BMW iX2 U10 で冬用タイヤを別のホイールに組みたいときや、社外ホイールに替えたいときは、穴数とPCDだけを見ても付くかどうかは決まらない。ハブ径、ボルトの規格と座面、リム幅とオフセットまで照らし合わせて、はじめて候補が絞れる。海外のホイール販売店の車種別諸元(koleso)では、iX2 U10 は5穴・PCD112mm・ハブ径66.6mm・M14×1.25 のボルト式と掲載されているので、この値から順に見ていく。
iX2 U10 のPCD・ハブ径・ボルト規格の掲載値
海外のホイール販売店の車種別諸元(koleso)では、iX2 U10(eDrive20・xDrive30)のホイール諸元が次のように掲載されている。
| 項目 | 掲載値 |
|---|---|
| 穴数・PCD | 5×112(5穴・PCD112mm) |
| ハブ径(センターボア) | 66.6mm |
| 固定方式 | ボルト式(ハブへねじ込むホイールボルト) |
| ねじの規格 | M14×1.25 |
海外のホイール適合データベース(Wheel-Size.com)でも固定方式はボルト式と表示されるが、同サイトではねじの規格の値は表示されない。
日本仕様については、国内の車両カタログ(車選びドットコム)で、iX2 xDrive30 M Sport(型式 ZAA-72GM67・4WD)のホイールが前後とも19インチ8.0J(アロイ)と記載されている。Wheel-Size.com でも型式 ZAA-72GM67 は U10 の日本向け(M Sport)の行として載っている。ただし日本仕様の純正ホイールのオフセット(ET)は、字で確かめた出典がこの調査では取れていない(次の節で詳しく書く)。
タイヤ側のサイズの見方は、次の記事にまとめてある。
掲載されているタイヤ・ホイールサイズとオフセット
海外のホイール適合データ(koleso・Wheel-Size.com)では、eDrive20・xDrive30 とも同じ組み合わせが並ぶ。純正(OE)の印が付く行は17インチの組み合わせで、18〜21インチの行には OE の印が無く、純正の設定か社外の候補かの区分はページで明示されていない。
| 掲載の区分 | タイヤ | ホイール | オフセットの目安の範囲 |
|---|---|---|---|
| OE の印あり | 205/65R17(205/65ZR17 100Y) | 7.5J×17 ET43 | 41〜45mm |
| OE の印なし | 205/60R18 | 6.5J×18 ET41 | 39〜43mm |
| OE の印なし | 225/55R18 | 7.5J×18 ET50 | 48〜52mm |
| OE の印なし | 195/55R19 | 6.5J×19 ET42 | 40〜44mm |
| OE の印なし | 245/45R19 | 8J×19 ET46 | 44〜48mm |
| OE の印なし | 245/40R20 | 8J×20 ET46 | 44〜48mm |
| OE の印なし | 245/35R21 | 8J×21 ET46 | 44〜48mm |
表はすべて海外の eDrive20・xDrive30 の掲載で、OE の印の無い行を日本仕様の設定として読まないようにしたい。
日本仕様の19インチの扱い
Wheel-Size.com の日本仕様(型式 ZAA-72GM67)の純正の行は、タイヤとリムの字が伏せてあり、見えるのは荷重・速度の記号 102Y XL とオフセットの範囲 44〜48mm だけだ。表の 8J×19 ET46(範囲 44〜48mm)は海外の eDrive20・xDrive30 の行の値で、日本仕様の純正ホイールの ET を字で確かめた出典は、この調査では取れていない。日本仕様の純正の ET は販売店で確かめてほしい。
また、国内の車両カタログ(車選びドットコム)のタイヤサイズ欄は「245/45R12」となっていて、19インチのホイールと合わない。誤記とみられ、ページに訂正の記載は無い。このカタログのタイヤ欄の値は使わず、タイヤサイズは実車に付いているタイヤの表示で確かめる。
PCD・オフセット・ハブ径の見方
PCD
PCD はボルト穴の中心を結んでできた円の直径を mm で表したものだ。5×112 は「5穴・PCD112mm」を指す。国産車は 100 と 114.3 が主流で、輸入車はそれ以外の値も多いので、国産車向けのホイールを流用するつもりなら最初に確かめる。
