ラッシュのロービームが切れてH11を買ってきたのに、口金の形が合わずに戻す羽目になる——この車ではそれが起こりうる。ヘッドランプのロービームだけは、装着されているランプの種類でH11とD2Sに分かれるからだ。ハイビームはHB3、フロントフォグはH8で固定なので、迷いどころはロービームの1灯に絞られる。
まず押さえる主要3灯の型番
トヨタが公開しているラッシュの取扱説明書によると、ヘッドランプのロービームはハロゲンヘッドランプ装着車がH11で55W、ディスチャージヘッドランプ(HID)装着車がD2Sで35Wの2通りに分かれている。電球メーカーのPOLARG(日星工業)が公開している車種別電球適合表も、ロービームの欄を「H11 or HID(D2S)」、定格を「12V55W or 85V35W」と併記していて、1つの型番には決まらない。
ハイビームはバルブタイプHB3、定格60W。適合表側の表記では形状「9005(HB3)」・定格「12V65W(60W)」となる。ロービームがディスチャージ装着車であっても、ハイビームはHB3のままで変わらない。
フロントフォグランプはH8の35W。ただしフォグはグレードやオプションで装着の有無が違うので、そもそも自車に付いているかを先に見ておきたい。
灯火別の型番と定格の一覧
灯火ごとの形状と定格を並べる。買い物リストを作るときはこの表をそのまま使える。
前まわりの灯火
| 灯火 | 形状(型番) | 定格 |
|---|---|---|
| ヘッドランプ ロービーム | H11 または D2S | 55W / 35W |
| ヘッドランプ ハイビーム | HB3(9005) | 60W |
| フロントフォグランプ | H8 | 35W |
| 車幅灯(ポジション) | T10 | 5W |
| フロント方向指示灯 | S25ピン角違い | 21W・アンバー |
フロントのウインカーはS25でもピン角違いのタイプで、ピンが左右同じ高さに並ぶ平行タイプとは別物になる。ここを取り違えるとソケットに入らない。車幅灯は取扱説明書でも自分で交換できる灯火として挙げられている。
後ろまわりの灯火
| 灯火 | 形状(型番) | 定格 |
|---|---|---|
| リヤ方向指示灯 | T20ピンチ部違い | 21W・アンバー |
| 制動灯/尾灯 | T20ダブル | 21/5W |
| 後退灯(バック) | T16 | 16W(18W表記あり) |
| 番号灯(ナンバー灯) | T10 | 5W |
ウインカーは前がS25、後ろがT20で形状が違う。4個まとめ買いするときに同じものを揃えると、後ろ側が入らない。制動灯と尾灯は1球が兼ねるダブル球で、弱い側と強い側の2つの明るさを持つ。番号灯は車幅灯と同じT10・5Wなので、こちらは一緒に買っておける。
装備で中身が変わる灯火
| 灯火 | 内容 |
|---|---|
| ハイマウントストップランプ | リヤスポイラー非装着車はT16・16W/リヤスポイラー装着車はLED |
| サイド方向指示灯 | LED(適合表の形状欄は「ASSY」) |
| リヤフォグランプ | 21W。形状は取説にも適合表にも記載なし |
サイドウインカーがLEDということは、電球単体の交換対象ではないという意味になる。適合表の「ASSY」表記も、ランプ本体ごとの扱いを示している。リヤフォグは取扱説明書に★印付きで21Wとあるだけで、形状の記載がどちらの資料にもない。ここだけは現車で確かめるしかない。
ロービームがH11とD2Sに分かれる理由
適合表で使われる「or」は、同じ型式でもタイプやグレードの条件によって違う電球が使われていることを示す記号だ。ラッシュでこの「or」が付いているのはロービーム(H11 or HID(D2S))、ハイマウントストップ(T16 or LED)、そしてリヤウインカーの製品番号欄の3箇所。表の値をそのまま持って買いに行けないのは、この3箇所に限られる。
