BMW iX1(U11)のホイールは PCD 112・5穴・ハブ径 66.6mm で、ナットではなく M14×1.25・60°テーパー座のボルトで留める。社外ホイールのリム幅とインセットは、純正の値を当てにせず、ホイールメーカーの適合表で車検証の型式・年式・モデルが合う行の値で決めるのが確実だ。冬用ホイールや社外ホイールに替えるときに確かめる順に、規格の読み方と注意をまとめる。
iX1 U11 のホイール取付規格は PCD 112・5穴・ボルト留め
取付部の値は、ホイールメーカーのウェッズの適合表と、タイヤ・ホイール販売店タスカルの iX1(U11) 向けの解説で一致している。
| 項目 | iX1 U11 の値 |
|---|---|
| PCD | 112 |
| 穴数 | 5 |
| ハブ径 | 66.6mm |
| 留め方 | ボルト留め |
| ボルトのねじ | M14×1.25 |
| ボルトの座面 | 60°テーパー座 |
ウェッズの適合表では、iX1 xDrive30(型式 62EF67)の行が入る X1(U11) の欄(年式 2023-)の見出しに「PCD:112-5」「ハブ径:66.6」「ボルト:M14×1.25 60°テーパー」と載る。タスカルの輸入車の純正ボルト・ナットの一覧(2024年1月現在・正規輸入車向け)でも、「iX1[U11](2023~現行)」は M14×P1.25・60度テーパー座の区分に入り、BMW は「すべてボルトで」と書かれている。ナット留めの感覚のまま部品を選ぶと合わないので、ここが最初の分かれ目になる。
対象の年式・グレードと、適合表で照らす型式
BMW ジャパンの発表では、2023年2月17日に新型 X1 が発表され、同日から全国の正規ディーラーで販売が始まった。BMW のスモール・コンパクト・セグメント初の電気自動車として iX1 が加わり、グレードは「iX1 xDrive30 xLine」と「iX1 xDrive30 M Sport」の2つ。納車は2023年2月下旬からの予定とされた。
その後、Car Watch の報道では、2024年5月29日に電気モーターを前輪に持つ前輪駆動の iX1 eDrive20 が追加発売された(納車は8月からの予定)。この報道には、グレード・標準のホイールやタイヤのサイズ・型式の記載は無い。
ウェッズの適合表(2024年8月時点調べ)の X1(U11) の欄に載る iX1 の行は xDrive30(型式 62EF67)の1行だけで、前輪駆動の eDrive20 の行は無い。eDrive20 に冬用ホイールのサイズが合うかは、この表からは言えない。eDrive20 なら、車検証の型式で、ホイールメーカーの適合表のその型式の行か販売店で確かめる。
ウェッズの適合表は「必ず、車両型式・年式・モデルの3点合わせてご確認ください。」と注記している。車名だけで選ばず、車検証の型式・年式・グレード(モデル)の3つが合う行を探すのが基本だ。
同じ iX1 U11 のほかの整備・用品の記事もある。
純正サイズと、冬用ホイールの適合表に載るサイズ
純正サイズと変更できる幅
タスカルの iX1(U11) 向けのスタッドレス用ホイールの解説では、純正サイズは18インチ、変更できるサイズは17〜18インチとされる(同社のホイールを基準にした情報で、他社製は未確認との注記つき)。同等外径のタイヤサイズは次のとおり。
| インチ | 同等外径のタイヤサイズ(タスカルの解説) |
|---|---|
| 17インチ | 205/65R17・225/60R17 |
| 18インチ | 225/55R18 |
同じ解説は、グレードによって純正サイズが異なるモデルもあるとしている。タイヤの荷重指数(ロードインデックス)もグレードやタイヤサイズで違うため、サイズを変えるときはタイヤを買う店に相談するよう勧めている。
ウェッズの適合表の iX1 の行
