BMW M2 G87の社外ホイールやスペーサーを選ぶとき、PCD・ハブ径・ボルトの規格は2023〜2026年のM2 G87の値で確かめられるが、純正のリム幅とオフセットは乗っているモデルで確かめ方が分かれる。海外の適合データベースに純正の値が載っているのは2023〜2025年のM2(前期・後期)で、M2 CSとM2 xDriveの純正サイズは今回の出典では確かめていない。まず自分の車の年式とモデル名を押さえてから、早見表に進んでほしい。
M2 G87のPCD・ハブ径・ボルト規格の早見表
| 項目 | 値 | 出典と対象 |
|---|---|---|
| PCD | 5穴・112mm(5×112) | スペーサーメーカーの製品説明と海外の適合データベースで一致(2023〜2026年のM2 G87) |
| ハブ径 | 66.56mm/66.6mm | 前者はBimmerWorldの製品説明、後者は海外の適合データベース(2023〜2026年のM2 G87) |
| 締結方式・ねじ規格 | ボルト締結・M14×1.25 | 海外の適合データベースとスペーサーメーカーのG87用ボルトで一致(2023〜2026年のM2 G87) |
| 純正の前 | 9.5J×19 ET20・275/35ZR19 | 海外の適合データベースの純正の行(2023〜2025年のM2 G87) |
| 純正の後 | 10.5J×20 ET20・285/30ZR20 | 同上 |
PCDは5×112、ねじはM14×1.25のボルト締結。ハブ径の2つの値は表記の桁の違いで、同じ寸法を指す。M2 G87はハブ側にねじ穴があり、ボルトでホイールを締める方式なので、ナットではなくボルトの規格で部品を選ぶ。
純正は前19・後20インチの前後異径
海外のホイール適合データベースの掲載値では、2023〜2025年のM2 G87の純正(OEM)は前19インチ・後20インチの前後異径で、オフセットは前後とも20mm。違うのは径とリム幅で、後のほうが1J広い。同じデータベースは各行の許容オフセットを18〜22mm(ET20の前後2mm)と載せているが、BMWの公式資料で確かめた範囲ではないので、目安の幅として扱う。
前期と後期で純正の前後サイズとET20の掲載値は同じ
同じデータベースは、M2 G87を2023〜2024年の前期(338kW・460PS)と、2024〜2025年の後期(Facelift・353kW・480PS)の2つのページに分けて載せている。どちらのページも、PCD 5×112・ハブ径66.6mm・ボルト締結・M14×1.25・純正の前後サイズとET20の値は同じだ。ただし、純正の表示の無い前20・後21インチの行は後期(2024〜2025年)のページだけにあり、前期のページには無い(次の節)。
日本では2023年2月27日に新型M2クーペの注文受付が始まり、右ハンドルで、納車は4月からの予定とされた。2024年10月29日には、最高出力を480PS(353kW)に上げたモデルの注文受付が始まっている。
日本仕様の装着サイズは現車で確かめる
国内での注文受付を伝えた報道(2023年2月・2024年10月)には、タイヤサイズ・ホイールサイズの記載が無い。日本仕様の装着サイズは、現車のタイヤ側面の表記とホイールの刻印で確かめる。
オフセット(ET)とリム幅でホイールの位置はこう変わる
オフセット(インセット、ETと表記)は、リム幅の中心線から、ハブへの取り付け面までの距離だ。取り付け面が中心線より外側にあるとプラスで、数値が大きいほどホイールは内側へ入り、小さいほど外側へ出る。
リム幅の1Jは1インチ(25.4mm)。オフセットが同じままリム幅を0.5J広げると、約12.7mmの広がりが内側と外側に半分ずつ、約6.35mmずつ振り分けられる。オフセットを1mm小さくすると、ホイール全体が1mm外へ出る。外側へ何mm出るかは、リム幅の差の半分とオフセットの差を足して見積もる。
たとえば後で紹介するAC Schnitzerの前輪用(10.0J×20 ET17)を、純正の前の掲載値(9.5J×19 ET20)と比べると、リム幅の差0.5Jの半分で約6.35mm、オフセットの差で3mm外へ出る。足すと、外側の縁は約9.35mm外へ出る見積もりだ。社外ホイールを選ぶときは、この足し算で純正からの出方をつかんでおくと、はみ出しの確認に進みやすい。
データベースに載る純正以外の組み合わせ
海外の適合データベースには、純正(OEM)の表示の無い行も載っている。
- 前後とも19インチ: 前9J×19 ET20・後9.5J×19 ET20、タイヤは前後とも275/35R19(前期・後期の両方のページ)
