SAI(AZK10)のタイヤ交換でジャッキを掛ける所は、SAI のオーナーが書いた整備ブログでは、前がフロントバンパーの下からのぞいて見える所(フロアジャッキで前を上げる位置)、後ろがリアバンパーの下から車体をのぞき込むと分かる突起の所だ。ただし正確な位置と車載ジャッキを掛ける位置、ナットの締め付けトルクは、自分の車の取扱書で照らしてから作業する。交換の流れは、輪止め→ナットを少し緩める→少し浮かせる→付け替え→下ろして本締め→走った後の増し締め、の順になる。
SAI AZK10 のジャッキポイント早見表
| 上げる所 | SAI のオーナーの記録で掛けた所 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 前(フロアジャッキ) | フロントバンパーの下からのぞいて見える所(位置は写真で紹介) | 自分の車で見て、取扱書で照らす |
| 後ろ | リアバンパーの下から車体をのぞき込むと見える突起 | 自分の車で見て、取扱書で照らす |
| 横(サイド) | 整備ブログには書かれていない | 取扱書で指定された部位を確かめる |
| 掛けない所 | サイドスカート・アンダーカバー(プラスチック製) | ― |
トヨタの公式FAQでは、ジャッキを掛ける位置を「取扱書で指定された部位」、ナットを締める順序(対角線)と仕上げに締めるトルクを「取扱書記載」としていて、FAQ自体には位置もトルクの値も載っていない。SAI のジャッキの位置と締め付けトルクの値は、自分の車の取扱書で確かめる。 オーナーの記録は位置を探す手掛かりにして、最後は取扱書の図で照らす、という順で進めるのがよい。
対象の SAI(AZK10)と純正タイヤサイズ
SAI(型式 AZK10)は2009年に発売され、2017年11月に販売を終えた FF(前輪駆動)のハイブリッドのセダンで、エンジンは2.4Lの2AZ-FXE。2013年8月に大きなマイナーチェンジを受けている。カタログの生産期間は2009年12月〜2017年11月で、カタログで確かめたグレードの型式は DAA-AZK10。この AZK10 を対象に手順をまとめる。
| 純正タイヤサイズ(前後同じ) | カタログで確かめたグレード |
|---|---|
| 205/60R16 | 2.4 S・2.4 S ASパッケージ(2009年12月〜2011年10月生産)、2.4 G Aパッケージ(2013年8月〜2014年3月生産)、2.4 G(2013年8月発売・ホイール16×6.5J)、2.4 G Aパッケージ(2015年5月発売・ホイール16×6.5J)、2.4 S Cパッケージ(2015年5月〜2017年11月生産) |
| 215/45R18 | 2.4 S ツーリングセレクション・2.4 G ツーリングセレクション(2011年11月〜2013年7月生産) |
18インチを確かめたのは2011年11月〜2013年7月生産の 2.4 S ツーリングセレクションと 2.4 G ツーリングセレクションで、ほかの期間・グレードの18インチの設定は確かめていない。 16インチと18インチの違いは次の記事で詳しく扱う。
ジャッキポイントの詳しい位置と掛けてはいけない所
フロントのジャッキポイント
SAI(DAA-AZK10)のオーナーが書いた整備ブログでは、フロアジャッキで前を上げる位置を、フロントバンパーの下からのぞいて見える所として写真で紹介している。文での説明はこれだけで、位置は写真で示されている。筆者自身も、念のため各自で調べるよう断っている。車載ジャッキで掛ける横(サイド)の位置は、このブログには書かれていない。
リアのジャッキポイント
同じ整備ブログでは、後ろを上げる位置を、リアバンパーの下から車体(シャーシ)をのぞき込むとすぐ分かる、突起した所として写真で紹介している。
みんカラに載る SAI(AZK10)のオーナーの整備記録では、前と後ろのジャッキポイントを写真で示したうえで「両側が浮くので平らな場所でやらないといけません」と書いている。この記録が写真で示した前後の位置で上げるなら、記録のとおり平らな場所で作業する。 この記録では、ジャッキの当たる所にゴムシートを挟んでいた。
車体の横(サイド)の印の見つけ方
車の情報サイトの一般的な解説では、車種を限らない見つけ方として、前輪と後輪の間の車体の下部に逆三角形か矢印のマークがあり、その奥のプレスラインに切り欠きがある所をジャッキアップポイントとしていて、ジャッキはこの切り欠きに合わせるとされる。SAI の横の位置とマークの有無は SAI の資料で確かめられていないので、自分の車で印を見て、取扱書で照らす。