ウェッズの冬用ホイール「IRVINE」の適合表(2024年8月時点調べ)で、iX1 xDrive30 の行は次のとおり。
| 項目 | 適合表の記載 |
|---|---|
| 対象 | iX1 xDrive30 xライン・Mスポーツ(型式 62EF67) |
| タイヤサイズ | 225/55R18 |
| ホイール | 18×7.5(インセット 52) |
| 注記 | ランフラットタイヤ対応・TPMSセンサー別売・17インチウエイト注意 |
この 18×7.5(インセット 52)はウェッズの製品の設定サイズで、BMW の純正ホイールの値ではない。
純正インセットの扱い
BMW の純正ホイールのインセット(オフセット)の値は、BMW の公式の資料からは確かめられなかった。純正の値を決めつけず、社外ホイールのインセットは、適合表の型式・年式・モデルが合う行の値で選ぶ。iX1 xDrive30(型式 62EF67)なら、ウェッズの冬用ホイールの行は 18×7.5 インセット 52 だ。
タイヤサイズの表記の見方は、次の記事も参考になる。
インセット(オフセット)の読み方
インセット(オフセットとも呼ぶ)は、ホイールのリム幅の中心線から、ハブに当たる取り付け面までの距離で、mm で表す。取り付け面が中心線より外側ならインセット(+)、中心線上ならゼロセット(0)、内側ならアウトセット(-)と呼ぶ。
ウェッズの解説では、インセットはプラスの値で内側寄り、マイナスの値で外側寄りにホイールが付く。インセットならホイールはタイヤハウスやフェンダーの中に収まり、アウトセットなら外に突き出す。同じリム幅なら、インセットの数字が小さいほどホイールは外へ出ると覚えておけばよい。
リム幅にも注意が要る。標準ホイールと同じインセットのままリム幅を広げると、タイヤはタイヤハウスの中で外側にも内側にも広がる。外にはみ出しやすくなり、内側に余裕がないとインナーフェンダーやサスペンションのアームに当たりやすい。補うにはインセットをプラス側にするが、それもホイールのデザインとタイヤハウスの奥行き次第だ。
インセットは mm の値なので、差はそのまま取り付け面の位置の差として考えられる。スペーサーの解説では、8.5J のホイールでインセット +45 を +40 相当にしたいとき、差の 5mm をスペーサーの厚みで埋める、という例が示されている(一般の計算例で、iX1 の値ではない)。
PCD とハブ径・ハブリングの合わせ方
PCD(Pitch Circle Diameter)は、ホイールのボルト穴の中心を結んでできる円の直径。5穴なら、隣り合うボルト穴の中心どうしの距離に約1.701を掛けると PCD の近い値が出る。近い値を出す簡易の方法で、正確な実測値ではない。
ハブ径(センターボア)はホイール中心の穴の直径。社外ホイールは多くの車に合わせるため中心の穴を大きめに作ることが多く、その隙間をハブリングで埋める。レスポンスのハブリングの解説では、大きめの穴と車側のハブの出っ張りをハブリングで密着させることで、荷重をハブの中心で支えられるとされる。
ハブリングを使うときは、ウェッズの注意事項のとおり、車両のハブ径(iX1 U11 は 66.6)と、付けるホイールのハブ径の両方を確かめてリングのサイズを決める。タスカルは、ハブリングが要らない車種専用の「専用ハブ径仕様」のホイールを勧めている。ハブリング仕様はリングを無くすおそれがあるからだ。迷うなら専用ハブ径仕様を選ぶのが手間が少ない。
照らしとして、同じウェッズの適合表で旧々型の X1(E84)(2010〜15年)の欄の見出しは PCD 120-5・ハブ径 72.6・ボルト M12×1.5 で、iX1(U11) の PCD 112-5・ハブ径 66.6・M14×1.25 とは違う。X1 の名前が同じでも、世代が違えばホイールの取付規格がこの車種とは違うことがある。
BMW のほかの車種の PCD とオフセットは、次の記事にまとめている。
