BMW i3(I01)のホイールの値には、年式や仕様で変わらないものと、変わるものがある。5穴・PCD112とボルトのねじは前期も後期も共通だが、前後のリム幅とインセットは、標準の i3 の19インチか、後期(2017〜2022年)の i3s の20インチかで違い、前後が同じ組み合わせだけを純正として載せる仕様のデータもある。まず共通の値を押さえ、次に自分の車がどの組み合わせかを現物で確かめる順に進めよう。
i3(I01)のPCD・ボルト・ハブ径と純正インセット
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 穴数・PCD | 5穴・112mm(5×112) |
| 留め方・ねじ | ボルト(ラグボルト)・M14×1.25 |
| ハブ径 | 66.6mm とするデータが多い。前期(2014〜2017年)は 66.7mm とするデータもある |
| 19インチ純正・前後が違う組み合わせ(標準の i3) | 前 5J×19・インセット43mm/後 5.5J×19・インセット53mm |
| 19インチ純正・前後同じ組み合わせ(そう載せるデータがある仕様) | 前後とも 5J×19・インセット43mm |
PCD は前期(2013〜2017年)も後期(2017〜2022年)も同じで、PCD を載せているタイヤ・ホイールのデータはすべて 5×112 で一致している。ホイールはナットではなくボルトで留める。
ハブ径と前後のインセットは、ホイール販売店の車種別の適合データや海外のホイール適合データベースが載せている値で、出典や仕様によって分かれる。前後で幅とインセットが違う組み合わせは、標準の i3 の19インチ純正のうち前後別のもののほか、前期(2013〜2017年)の20インチの組み合わせ(ホイール販売店の適合データに載る値)と、後期(2017〜2022年)の i3s の20インチ純正にもあり、前後とも同じ組み合わせだけを純正として載せる仕様のデータもある。それぞれの中身は後の節で扱う。
PCD・インセット・ハブ径の意味
PCD と穴数
PCD はボルト穴の中心を結んだ円の直径で、穴の数と組み合わせて「5穴・112mm(5×112)」のように表す。穴数か PCD のどちらかが違うホイールは、ボルトが正しく入らず取り付けられない。
インセット(オフセット・ET)
インセットはオフセットや ET とも書かれ、ホイールの幅の中心線から、ハブに当たる取り付け面までの距離を表す。数値が大きいほどホイールは車体の内側に入り、小さいほど外側に出る。同じ幅でもインセットが変わると、タイヤの出る位置が変わる。
ハブ径(センターボア)
ハブ径はホイール中央の穴の直径で、車側のハブの出っ張りにはまる部分だ。ホイール側の穴がハブより小さいと装着できない。大きいときは、すき間を埋めるハブリングで芯を合わせることがある。
純正ホイールの前後別の値(19インチ・20インチ)
ホイール販売店の車種別の適合データと、海外のホイール適合データベースが載せている組み合わせを、対象ごとに並べる。各 H3 に書いた年式・グレードの外へ広げて読まないでほしい。
19インチ(標準の i3)
| 位置 | リム幅×径 | インセット | タイヤ | インセットの目安 |
|---|---|---|---|---|
| 前輪 | 5J×19 | 43mm | 155/70R19 | 41〜45mm |
| 後輪 | 5.5J×19 | 53mm | 175/60R19 | 51〜55mm |
標準の i3 の19インチ純正で前後が違う組み合わせは、前後でリム幅が0.5インチ、インセットが10mm違う。適合データはインセットの目安を純正の前後2mm(前輪 41〜45mm、後輪 51〜55mm)としている。前輪と同じ組み合わせを前後とも純正とする仕様のデータもあり、これは「前後同じか前後別か」の節で扱う。
20インチ(前期の組み合わせ)
前期(2013〜2017年)については、ホイール販売店の適合データに20インチの組み合わせも載っている。前輪 5J×20・インセット43mm(タイヤ 155/60R20)、後輪 5.5J×20・インセット53mm(タイヤ 175/55R20)で、インセットは19インチと同じ値だ。海外のホイールサイズのデータでは、前期の純正のリムを19×5.0から20×5.5の範囲としている。
i3s の20インチ
