iX3 G08 の社外ホイールを選ぶときに見落としやすいのが、海外のタイヤ・ホイール適合データサイト2つの日本仕様の欄では、20インチの純正ホイールが前と後でリム幅もインセット(オフセット)も違うことだ(BMW の日本向けの公式資料では確かめられておらず、同じ欄には19インチや21インチも並ぶ)。この値を基準にするなら、前輪の値だけで比べると後輪では純正との差がまるで違う数字になる。車両側の規格は、日本仕様の G08(型式42DU44・Mスポーツ)で5穴・PCD112・ハブ径66.6mm、ホイールは M14×1.25・60°テーパー座のボルトで留める。前後それぞれの純正値を基準に、適合表に載るサイズとの差を計算で確かめていこう。
iX3 G08 のPCD・ハブ径・ボルトの規格
ホイールメーカーのウェッズの適合表(IRVINE F01)の iX3(G08) の項と、MAKホイールを扱う阿部商会の適応表の iX3(G08) を含む行で、車両側の値は次のとおりそろっている。
| 項目 | 日本仕様の iX3 G08(型式42DU44・Mスポーツ) |
|---|---|
| 穴数・PCD | 5穴・112 |
| ハブ径 | 66.6mm |
| 留め方 | ボルト留め(ナットではない) |
| ボルト | M14×1.25(ネジ径14mm・ピッチ1.25mm)・60°テーパー座 |
海外の適合データサイトの日本仕様の欄と、タイヤ・ホイール販売店の輸入車ボルト規格の一覧(iX3[G08] を M14×P1.25 60度テーパー座の組に入れている)も同じ値で、PCD112・ハブ径66.6・M14×1.25 は資料の間でぶれがない。純正ホイールのサイズは、海外の適合データサイトの値で前後で違うので、次の次の節で出典の限りと一緒に表にまとめる。
対象の車を確かめる:G08 と2026年の新型 iX3
日本では iX3 は2021年11月4日に発売され、グレードは iX3 M Sport の1つだけだった。ここで扱うのはこの G08(型式42DU44)だ。
BMW ジャパンは2026年7月22日に、新型の電気自動車「iX3」を発表・発売した。次世代の車両コンセプト「ノイエクラッセ」の第1弾で、車両を構成する要素を一から開発した別の車になる。ここで挙げる PCD・ハブ径・オフセット・タイヤサイズは G08 の値で、新型 iX3 には当てはめない。
もう1つ気を付けたいのが適合表の年式の書き方だ。ウェッズの適合表は iX3(G08) の項の年式を「2022-」と書き、掲載は2024年8月時点の調べになっている。日本の発売は2021年11月なので、2021年に登録された車は表の年式の書き方から外れる。ウェッズは車両型式・年式・モデルの3点を合わせて確かめ、未掲載の車(限定車・オプション装着車を含む)は問い合わせるよう求めている。2021年登録の車なら、注文の前に問い合わせておくのが確実だ。
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純正ホイール・タイヤは前後で違うサイズ
海外のタイヤ・ホイール適合データサイトの日本仕様の欄では、日本仕様(ZAA-42DU44・Mスポーツ)の純正は次の前後異サイズになっている。2つのサイトで一致する値だが、BMW の日本向けの公式資料では確かめられていない。
| 位置 | ホイール | インセット(ET) | タイヤ |
|---|---|---|---|
| 前 | 8J×20 | 26 | 245/45R20(103W) |
| 後 | 9.5J×20 | 43 | 275/40R20(106W XL) |
社外ホイールと比べるときは、前輪は前の純正値、後輪は後の純正値をそれぞれ基準にする。前後同じサイズのホイールを4本そろえる場合は、純正との差が前と後で別々に出る。
海外の適合データサイトの日本仕様の欄には、19インチ(8J×19 ET34・245/50R19)や21インチ(前 8.5J×21 ET30・245/40R21、後 9.5J×21 ET43・275/35R21)も並ぶ。ただし、これらが日本で純正装着やメーカーオプションとして設定されていたかは、BMW の日本向け資料で確かめられていない。