では自分の車がどちらかをどう見分けるか。取扱説明書の作業区分がそのまま手がかりになる。ハロゲン装着車のロービームは、ボンネットを開けてカバーをまわして外すとソケットが現れ、電球を自分で抜ける構造として交換手順が載っている。一方でディスチャージ装着車のロービームは、自分で交換してはならない側に分類されている。
つまり、判別のために無理に開けるという発想を持たないほうがいい。カバーを外して普通のハロゲン球が出てくればH11、そうでなければ触らずに販売店へ回す。この線引きで十分だ。
室内灯は取説と適合表で呼び名が違う
取扱説明書はルームランプ8W、マップランプ8W、ラゲージルームランプ5Wと用途名で書いている。対する適合表は取付位置での表記で、ルーム フロントがT10(12V8W)、ルーム ミドルがT10×31(12V8W)、ルーム リアがT10(12V5W)となっている。
切り口が違うので、用途名だけで突き合わせずW数と実際の取付位置の両方で照合するのが確実だ。とくにT10×31は長さ31mmほどの棒状で両端を支える形なので、差し込み式のT10とは付け方そのものが違う。手元の電球を1本外して形を見れば、どちらかはすぐ分かる。
買う前に現車で確かめること
電球メーカーの適合表には、年式・型式・タイプ・グレードが一致していても特別仕様車などの条件で記載と異なる場合がある、購入前に車輌に装着されている電球の形状・定格が一致しているか必ず確認してほしい、というただし書きが付いている。バルブメーカーのスフィアライトの車種別適合情報でも同じ趣旨の注意が置かれている。適合表は現車確認の代わりにはならない。
取扱説明書も、電球を用意する手順の最初に「切れた電球のW数を確かめてください」と置いている。順番としては、切れた球を外して形と刻印を見る、それから買う。この順にしておけば、上のただし書きが効いてくる場面でも外さない。
もう1つ、二重レンズやイエローキャップが付いた個体という例外もある。該当するかどうかの確認先は販売店だと適合表に書かれている。型番の読み方そのものに自信がないなら、
も合わせて見ておくといい。
自分で替えられる灯火と、販売店に任せる灯火
トヨタが公開しているラッシュの取扱説明書は、自分で交換できる灯火を名指しで挙げている。ヘッドランプ(ハイビーム)、ヘッドランプ ロービーム(ハロゲン装着車)、車幅灯、フロント方向指示灯、フロントフォグランプ、リヤ方向指示灯、制動灯/尾灯、後退灯/リヤフォグランプ、番号灯、ハイマウントストップランプ(リヤスポイラー装着車を除く)の10箇所だ。
逆に「その他の電球」として販売店での交換を指定しているのが3箇所ある。ロービーム(ディスチャージ装着車)、サイド方向指示灯(ドアミラーターンランプ装着車)、ハイマウントストップランプ(リヤスポイラー装着車)。この3箇所は市販の電球型番を調べても行き止まりになるので、探し続けるより早めに切り上げたほうがいい。
ディスチャージヘッドランプについては、取扱説明書がバルブ・コネクター・電源回路・光軸調整部分の分解と取りはずしを警告付きで禁じている。高電圧を使っているため感電のおそれがあり、生命にかかわる重大な傷害、最悪の場合は死亡につながるとされている。交換・修理・破棄はいずれも販売店に相談する。D2Sという型番が分かっていても、自分で作業してよい対象ではない。
交換のときに守ること
ハロゲン電球はガラス内部の圧力が高く、落としたりぶつけたり傷をつけたりすると破損してガラスが飛び散る場合があると取扱説明書は注意している。素手で触らず、きれいな手袋を着けて扱う。あわせて「必ず同じW数の電球を使用してください」とも明記されているので、明るさを求めて指定より高いW数へ上げる選択は取らない。
作業の前にランプを消灯させ、電球が冷えてから手をつける。電球と固定具の取りつけが不完全だと、水入りによる故障やレンズ内面の曇りにつながるので、外した部品は全部元どおりに戻す。工具やソケットを落として見失わないよう、足元も見ておきたい。
外し方の順序はハイビームとロービームで違う。ハイビームはボンネットを開けてソケットをまわして外し、ツメを押しながらコネクターから抜く。ハロゲンのロービームは先にカバーをまわして外してから、ソケットをまわして外し、ツメを引きながら抜く。取りつけはどちらも逆の手順でいい。
