BMWi3 I01 異音の原因|モーター・発電機・ブレーキ別

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停車中や低速で、これまで気にならなかった音がふいに耳につく——排気音のないBMW i3(I01)では、ほかの車なら走行音に埋もれていた小さな音まで拾いやすくなります。しかも発電用エンジン(レンジエクステンダー)や回生ブレーキといったi3ならではの機構は、正常でも独特の音を出すため、故障の音と切り分けづらいのが厄介です。ここでは、i3の異音を「どこから・いつ・どんな音か」で分け、モーターや発電機、ブレーキ、足回りといった部位ごとに原因と対処を並べます。正常な作動音と、早めに点検したいサインの見分け方までまとめました。

目次

なぜi3は異音が耳につきやすいのか

i3の異音対応が国産のガソリン車と違うのは、そもそも「音の土台」が静かだからです。エンジンのアイドリング音や排気音がないため、モーターの高い音、タイヤの転がり音、足回りのきしみといった、本来なら埋もれていた音が前面に出てきます。

そのうえで、i3には発電用エンジンと回生ブレーキという、正常でも音を出す固有の機構があります。だから「音がする=故障」ではなく、まずはその音が正常な作動音なのか、点検が要る異音なのかを分けるところから始めます。判断の軸になるのは「いつ・どこから・どんな音か」の3点で、これをメモしておくと原因の絞り込みが一気に楽になります

音を切り分ける3つの視点

一つ目は「いつ」。加速中か、減速やブレーキ中か、段差を越えたときか、停車中かで、疑う部位はまったく変わります。二つ目は「どこから」。前か後ろか、足元か天井か、車内か車外かをおおまかに把握します。三つ目は「どんな音」。ヒューンという連続音、ゴーやキーという摩擦音、コトコトという打音では、原因の系統が異なります。スマートフォンで走行中の音を録っておくと、点検を頼むときの説明がぐっと具体的になります。

先に正常な作動音を知っておく

i3は発電用エンジンの始動音、回生時のわずかな音、歩行者保護のための擬似走行音(低速で鳴る合成音)など、EV特有の音を出します。これらは仕様として設計された音なので、初めて聞くと不安でも故障ではありません。正常な音のパターンを先に覚えておくと、そこから外れた音だけを異音として拾えるようになります。

発電用エンジン(レンジエクステンダー)の音

レンジエクステンダー付き(REx)のi3では、バッテリー残量が一定以下になると発電用エンジンが動き出します。積まれているのはBMWの大型スクーターC650由来の直列2気筒647ccエンジンで、最高出力は約38馬力の発電機です。発電した電力はモーターへ送られ、車は常に電気モーターで走るため、エンジンが直接タイヤを回すわけではありません。

このエンジンが回り出すと、車外で目立つ低いうなり音と、車内にも伝わる小刻みな振動が出ます。排気量の小さい2気筒を高回転で回して発電する構造上、音や振動が耳につくのは正常な動作で、故障ではありません。ただし、始動のタイミングや音質がいつもと違うときは、切り分けが要ります。

正常な発電作動の音と振動

長い上り坂や高速の連続走行、あるいは残量が減った状態でエンジンが始動し、一定の回転で低くうなるのは通常の発電動作です。停車中でもバッテリーが減っていれば発電のために始動することがあり、これも仕様の範囲です。音の大きさは車外で大きく、車内では走行音に近い低音として感じられます。

注意すべき異音・警告

一方で、金属的な打音やガラガラという異音を伴う、極端な振動が出る、あるいは「ドライブトレーン異常」の警告と同時に鳴るときは、発電系の不具合を疑います。高電圧ケーブルや発電機側のユニット、クランク系の不調が背景にあることがあり、この場合は自走を続けず点検に回します。なお初期の1Z06エンジン搭載車には、蒸発ガスのホースの取り回しが原因のリコールが出た経緯があります。走行中の振動でホースが電源ケーブルと干渉して損傷し、燃料漏れにつながるおそれがあるという内容なので、中古で入手した個体は対策済みかをディーラーで確認しておくと安心です。

ブレーキから出るゴー・キーという摩擦音

i3で相談が多いのが、ブレーキを踏んだときのゴーという擦れる音やキーという鳴きです。これは回生ブレーキが主役のEVならではの現象で、故障ではなく錆が原因のことがほとんどです。

i3は減速の大半をモーターの回生でまかなうため、摩擦ブレーキのローター(ディスク)を使う頻度が国産のガソリン車よりずっと低くなります。使われないローターの表面には錆が浮きやすく、その錆をパッドが削るときにゴーやキーという音が出ます。雨の翌朝や、屋外に一晩置いたあとの走り出しで最も出やすいのが特徴です。

