 養生テープ
- ヒューズプライヤー
- ヒューズ電源コネクター
- 増設ソケット(シガーソケットタイプの場合)
- 電工ペンチとギボシ端子
- 必要に応じて結束バンド、配線クリップ、エプトシーラー
ヒューズ電源コネクターは、割り当て表で使うヒューズを決めてから用意する。
取り付けと配線の手順
ここからは市販のドラレコをヒューズ電源で付ける流れを、5つの手順で示す。
手順1 貼る面を脱脂して本体を貼る
貼る面の油分やほこりを、シリコンオフ(またはアルコール)とウエスで落とす。脱脂が済んだら、前の節で決めた位置にドラレコ本体を貼る。
手順2 養生してピラーのカバーを外す
ダッシュボードなど周辺を養生テープで養生し、内張り剥がしでピラーのカバーを外す。左右どちらのピラーを使うかは、電源を取る側が運転席側か助手席側かで決める。
手順3 天井とピラーの中に配線を通す
配線はフロントガラスと天井の隙間に押し込み、ピラーの中を通す。念入りに通すなら、経路はフロントガラス上部→A ピラーの樹脂カバーの内部→A ピラー下部→内張りの内部→ヒューズ電源からのコード、の順になる。
手順4 ヒューズボックスから電源を取る
グローブボックスなどを外してヒューズボックスに近づき、ヒューズ電源コネクター(ヒューズ電源タイプの電源ソケット)を目当てのヒューズと差し替えて電源を取り出す。元のヒューズと異なるアンペア数のものには差し替えない。最悪の場合は発火の原因になる。
手順5 余ったコードをまとめて隠す
余ったコードは束ねて、フロアマットの下などに隠す。
配線で気をつけること
カーテンエアバッグの展開を妨げない
他社(ホンダ)の取扱説明書では、サイドカーテンエアバッグが正常に作動しなかったり、作動時に物が飛んだりするおそれがあるとして、フロントガラス・ドアガラス・各ピラーのまわりにアクセサリーを取り付けないよう、また収納部に衝撃を加えないよう注意している。これは BMW の取扱説明書の記載ではない。それでも、カーテンエアバッグを備える車でピラーの中に配線を通すときは、収納部や展開を妨げないように通し、外したカバーは元どおりに固定する。M2 での注意は、M2 の取扱説明書やディーラーで確かめる。
ヒューズと電源の種類を取り違えない
差し替えるヒューズは元と同じアンペア数にし、常時電源と ACC を取り違えない。どちらも、確かめずに進めると発火やバッテリー上がりにつながる。
自信がなければプロに任せる
車から電源を取る作業には、多少なりともリスクが伴う。ピラーのカバーやグローブボックスを外す作業に自信がなければ、無理をせずショップやディーラーに任せたほうがよい。
よくある質問
駐車監視を使うには何が要る?
エンジンが止まっていても通電する常時電源から電源を取る必要がある(一部のバッテリー内蔵モデルを除く)。取り方は「電源の取り方と G87 のヒューズボックスの場所」の節を見てほしい。
M2 に純正のドライブレコーダーはある?
BMW には純正アクセサリーの Advanced Car Eye 3.0 Pro があるが、案内している BMW ベトナムの公式サイトには、日本での取り扱いと M2 G87 への個別の適合の記載が無い。車載カメラを使う BMW の録画機能も、M2 G87 で使えるかは確かめられていない。どちらも BMW 正規ディーラーで確かめる。
どのヒューズから電源を取ればいい?
番号は車によって変わりうるので、決め打ちはしない。ヒューズの用途は製造年・電装品の装備・納車先の地域で違うことがあるため、自分の車のヒューズの割り当て表かディーラーで、ACC か常時電源かを確かめてから選ぶ。
フロントガラスのどこまでなら付けてよい?
告示の第39条(窓ガラス)により、ガラス開口部の実長の20%以内の範囲か、ルームミラーで遮られるフロントガラスの範囲に付ける。そのうえで、先進安全機能のカメラの視界と車検ステッカーを避けた場所を選ぶ。
M2 G87 のドラレコ取り付けのまとめ
迷ったら、まず車検証で型式と初度登録年月を確認する。2024年10月29日に注文の受付が始まった一部改良モデルかどうかを見分ける手がかりになり、フロントガラスまわりの装備の前提もそこから変わる。
- 取付位置は告示の範囲内で、先進安全機能のカメラの視界を避ける。カメラの位置は取扱説明書かディーラーで確かめる
- 駐車監視を使うなら常時電源から取る(一部のバッテリー内蔵モデルを除く)。どのヒューズを使うかは、自分の車の割り当て表で確かめる
- 純正の Advanced Car Eye 3.0 Pro と車載カメラの録画機能は、M2 G87 で使えるかを BMW 正規ディーラーで確かめてから後付けと比べる
M2 G87 のほかの手入れは、次の記事にまとめている。

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