後期(2017〜2022年)の高出力版 i3s の純正は20インチで、前輪 5.5J×20・インセット33mm(タイヤ 175/55R20)、後輪 6J×20・インセット39mm(タイヤ 195/50R20)。適合データのインセットの目安は前輪 31〜35mm、後輪 37〜41mm だ。標準の i3 より幅が広く、インセットが小さい(ホイールが外側に出る)組み合わせなので、後期(2017〜2022年)の i3s の値を標準の i3 に当てはめない。
タイヤ側のサイズは次の記事にまとめてある。
i3 のタイヤとホイールが細く大径な理由
東洋経済オンラインの記事によると、i3 の純正タイヤは幅155mmで19インチという細く大径の組み合わせで、ブリヂストンが開発した「ologic」だ。ほかの車には無い組み合わせとされる。幅を細くすると空気抵抗が減る一方でグリップが落ちるので、剛性を上げ、新しいトレッドパターンを作り、径を大きくして補った。
Car Watch の発表会の記事では、日本での新型 i3(航続距離が電気のみで390km、レンジエクステンダーで511kmの仕様)の展示車は、19インチのアルミホイールにブリヂストン「エコピア EP500」の組み合わせで、タイヤはフロント 155/70R19、リア 175/60R19 だった。
標準の i3 の19インチ純正の5J・5.5Jという細いリムと、43mm・53mm というインセットは、このタイヤを前提にした値だ。同じ5×112でも、他の車向けのホイールとは幅もインセットも大きく違うことがあると考えて選び始めたい。
前後同じか前後別か — 仕様と日本の型式による違い
タイヤ・ホイールのデータベースの日本仕様の項では、日本の型式 ZAA-1Z00・ZAA-8P00(電気自動車のみ)と DLA-1Z06・3LA-8P06(発電用エンジン付き)も、PCD 5×112・ハブ径 66.6mm・ねじ M14×1.25 と載っている。海外のホイール適合データベースは、この4つの型式を I01 の後期(2017〜2022年)の行に載せている。
一方で、前後の組み合わせはデータの載り方が仕様で分かれる。海外のホイール適合データベースでは、電気自動車のみの仕様(日本の型式 ZAA-1Z00・ZAA-8P00、海外の Electric の行)はタイヤ1サイズとインセットの目安 41〜45mm の1つだけが載り、発電用エンジン付きの仕様(日本の型式 DLA-1Z06・3LA-8P06、海外の Hybrid の行)は前後別(後輪の目安 51〜55mm)が載っている。ホイール販売店の前期のデータでも、電気自動車のみの仕様は純正の印が前輪の行だけに付いている。
ただ、これはデータの載り方であって、1台ごとの装着を示すものではない。自分の車が前後同じか前後別かは、4本のホイールの刻印とタイヤ側面の表示で確かめる。
ハブ径 66.6mm と 66.7mm の食い違い
海外のホイールサイズやホイール規格のデータ、ホイール販売店の適合データを見比べると、ハブ径は 66.6mm とするデータが多い。後期(2017〜2022年)はどのデータも 66.6mm だ。前期(2014〜2017年)は 66.6mm とするデータと 66.7mm とするデータ(2社)があり、0.1mm の食い違いがある。
ハブ径はホイールの芯を合わせる部分なので、この差は部品選びに直接響く。ハブリングやハブ付きスペーサーの内径は自分で決め打ちしない。ホイールメーカーやスペーサーのメーカーの適合表で i3(I01)が対象になっているかを見るか、ディーラーや取り付け店で確かめてから選ぼう。
自分の i3 の値を現物で確かめる手順
次の順に見ていく。前後で値が違うことがあるので、4本とも見るのが前提だ。
- 4本それぞれのホイールの刻印(リム幅とインセット)を見る
- タイヤ側面のサイズ表示を、前後とも見る
- 車体に貼られたタイヤのラベルを見る(ホイール販売店は、給油口のふた・運転席ドアの内側・荷室などを挙げている)
- 車検証の型式を控え、ホイールを買う店やディーラーに伝える
今のタイヤに合わせてホイールを選ぶなら、今のホイールから読み取ったサイズを基準にする。前後同じか前後別かも、この手順で分かる。
社外ホイール・冬用ホイールを選ぶときの照らし方
照らす順番
PCD だけで選ばず、次の順に照らす。
- 5穴・PCD112 か
- ハブ径:66.6mm 前後のハブに合うか、ハブリングが要るか