なぜi3のブレーキは錆びやすいのか

鉄のローターは走行中の摩擦熱と研磨で錆を落としながら使うのが前提の部品です。ところがi3ではアクセルを戻すだけで回生が効き、フットブレーキをほとんど踏まずに止まれてしまうため、ローターが磨かれる機会が減ります。結果として表面に薄い錆が残り、水分が加わるとさらに進みます。走行距離が伸びていても摩擦ブレーキの摩耗が少ないのは、この使い方の裏返しです。

自分でできる対処と交換のサイン

軽い表面錆なら、安全な直線で車間を十分にとり、少し強めのブレーキを数回踏んでローターを磨くと収まることがあります。それでもゴー音が消えない、キーという高い鳴きが続く、ペダルにゴリゴリした感触が伝わる場合は、パッドの摩耗やローターの深い錆、キャリパーの固着が進んでいる可能性があります。ここまで来ると清掃では戻らないため、パッドとローターの点検・交換で対処します。制動時に車体が左右に振られる、警告灯が点くといった症状があれば、走行を控えて早めに見てもらいます。

モーターと減速機のヒューン音

加速や減速に合わせてヒューンと上下する高い音は、電気モーターと一段減速のギアが出す作動音で、EVでは普通に聞こえる音です。速度に比例して音程が変わるのが正常なモーター音の特徴で、これ自体は消せません。静かな車内だからこそ目立って聞こえているだけ、というケースが大半です。

正常な作動音と異常音の見分け方

問題になるのは、音質が急に変わったときです。ヒューン音に金属的なうなりやガラガラした濁りが混じる、特定の速度で共鳴のような音が出る、駆動をかけた瞬間だけゴトンと鳴るといった変化は、減速機やマウント、駆動系の点検サインです。速度を一定に保ったとき、アクセルを踏み込んだとき、アクセルを戻して回生が効いたときで音がどう変わるかを聞き分けると、モーター本体か減速機側かの当たりがつけやすくなります。同じ速度でもアクセルの操作で音が出たり消えたりするなら、駆動トルクのかかる経路が音源です。

左右差や曲がり方で変わる音

左右に曲がるときだけ音が変わる場合は、ドライブシャフトやハブ周りも候補になります。直進では静かなのに旋回でうなりが強まるなら、ハブベアリングのへたりが典型的なパターンです。段差の直後だけ鳴るのか常に鳴るのかも合わせて記録しておくと、駆動系か足回りかの切り分けが早まります。いつもの作動音との違いを録音しておくと、点検で原因の系統を伝えやすくなります。

足回り・サスペンションのコトコト音

段差や荒れた路面でコトコト、ゴトゴトと鳴る打音は、足回りのがたつきが疑われます。i3は車重に対して背が高く、細いタイヤで支える設計のため、路面の入力がサスペンションのブッシュやリンク、スタビライザーのつなぎ目に伝わりやすい構造です。ゴム部品が劣化してくると、そこにわずかな遊びが生まれ、段差で打音として出ます。

まず確認したいのは、タイヤの空気圧とホイールボルトの締め付けです。空気圧の偏りやボルトの緩みでも異音は出るため、簡単なところから潰します。それでも段差での打音が残る場合は、ロアアームやスタビリンク、ショックのアッパーマウントといった部品のへたりを疑い、リフトアップして揺すりながら発生源を探します。足回りの打音は放置すると操縦安定性にも響くため、発生源が特定できたら早めに手当てするのが安全です。荷室に積んだ荷物や車載工具が動いて鳴っていることもあるので、車内側の可能性も同時に除外しておきます。

タイヤとロードノイズが大きく感じる理由

i3はエコと軽量化のために、前155・後175という細くて外径の大きいタイヤを履いています(詳しくはBMWi3 I01 タイヤサイズ|前後で違う155/175の理由を参照)。この独特なサイズと、エンジン音がない静かな室内が重なることで、路面の転がり音(ロードノイズ)が実際以上に大きく感じられます。ザーというロードノイズ自体は異音ではなく、i3の素性による部分が大きいものです。

ただし、ゴーという音が特定の速度で強まる、ハンドルに振動が出る、片側だけ音が大きいといった場合は、タイヤの偏摩耗や異物の噛み込み、空気圧の過不足を疑います。細いタイヤは空気圧の管理がとくにシビアで、指定圧から外れると偏摩耗とノイズ増加の両方を招きます。タイヤを回してトレッド面の段付き摩耗や小石・釘の有無を目で確認し、指定空気圧に合わせるだけでも、耳につくノイズが収まることがあります。

室内から出るきしみ・ビビリ音

走行中にダッシュボードや内張りからミシミシ、ビリビリと鳴るのは、内装のきしみ・共振によるものです。i3は炭素繊維を使った軽量ボディに、再生材や天然素材を多用した内装を組み合わせているため、温度や湿度の変化で樹脂やパネルがわずかに動き、擦れて音が出ることがあります。冬場や、直射日光でダッシュボードが温まったときに出やすいのが傾向です。

