BMWi3(I01)の純正タイヤは、前輪155/70R19・後輪175/60R19という前後で異なる特殊なサイズで組まれている。細くて外径の大きいタイヤは、一般的なコンパクトカーの感覚で選ぶと合うものが見つからず戸惑いやすい。ここでは複数の適合データを突き合わせて、前後のサイズ差が生まれる理由、ホイールの径やPCD、交換時に押さえておきたい点までを一度に整理する。車検証の型式(ZAA-1Z00)が確認できれば、サイズ選びで迷う場面はかなり減らせる。
BMWi3(I01)の純正タイヤサイズ早見表
海外のフィットメント検索サイトと国内の適合データを照合すると、i3のサイズ構成は次のようにまとまる。標準の19インチ仕様に加え、20インチのオプションや高出力版のi3sでは数値が変わる点に注意したい。
| 仕様 | 前輪タイヤ | 後輪タイヤ | 前ホイール | 後ホイール |
|---|---|---|---|---|
| 標準(19インチ) | 155/70R19 84Q | 175/60R19 86Q | 5J×19 ET43 | 5.5J×19 ET53 |
| 20インチオプション | 155/60R20 80Q | 175/55R20 85Q | 5J×20 ET43 | 5.5J×20 ET53 |
| i3s(高出力版) | 195/50R20 89T | 215/45R20 93T | 5.5J×20 | 6J×20 |
標準のi3は前後で幅も外径の設計思想も異なり、前155mm・後175mmという組み合わせになっている。レンジエクステンダー非装着の初期グレードでは前後とも155/70R19で揃うケースも案内されているが、後輪を175/60R19とする個体が多いため、注文前に現車の後輪表示を実測で確認しておくと取り違えを防げる。ホイールのボルト固定に関わる数値は、後述のとおり全グレードで共通している。
前後でタイヤサイズが違う理由
航続距離を稼ぐための細幅・大径設計
i3は電気自動車として転がり抵抗をできる限り削るため、幅を絞って外径を大きくした専用タイヤを履いている。155/70R19という数値は、幅155mmに対して19インチという大径ホイールを組み合わせるもので、一般的な軽自動車やコンパクトカーではほとんど見かけない構成だ。細いタイヤは接地面の変形が小さく、路面を転がる際のエネルギー損失が抑えられる。これが一充電あたりの走行距離を伸ばす狙いにつながっている。
前輪よりも後輪をわずかに太くしているのは、駆動と車重配分のバランスを取るためとされる。i3は後輪駆動のレイアウトで、駆動力を路面に伝える後輪側に175mmという少し広い接地幅を与えている。前後で異なるサイズを採用しているぶん、ローテーション(前後入れ替え)は基本的にできない構成になっている点も覚えておきたい。
一般的なタイヤとの互換性の低さ
このサイズは市場での流通量が少なく、選べる銘柄が限られる。夏タイヤ・冬タイヤともに対応製品が限定的で、在庫を持つ販売店も多くはない。155/70R19や175/60R19という表記を商品ページで見かけたら、i3(I01)向けである可能性が高いが、必ず適合車種欄に「i3」や「1Z00」の記載があるかを確認したい。サイズの数字が一致していても、荷重指数(84Q・86Qなど)や速度記号が純正指定を下回る製品は避けるのが安全だ。
ホイールのサイズ・PCD・締め付けデータ
全グレード共通の固定寸法
タイヤの幅や外径はグレードで変わるが、ホイールを車体に固定する寸法は共通している。適合データではPCDは5H-112(5穴・ピッチ112mm)、ハブ径(センターボア)は66.6mmと案内されている。これはBMWの多くのモデルと同じ規格で、社外ホイールを検討する際の目安になる。
- PCD: 5H-112(5穴/ピッチ112mm)
- ハブ径(センターボア): 66.6mm
- ホイールボルト: M14×1.25
- 締め付けトルク: 140N・m
BMWはナット式ではなくボルト式でホイールを留める方式のため、社外ホイールを組む場合は適合するホイールボルトの長さや形状も合わせて確認する必要がある。締め付けトルクは140N・mと案内されており、トルクレンチで規定値まで締めることでナット・ボルトの緩みや締め過ぎによる破損を避けやすくなる。
前後で異なるリム幅とオフセット
前ホイールは5J×19 ET43、後ホイールは5.5J×19 ET53と、リム幅もオフセットも前後で異なる。前後を入れ替えて使うことは想定されていないため、ホイールを買い替える際も前後別々のスペックで揃える点に注意したい。20インチ仕様に上げる場合もリム幅とオフセットは19インチと同じ考え方で、外径を保つために扁平率(タイヤの厚み)を下げたサイズが選ばれている。
純正指定の空気圧
適合データでは、規定空気圧は前輪2.3bar(約33psi)・後輪2.8bar(約41psi)と案内されている。前後でサイズが違うのと同様に、空気圧も前後で差がつけられている点が特徴だ。後輪のほうが高めに設定されているため、給油(充電)スタンドの空気入れで調整する際は前後を取り違えないようにしたい。
空気圧が不足すると、細幅タイヤは特に接地面の変形が大きくなり、転がり抵抗が増えて航続距離が落ちやすい。月に一度は前後それぞれの指定値を目安に点検しておくと、電費(電力あたりの走行距離)の低下やタイヤの偏った摩耗を防ぎやすい。正確な指定値は運転席側ドア開口部などに貼られた空気圧ラベルにも記載されているため、現車のラベルと照らし合わせて確認するのが確実だ。