- 前20・後21インチ: 前9.5J×20 ET20(285/30ZR20)・後10.5J×21 ET20(295/25ZR21)(後期=2024〜2025年のページだけ。前期のページには、この行は無い)
なお、スペーサーメーカーの適合一覧では、G87にはM2(2023年〜)のほか、M2 CS(2026年〜)とM2 xDrive(2027年〜)がある。純正の前後サイズとET20の掲載値は2023〜2025年のM2のページの値で、M2 CS・M2 xDriveの純正のホイールサイズは今回の出典では確かめていない。
AC SchnitzerのM2 G87用セットのオフセット
社外の例として、AC Schnitzerの製品ページでは、M2 G87用のホイール&タイヤセットは前20インチ・後21インチの組み合わせになっている。
| セット | 前 | 後 |
|---|---|---|
| AC4(鍛造・2セット) | 10.0J×20 ET17(285/30R20) | 10.0J×21 ET13(295/25R21) |
| AC6(2セット) | 10.0J×20 オフセット17(285/30R20) | 10.5J×21 オフセット10(295/25R21) |
どのセットも純正の掲載値(前後ET20)より小さいオフセットで、前のリム幅も純正の掲載値より広い。
付属する取り付け部品と空気圧センサー
製品ページには、4つのセットにアダプターやホイールボルトなどの取り付け部品が付属する(輸出用と表示されたセットを除く)とある。AC6の2セットは、ホイールハウス内の位置を合わせるスペーサー・取り付けパッケージを別に注文する形で、ドイツでは個別承認(§19.2)による登録。AC4の2セットは「ドイツの型式承認付き」の表示だ。社外ホイールでは、純正のボルトをそのまま使う前提にならない例として見ておきたい。
AC4の2セットとAC6シルバーのセットには、純正の空気圧監視システム(BMWの呼び名はRDC)に対応し、ホイール用のRDCの電子モジュール4個が付くとある。ホイールを替えるときは、空気圧センサーの扱いも確かめる点になる。
AC4のセットは「M2 Coupé G87用」「後輪駆動の車両用」と書かれている。G87には後からM2 xDriveが加わる(スペーサーメーカーの適合一覧で2027年〜)ので、社外ホイールの適合表示が駆動方式を限っていないかも見る。
海外の承認は日本の車検の適合を示さない
ドイツの型式承認や個別承認は、日本の車検に適合することを示すものではない。日本では、装着後にタイヤ・ホイールが車体からはみ出していないかなど、保安基準に合っているかを装着した状態で確かめる。
スペーサーで外へ出すときの注意
スペーサーを入れると、ホイールの取り付け面がその厚みの分だけ外へ移る。ホイールの位置は、オフセットを厚みの分だけ小さくしたのと同じになり、ET20のホイールに10mmのスペーサーならET10相当の位置だ。
ハブのつばが爪状に分かれている
スペーサーメーカーのBimmerWorldの製品説明では、M2 G87のハブの位置決めのつば(ハブリップ)は、全周がつながった形ではなく、爪状に分かれた形だ。同社の10mmスペーサーは、この爪の間にはまる専用のつば(ハブエクステンダー)と組み合わせる2ピースの構造で、平らなスペーサーだけで使ってはいけないと明記している。ハブ・スペーサー・ホイールの間に隙間があってはならず、隙間は破損の原因になる、とも書いている。ハブ径66.56mmに合わせた中心の構造かどうかを、スペーサー選びで最初に見る。
ボルトは厚みに合った長さにする
ボルトで留める車では、スペーサーの厚みの分だけねじのかかりが減るので、厚みに合わせた長いボルトが要る。BimmerWorldのG87用10mmスペーサーのセットには、10mmスペーサーに合わせた長さ40mm・M14×1.25のボルト10本が付き、1セットで1軸(2輪)分。同社は、純正のBMWホイールと、ほとんどの社外ホイールで使える設計と説明している。
ボルトのねじ規格・座面・締め付けトルク
M2 G87のボルトのねじ規格はM14×1.25。ボルトの座面の形(テーパー座・球面座など)は、ホイール側の座面に合わせる。社外ホイールは、ホイールメーカーが指定する、または付属するボルトを使い、純正ホイール用のボルトが合うと決めつけない。
締め付けトルクは、海外のホイール適合データベースがM2 G87(前期・後期とも)について140Nmと掲載している。ただしBMWの公式資料の値は今回の出典で確かめていないので、取扱説明書や整備の資料の指定値で確かめる。本締めは車を下ろしてからトルクレンチで指定値に合わせ、対角の順に締める。走り出してしばらくしたら、緩みが無いかを点検する。
ガイドボルトでホイールの脱着を楽にする
