BMW X1 U11タイヤ交換のジャッキポイントと140N・m

当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

X1 U11 のタイヤ交換は、出先でパンクした車輪を替えるのか、冬タイヤへの履き替えを自分でするのかで、使ってよい道具が変わる。U11 世代の取扱説明書(米国向けの版)の、車載ジャッキで車輪を替える手順では、ジャッキは交換する車輪にいちばん近いジャッキアップポイントのくぼみに差し込み、ホイールボルトは 140 N・m で締める。ただし同じ取扱説明書では、車載ジャッキは故障時の車輪交換のためのもので、季節の履き替えのような頻繁な使用向けではないとされている。自分の用途と、車にジャッキが積まれているかを先に確かめてから読み進めてほしい。

目次

ジャッキはホイールハウス隣のくぼみへ、締め付けは140 N・m

BMW の X1(U11 世代)の取扱説明書(米国向けの版)では、作業の要点は次のとおりだ。

  • ジャッキは、交換する車輪にいちばん近いジャッキアップポイントの長方形のくぼみに差し込む。上げるときに、ホイールハウス(タイヤの収まる車体の切り欠き)の隣のジャッキアップポイントに差し込まれているかを確かめる
  • 持ち上げるのは、交換する車輪が地面から最大 3cm 浮くところまで
  • ホイールボルトの締め付けトルクは 140 N・m(101 lb ft)。対角(クロス)の順に締め、ロックボルトも同じ 140 N・m

あとは当てる場所を間違えないことと、ジャッキで上げている間の安全が作業の中心になる。

対象の車と、手順の出典にした取扱説明書

U11 は F48 の後を継ぐ X1 で、生産は 2022 年 10 月に始まった。日本では 2023 年 2 月 17 日に販売が始まり(当初はガソリン車の xDrive20i の xLine と M Sport)、2024 年 5 月 29 日に sDrive18i が加わった。

手順と数値の出典は、U11 世代の X1 の取扱説明書のうち、米国向けの 2023 年 6 月の版(xDrive28i と M35i xDrive を載せた版)だ。日本仕様の取扱説明書で同じ記載を確かめたものではないので、装備や表記の違いは自車の取扱説明書(車内の取扱説明書を含む)で確かめてほしい。

先代の F48 に乗っているなら、こちらを読んでほしい。

車載ジャッキは季節の履き替え向けではない

取扱説明書では、メーカーが用意するジャッキは故障のときに車輪を交換するためのもので、夏タイヤから冬タイヤへの履き替えのような頻繁な使用向けには作られていないとされている。頻繁に使うと、動かなくなったり壊れたりすることがある。ジャッキは車輪の交換のために車体を短い時間持ち上げるためだけのもので、故障のときに応急用タイヤやスペアタイヤに替える以外に、ほかの車や荷物を持ち上げるのにも使わない。

季節の履き替えを自分でするなら、車載ジャッキに頼らない道具立てを考えたい。X1(E84・F48・U11)のジャッキの当て方を解説するドイツの自動車情報サイトでは、純正の車載ジャッキを小さく扱いにくいとして油圧ジャッキを勧め、ジャッキだけで支えた車の下には入らず、馬(ジャッキスタンド)を併せて使うよう書いている。乗りものニュースの記事でも、ジャッキだけで支えた車体はジャッキが外れると挟まれる危険があり、リジッドラック(馬)を使うのが望ましいとしている。用意できないときの保険は、外したタイヤ・ホイールを車体の下に置いておくことだ。

道具をそろえるのが手間なら、履き替えは整備工場に頼むほうが早い。

用意する道具と、作業前に確かめること

車載ジャッキが積まれているかを確かめる

車載のジャッキ・車輪交換用の工具一式・応急用タイヤがあるかは装備しだいだ。取扱説明書でも「装備に応じて」工具一式と、必要なら応急用タイヤを車から取り出す、という書き方になっている。応急用タイヤを積む車では、応急用タイヤと工具一式は荷室の床板の下にある。

