SAI AZK10の荷室収納 床下の中身と置けない場所

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トランク用の収納ボックスを買って床いっぱいに敷き詰め、そのあと三角表示板を出すために毎回それを降ろす——SAI(AZK10)の荷室でいちばん起こしやすい失敗がこれだ。この車の床下は空きスペースではなく、工具や応急用タイヤの搭載位置として使われている。しかもハイブリッド専用車ならではの制約が別に2つあり、荷室の運転席側には補機バッテリーのカバー、リヤシート横には駆動用電池を冷やす空気の取り入れ口がある。収納用品を選ぶ前に、この車の荷室がどういう作りになっているかを先に押さえたい。

目次

収納を組み立てる前に押さえる3つの条件

SAI(AZK10)は2009年12月に発売されたハイブリッド専用車だ。トヨタ自動車75年史の車両詳細情報では、トランクを持つセミファストバックスタイルの4ドアセダンと説明されている。荷室は後席と隔てられた独立トランクで、後ろから車内へ荷物が続いていく構造ではない。

そのうえで、収納を考えるときに先に知っておく条件は3つある。

  1. 床は1枚のラゲージマットで覆われ、その下が工具類の置き場になっている
  2. 補機バッテリーがラゲージルームの運転席側のカバー内にある(エンジンルームではない)
  3. リヤシート横(左側)に駆動用電池を冷やす空気の取り入れ口があり、ここをふさぐと過熱や故障につながる

この3つは収納用品を買ったあとに気づくのではなく、買う前に自分の車で確かめておく類の条件だ。 順番を逆にすると、せっかく買ったボックスの置き場所がなくなる。

ラゲージマットの下に入っているもの

トヨタの取扱説明書(2016年8月〜2018年2月生産分)によると、ラゲージマットの下には三角表示板を収納するスペースがある。ただし「三角表示板のケースの大きさや形状によっては、収納できない場合があります」という但し書きが付いていて、市販品が必ず収まるとは限らない。買ってから入らないと分かる場面があるので、現物を持って合わせるのが確実だ。

応急用タイヤを積んでいる車の場合

応急用タイヤ(スペアタイヤ)を搭載する車では、ラゲージマットの下に応急用タイヤ、ジャッキ、ジャッキハンドル、ホイールナットレンチ、けん引フック、ツールトレイが収まっている。床下はこれらの搭載位置であって、荷物を入れるための空間として設計されているわけではない。

応急修理キットを積んでいる車の場合

一方、タイヤパンク応急修理キット装着車にはスペアタイヤが搭載されていないと取扱説明書に明記されている。この場合の床下は応急修理キット、ジャッキ、ジャッキハンドル、ホイールナットレンチ、けん引フックという構成になる。同じSAIでも床下の中身と余地は車によって違うので、他人の車の写真を基準に収納計画を立てない。 自分の車を開けて確かめるところから始める。

なお、応急修理キットは指定の位置に収納しておかなければならない。取扱説明書の警告に、急ブレーキ時などに飛び出して破損したり、思わぬ事故につながるおそれがあると書かれている。収納スペースを空けるために工具や修理キットを別の場所へ移すのは、この警告に反する使い方になる。

マットを持ち上げて固定するまでの手順

取扱説明書の記載順に並べると、床下を開ける流れはこうなる。

  1. レバーを上へ引き上げてラゲージマットを持ち上げる
  2. フックを使ってラゲージマットを固定する(レバーをトランクの縁へかける)
  3. ジャッキの留め具を取りはずす
  4. ツールトレイ、または応急修理キットを取り出す
  5. 応急用タイヤ搭載車は留め具をはずしてスペアタイヤを取り出す

留め具が固くてまわらないときは車載のレンチを使う。ただし戻すときは手で取り付ける決まりで、レンチなどの工具は使わない。作業が終わったらレバーをトランクの縁から外してからトランクを閉じる。かけたまま閉めるとラゲージマットが損傷するおそれがあると注意書きにあるので、ここは省略できない一手間だ。