LED化で型番以外に引っかかるところ
ウインカーをLEDに替えると消費電力が下がるため、点滅が速くなるハイフラッシュが起きる。スフィアライトの適合情報でも、ハイフラ防止用の抵抗かリレーを別に用意するか、抵抗内蔵タイプのLEDを選ぶよう案内されている。ハロゲンからLEDやHIDへ変える場合に、アダプターや加工が必要になることがあるとも書かれている。型番が合うことと、そのまま点くことは別の話だと考えておきたい。
もう1つの落とし穴が高効率球だ。二重レンズ・イエローキャップ装着車には標準球以外を使わないこと、高効率電球を使うとレンズの変色や変形などの不具合を起こす可能性があること、が適合表に書かれている。該当するかどうかは販売店に問い合わせる。
商品ページの表記揺れも押さえておくと迷わない。HB3・HB4はECE規格での名称、9005・9006はSAE規格での名称で、HB3と9005は同じものを指す。12V16W(18W)のようなカッコ書きも、16WがECE規格、18Wが旧JIS規格での表示電力という違いにすぎず、バルブの製造時期で表示が変わるだけで特性は同じだ。表記が違うから別物、と判断しなくていい。
同じダイハツ系のコンパクトSUVを見比べたいなら、
と
も型番の並びが参考になる。
よくある質問
J200EとJ210Eでバルブは変わりますか
変わらない。適合表はラッシュを「年式 H18.1〜H28.3・車両型式 J2#0E」という1区分でまとめていて、J200EとJ210Eで形状・定格の記載差はない。スフィアライト側も「J200E・210E」を同じ1件として扱っている。トヨタ自動車が公開している車両系統図の車両詳細情報によると、J200Eが2WD、J210Eがフルタイム4WDという駆動方式の違いになるが、電球の選択に効いてくるのは駆動方式ではなく、ロービームの種類やリヤスポイラーの有無といった装備差のほうだ。
ロービームはH11を買っておけば大丈夫ですか
言い切れない。ハロゲンヘッドランプ装着車ならH11・55Wで合うが、ディスチャージヘッドランプ装着車はD2S・35Wになる。同じ年式・同じ型式でも分かれるので、H11を先に買うのではなく、自車がどちらかを確定させてから買う。
バックランプの16Wと18Wはどちらを選べばいいですか
どちらでもいい。適合表の注記に、16WがECE規格、18Wが旧JIS規格での表示電力で、バルブの製造時期によって表示が異なるだけで特性は変わらないと明記されている。形状はT16なので、そこだけ合っていれば選べる。
リヤフォグランプの型番が見当たらないのはなぜですか
取扱説明書にも適合表にも形状の記載がないからだ。確認できるのは定格21Wというワット数だけで、リヤフォグ単独の行は適合表にもない。★印が示すとおりグレードによって装着自体が違うため、実際に付いている球を外して形を見るか、販売店に確認するしかない。
T10とT10×31は同じものですか
別物になる。どちらも室内灯に使われるが、T10は差し込み式、T10×31は長さ31mmほどの棒状で両端を支える形をしている。適合表ではルーム フロントとルーム リアがT10、ルーム ミドルがT10×31と分かれているので、位置ごとに確かめる。
まとめ
ラッシュ J200E/J210Eの型番は、ハイビームがHB3、フロントフォグがH8で確定。残るロービームだけが、ハロゲン装着車のH11とディスチャージ装着車のD2Sに分かれる。
買いに行く前の順番はこうなる。車検証で型式と初度登録年月を確認し、切れた電球を外して形状とW数を見て、それから注文する。適合表は年式・型式が一致していても特別仕様車などで実際の電球が違いうると自分で断っているので、この一手間を飛ばすと外す。ディスチャージ側だと分かった時点で、自分で交換する話は打ち切って販売店へ回す。
同じ車の他の装備も見直すなら、
も参考になる。他車種の型番の並びを比べたい場合は、
や
も同じ形式でまとめてある。

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