オフセット(インセット)
インセット(オフセット)は、リム幅の中心線からホイールの取り付け面(ハブに接する面)までの距離を mm で表したもの。プラスの値ではホイールは車体の内側寄りに収まり、マイナスの値(アウトセット)では外側へ張り出す。0 はゼロセットと呼ぶ。海外の諸元にある「ET43」の形の表記が、このオフセットの値だ。リム幅はホイールの横幅で、インチで表す。
ハブ径
ハブ径はホイール中心の穴の直径で、センターボアとも呼ぶ。車のハブ径は 54〜67mm が一般的で、ホイールのハブ径より車のハブ径の方が大きいと取り付けられない。
オフセットを純正から変えると起きること
インセットが純正値よりマイナス側(小さく)になるほど、ホイールはフェンダーからはみ出しやすくなる。逆にプラス側(大きく)になると、サスペンションやタイヤハウスの内側にタイヤやホイールが干渉することがある。数字が小さくなるほどディスク面が奥に入り、ディープリムになる。インセットしだいでフェンダーとの位置も車検への適合も変わるので、見た目と安全性の両方を見て決める。
サイズを変えるときは、リム幅とインセットを別々にでなく組で選び、純正サイズから出発して車高やフェンダーの形を見る。ホイールメーカーのウェッズの注意事項では、左右のフェンダーのばらつきで隙間に差が出る車もあるとして、タイヤを組む前に実車でのフィッティングを確かめるよう求めている。
選ぶ順としては、上の表の OE の印の無い行の範囲ではなく、手元の車の純正サイズを出発点にし(日本仕様の純正の ET は前の節のとおり販売店で確かめる)、そこから外れる値ほど実車での確認を重く見るのが筋だ。
はみ出しの決まり(保安基準第18条)
道路運送車両の保安基準第18条は、回転部分が突出するなど他の交通の安全を妨げるおそれのないことを求めている。国土交通省の「不正改造の具体例」では、回転部分が車体より突出すると歩行者の衣服などを巻き込むおそれがあるとして、タイヤ・ホイールのはみ出しを不正改造の例に挙げている。
乗りものニュースの解説では、2017年6月22日施行の保安基準の一部改正で、ハンドルを直進にした状態でタイヤ中心部から前方30度・後方50度の範囲なら、10mm未満のはみ出しが認められたとしている。対象はタイヤだけで、ホイールは含まれない。製造年月日を問わず適用される。
ハブ径66.6mmとハブリングの考え方
iX2 U10 の掲載のハブ径 66.6mm は、社外ホイールで主流のハブ径 73mm より小さい。社外ホイールはハブの大きさが車ごとに違うのに合わせてセンターの穴を大きめに作ってあるので、この組み合わせではホイールの穴と車のハブの間に隙間ができる。逆に、ホイールのハブ径が 66.6mm より小さいものは付かない。
レスポンスの解説記事では、ハブリングはホイールと車のハブの間に入れる部品で、大きめのセンター穴とハブの出っ張りを密着させ、荷重をハブの中心で受けられるようにすると説明している。ボルトにかかる負荷が減り、ホイールが真ん中に付くので走行中の振動も出にくくなる、という。
ハブリングのサイズは、車のハブ径とホイールのハブ径の両方の数値を確かめて決める。目立たない部品なのでホイール交換のときに忘れやすく、社外ホイールを検討するなら、ハブリングを入れるかどうかも最初から候補選びに含めておきたい。
ボルト式・ねじの規格・座面の照らし合わせ
iX2 U10 のホイールはナット式ではなく、ハブへホイールボルトをねじ込むボルト式で、ねじの規格は M14×1.25 と掲載されている(前の表のとおり)。M14 はランドクルーザーなど一部の車種や多くの輸入車が使う、ねじ径の太い規格だ。ボルトを用意するときは、ねじ径とピッチの両方を合わせる。
座面の形
ナット・ボルトの座面には「テーパー座」「球面座」「平座」があり、メーカーによって違う傾向がある。座面とホイール側の形が一致していないと正しく固定できない。ボルトを別に用意するときは、車の取付穴・PCD・ハブ径・標準のボルトのサイズに合うものを選ぶ(二面幅は同じ寸法でなくてよい)。
iX2 U10 の純正ホイールボルトの座面の形と長さは、この調査の出典では確かめられていない。社外ホイールへ替えるときは、純正のボルトがそのまま使えると決めず、ホイールのメーカーが指定する座面とサイズのボルトを用意する。
