BMW X1 E84 にスタッドレスタイヤ用の中古ホイールを用意するときや、社外ホイールやスペーサーで足元の見た目を変えるときは、穴の位置・中心の穴・ボルト・インセットが合うかどうかで、付くか、はみ出すかが決まる。海外のホイール販売店の車種別適合データでは、E84 は5穴・PCD120・ハブ径72.6mm のボルト留めで、前期と後期で同じ値が載っている。選び方が分かれるのは、グレードごとの純正サイズと、インセットの差のほうだ。
E84 のホイール取り付け寸法と純正17インチのインセット
海外のホイール販売店の車種別適合データ(前期 2009〜2012年・後期 2012〜2015年の両方のページ)に載っている値は次のとおり。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 穴数・PCD | 5穴・PCD120 |
| ハブ径(センターボア) | 72.6mm |
| ねじ | M12×1.5 |
| 留め方 | ボルト |
| 工場装着(OEM)の印がある組み合わせ | 17インチ・7.5J・インセット34mm(ET34)・225/50R17 |
取り付け寸法は前期と後期のページで同じ値で、この適合データの範囲では、年式で PCD やハブ径を分けて考える必要はない。工場装着の行には、オフセットの範囲として 32〜36mm も併記されているが、何を基準にした範囲かの説明は無い。この範囲を選ぶときの目安には使わず、比べる基準は今付いているホイールの数値に置く。
日本仕様のグレードと純正タイヤサイズ
中古車情報サイトのカタログでは、日本で売られた X1(E84)は2010年4月〜2015年10月のモデル。2010年4月から sDrive18i と xDrive25i、2011年10月から xDrive20i と xDrive28i、2012年9月から sDrive20i が加わり、2012年9月以降は各グレードに xライン・スポーツ・Mスポーツがある。同じ sDrive18i でも、カタログの諸元では ABA-VL18(2010年11月〜2013年4月)が17インチ、Mスポーツの CBA-VL18(2012年9月〜2014年4月)が18インチのタイヤサイズになっている。
17インチ(前後同じサイズ)のグレード
| グレード | 型式 | 期間 | タイヤサイズ |
|---|---|---|---|
| sDrive18i | ABA-VL18 | 2010年11月〜2013年4月 | 前後 225/50R17 |
| xDrive25i | ABA-VL25 | 2010年11月〜2013年4月 | 前後 225/50R17 |
| sDrive20i | DBA-VL20 | 2012年9月〜2014年4月 | 前後 225/50R17 |
同じカタログの sDrive18i(2010年11月〜2013年4月)のページは、タイヤサイズが 225/50R17 なのに、装備の欄のアルミホイールが「15インチ標準」となっていて、ページの中で食い違っている。カタログの装備の欄だけでホイールの大きさを決めないほうがいい。
18インチ(前後で違うサイズ)のグレード
| グレード | 型式 | 期間 | タイヤサイズ |
|---|---|---|---|
| sDrive18i Mスポーツ | CBA-VL18 | 2012年9月〜2014年4月 | 前 225/45R18・後ろ 255/40R18 |
| xDrive28i Mスポーツ | DBA-VM20 | 2012年9月〜2014年4月 | 前 225/45R18・後ろ 255/40R18 |
海外の適合データには、18インチとして前 8J×18・ET30(225/45R18)と後ろ 9J×18・ET41(255/40R18)、19インチとして前 8J×19・ET30(225/40ZR19)と後ろ 9J×19・ET41(255/35ZR19)も載っている。これらの行には工場装着の印は付いておらず、日本仕様の Mスポーツの純正ホイールがこの数値かどうかは確かめられていない。
前後で違うサイズの組み合わせは、前と後ろでリム幅もインセットも違う。ホイールは前用と後ろ用を別々に、今の数値と比べる。
自分の車のサイズを確かめる
表に無いグレードやパッケージもあり、型式だけで今のサイズは決まらない。今付いているホイールの表示(リム幅・径・インセット)とタイヤの側面の表示を見て、今の数値を確かめてから比べる。
PCD と穴数が違うホイールは付かない
PCD は、ボルト穴の中心を結んでできた円の直径(mm)のこと。穴数が同じでも PCD が違うとボルトの位置がずれて付けられず、穴数が違うホイールも付けられない。