ジャッキを掛けてはいけない所
みんカラの整備記録では、サイドスカートやアンダーカバーはプラスチック製なので、そこにジャッキを掛けないよう注意している。SAI のオーナーの整備ブログも、本来ジャッキを掛けてはいけない所に掛けると部品が曲がったり潰れたりすると書いている。一般の解説でも、車体の重さを支える強さが無い所にジャッキを入れると、車体やプレスラインが変形するおそれがあるとされる。位置に迷ったら、掛けずに取扱書を開く。
作業の前の準備
道具と作業する場所
要る道具は、ジャッキ、L型レンチか十字レンチ(ナットの着脱)、トルクレンチ(規定の締め付け力で本締めする)、輪止め、軍手。車体を支えるリジッドラック(ジャッキスタンド)も用意する。JAF は、規定トルクを指定できるトルクレンチを車に積んでおくとよいとしている。
作業は固く平らな、舗装された場所で行う。傾斜のある所でジャッキを使うと、倒れたり曲がったりして事故につながる。砂利や土の上も避ける。
荷室の床下と車載ジャッキを確かめる
作業の前に荷室の床下を開け、積んである物(応急用タイヤか、パンクの修理キットか、ジャッキや工具の有無)を自分の車で確かめておく。SAI に何が積まれているかは SAI の資料で確かめられていないので、中身は取扱書と次の記事で照らす。
車の重さは車ごとに違い、車載のジャッキもその車に合った物が積まれている。別の車のジャッキを使うと事故につながることがあるので、流用しない。
フロアジャッキを選ぶときに照らす値
フロアジャッキを用意するときは、表示の能力(持ち上げられる重さ)と、いちばん下げたときの高さ(最低値)が車体の下に入るかを見る。
照らす値はカタログの車両重量と最低地上高だ。車両重量は、確かめたグレードで1570kg(2.4 S・2.4 S ASパッケージ・2.4 S ツーリングセレクション・2.4 S Cパッケージ)から1590kg(2.4 G・2.4 G Aパッケージ・2.4 G ツーリングセレクション)。最低地上高は、2009年12月〜2013年7月生産の確かめたグレード(2.4 S、2.4 S ASパッケージ、2.4 S ツーリングセレクション、2.4 G ツーリングセレクション)で0.15m、2013年8月以降の確かめたグレード(2.4 G、2.4 G Aパッケージ、2.4 S Cパッケージ)で0.14m。
最低地上高は車体でいちばん低い所の高さで、ジャッキポイントの高さそのものではない。実際にジャッキポイントの下にジャッキが入るかは、自分の車で確かめる。
SAI のタイヤ交換の手順
トヨタの公式FAQでは、地面が固く平らな場所で外すタイヤの対角線上のタイヤに輪止めをし、取扱書で指定された部位にジャッキをセットして持ち上げ、使っている車種専用のホイールナットで取り付けて、対角線の順に2〜3回に分けて締める流れを示している。JAF とブリヂストンの解説も合わせると、細かい順は次のとおり。
ジャッキアップまで
- シフトを P に入れてパーキングブレーキをかけ、外すタイヤの対角線上のタイヤに輪止めをする。
- ホイールキャップがあれば外し、ジャッキアップの前にナットをレンチで反時計回りに少しだけ緩める。固いときはレンチの先を持って体重をかけるが、レンチに足をかけて使わない。
- ジャッキを掛け、タイヤが路面から少し浮く程度まで上げる。高く上げる必要はなく、高く上げるほど不安定になる。
- タイヤを替えられる高さまで上がったら、リジッドラックを掛ける。ジャッキだけで支えていると、外れて車が落ちたときに挟まれる危険がある。 車体の下に体を入れるときも、ジャッキスタンドで車を固定してからにする。
外して付け替える
- ナットを外す。一番上のナットは、ほかを外し終えてから外すと、タイヤが手前に倒れてこない。走ってすぐはホイールやブレーキが熱いので、やけどに注意する。
- 外したタイヤは車体の下に入れておく。ジャッキが外れたときの備えになる。
- ホイールとハブの接触面とネジ部の汚れを拭き取る。ナットははめる前に内側へ息を吹きかけるなどして、異物を噛み込まないようにする。回転方向や装着の向きが決まっているタイヤは、側面の刻印を確かめてから付ける。
- 車種専用のホイールナットを、一番上のナットから手で仮止めする。1カ所ずつ締め切らず、対角線の順に2〜3回に分けて、タイヤがぐらつかなくなるまで仮締めする。
- 車体を下ろしてジャッキを外し、本締めに移る。輪止めは作業がすべて終わってから外す。