締付トルクの掲載値
ホイールボルトの締付トルクは、海外のホイール販売店の車種別諸元(koleso)で 140N・m と掲載されている。一方、Wheel-Size.com では値が表示されず、メーカーの資料での確認はこの調査では取れていない。作業のときは取扱説明書や整備の資料、販売店で値を確かめる。
ホイールボルトを買い足すときに見る所
販売ページの商品名と商品説明では、このホイールボルト(ASIN B0H178S4MZ)は対応車種を BMW の X2(F39・U10)・Z4(G29)・XM(G09)とし、ねじ M14×1.25・4本セットで、OEM の品番として 36136781151・36136890324 を挙げている(出品者の記載)。商品名にも商品説明の箇条書きにも iX2 の名は無い。
ホイールボルト M14×1.25 4本セット(商品名の対応車種: X2 F39・U10 ほか)
照らし合わせると、次のようになる。
- ねじの M14×1.25 は、iX2 U10 の掲載値(M14×1.25)と同じ
- iX2 U10 は5穴で1輪に5本を使うのに対し、この商品は4本入りなので1輪分にも足りない
- ボルトの長さ(首下)と座面の形は、商品名と商品説明の箇条書きのどちらにも記載が無い
- 商品名の OEM 品番が iX2 U10 の純正ボルトの品番かは、この調査の出典では確かめられていない
この商品の販売ページの商品説明も、購入前に車種と本製品の互換性を確認し、部品番号を確認するよう求めている。このホイールボルトは、品番を販売店で照らし合わせてから選ぶのが順当だ。
社外ホイールを選ぶ手順
- 車の取付穴・PCD・ハブ径・ボルトの規格を確かめる(iX2 U10 は掲載値で5穴・PCD112・ハブ径66.6mm・M14×1.25 のボルト式)
- ホイールメーカーの適合表(マッチングリスト)で、iX2 U10 の掲載とサイズを確かめる
- リム幅とインセットを、純正サイズから出発して組で選ぶ
- ハブ径が違えば、車とホイールの両方のハブ径からハブリングのサイズを決める
- ボルトはホイールの座面に合うものを用意する
- タイヤを組む前に、実車でフィッティングを確かめる
買う先も選び方のうちに入る。正規の流通で買う新品のホイールにはメーカーの保証が付くのが普通で、並行輸入品や中古品は保証の対象外のことがある。
よくある質問
ハブリングは要る?
必ず要るとは言い切れないが、検討はしておきたい。掲載のハブ径 66.6mm の iX2 U10 に、主流の 73mm の社外ホイールを付けると隙間ができる。ハブリングは荷重をハブの中心で受け、振動を出にくくする部品なので、入れるかどうかを販売店と相談して決める。
タイヤが少しはみ出すのはよい?
2017年の改正で認められたのは、ハンドルを直進にした状態でタイヤ中心部から前方30度・後方50度の範囲の、タイヤだけの10mm未満のはみ出しだ。ホイールは含まれない。
日本仕様の純正のオフセットは?
日本仕様の xDrive30 M Sport(型式 ZAA-72GM67)の純正ホイールの ET は、字で確かめた出典がこの調査では取れていない。Wheel-Size.com の日本仕様の行で見えるのはオフセットの範囲 44〜48mm だけで、ET46 は海外の行の値だ。販売店で確かめてほしい。
純正のボルトを社外ホイールに使える?
使えると決めない方がいい。iX2 U10 の純正ホイールボルトの座面の形と長さは、この調査の出典では確かめられていないので、ホイールのメーカーが指定する座面とサイズのボルトを用意する。
まとめ:買う前に照らし合わせる項目
- 穴数・PCD:5穴・PCD112(海外のホイール販売店の掲載値)
- ハブ径:66.6mm(同じ掲載値)。ホイール側が大きければハブリングを検討し、小さければ付かない
- ボルト:M14×1.25 のボルト式(同じ掲載値)。座面はホイールのメーカーの指定に合わせる
- リム幅とオフセット:純正サイズから出発して組で選び、タイヤを組む前に実車で確かめる
- 日本仕様(xDrive30 M Sport)の純正の ET:販売店で確かめる
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