BMW の2021年8月の報道資料(ドイツ国内市場向けの仕様を基準に記載)では、改良後の iX3 は19インチの空力ホイールが標準装備で、20インチの空力ホイールはオプション(上位の装備パッケージにも含まれる)だった。同じ資料は他の市場では仕様や標準装備が違う場合があるとしており、日本の設定を決める材料にはならない。
PCDとインセット(オフセット)の読み方
PCD(ピッチ・サークル・ダイアメーター)は、ホイールのボルト穴の中心を結んでできる円の直径(mm)だ。5穴なら、隣り合うボルト穴の中心の間隔に約1.701を掛けるとPCDの近い値になる。PCD112の5穴なら、隣り合う穴の中心の間隔は約65.8mm(112÷1.701)になる。
インセットは、リム幅の中心線からホイールの取り付け面までの距離(mm)。2008年に国際基準に合わせて名称が変わった用語で、それ以前はオフセットと呼んでいた(ET の記号で書かれることもある)。取り付け面が中心線より外側(プラス)ならインセットで、ホイールは車体の内側に収まる方向になる。内側(マイナス)ならアウトセットで、ホイールは外側へ張り出す方向だ。リム幅が同じなら、インセットの数値が小さいほどホイールは外側へ出る。
ほかの BMW の電気自動車のPCD・オフセットも、同じ読み方で見比べられる。
インセットを変えるとリムの端は何mm動くか
リムの端の位置は、取り付け面を基準にして次の式で目安が出る(どちらも mm。リムのフランジの厚みは含まない)。
- 外側の端=リム幅(インチ)×25.4÷2-インセット
- 内側の端=リム幅(インチ)×25.4÷2+インセット
リム幅が同じなら、インセットが1mm小さくなるごとに外側・内側の端が1mmずつ外へ動く。
純正の前後の位置
| 純正 | 外側の端 | 内側の端 |
|---|---|---|
| 前 8J・インセット26 | 約75.6mm | 約127.6mm |
| 後 9.5J・インセット43 | 約77.7mm | 約163.7mm |
前の節の海外の適合データサイトの値で計算すると、外側の端は前後で近いが、内側の端は後のほうがずっと深い。後輪の基準を前の値で代わりにできないのはこのためだ。
適合表に載るサイズとの差
同じ計算で比べると、MAK の 20×8.0J インセット30 は、純正の前より外側の端・内側の端ともに約4mm内側に入る。ウェッズの 18×8.0J インセット32 は、純正の前より外側・内側の端ともに約6mm内側に入る。純正の後と比べると、ウェッズの 18×8.0J インセット32 は外側の端が約8mm内側、内側の端は約30mm浅くなる(リム幅が狭いため)。
この計算はリムの端の位置だけで、タイヤの幅や膨らみ、ブレーキやサスペンションとのすき間は含まない。外へ出ないか、当たらないかは計算で決めず、現車で合わせて確かめる。
はみ出しの決まり
国土交通省の説明では、道路運送車両の保安基準第18条が「回転部分が突出する等他の交通の安全を妨げるおそれのあるものでないこと」と定めており、回転部分が車体より突出すると歩行者の被服等を巻き込むおそれがあるため、突出を禁止している。適切なタイヤやホイールを使わないと、車体やブレーキ構造などと干渉したり、車体から突出して歩行者等に危害をおよぼすおそれがあるともしている。
2017年6月22日からは、タイヤ(ゴムの部分)に限り、はみ出しが10mm未満なら許されるようになった。範囲はタイヤの中心から前方30度・後方50度。許されたのはタイヤだけで、ホイールやリムの部分のはみ出しは認められない。
ハブ径66.6とハブリング、ボルトの座面
ハブ径とハブリング
ハブで芯を出す大部分のヨーロッパ車は、ハブ径に合ったホイールを選ぶ必要がある。ホイール中央の穴(センターボア)が車体側のハブとすき間なくかみ合うと、走行時の芯が出てブレを抑えられる。穴がハブより小さいと装着できず、大きすぎると芯が出ずにハンドルの振動につながる。