カー用品の解説サイト COBBY では、国産乗用車の PCD は 100mm か 114.3mm が主流とされている。E84 の PCD120 とは違うので、国産車向けのホイールや PCD の違う中古ホイールは、そのままでは E84 に付かない。中古ホイールを探すときは、まず5穴・PCD120 かを見る。
インセット(オフセット)は今のホイールとの差で比べる
インセットは、リム幅の中心線からホイールの取り付け面(ハブに接する面)までの距離(mm)。2008年に JATMA が呼び名を「オフセット」から「インセット」にそろえた。海外の適合データの ET34 のような「ET」も、同じ値を指している。
ホイールメーカーのウェッズの解説では、インセットはプラスの値ほどホイールが内側寄りに、マイナスの値ほど外側寄りに付く。イエローハットのコラムでは、純正の値よりマイナス側に外れるほどフェンダーからはみ出すおそれがあり、プラス側に外れるとサスペンションやタイヤハウスの内側との干渉が心配になるとしている。
比べる相手は、今付いているホイールのインセット(17インチの純正なら34mm)だ。リム幅が同じなら、インセットの値が小さいほど、その差の分だけ取り付け面に対してホイールが外へ寄る。リム幅も変わるときは、幅の違いでも外側と内側の出方が変わるので、リム幅とインセットの両方の数値で比べる。
ハブ径72.6mm とハブリング
ハブ径(センターボア)は、ホイールの中心の穴の直径。車体側のハブと隙間なくかみ合うことで芯が出る。ホイール側の穴が小さいと付けられず、大きすぎると芯が出にくく、ハンドルの振動につながる。社外ホイールは中心の穴が大きめに作られることが多く、その隙間はハブリングで埋める。
E84 のハブ径は 72.6mm で、イエローハットのコラムでは、社外ホイールで主流のハブ径は 73mm とされている。社外ホイールを選ぶときは中心の穴の径を確かめ、72.6mm より大きければ、その差を埋めるハブリングを合わせて用意する。ハブリングの寸法は、ホイールごとの中心の穴の径で決める。
E84 はボルトで留める方式
レスポンスの解説では、国産車の多くはハブから出ているスタッドボルトにホイールを差し込み、ナットで締める構造。E84 は、海外の適合データでホイールの留め具がボルト(Lug bolts)・ねじ M12×1.5 と示されていて、ボルトをハブにねじ込んでホイールを留める。
ボルトやナットの座面には、テーパー座(60°)・球面座・平面座の種類があり、ホイール側の穴の形と一致しないと正しく締結できない。COBBY の解説では、社外ホイールは 60°テーパー座が主流。社外ホイールに替えるときは、そのホイールの座面に合うボルトかを、ホイールの販売店で確かめる。
ジャッキポイントと交換の手順は、次の記事にまとめている。
フェンダーからのはみ出しの決まり
道路運送車両の保安基準第18条は「回転部分が突出する等他の交通の安全を妨げるおそれのあるものでないこと」と定めている。国土交通省の不正改造の具体例では、タイヤやホイールの車体(フェンダー)外へのはみ出しが挙げられ、歩行者の服などを巻き込むおそれがあるとして、車体より回転部分が突出することを禁止していると説明している。
乗りものニュースの記事によると、2017年6月22日の保安基準の一部改正で、ハンドルを直進の向きにしたとき、タイヤの中心から前方30度・後方50度の範囲で、10mm 未満のはみ出しが認められた。認められたのはタイヤだけで、ホイールやホイールナット、センターキャップなどの回転部分は対象になっていない。
社外ホイールやスペーサーで外へ出す前に、今のホイールのインセットと、フェンダーとタイヤ・ホイールのすき間を測り、ホイールの数値の差とスペーサーの厚みの合計で、どれだけ外へ出るかを見積もる。迷うときは取り付ける店に車を見てもらう。
E84 対応と書かれたホイールスペーサー
レスポンスのスペーサーの解説では、ホイールスペーサーはハブとホイールの間に入れて、ホイールとボディの位置関係を調整する部品で、ホイールをボディの外側へオフセットしたような状態にできる。一方で、レスポンスのハブリングの解説では、スペーサーを入れるとボルトの付け根からホイールの取付面までの距離が長くなり、ボルトにかかる負荷が大きく増えるとしている。厚いスペーサーほど、この距離は長くなる。
E84 用の H&R スペーサーを扱う海外の販売店の製品ページは、スペーサーを使うときはボルトが別に要り、スペーサーの厚みを足した長さにすること、長いボルトを頼むときは座面(コーン)の種類を伝えることを案内している。ボルト式の E84 では、スペーサーを入れたのに純正のボルトのままだと、ねじのかかる長さがスペーサーの厚みの分だけ短くなる。
INEX は同じ品番(W41・W42)で、「X1 I (E84)対応」と「X1 I (E84) 後期対応」の別の販売ページを出している。商品名と商品説明の箇条書きのどちらにも、前期用と後期用で何が違うかの記載は無い。下の W41・W42 は「X1 I (E84)対応」のページなので、自分の車が前期か後期かを確かめ、どちらのページの品が合うかを販売店に問い合わせてから選ぶ。