自分の車にジャッキが積まれているかは、作業の前に確かめる。 無ければ、ジャッキなどの車輪交換用の工具は、正規のサービス工場かほかの資格のある整備工場で用品として手に入る。

ロックボルトのアダプター

ロックボルト(盗難防止のホイールボルト)が付いている車では、そのボルトは特別なコードを持ち、コードの合うアダプターでしか回せない。アダプターは車載工具の中か、その近くの収納にある。取扱説明書では、ロックボルトをインパクトレンチでゆるめたり締めたりするとロックボルトを傷めることがあるとされ、ロックボルトは手で回すホイールレンチだけでゆるめ・締める。

トルクレンチ

本締めに使うトルクレンチは、140 N・m が設定範囲に入るものを選ぶ。取扱説明書では、交換後に校正されたトルクレンチでボルトの締まりを確かめるよう書かれている。季節ごとに自分で履き替えるなら、1 本持っておくとよい。

ジャッキアップポイントの位置と当て方

ジャッキアップポイントの位置は、取扱説明書では図で示されている。先のドイツの自動車情報サイトの一般的な説明(E84・F48・U11 を同じ説明で扱う)では、ジャッキアップポイントは前輪の少し後ろと後輪の少し前にあり、サイドシル(ドアの下の車体側面の下端)の下側に、印や小さな矢印・刻み・三角の印で示されていることが多い。補強された合わせ目の部分が周りと少し違って見えることでも見分けられる。距離や寸法は示されていないので、正確な位置は取扱説明書の図で確かめる。

当て方は次の順だ。

  1. 交換する車輪にいちばん近いジャッキアップポイントの長方形のくぼみに、ジャッキを差し込む
  2. ジャッキのハンドル(またはレバー)を時計回りに回してジャッキを伸ばす
  3. ジャッキの台座(足)がジャッキアップポイントの真下に、地面に対して垂直に立つようにし、台座の全面が地面に着くまで伸ばす

取扱説明書では、ジャッキが決められたジャッキアップポイントに差し込まれていないと、車体を傷めたり、上げている途中でジャッキが滑ったりすることがあるとされる。メーカーのジャッキは、この車を持ち上げることと、車のジャッキアップポイントに合わせて作られている。

床下・オイルパン・足まわりの部品には当てない。 ドイツの自動車情報サイトと乗りものニュースの記事では、ジャッキはメーカーが決めたジャッキアップポイントにだけ当て、車の下に差し込んでそのまま上げることはしないとしている。ジャッキアップポイント以外にかけると、車体の重さで車を壊すおそれがある。

交換前の準備(停める場所・ハンドル・輪止め)

取扱説明書の手順では、ジャッキを出す前に次をすませる。

  • できれば平らで固く滑りにくい地面で、交通から安全な距離をとって停める
  • ハザードランプを点け、パーキングブレーキをかける
  • ハンドルを回して前輪をまっすぐにし、ステアリングをロックする
  • セレクターレバーを P にする
  • 交通の状況が許せば同乗者を全員降ろし、ガードレールの外など安全な場所にいてもらう
  • 必要なら三角表示板などを適当な距離に置く

メーカーは取扱説明書で、車輪を交換するときに転がり防止を追加するよう勧めている。平坦な場所では、交換する車輪の対角にある車輪の前後に輪止めや適当な物を置く。緩い下り坂では、前後の車輪の、転がる向きの側に輪止めや石などを置く。

タイヤ交換の手順

ボルトを半回転ゆるめる

車体を持ち上げる前、車輪が地面に着いているうちに、ホイールボルトを半回転だけゆるめておく。ロックボルトがある車は、アダプターを当ててから回す。

ジャッキアップ

前の節の当て方でジャッキを差し込んで伸ばし、交換する車輪が地面から最大 3cm 浮くまで上げる。手や指を挟まないよう、片手でジャッキ本体を、もう片方の手でハンドルかレバーを持つ。ジャッキに荷重がかかったら本体から手を離し、片手でハンドルかレバーを回し続ける。手の位置は作業中に変えない。