社外ホイールは穴を大きめに作って多くの車に対応させることが多く、その差をハブリングで埋めると荷重をハブの中心で支えられる。ハブリングのサイズは、車両側のハブ径(iX3 G08 は66.6)と、付けるホイールのハブ径(センターボア)の数値の両方を確かめて決める。車種専用のボア66.6を持つホイールならハブリングなしで合わせられるので、選べるなら専用ボアのほうが手間は少ない。
ボルトの座面とネジ
ボルトを別に用意するときは、適合表に載る車両の標準のボルトの規格(iX3 G08 は M14×1.25・60°テーパー)に合う物を選ぶ。ウェッズは、二面幅(六角の対辺の寸法)は同じでなくてもよいとしている。座面の形(60°テーパー座・球面座・平面座)はホイール側の穴の形と一致していないと正しく締結できず、社外ホイールは60°テーパー座が主流だ。
MAKホイールを扱う阿部商会の適応表は、アルミホイール用の純正ボルトを使うよう注記している。純正のホイールロックを付けている車は、ロックのキーが個体差でホイールに干渉することがあるともしている。
ホイールメーカーの適合表に載る iX3 G08 のサイズ
適合表は候補を絞るための資料で、最後の判断は現車で行う。ウェッズの適合検索の注意書きでは、サイズはノーマル車両の静止状態でのすき間を基準にしており、保安基準・車検・点検に適合することを保証するものではないとしている。車両の状態やマイナーチェンジで各部が変わると合わない場合があり、左右のフェンダーのばらつきですき間に差が出ることもあるので、タイヤを組む前に現車で合わせて確かめるよう求めている。
Weds の18インチ
ホイールメーカーのウェッズの適合表(IRVINE F01)は、iX3(G08)・型式42DU44・Mスポーツ に、18×8.0J インセット32 のホイールを 225/60R18 のタイヤで載せている。この行の注意事項は「ランフラットタイヤ対応」と「TPMSセンサー別売」で、掲載は2024年8月時点の調べだ。年式の欄は「2022-」なので、2021年登録の車は先に書いたとおり問い合わせてから決める。
MAK の19・20インチ
MAKホイールを扱う阿部商会の適応表では、FAHR で iX3(G08) を含む行は2つある。19×8.0J インセット30 と 20×8.0J インセット30 で、どちらも 5/112・ボア径66.6(専用)、純正のセンターキャップと純正のボルトが使える(ボルトはアルミホイール用の純正ボルトを使うよう注記がある)。
ただし、MAK の適応表には、前輪・後輪の別と、組み合わせるタイヤサイズの記載が無い。純正の後輪は海外の適合データサイトの値で 9.5J・275/40R20 なので、8.0J のホイールを後輪に使うときのタイヤサイズは、販売店やメーカーに確かめる。
TPMS センサー
ウェッズの適合表の iX3(G08) の行は「TPMSセンサー別売」。ウェッズの適合検索の注意書きでは、自動車メーカー純正の空気圧センサーは一部のホイール・サイズを除いてそのまま流用でき、ホイールによっては工場で取付用の加工が要るので、注文時に申し出るよう案内している。純正のセンサーを移すつもりなら、注文の時点で伝えておこう。
冬用に18インチへ下げるとき
タイヤ・ホイール販売店の iX3 向けの解説では、Mスポーツの純正ホイールは20インチで、同店のホイールでは18インチが装着できるサイズとしている。小径にすると同じ予算で上位のタイヤを選べるため、降雪地域では特に勧めるという。タイヤの外径は純正にできるだけ近いものを選ぶ。変更できるサイズは同店のホイールが基準で、他社のホイールは形状によって付かない場合があるとも書いている。
ほかのメーカーで18インチを探すなら、ウェッズの iX3(G08)・型式42DU44・Mスポーツ の行(18×8.0J インセット32・225/60R18、年式「2022-」)が1つの目安になる。リムの端は純正の前より約6mm内側に入る計算だ。
ホイール交換で使うガイドボルト