ボルト留めならではの注意
ボルトは座面とねじを合わせる
ホイールを留めるボルトを別に用意するなら、ウェッズの注意事項のとおり、車両の標準のボルトの規格(iX1 U11 は M14×1.25・60°テーパー座)に合うものを選ぶ。座面の形がホイール側と合わないボルトは使わない。タスカルは、純正ボルトで留められる「純正ボルト仕様」のホイールを勧めている。付属ボルトだと付け間違いや紛失のおそれがあるからだ。冬用セットなら純正ボルト仕様を第一候補にするとよい。
スペーサーを挟むとき
スペーサーはハブとホイールの間に挟んでホイールを外側へ出す部品で、厚くするほど締結部のかかりが浅くなる。MotorFan のスペーサーの解説(国産車のナット留めが前提)では、最低でもナットが3回転はかかるようにしたい、とされる。iX1 U11 はボルト留めなので、スペーサーを使うなら、ボルトの長さと座面がスペーサーの厚みと車に合うかを、スペーサーの販売元や整備工場で確かめる。
締め付け
レスポンスの解説では、ホイールの締め付けはトルクレンチで管理し、テーパー部(座面)にはグリスを付けない。締め付けトルクの数値は、取扱説明書かディーラーで確かめる。
タイヤとホイールのはみ出しの決まり
道路運送車両の保安基準第18条は「回転部分が突出する等他の交通の安全を妨げるおそれのあるものでないこと。」と定めている。国土交通省は、回転部分が車体より突出すると歩行者の被服等を巻き込むおそれがあるため、車体より回転部分が突出することを禁止していると説明する。適切なタイヤやホイールを使わないと、車体やブレーキ構造などと干渉したり、車体から突き出して歩行者等に危害を及ぼすおそれがある、とも書かれている。
2017年6月22日から保安基準の一部が改められ、タイヤだけは 10mm 未満ならはみ出しても許されるようになった。対象は、ハンドルを直進にしたとき、タイヤの中心から前方30度・後方50度の範囲。許されたのはタイヤだけで、ホイールやホイールを留める部品・センターキャップなどの回転部分は対象外だ。リム幅を広げたりインセットを小さくしたりするときは、ホイールがはみ出さないことが前提になる。
空気圧センサー(TPMS)の扱い
タスカルの iX1(U11) 向けの解説では、iX1 にはタイヤの空気圧を監視する空気圧センサー(TPMS)が付いていて、スタッドレスのセットにも必ず組み込む必要があり、付けないと警告(エラー)が出るとされる。ウェッズの適合表の iX1 xDrive30 の行にも「TPMSセンサー別売」の注記がある。
純正センサーの流用について、ウェッズの注意事項は、自動車メーカー純正の空気圧センサーは一部のホイール・サイズを除いてそのまま流用でき、ホイールによっては取り付け用の加工が要るとしている。iX1 の純正センサーを新しいホイールへ移せるかは、買うホイールの販売店で確かめる。冬用セットの見積もりを取るときは、センサーを新しく買うのか移すのかを最初に伝えておくと話が早い。
社外ホイールを選ぶ順番
iX1 U11 に社外ホイールを選ぶときは、次の順に確かめる。
- PCD 112・5穴が同じか
- ハブ径 66.6 に合うか(専用ハブ径か、合うサイズのハブリング)
- ボルト M14×1.25・60°テーパー座で留められるか(純正ボルト仕様か、規格の合うボルト)
- リム幅とインセットを、ホイールメーカーの適合表の、車検証の型式・年式・モデルが合う行で決める
- タイヤとホイールがフェンダーからはみ出さず、内側でも当たらないか
- 空気圧センサー(TPMS)を組み込めるか
1〜3 で合わない候補を先に外し、残った候補だけ 4 以降を詰めると手間が少ない。4 のインセットは、純正の値ではなく型式の行で決める。
交換作業で使うガイドボルト
ボルト留めの iX1 でホイールを付け替えるときは、位置合わせ用のガイドボルトを用意しておきたい。
INEX ホイールガイドボルト