車輪の付け替えと締め付け

  1. ボルトを外して車輪を外す
  2. 新しい車輪(または応急用タイヤ)を当て、少なくとも 2 本のボルトを対角の位置で手で締まるところまでねじ込む
  3. 残りのボルトも手で締め、全部のボルトを対角の順に締める
  4. ジャッキのハンドルを反時計回りに回してジャッキを縮め、車体を下ろす
  5. ジャッキを外して片付ける
  6. ボルトを対角の順に 140 N・m で締める

JAF の解説では、車体を持ち上げたまま 2〜3 回に分けて仮締めし、車体を下ろしてジャッキを外してから本締めするとしている。無理に締め付けるとボルトが破損する場合があるので、本締めは取扱説明書の規定のトルクで行う。

取扱説明書では、それまで付いていたものと違うメーカーの軽合金ホイールを付けるときは、そのホイールに添えられたボルトを使う必要がある場合があるとされている。ホイールを替えるときは、ボルトがそのホイールに合うかを確かめる。固着して外れない車輪は無理をせず、正規のサービス工場かほかの資格のある整備工場で外してもらう。

ジャッキで持ち上げている間に守ること

取扱説明書では、注意をすべて守っても、ジャッキが倒れると持ち上げた車が落ちる危険があるとされている。

  • 車の下に寝そべらない。持ち上げている間は、車を走行できる状態にもしない
  • ジャッキの下に木片などの台を置かない(高さが限られるため支える力が落ち、台の耐える重さを超えて車が倒れることがある)
  • 雪・氷・タイルなど柔らかい・平らでない・滑りやすい地面では、ジャッキが滑ることがある
  • 持ち上げた車体に横向きの力を加えたり、急に引いたりしない(ジャッキから落ちることがある)

ジャッキだけで支えた車体は、外れると挟まれる。乗りものニュースの記事が勧めるとおり、馬を使うか、用意できなければ外したタイヤ・ホイールを車体の下に置いておく。

交換したあとにすること

取扱説明書では、車輪を替えたあとに次をするよう書かれている。

  • 必要なら、傷んだ車輪を荷室にしまう
  • 早めにタイヤの空気圧を点検して調整する
  • パンク表示(Flat Tire Monitor)を初期化するか、タイヤ空気圧モニターをリセットする
  • 校正されたトルクレンチで、ボルトの締まりを確かめる

タイヤメーカーのコンチネンタルは、タイヤを交換したあとは 50〜100km ほど走ってから締まりを点検し、必要なら締め直すのを目安としている。締め付けトルクが適切でなかったり、走り始めの環境の変化などで、まれにゆるむことがあり、ゆるむと最悪の場合、走行中にホイールが外れることもある。

トルクレンチが手元にないときは、JAF の解説では、できるだけ早くガソリンスタンドや修理工場で、規定のトルクで本締めしてもらうとしている。不安が残るときは JAF に連絡する。

パンクしたときは修理キットか応急用タイヤ

取扱説明書では、タイヤがパンクすると、パンク表示(Flat Tire Monitor)がメッセージを出し、メーターに黄色の警告灯が点く。速度を落とし、急ブレーキや急なハンドル操作を避けて、慎重に止まる。4 本とも空気圧が正しいのに表示が出たときは、パンク表示が初期化されていないことがあるので、初期化する。

止まったあとは、パンクを修理キットで直すか、車輪を替えるかになる。パンク修理キットを使う場合は、すぐに車輪を交換しなくてもよいことがある。

応急用タイヤを積む車の場合、応急用タイヤは特別な寸法で、傷んだタイヤ・車輪を替えるまでの一時的な使用のためのものだ。

  • 控えめに走り、80km/h(50mph)を超えない
  • 走る距離は 1,000km(600 マイル)を超えない
  • スポーツブレーキを装備する車では、応急用タイヤは後軸にしか付けられない