厚み5mm(INEX W41)
INEX のホイールスペーサー W41 は2枚組で、販売ページの商品説明では PCD120・ハブ径72.6mm・厚み5mm・5穴。商品名には「BMW用 X1 I (E84)対応」とある。外へ出す量を小さく抑えたいなら、こちらから考える。
INEX ホイールスペーサー W41 厚み5mm 2枚組(X1 E84対応)
厚み7mm(INEX W42)
INEX のホイールスペーサー W42 は2枚組で、販売ページの商品説明では PCD120・ハブ径72.6mm・厚み7mm・5穴。商品名には「BMW用 X1 I (E84)対応」とある。測ったすき間に余裕があり、もう少し外へ出したいときの候補になる。
INEX ホイールスペーサー W42 厚み7mm 2枚組(X1 E84対応)
W41・W42 の販売ページにある注意
INEX の W41(5mm)と W42(7mm)は、どちらも販売ページの商品説明で、長いボルトは付いていないので、サイズとねじ径を確かめて別に用意するよう書いている。また、純正のボルトがスペーサーより長く、ホイール側に逃げが無いときは取り付けできない、とも書いている。
スペーサーと一緒に用意する長いボルト
長いボルトは、今のボルトの首下の長さにスペーサーの厚みを足した長さで選び、座面の形を付けるホイールに合わせる。
販売ページの商品説明では、BMW互換品のホイールボルト(10本セット)は、商品名が M12 P1.5・60度テーパー・首下35mm・17HEX・ブラックで、対象として X1 E84 を含む BMW の車種(1シリーズ・3シリーズ・Z4 など)が並ぶ。商品説明の箇条書きでは「ホイール用 ロングボルト」とされ、輸入品のため細かなキズやバリが付いている場合があると書かれている。ねじの表記 M12 P1.5 は、海外の適合データの E84 のねじ(M12×1.5)と同じだ。
この首下35mm が、今のボルトの首下の長さにスペーサーの厚みを足した長さに合うかは、商品名と商品説明の箇条書きのどちらにも書かれていない。今のボルトを1本外して首下の長さを測り、スペーサーの厚みを足した長さと比べてから選ぶ。座面の 60度テーパーが、付けるホイールの座面と同じかも確かめる。
BMW互換 ホイールボルト M12 P1.5 首下35mm 10本セット
よくある質問
前期と後期で PCD やハブ径は違う?
海外のホイール販売店の車種別適合データでは、前期(2009〜2012年)と後期(2012〜2015年)のどちらのページにも、5穴・PCD120・ハブ径72.6mm・M12×1.5 のボルト式と同じ値が載っている。ただし INEX のスペーサー(W41・W42)は前期と後期で販売ページが分かれ、違いの記載が無いので、どちらの品が合うかは販売店に問い合わせる。
国産車用のホイールは付けられる?
COBBY の解説では、国産乗用車の PCD は 100mm か 114.3mm が主流で、E84 の PCD120 とは違う。国産車向けのホイールや PCD の違う中古ホイールは、そのままでは E84 に付かない。
10mm 未満ならホイールがはみ出してもいい?
よくない。乗りものニュースの記事によると、2017年の改正で認められたのは、ハンドルを直進の向きにしたときのタイヤの中心から前方30度・後方50度の範囲での、タイヤの 10mm 未満のはみ出しだけ。ホイールやホイールナット、センターキャップなどの回転部分は対象になっていない。
スペーサーを入れても純正ボルトのままでいい?
ボルト式の E84 では、純正のボルトのままだと、ねじのかかる長さがスペーサーの厚みの分だけ短くなる。E84 用の H&R スペーサーを扱う海外の販売店の製品ページも、厚みを足した長さのボルトを別に用意するよう案内している。長さは今のボルトを測って決める。
まとめ
まず、車検証で型式と初度登録年月を確認する。そのうえで、今付いているホイールとタイヤの表示を見て、次の順に比べていく。
- 5穴・PCD120 か(海外の適合データでは前期・後期とも同じ値)
- ホイールの中心の穴が 72.6mm より大きければ、ハブリングを用意する
- リム幅とインセットを、今のホイール(17インチの純正なら 7.5J・34mm)と比べる
- 座面に合うボルトか。スペーサーを入れるなら、厚みを足した長さのボルトか
- 外へ出る量を見積もり、フェンダーからはみ出さないかを測って確かめる
ホイールもボルトも、今付いている物の数値を測ってから選ぶのが、付かない・はみ出すを避ける近道だ。
次の世代の X1 F48 に乗り換えたときは、ホイールの寸法をその世代の資料で確かめ直す。
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