タイヤ選びで確認したいポイント
サイズ表記と適合車種欄の両方を見る
前述のとおりi3のサイズは流通量が少ないため、通販で探す際は「155/70R19」「175/60R19」というサイズ表記だけでなく、商品の適合車種欄にi3(I01/1Z00)の記載があるかを合わせて確認したい。数字が合っていても、EV向けの荷重・速度性能を満たさない製品では安心して使えない。スタッドレスタイヤを探す場合はさらに選択肢が絞られるため、シーズン前の早めの手配が現実的だ。
前後の本数と組み合わせに注意
標準のi3は前後で幅が違うため、4本セットをまとめ買いする際も前2本(155/70R19)・後2本(175/60R19)という内訳を必ず確認する。ネット通販では同一サイズ4本の販売が基本のため、前後別サイズを個別に手配する必要がある。数量を間違えると届いてから組み替えの手戻りが生じるため、注文画面でサイズと本数を最終確認したい。
冬タイヤ(スタッドレス)を選ぶときの注意
i3のサイズは夏タイヤ以上に冬タイヤの選択肢が絞られる。155/70R19や175/60R19という細幅・大径サイズに対応するスタッドレスは、国内主要メーカーでもEV専用として展開される限られた銘柄が中心で、量販店の店頭在庫として常時置かれていることは少ない。積雪地で使う個体では、シーズンが本格化する前に前後のサイズと本数を確定させ、早めに手配しておくのが現実的だ。
冬タイヤに履き替える際も、前後で幅が異なる点は夏タイヤと変わらない。前2本・後2本の内訳を取り違えないこと、荷重指数と速度記号が純正指定を下回らないことの二点は必ず確認したい。ホイールを冬用にもう一組用意する場合は、PCD5H-112・ハブ径66.6mmという固定寸法が夏用と共通なので、前5J×19 ET43・後5.5J×19 ET53というリム幅とオフセットの前後差だけを合わせれば流用しやすい。細幅タイヤは雪道で接地圧が高まりやすい一方、深い轍(わだち)ではハンドルを取られやすい面もあるため、路面状況に応じた慎重な運転を心がけたい。
交換時期と摩耗の見きわめ
タイヤのゴムは走行距離だけでなく経過年数でも劣化が進む。溝が残っていても、製造から年数が経つとゴムが硬化してグリップやウェット性能が落ちるため、側面のひび割れや細かなクラックが目立ってきたら交換のサインと考えてよい。i3は前後でサイズと役割が異なるぶん、前後の摩耗の進み方に差が出ることもある。定期点検のたびに前後それぞれの溝の深さと表面の状態を確認しておくと、片側だけ極端に減っている状況に早めに気づける。
スリップサイン(残り溝1.6mmで露出する目印)が出たタイヤは、細幅であるほど排水性能が落ちやすく、雨天時のグリップ低下につながる。溝の残量が心もとなくなってきたら、流通量の少ないサイズであることを踏まえ、在庫の確認と手配を早めに進めておきたい。
よくある質問
BMWi3(I01)の純正タイヤサイズは前後で違いますか
標準のi3は前輪155/70R19・後輪175/60R19と、前後で幅・外径ともに異なります。後輪駆動のレイアウトと車重配分に合わせて後輪をわずかに太くした設計です。前後を入れ替えて使うローテーションは想定されていないため、交換や買い替えの際は前後別々のサイズで揃える必要があります。
なぜi3のタイヤはこんなに細くて大きいのですか
電気自動車として航続距離を伸ばすため、幅を絞って外径を大きくした専用設計になっているためです。細いタイヤは接地面の変形が小さく、転がり抵抗を抑えられるため、一充電あたりの走行距離を稼ぎやすくなります。そのぶん市場での流通量が少なく、対応する銘柄が限られる点は把握しておきたいところです。
i3のホイールのPCDやハブ径はいくつですか
適合データではPCDは5H-112(5穴・ピッチ112mm)、ハブ径は66.6mm、ホイールボルトはM14×1.25、締め付けトルクは140N・mと案内されています。これはBMWの多くのモデルと共通する規格で、社外ホイールを検討する際の目安になります。ボルトの長さや形状はホイールごとに異なるため、装着前に適合を確認してください。
20インチにサイズアップできますか
i3には前155/60R20・後175/55R20という20インチのオプションサイズが用意されています。外径を保つために19インチより扁平率(タイヤの厚み)を下げたサイズが選ばれており、ホイールのリム幅とオフセットは19インチと同じ考え方です。高出力版のi3sは前195/50R20・後215/45R20とさらに幅の広いサイズになるため、自車がどの仕様かを確認したうえで選びます。
まとめ
BMWi3(I01)の純正タイヤは、前輪155/70R19・後輪175/60R19という前後で異なる細幅・大径のサイズで組まれている。航続距離を稼ぐためのEV専用設計で、市場の流通量が少なく銘柄も限られるため、サイズ表記と適合車種欄の両方を確認したうえで手配したい。ホイールの固定寸法はPCD5H-112・ハブ径66.6mm・ボルトM14×1.25・トルク140N・mが全グレード共通で、空気圧は前2.3bar・後2.8barが目安になる。前後別サイズという点を押さえておけば、注文時の本数の取り違えや組み替えの手戻りを避けやすい。正確な数値は現車の空気圧ラベルや車検証の型式(ZAA-1Z00)と照らし合わせて確認するのが確実だ。

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