交換後は、近くのサービス工場か整備工場で傷んだタイヤを替えてもらう。修理キットや応急用タイヤが積まれているかも装備しだいなので、荷室はふだんから見ておきたい。荷室の使い方は次の記事も参考になる。

ホイールやボルトを買い足すときの取り付け寸法

BMW のホイールは、ナットではなくボルトで留める。取扱説明書の手順も、ボルトをゆるめる・外す・締める形で書かれている。ホイールメーカーのウェッズの適合表では、X1(U11)(2023 年〜)の取り付け寸法は次のとおりだ(2024 年 8 月時点の調べ)。

項目 X1(U11)(2023 年〜)
PCD・穴数 PCD 112・5 穴
ハブ径 66.6mm
ボルト M14×1.25・60°テーパー座

タイヤ・ホイール販売店のタスカルの一覧(正規輸入車のデータ)でも、X1[U11] は M14×P1.25・60 度テーパー座の区分に載っている。締め付けトルク・ボルトの頭の寸法・首下の長さは、これらの出典には載っていない。締め付けトルクは取扱説明書の値を使い、ボルトを買い足すときは寸法を販売店で確かめる。

PCD とオフセットの考え方は、iX1 U11 を対象にした次の記事にまとめている。

よくある質問

締め付けトルクは何 N・m?

X1 U11 のホイールボルトは、U11 世代の取扱説明書(米国向けの版)で 140 N・m だ。ロックボルトも同じ値で、対角の順に締める。

車載ジャッキで冬タイヤに履き替えてもいい?

勧めない。取扱説明書では、車載ジャッキは故障時の車輪交換用で、夏冬の履き替えのような頻繁な使用向けではないとされている。自分で履き替えるなら馬などをそろえるか、整備工場に頼む。

車載ジャッキが見当たらないときは?

ジャッキや工具一式の有無は装備しだいだ。応急用タイヤを積む車なら、荷室の床板の下を見る。積まれていなければ、正規のサービス工場かほかの資格のある整備工場で用品として手に入る。

ロックボルトのアダプターはどこにある?

ロックボルトが付いている車では、車載工具の中か、その近くの収納にある。

増し締めはいつする?

コンチネンタルの目安では、交換後 50〜100km ほど走ったところで締まりを点検し、必要なら締め直す。

まとめ

まず、自分の作業がパンク時の車輪交換なのか、季節の履き替えなのかを決める。前者なら車載ジャッキ(積まれていれば)で進め、後者なら馬などをそろえるか整備工場に頼む。やり方を決めたら、ジャッキアップポイントの位置と数値を自車の取扱説明書で最終確認してから作業に入る。

  • ジャッキは、交換する車輪にいちばん近い、ホイールハウスの隣のジャッキアップポイントのくぼみに差し込む(取扱説明書の、車載ジャッキで車輪を替える手順)
  • ボルトは対角の順に 140 N・m(U11 世代の取扱説明書・米国向けの版)
  • 車載ジャッキは故障時の車輪交換用で、頻繁な履き替え向けではない
  • 交換後は空気圧の調整、パンク表示の初期化(またはタイヤ空気圧モニターのリセット)、トルクの確認と増し締め

ほかの U11 の記事もあわせて読んでほしい。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

車種別パーツ適合情報サイト「パーツ選び.com」の編集部。タイヤサイズ・エンジンオイル量・ワイパー適合・フィルター型番など、車種ごとの記事と、車種を横断した早見表を公開中。適合値はメーカー公式の諸元・取扱説明書や部品メーカーの公式適合表で確認したものを優先し、確認できない数値は載せない方針で運営しています。

コメント

コメントする

目次