SAI のバルブを買い替えようと適合表を開くと、同じ AZK10 なのに欄が2つに分かれている。境目は2013年8月のマイナーチェンジで、前期はロービームが D4S、後期は前側がまるごと LED になり、そもそも球を差し替える話にならない。しかも前期のなかにも LED ヘッドランプの個体が混ざっているため、型式と年式だけでは型番が決まらない。まずは自分の車がどちら側かを確かめるところから始めたい。
前期と後期のバルブ型番早見表
日星工業(POLARG)が公開している車種別電球適合表、エフシーエル(fcl)の適合表、スフィアライトの適合情報をまとめると次のようになる。
| 灯火 | 前期(2009年12月〜2013年7月) | 後期(2013年8月〜2017年11月) |
|---|---|---|
| ロービーム | D4S(ディスチャージ装着車) | LED(交換用の型番なし) |
| ハイビーム | HB3(9005) | LED |
| フォグランプ | H11 | LED |
| ポジション(車幅灯) | T10 | LED |
| 前後のウインカー | T20 ピンチ部違い | T20 ピンチ部違い |
| バックランプ | T20 シングル | T16 |
| ナンバー灯 | T10 | T10 |
| ルームランプ(前/中/後) | T10 / T10×31 / T10 | 同じ |
| テール・ストップ、ハイマウント | LED | LED |
| サイドウインカー | LED | LED |
注意したいのは、この表の前期の欄がロービームの方式を前提に分かれている点。エフシーエル(fcl)の前期の表には「HID仕様車」という但し書きが付き、日星工業(POLARG)の後期の表はロービーム・ハイビームとも「LED」とだけ記載されている。型式 AZK10 と年式だけでは型番は決まらず、自分の車のロービームがディスチャージ(HID)か LED かを先に確かめる必要がある。
前期と後期の分かれ目、自分の車の見分け方
境目は2013年8月
SAI は2009年12月7日に販売開始、2013年8月29日にマイナーチェンジ、2017年11月15日に販売終了。バルブメーカーの適合表の年式区分(前期 H21.12〜H25.7/後期 H25.8〜H29.11)も、ここできれいに分かれている。型式はどちらも AZK10 のままなので、車検証の型式欄を見ても前後期は判別できない。 マイナーチェンジを伝えた Car Watch の記事によれば、後期は2連プロジェクター式の LED ヘッドランプが全車標準装備になった。
現車で確かめる手順
- 車検証の初度登録年月を見る(2013年8月が境目。在庫車を後から登録した個体もありうるので、これだけで決めない)
- ヘッドランプの見た目を確かめる。後期は左右がつながって見える横長の形で、点灯すると白色 LED が中央から両端へ連なる
- 前期なら、ロービームを点灯させてディスチャージ(HID)か LED かを確かめる
- 車載の取扱書に電球の一覧が載っていれば、それを最優先で照合する
前期のヘッドランプは、グレードと年次改良で方式が混ざっている。トヨタ自動車が運営する GAZOO のカタログ情報では、2009年12月時点の G に「2連プロジェクター式LEDヘッドライト」、2011年11月時点の G には「プロジェクター式ディスチャージヘッドライト」と記載が入れ替わっており、2010年10月の特別仕様車「S LEDエディション」にも LED ヘッドランプの設定があった。二次情報どうしでも食い違うので、グレードと年式から方式を割り出そうとしない方がいい。
前期(2009年12月〜2013年7月)の前側
日星工業(POLARG)の適合表は、ロービームを「HID(D4S) 42V35W」、ハイビームを「9005(HB3) 12V65W(60W)」、フォグを「H11 12V55W」、ポジションを「T10 12V5W」と記載する。エフシーエル(fcl)の適合表も同じ区分を「HID仕様車」と明記したうえで、ロービーム「HID(D4S)」、ハイビーム「9005(HB3)」、フォグ「H11」、ポジション「T10」としており、両社の記載が一致する。
ただしこの D4S はディスチャージ装着車の値で、前期でも LED ヘッドランプの個体には当てはまらない。 前期だからといって D4S を買いに行かず、点灯させて方式を見てから決める。
後期の前側は買い替えの対象にならない
日星工業(POLARG)の適合表もスフィアライトの適合情報も、後期のロービーム・ハイビームの欄を「LED」とだけ記載していて、交換用バルブの型番そのものが載っていない。フォグランプとポジションも同じく LED で、前期の H11・T10 という指定はこの区分には当てはまらない。後期の前側は、球を差し替えるという前提が成り立たない。
なお Car Watch の記事では、後期の LED フロントフォグランプは S でメーカーオプション、ほかは標準装着とされている。後期の S には最初からフォグが付いていない個体がありうる。
ウインカーは前後期共通、ただしピンチ部違い
前後のウインカーは、前期・後期とも T20 のピンチ部違い(12V21W)。日星工業(POLARG)、エフシーエル(fcl)、スフィアライトの3社が前期・後期を通じて同じ指定をしていて、この車では数少ない共通項目になっている。
同じ T20 でも中身は別物だ。バルブブランドの HID屋 の解説では、ピンチ部違いは突起の位置が異なりソケットにはまるよう設計されていて、通常の T20 とは互換性がないとされている。前期のバックランプは「T20シングル」なので、1台のなかで T20 の指定が分かれていることになる。商品名に「ピンチ部違い」の表記があるかどうかで選び分ける。 突起の角度を数値で示した資料は見つからなかったので、角度で見分けようとしない。灯火ごとの規格そのものを押さえたいなら