発生源は、パネルのはめ合い部、シートベルトのバックル、ドアポケットに入れた小物、荷室のトノカバーなど、身近なところが多くを占めます。手で軽く押さえて音が止まる場所を探し、当たっている面にフェルトや薄いスポンジを挟むと収まります。内装のきしみは機構的な不具合ではないことがほとんどなので、発生源さえ突き止めれば費用をかけずに対処できます。それでも消えない場合や、特定のパネルが浮いている場合は、クリップの外れや固定不良を点検します。

「ドライブトレーン異常」と異音が同時に出たら

i3のメーター内に「ドライブトレーン異常」と表示され、同時に異音やパワーの低下、加速のもたつきが出るときは、EVの駆動・発電システムに関わる不具合の可能性があります。背景には高電圧ケーブルの不良、発電機側のユニット、レンジエクステンダーのクランク系など、専門診断が要る領域が含まれます。

この表示が出た状態で無理に走り続けると、症状が広がることがあります。警告と異音・出力低下が重なったら、安全な場所に停めて自走にこだわらず、ディーラーや専門工場での診断に切り替えるのが安全です。駆動用バッテリーやインバーターに及ぶ不具合は修理費が高額になりやすいため、早い段階での診断が結果的に負担を抑えます。12V系の補機バッテリーが弱っても電装の警告や不安定な挙動につながることがあるので、あわせて状態を確認しておきます(BMWi3 I01 バッテリー交換|12V補機の型番と登録も参考になります)。

異音を記録して点検につなげるコツ

異音は、点検の場では再現しないことがよくあります。工場に持ち込んだ瞬間だけ音が消えて、原因にたどり着けないまま戻ってくるのは、ありがちな遠回りです。これを避けるには、音が出た状況をできるだけ具体的に残しておくのが有効です。

スマートフォンで走行中の車内音を録画・録音し、そのとき何をしていたか(速度、加速か減速か、段差か旋回か、暖機の前か後か、天候)を一緒にメモします。「いつ・どこから・どんな音か」を記録として渡せると、整備側は現車で音が出るのを待つ必要がなくなり、点検が一度で終わりやすくなります。発電用エンジンや回生ブレーキのように正常でも鳴る音との切り分けも、記録があるほど正確になります。i3は国産車の少ない電動系の構造を持つため、輸入車やEVの整備に慣れた工場を選ぶことも、原因究明の遠回りを減らすうえで効いてきます。

よくある質問

発電用エンジンが急に動き出して音がするのは故障ですか

REx付きのi3では、バッテリー残量が一定以下になると発電のためにエンジンが自動で始動します。低いうなり音と小刻みな振動を伴うのは正常な動作で、故障ではありません。ただし、金属的な打音や極端な振動、「ドライブトレーン異常」の警告を伴うときは発電系の点検が要ります。

雨の後にブレーキからゴーという音がします

回生ブレーキ主体のi3は摩擦ブレーキを使う頻度が低く、ローター表面に錆が浮きやすい車です。雨や夜露で錆びたローターをパッドが削るためにゴー音が出ます。安全な場所で少し強めのブレーキを数回踏んで錆を落とすと収まることが多く、それでも続くならパッドとローターの点検に回します。

モーターのヒューンという高い音は消せますか

速度に合わせて上下するヒューン音は、電気モーターと減速機の作動音で、仕様として出る音のため基本的には消せません。静かな車内で目立って聞こえているだけのことが大半です。金属的な濁りや特定速度での共鳴など、音質の変化が出た場合だけ、駆動系の点検対象になります。

走行中に「ドライブトレーン異常」が出たらどうすればいいですか

出力の低下や異音を伴う場合は、安全な場所に停めて自走を続けないのが基本です。高電圧系や発電機、駆動系に関わる不具合の可能性があり、専門診断が要ります。表示が一度で消えても再発することがあるため、記録を残してディーラーや専門工場で見てもらいます。

まとめ

i3(I01)の異音は、エンジン音がない静かな車ゆえに小さな音まで目立つこと、そして発電用エンジンと回生ブレーキという固有の機構が正常でも音を出すことを前提に切り分けると、原因にたどり着きやすくなります。発電用エンジンの低いうなりや、雨の後のブレーキのゴー音、速度に応じたモーターのヒューン音は仕様の範囲です。一方で、金属的な打音や極端な振動、段差でのコトコト音、そして「ドライブトレーン異常」の警告を伴う音は点検のサインです。「いつ・どこから・どんな音か」を録音とメモで押さえ、正常な作動音と切り分けたうえで、必要な部位だけを点検・整備するのが、遠回りのない対処になります。

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この記事を書いた人

車種別パーツ適合情報サイト「パーツ選び.com」の編集部。タイヤサイズ・エンジンオイル量・ワイパー適合・フィルター型番など、2,400本以上の記事と全80車種対応の早見表を公開中。適合値はメーカー公式の諸元・取扱説明書や部品メーカーの公式適合表で確認したものを優先し、確認できない数値は載せない方針で運営しています。

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