INEX(イネックス)のホイールガイドボルトは M14×1.25 の2本入り(シルバー)で、商品名に「BMW iX1 U11対応」と書かれている。販売ページの商品説明では、ホイールの位置合わせをするときのタイヤの落下などを防ぐための物で、説明書は付かない。
INEX ホイールガイドボルト M14×1.25 2本(BMW iX1 U11対応の記載)
RIDE ホイールガイドボルト
RIDE のホイールガイドボルト(セッティングボルト)は M14×1.25 の2本入り(シルバー)で、商品名に「BMW iX1 U11対応」と書かれている。販売ページの商品説明では、ホイールの位置合わせをするときのタイヤの落下などを防ぐための物で、説明書は付かない。
RIDE ホイールガイドボルト M14×1.25 2本(BMW iX1 U11対応の記載)
買う前の確かめ
INEX と RIDE のガイドボルトの商品名のねじの規格 M14×1.25 は、ウェッズの適合表とタスカルの一覧が iX1 U11 のホイールボルトとして載せる M14×1.25 と同じ表記だ。ボルト留めの車では、ねじの規格が車のボルトと同じガイドボルトを選ぶ。ただし INEX と RIDE の販売ページの商品説明は、どちらも「記載メーカーや車種であっても適合サイズが異なる場合がある」とし、購入前に現車のハブボルトサイズを確かめるよう求めている。
2 商品の記載は、ねじの規格・本数・色・用途・説明書が付かない点で同じだ。価格は変わるので、リンク先で確かめて手に入れやすい方を選べばよい。
ホイールのほかに車内の用品も選ぶなら、次の記事もある。
よくある質問
スタッドレスは17インチにできる?
タスカルの iX1(U11) 向けの解説では、変更できるサイズは17〜18インチで、17インチの同等外径は 205/65R17・225/60R17(同社のホイールを基準にした情報)。ウェッズの適合表の iX1 xDrive30(型式 62EF67)の行には「17インチウエイト注意」の注記もあるので、型式の行と販売店で確かめてから決める。
ホイールスペーサーは使える?
iX1 U11 はボルト留めなので、スペーサーを挟むならボルトの長さと座面が厚みと車に合うかが条件になる。スペーサーの販売元か整備工場で確かめる。
純正ホイールのインセットはいくつ?
BMW の公式の資料からは確かめられなかった。社外ホイールは適合表の型式・年式・モデルが合う行の値で選ぶ。
旧型X1のホイールは使える?
そのまま付くとは決めつけない。ウェッズの適合表では、旧々型の X1(E84) の欄は PCD 120-5・ハブ径 72.6・M12×1.5 で、iX1(U11) と違う。ほかの世代も、PCD・ハブ径・ボルトの規格を U11 の値と照らす。
空気圧センサーは移せる?
ウェッズの注意事項は、自動車メーカー純正の空気圧センサーは一部のホイール・サイズを除いて流用できるとしているが、iX1 の純正センサーを移せるかは、買うホイールの販売店で確かめる。
まとめ
まず PCD 112・5穴・ハブ径 66.6mm・M14×1.25 の 60°テーパー座のボルトで留められるホイールに候補を絞り、ホイールメーカーの適合表で車検証の型式・年式・モデルが合う行を開いて、リム幅とインセットを決める。そのうえで、タイヤとホイールがフェンダーからはみ出さず内側でも当たらないか、空気圧センサー(TPMS)を組み込めるかを確かめてから1つに決める。iX1 xDrive30(型式 62EF67)ならウェッズの冬用ホイールの行が 18×7.5(インセット 52)で、eDrive20 はウェッズの適合表(2024年8月時点調べ)に行が無いので型式で確かめる。ボルト留めなので、専用ハブ径仕様と純正ボルト仕様のホイールを選ぶと、ハブリングやボルトの紛失・付け間違いのおそれを減らせる。
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