ボルト式の車でホイールを外したり位置を合わせたりするとき、ハブのねじ穴に仮にねじ込んでホイールを沿わせる棒がガイドボルトだ。自分でホイールを脱着するなら、最初にそろえておきたい道具になる。
ガイドボルトを使う脱着の流れ
- ジャッキアップの前にボルトを少し緩める
- ジャッキアップ後、上側のボルトを1本外し、ガイドボルトをハブのねじ穴にねじ込む
- 残りのボルトを外し、ホイールをガイドボルトに沿って外す
- 取り付けは、ホイールの穴をガイドボルトに通してハブに当て、ほかのボルトを手で仮締めする
- ガイドボルトを抜いて最後のボルトを入れ、対角の順に締める
- 車を下ろしてから指定トルクで本締めする
ジャッキアップの位置を含む作業の全体は、次の記事にまとめている。
INEXのホイールガイドボルト
INEXのホイールガイドボルトは、商品名に、ねじ規格M14×1.25・2本入り・シルバー・輸入車のタイヤ交換用のセッティングボルト・BMW M2 G87対応と書かれている。販売ページの商品説明では、ホイールの位置合わせをするときのタイヤの落下などを防ぐための品で、説明書は付かない。
INEX ホイールガイドボルト M14×1.25 2本(BMW M2 G87対応の表記)
INEXのホイールガイドボルトの販売ページの商品説明には、記載のメーカーや車種でも適合サイズが違う場合があるので、買う前に現車のねじのサイズを確かめるよう書かれている。M2 G87のボルトのねじ規格は、海外の適合データベースとスペーサーメーカーの製品説明でM14×1.25なので、商品の表記と照らして確かめてから選ぶ。
ホイール・スペーサーを買う前の確認リスト
M2 G87に社外ホイールやスペーサーを選ぶときは、次の順に確かめる。
- PCDが5穴112mmか
- ホイールの中心穴とハブ径(66.56〜66.6mm)の差と、ハブリングの要否
- ボルトのねじ規格M14×1.25と座面の形、ボルトの長さ
- 前後それぞれのリム幅とオフセット(純正の掲載値は前後ET20)
- 前後のタイヤ外径の組み合わせ
- ブレーキキャリパーとのすき間
- 空気圧センサーの移設・対応
- 装着後の車検の適合
ホイールの中心穴が車両のハブ径より大きい社外ホイールでは、すき間を埋めるハブリングで中心を合わせる。中心穴がハブ径に合わせて作られたホイールなら、ハブリングは不要だ。M2 CS(2026年〜)・M2 xDrive(2027年〜)は、純正のホイールサイズを今回の出典で確かめていないので、4番目は現車の刻印で見る。
同じM2でも先代のF87や、兄弟車のM3・M4の記事・資料の値をそのまま流用せず、M2 G87の行の値で確かめる。M4 G82や先代F87の値は、それぞれの記事で扱っている。
よくある質問
純正のオフセットは前後で違う?
海外のホイール適合データベースの掲載値では、2023〜2025年のM2 G87の純正は前後ともET20で、違うのは径とリム幅(前9.5J×19・後10.5J×20)だ。BMWの公式資料で確かめた値ではなく、M2 CS・M2 xDriveの純正のホイールサイズは今回の出典では確かめていない。
スペーサーを入れるとオフセットはどうなる?
厚みの分だけオフセットを小さくしたのと同じ位置になる。ET20のホイールに10mmのスペーサーならET10相当だ。厚みに合わせた長いボルトが要る。M2 G87のハブのつばは爪状で、BimmerWorldの製品説明は平らなスペーサーだけで使ってはいけないとしている(スペーサーの節)。
社外ホイールに純正のボルトは使える?
ボルトの座面の形はホイール側に合わせるもので、純正ホイール用のボルトが合うと決めつけない。ホイールメーカーが指定する、または付属するボルトを使う。AC SchnitzerのM2 G87用の4つのセットのように、取り付け部品が付属する(輸出用と表示されたセットを除く)例もある。
ハブリングは必要?
ホイールの中心穴がハブ径より大きい社外ホイールなら使い、中心穴がハブ径に合わせて作られたホイールなら要らない。
まとめ
まずホイールやスペーサーの候補を1つに絞り、そのメーカーが出す適合情報で最後に確かめる、という順で進めたい。照らす値は、2023〜2026年のM2 G87のPCD 5穴112mm、ハブ径66.56mm(海外の適合データベースでは66.6mm)、M14×1.25のボルト締結だ。純正は、海外の適合データベースの掲載値で、2023〜2025年のM2が前19・後20インチの前後とも ET20。M2 CS・M2 xDriveは純正のホイールサイズを今回の出典で確かめていない。
ホイールのついでに、ほかの整備も見直すなら、次の記事も参考にしてほしい。
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