床下を開けたついでにやっておきたいのが、応急修理キットのパンク補修液の有効期限の確認だ。期限はボトルに表示されていて、取扱説明書は定期的に確認して期限が切れる前に交換するよう案内している。期限切れの補修液では応急修理が正常にできない場合がある。交換の相談先はトヨタ販売店になる。

純正で付いている固定手段を先に使い切る

収納用品を足す前に、標準で備わる固定手段を見ておきたい。トランク内には買い物フックがあり、レジ袋のように吊るして安定させたいものはここで足りる。ただし取扱説明書の注意に、破損を防ぐため過度の負荷をかけないよう書かれている。耐荷重の具体的な数値は記載がないので、重い物を吊るす前提の装備ではないと考えておく。

後期(2016年8月〜2018年2月生産分)の取扱説明書には、トランク内装備として固定用バンドの記載もある。着がえなどを入れておくポーチやカバン類を固定できる一方、「タイヤチェーンなど重いものは収納しないでください」と明記されている。買い物フックも固定用バンドも、軽いものが転がるのを止める装備であって、重量物を固定する装備ではない。 重い工具箱や飲料のケースは、フックやバンドに頼らず床に直接置いて動かないよう詰める方が理にかなう。

なお固定用バンドは、前期(2011年10月〜2013年7月生産分)の取扱説明書には記載がない。自分の車に付いているかどうかは実車で見た方が早い。

リヤシート横にある冷却の取り入れ口をふさがない

取り入れ口の位置と役割

リヤシート横(左側)部に、取扱説明書が駆動用電池冷却用の吸入口と呼ぶ開口がある。取扱説明書の注意には、この取り入れ口をふさぐように荷物などを置かないこと、ふさがれると駆動用電池が過熱したり故障の原因となることが書かれている。あわせて、目づまりしないよう定期的に清掃すること、水や異物を入れないことも求められている。前期の取扱説明書にも、まわりに荷物などを置かないよう同じ趣旨の注意がある。

後席まわりに背の高い収納を置くとき、いちばん引っかかるのがここだ。荷室そのものより先に、後席左側の取り入れ口が空いているかどうかを確認する。 少しなら大丈夫という線引きは取扱説明書に示されていないので、自分で許容量を決めない。

表示される警告メッセージ

駆動用電池の冷却部品のメンテナンス時期を知らせるメッセージが、マルチインフォメーションディスプレイに表示されることがある。取扱説明書はその原因として、フィルターの目づまり、冷却用の取り入れ口がふさがれていること、ダクトのすき間などを挙げ、トヨタ販売店で冷却部品のメンテナンスを受けるよう案内している。荷物でふさぐと、実際に警告として現れうるということだ。

ファンの音は異常ではない

この取り入れ口からファンの音が聞こえるのは異常ではないと取扱説明書に記載されている。エコドライブモード時は通常走行時に比べて音が大きくなることがあり、トランクを開けたときに作動音が聞こえることもある。音がしたから荷物で覆ってしまおう、という発想だけは避けたい。

積んではいけない場所と、積んではいけないもの

室内側で荷物を置いてはいけない場所

取扱説明書は、できるだけ荷物はトランクに積むよう求めたうえで、運転席足元、助手席やリヤ席(荷物を積み重ねる場合)、パッケージトレイ、インストルメントパネル、ダッシュボード、ディスプレイの前には積まないよう警告している。セダンで物置になりがちな後席上の棚(パッケージトレイ)は、明確に禁止されている場所だ。 室内に積んだ荷物はすべて確実に安定させることも求められている。

積み方についても、荷物を積み過ぎないこと、荷重を不均等にかけないことが警告に記されている。理由はタイヤへの負担だけでなく、ハンドル操作性やブレーキ制御の低下による事故だ。片側だけに重い収納ボックスを固定する置き方は、この記載に照らして避けたい。燃料が入った容器とスプレー缶は、引火のおそれがあるため積んではいけないと明記されている。