が早い。
サイドウインカーは前後期とも LED で、球の交換対象ではない(エフシーエル(fcl)の適合表も「取扱いなし」としている)。
リア周りとナンバー灯
バックランプは前期と後期で規格が変わる
日星工業(POLARG)の適合表を前期・後期で見比べると、前期は「T20透光型 12V21W」、後期は「T16 12V16W(18W)」と記載が変わる。エフシーエル(fcl)は前期を「T20シングル」、スフィアライトは後期を「T16」としていて、こちらも一致する。前期用と後期用を取り違えるとそもそも装着できない典型がここ。 通販の商品ページに「AZK10 対応」とだけ書かれていたら、前期用か後期用かの表記まで確かめる。
ナンバー灯
前期・後期とも T10。日星工業(POLARG)の適合表は前後期どちらも「T10 12V5W」と記載し、スフィアライトの後期の適合情報も T10 としている。
テール・ストップとハイマウント
前期・後期とも LED で、差し替える対象ではない。日星工業(POLARG)はテール/ブレーキを「ステルスタイプ LED」、ハイマウントを「LED」と記載し、エフシーエル(fcl)もテール&ストップとテールランプを「取扱いなし」としている。
ただし、これとは別に T20 の球が1か所だけ指定されていて、その呼び名が出典で割れている。日星工業(POLARG)は前期を「ストップランプ T20透過型 12V21W」、後期を「ストップ T20ウェッジ型 12V21W」とし、エフシーエル(fcl)は「リアフォグ T20シングル(リアフォグ)」としている。どちらが実車のどこを指すかは確認できていないので、リア側に T20 を入れるなら現車のソケットを見てから買う。
室内灯は前後期で同じ
日星工業(POLARG)の適合表は前期・後期のどちらの区分でも同じ記載で、フロントが T10(12V8W)、ミドルが T10×31(表記は「T10型31」・12V8W)、リアが T10(12V4W)。ミドルだけ長さの違う31mm相当の型が指定されているので、フロント・リアと同じつもりで買うと入らない。
LED に替えるときに詰まるところ
ウインカーを LED にすると点滅が速くなる
エフシーエル(fcl)の公式サポートは、ハイフラ(ハイフラッシャー)を、バルブが切れたことをドライバーに知らせるためにメーターパネルのウインカーが通常より速く点滅する機能だと説明している。原因は、純正バルブより LED バルブのほうが消費電力が少なく、車両側がバルブ切れと判断してしまうこと。対策として挙げられているのは、抵抗が内蔵されたタイプの商品を選ぶ、ウインカー配線に別途抵抗器を足して純正バルブと同じ消費電力にする、純正のウインカーリレーを LED 対応のものに交換する、の3つ。SAI で必ず起きると確認できたわけではないが、LED 化するなら対策の要否は買う前に見ておきたい。 規格ごとの違いは
にまとめてある。
適合表で分かること、分からないこと
スフィアライトの適合情報のページには「適合表はバルブ形状を示したものであり、商品取付可否及び保安基準適合可否を示したものではありません」という注記がそのまま書かれている。規格が合っていても、その商品が付くことや車検に通ることまでは保証されない。
買う前に絞り込む順番
- 前期か後期かを決める(ここを外すと、バックランプのように物理的に入らない)
- 前期なら、ロービームがディスチャージ(HID)か LED かを確かめる
- 交換したい灯火の規格を適合表で確かめ、ウインカーなら「ピンチ部違い」の表記まで合わせる
- LED に替えるなら、点滅速度の対策が要るかを検討する
- 最後は現車のソケットを見て確認する
ここでいう型番は D4S・HB3・H11・T20・T16・T10 といった規格の呼び名であって、トヨタの純正部品番号ではない。適合表から分かるのは形状までなので、純正部品そのものを取り寄せたいなら、車台番号を伝えて販売店で照会する。
よくある質問
後期のヘッドライトに D4S のバルブは使えますか
使えない。後期はロービームもハイビームも LED で、日星工業(POLARG)とスフィアライトのどちらの適合情報にも交換用バルブの型番が載っていない。D4S は前期のディスチャージ装着車の値なので、後期には当てはまらない。
前期用のバックランプは後期にも入りますか
入らない。前期が T20、後期が T16 で規格そのものが違う。初度登録年月とヘッドランプの見た目で前後期を決めてから選ぶ。
ピンチ部違いと普通の T20 は差し替えられますか
差し替えられない。HID屋 の解説では、ピンチ部違いと通常の T20 に互換性はないとされている。ウインカーはピンチ部違いの指定なので、商品名の表記で選ぶ。
適合表どおりに買えば車検に通りますか
通るとは限らない。スフィアライトの注記のとおり、適合表が示すのは形状で、取付可否や保安基準への適合は別の話になる。
まとめ
購入前に確かめる点は4つ。
- 初度登録年月とヘッドランプの見た目で、前期か後期かを決める
- 前期なら、ロービームがディスチャージ(HID)か LED かを現車で確かめる
- バックランプのように前後期で規格が変わる灯火は、商品ページの前期用・後期用の表記まで見る
- 適合表が示すのは形状までなので、付くかどうかは最後に現車のソケットで確認する

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