- 前後それぞれのリム幅とインセット(19インチ純正の前後が違う組み合わせは前 5J・43mm、後 5.5J・53mm。前後同じ仕様もある)
- ボルト:M14×1.25 のねじ・座面の形・長さ
- 組むタイヤのサイズが手に入るか
PCD が同じ5×112でも、他の車向けのホイールは、幅・インセット・ハブ径が i3 の純正と大きく違うことがある。i3 の細いタイヤに組めるリム幅か、前後それぞれのインセットとハブ径が合うかまで見よう。
前後別の組み合わせの車
前後で幅とインセットが違う組み合わせの車では、ホイールを前後で入れ替えない。タイヤのローテーションも前後では行えない。社外ホイールや冬用のセットも、前輪用と後輪用を別々の指定で選ぶ。
インチや幅を変えるとき
組むタイヤの外径を純正に近づける。外径が大きく変わると、メーターの表示のずれや、車体との干渉の原因になる。i3 の純正タイヤは細く大径の特殊なサイズなので、選んだホイールに組めるタイヤが実際に手に入るかも先に確かめておく。
ボルト締めの注意とスペーサーで外へ出すとき
ボルトはホイールに合わせる
i3(I01)はナットではなくボルトで留め、ねじは M14×1.25 だ。ボルトで留める車は、ホイールを替えると、ホイール側の座面の形やボルトのねじ込みの長さが純正のボルトと合わなくなることがある。社外ホイールには、そのホイールメーカーが指定するボルトを使う。
スペーサーで外へ出すとき
スペーサーを挟むと、厚みの分だけインセットを小さくしたのと同じになり、ホイールが外へ出る。ボルトで留める車では厚みの分だけボルトのねじ込みが浅くなるので、長いボルトかスペーサーに付属の専用ボルトが要る。ハブに芯を合わせるハブ付きのものか、i3(I01)が適合表に載っているかも確かめる。
はみ出しと締め付けの確認
インセットを小さくする方向の変更(社外ホイールやスペーサー)は、フェンダーからのはみ出しや、ハンドルを切ったときやサスペンションが沈んだときの干渉につながる。はみ出しは車検(保安基準)にも関わるので、装着後に確かめ、取り付け店に相談しよう。
ホイールボルトは、トルクレンチを使い、取扱説明書やディーラーが示す指定の値で締める。ホイールを替えた後は、しばらく走ってから締め付けを確かめ直す。
よくある質問
PCD が同じ 5×112 の他車のホイールは付く?
PCD が合うだけでは、付くとは言えない。幅・インセット・ハブ径が i3 の純正と大きく違うことがあるので、前後それぞれの値とハブ径、ボルトまで照らす。照らす順番は「社外ホイール・冬用ホイールを選ぶときの照らし方」の節のとおりだ。
前後のホイールを入れ替えてよい?
前後で幅とインセットが違う組み合わせの車なら、入れ替えない。前後同じ組み合わせだけを純正として載せる仕様のデータもあるので、まず4本の刻印で自分の車がどちらかを確かめる。
スペーサーで外へ出してもよい?
使うなら、厚みの分だけインセットが小さくなることを前提に、長いボルトか付属の専用ボルト、ハブ付きか、i3(I01)が適合表に載っているかを確かめる。装着後のはみ出しは取り付け店に相談する。
冬用ホイールを別に用意するときは何を合わせる?
5穴・PCD112、ハブ径、前後それぞれのリム幅とインセット、ボルト(M14×1.25・座面の形・長さ)、組むタイヤが手に入るか、の5つだ。前後で幅とインセットが違う組み合わせの車は、前輪用と後輪用を別々に指定する。ホイールを替えた後に走行中の音が気になったときは、次の記事も参考になる。
まとめ:候補を絞ってから適合を確かめる
i3(I01)は5穴・PCD112、ボルトのねじは M14×1.25 で、ハブ径は 66.6mm とするデータが多い(前期〈2014〜2017年〉は 66.7mm とするデータもある)。前後のインセットは、標準の i3 の19インチ純正で前後が違う組み合わせなら前 43mm・後 53mm だが、前後同じ組み合わせだけを純正として載せる仕様のデータもある。
ホイールを買うときは、まず4本の刻印で確かめた自分の車の値に合う候補を1つに絞る。そのうえで、ホイールメーカーの適合表かディーラーで i3(I01)が対象かを最終確認する。この順番なら、PCD だけ合って付かないホイールを選ぶ失敗を避けられる。
i3 のほかの整備の記事もあわせて見ておきたい。

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