ついでに言えば、重い荷物が積まれていると燃費が悪化するため不要な荷物は積まないことも取扱説明書に書かれている。ハイブリッド専用車を選んで乗っているなら、トランクに置きっぱなしのものを一度降ろす動機になる。

トランクの開け閉めとリッドへの取り付け

トランクを閉めるときは、トランクグリップを持って横方向に力をかけないよう引き下げ、外からトランクリッド上を押して閉める。グリップで直接閉めると手や指を挟むおそれがあるとして、必ず外から押すよう警告されている。荷物を抱えたまま片手で閉める動作が事故になる場面だ。

トランクリッドにトヨタ純正品以外のアクセサリー用品を取り付けないことも警告に含まれる。リッドの重量が重くなると、開いたあとに突然閉じるおそれがあるためだ。収納力を上げようとリッドの裏に物を吊るす発想は、ここに抵触する。開ける前にリッド上の雪や氷などの重量物を取り除くこと、トランク内に人を乗せないことも同じ警告に並んでいる。

自分の車の生産時期を先に確認する

取扱説明書は生産期間で4つに分かれている

メーカーが公開しているSAIの取扱説明書は、2011年10月〜2013年7月、2013年8月〜2015年4月、2015年5月〜2016年7月、2016年8月〜2018年2月の4区分になっている。大区分の境目が2013年8月に置かれていて、同月が前期と後期を分ける節目にあたる。2009年12月の発売から2011年9月生産分までの取扱説明書は、この一覧に掲出されていない。

装備の記載は年式で変わるので、車検証で自分の車の生産時期にあたりをつけ、対応する取扱説明書を見るのが確実だ。中古で買った車なら、前オーナーが積んだままの取扱説明書が自分の年式のものとは限らない点にも注意したい。

ラゲージルームのアクセサリーコンセント

後期の取扱説明書には、アクセサリーコンセントがコンソールとラゲージルームの2か所にあると記載されている。AC100Vで最大消費電力1500W以下の電気製品に使え、アース線のある電気製品を使うときはラゲージルームのコンセントにアース線を接続する。ただしグレードやオプションにより装着の有無があると明記されているので、全車に付いている装備として当てにしない。 前期の取扱説明書にはアクセサリーコンセントの記載自体がない。

使えるのはREADYインジケーターが点灯しているときだ。駐車中や停車中に使うと、駆動用電池の残量が少なくなったとき自動でエンジンが始動して充電を行う。取扱説明書は、一部の自治体ではこの場合にアイドリングストップに関する条例にふれ、罰則の適用を受けるおそれがあるとして、関係する自治体に確認したうえで使うよう案内している。使わないときはメインスイッチをOFFにする。

収納用品を選ぶときの4つの基準

商品名で選ぶより、この車の条件から選定基準を決めた方が外さない。基準は4つだ。

  1. 床下へのアクセスを残す——床下には工具、三角表示板、応急用タイヤか応急修理キットが入っている。床全面を覆って動かせなくする置き方は避け、マットを持ち上げられる余地を残す
  2. 固定手段の耐荷重を超えない——買い物フックも固定用バンドも過度の負荷をかけない前提の装備で、重量物の固定には使わない
  3. 冷却を確保する——リヤシート横(左側)の取り入れ口をふさぐ位置・高さに物を置かない
  4. 整備性を保つ——ラゲージルーム運転席側の補機バッテリーのカバーをふさがず、開けられる状態にしておく

この4つを満たさない収納は、入る量が増えても車側のリスクが増える。逆に言えば、床下を開けやすく、軽いものだけを固定でき、後席左側と運転席側のカバーを避けた配置なら、形やブランドはそれほど問わない。