ナットやボルトにつぶれ・亀裂・錆がある、手で仮締めしたときに引っかかりがある、というときはトヨタの販売店で点検を受ける。
ナットの締め方と増し締め
対角線の順で本締めする
締める順は対角線の順で、ナットが5〜10個のホイールは星を描くように、4個のホイールは十字の対角線順に締める。地面に近い位置のナットから締め始める、という解説もある。本締めは車体を下ろしてジャッキを外してから、トルクレンチで2〜3回に分けて対角線順に行う。整備士は、まず規定トルクの半分の値で各ナットを締め、そのあと規定トルクに合わせて締めている。
規定トルクの値は SAI の資料で確かめられていないので、取扱書の値に合わせる。 強く締めすぎるとボルトが破損するおそれがあり、トルクレンチを使わずに手で締めると、締め付けの不足や締めすぎを招いて脱輪の危険がある。トルクレンチが無いときは、早めにガソリンスタンドや整備工場で規定トルクの本締めを頼む。
走った後の増し締め
タイヤを替えたら、50〜100kmほど走った後にナットを点検し、必要なら締め直す。ブリヂストンも約100km走った後にトルクレンチで緩みを点検するとしていて、走ると部品がなじんで初めの緩みが出ることがあるためと説明している。
交換の後の点検
交換の後は、空気圧が車両指定の値になっているかを確かめ、足りなければ入れる。保管していたタイヤは空気が抜けていることがあり、SAI のオーナーの整備ブログでも、保管していたタイヤが全部、適正な空気圧を下回っていたと書かれている。履き替えたら、空気圧を合わせるところまでで交換を終える。
試運転は急発進や急なコーナリングを避けて走り、振動や異音が無いかを見る。トヨタの公式FAQは、交換の後にいつもと違う音などの異常を感じたら、すぐトヨタの販売店に相談するよう案内している。音の出どころの見当をつけたいときは次の記事も役に立つ。
自分で作業しないときの頼み先
工具や応急用タイヤが無いとき、作業に自信が無いときは、無理をせず JAF に頼める。JAF の会員なら24時間、無料で依頼できる。 応急用(テンパー)タイヤはあくまで応急用なので、パンクしたタイヤは早めに修理し、直せないときは交換する。
作業する場所を確保できないときや、手順に不安があるときは、タイヤ専門店に任せる。トルクレンチが無く本締めだけ頼みたいときは、ガソリンスタンドや整備工場でよい。
よくある質問
車載ジャッキはどこに掛ければいい?
取扱書で指定された部位に掛ける。上で触れた SAI のオーナーの整備ブログは前と後ろを上げる位置を写真で示したもので、車載ジャッキで掛ける横(サイド)の位置は、このブログには書かれていない。印の一般的な見つけ方は上の節のとおりで、SAI での位置は自分の車の印と取扱書で照らす。車載ジャッキが積まれているかどうかも、作業の前に荷室の床下で確かめておく。
SAI のホイールナットの締め付けトルクは?
トヨタの公式FAQは締め付けのトルクを「取扱書記載」としていて、SAI の値は確かめられていない。取扱書の値に合わせ、トルクレンチで締める。
18インチのグレードでも手順は同じ?
18インチ(215/45R18)を確かめたのは、2011年11月〜2013年7月生産の 2.4 S ツーリングセレクションと 2.4 G ツーリングセレクション。トヨタの公式FAQ・JAF・ブリヂストンの手順はタイヤの大きさで分けておらず、同じ順で進めてよい。
増し締めはいつすればいい?
交換してから50〜100kmほど走った後に行う。ナットを点検し、緩んでいれば取扱書の規定トルクで締め直す。
まとめ
作業の前に、まず車検証で型式と初度登録年月を確認する。型式が AZK10 なら対象で、年月は2013年8月のマイナーチェンジの前か後かを見分ける手掛かりになる。
- ジャッキは、オーナーの整備ブログでは前がフロントバンパーの下からのぞいて見える所、後ろがリアバンパーの下から車体(シャーシ)をのぞき込むと分かる突起の所。みんカラの整備記録は、写真で示した前後のジャッキポイントについて両側が浮くので平らな場所でと書いている。プラスチック製のサイドスカートとアンダーカバーには掛けない。
- ジャッキの位置と締め付けトルクの値は、取扱書で確かめる。
- 本締めは車体を下ろしてから行い、50〜100km走ったら増し締めする。
サイドスカートなど外装の部品を前期・後期で見分けたいときは、次の記事を見てほしい。

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