iX3 G08 はナットではなくボルトでホイールを留めるので、ホイールを掛けるときに穴の位置を合わせる道具があると作業の手間が減る。
INEX のホイールガイドボルトは M14×1.25 の2本入り(シルバー)。販売ページの商品名に「BMW iX3 G08対応」とあり、販売ページの商品説明では、ホイールの位置合わせをするときのタイヤの落下などを防ぐ物で、説明書は付かない。
INEX ホイールガイドボルト M14×1.25 2本(BMW iX3 G08対応と記載)
RIDE のホイールガイドボルト(セッティングボルト)も M14×1.25 の2本入り(シルバー)。販売ページの商品名に「BMW iX3 G08対応」とあり、販売ページの商品説明では、ホイールの位置合わせをするときのタイヤの落下などを防ぐ物で、説明書は付かない。
RIDE ホイールガイドボルト M14×1.25 2本(BMW iX3 G08対応と記載)
INEX と RIDE の2商品とも、販売ページの商品説明に、記載のメーカーや車種でも合うサイズが違う場合があるので、購入前に現車のハブボルトのサイズを確かめるよう書かれている(出品者の記載)。どちらも M14×1.25 の2本入りだ。価格は変わるので、リンク先で見比べて選べばよい。
よくある質問
スペーサーで外へ出してもよいか
スペーサーはホイールの取り付け面を車体の外側へ出す部品で、外へ出した分だけはみ出しの余裕は減る。入れる場合は、ハブリングでホイールの穴とハブの出っ張りを密着させ、荷重をハブの中心で支えることが特に重要とされる。はみ出しの決まりは前の節を見てほしい。
社外ホイールで純正ボルトは使えるか
MAKホイールを扱う阿部商会の適応表では、FAHR の iX3(G08) を含む2行(19×8.0J・20×8.0J インセット30)は純正のボルトが使えるとしたうえで、アルミホイール用の純正ボルトを使うよう注記している。純正のホイールロックを付けている車は、ロックのキーが個体差でホイールに干渉することがあるともしている。ほかのホイールは、座面の形がホイール側の穴の形と合うかを、そのホイールの資料で確かめる。
2026年の新型 iX3 と同じサイズか
同じとは言えない。新型 iX3 は2026年7月22日に BMW ジャパンが発表・発売した、車両を構成する要素を一から開発した別の車だ。PCD・ハブ径・オフセット・タイヤサイズは G08 の値で、新型 iX3 には当てはめない。
締め付けトルクはどこで確かめるか
ウェッズは、ホイールの取付作業の注意(締め付けを含む)はホイールに付いてくる取扱説明書を見るよう案内している。締め付けトルクの値は、車両の取扱説明書か、作業を頼む販売店・整備工場で確かめる。
まとめ:前後別の基準で比べ、最後は現車で合わせる
迷ったら、まず車検証で型式と初度登録年月を確認する。型式42DU44 かどうかと、2021年登録でウェッズの「2022-」の年式表記から外れるかどうかが、ここで分かる。
- 日本仕様の iX3 G08(型式42DU44・Mスポーツ)の車両側は、5穴・PCD112・ハブ径66.6mm、M14×1.25・60°テーパー座のボルト留め。
- 海外の適合データサイトの日本仕様の欄では、純正は前 8J×20 インセット26・後 9.5J×20 インセット43 の前後で違うサイズ(BMW の日本向けの公式資料では確かめられておらず、同じ欄には19インチや21インチも並ぶ)。この値を基準にするなら、社外ホイールは前と後を別々の基準で比べる。
- ウェッズの iX3(G08)・型式42DU44・Mスポーツ の行(18×8.0J インセット32、年式「2022-」)と、阿部商会の MAK の iX3(G08) を含む行(19×8.0J・20×8.0J インセット30、前後の別とタイヤサイズの記載は無い)は候補を絞る材料。ウェッズは静止状態のすき間を基準にしたサイズで、車検の適合は保証しないとしている。
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