室内の収納装備との使い分け

取扱説明書の収納装備一覧には、グローブボックス、コンソールボックス、カップホルダー、ボトルホルダー、小物入れ、オープントレイ、センターパネル小物入れ(リモートタッチ非装着車)が挙げられている。コートフックはリヤ席のアシストグリップに付いている。走行中に取り出したいものは室内側、降りてから出せばよいものはトランク、という切り分けが素直だ。

ただし放置してはいけないものがある。取扱説明書の警告に、収納装備にメガネ・ライターやスプレー缶を放置したままにしないよう書かれている。室温が高くなったときの熱や他の収納物との接触でメガネが変形やひび割れを起こす、ライターやスプレー缶が爆発したりガスがもれるなどして火災につながる、というのが理由だ。車内の小物入れは常設の物置ではない、と考えておく方が安全側に倒れる。 コートフックにハンガーや他の硬いもの・鋭利なものをかけないことも警告されている(SRSカーテンシールドエアバッグがふくらんだときに飛ぶおそれがあるため)。コートフックにも過度の負荷をかけないよう注意がある。

よくある質問

後席を倒して長い荷物を積める?

前期・後期どちらの取扱説明書にも、後席の背もたれを前に倒す操作やトランクスルーの記載を確認できていない。シート調整の章はフロントシートとヘッドレストのみを扱っていて、巻末の索引にも該当する項目がない。したがって倒せるとも倒せないとも書けないのが正直なところだ。長尺物を積む計画があるなら、実車で後席の背もたれまわりを見るか、販売店に確認してほしい。

トランクの容量は何リットル?

容量のリッター値は、メーカー公式の車両詳細情報にも前期・後期の取扱説明書にも見当たらなかった。荷室の奥行き・幅・高さといった寸法も同じくメーカー公表値を確認できていない。ネット上の数値は出どころがはっきりしないものが多いので、収納用品の寸法を決めたいなら実車で採寸するのが確実だ。

スペアタイヤはどの車にも積まれている?

積まれていない車がある。タイヤパンク応急修理キット装着車にはスペアタイヤが搭載されていないと取扱説明書に明記されている。中古で買った場合は、床下を開けて応急用タイヤなのか修理キットなのかを一度見ておきたい。パンクしたときの対処がまるごと変わる。

荷室に補機バッテリーがあると、その周りには荷物を置けない?

置けないわけではない。補機バッテリーはラゲージルームの運転席側のカバー内にあり、バッテリー液の補充が必要ないタイプのため、液量の点検で日常的に開ける必要はない。ただし補機バッテリーがあがったときは処置が必要になるので、カバーの上に重い物を載せたまま固定したり、開けられない状態にしたりはしない。ちなみに補機バッテリーがあがったときの救援用端子はエンジンルーム内にある。

まとめ

SAI(AZK10)の荷室で守る線は3つに集約される。床下は工具と応急用タイヤまたは応急修理キットの場所だから空けようとしない、リヤシート横の取り入れ口はふさがない、荷室運転席側の補機バッテリーのカバーは開けられる状態にしておく。この3つを外さなければ、収納用品の選択はかなり自由になる。

次にやることは、通販サイトを見ることではなく自分の車のトランクを開けることだ。ラゲージマットのレバーを引き上げて床下の中身を確かめ、後席左側の取り入れ口の位置を目で見て、運転席側のカバーの大きさを測る。そのうえで車検証で生産時期を確認し、対応する年式の取扱説明書に自分の車の装備が書かれているかを見る。現物を見てからなら、買った収納が置けないという事態はまず起きない。

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この記事を書いた人

車種別パーツ適合情報サイト「パーツ選び.com」の編集部。タイヤサイズ・エンジンオイル量・ワイパー適合・フィルター型番など、2,400本以上の記事と全80車種対応の早見表を公開中。適合値はメーカー公式の諸元・取扱説明書や部品メーカーの公式適合表で確認したものを優先し、確認できない数値は載せない方針で運営しています。

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