2代目bB(QNC20系)のロービームは、同じ車なのにH4のハロゲンとD4RのHIDの2通りが存在する。しかも年式で自動的に決まるわけではなく、2014年8月以降の生産分になるとHIDだけになる。だからこの車の型番調べは、まず自分の個体がどちらの仕様かを確かめる作業から始まる。ヘッドライト以外の灯火は年式をまたいで共通のものが多いので、先に一覧で押さえておけば買い物は早い。
部位別のバルブ型番早見表
純正ランプメーカーが公開している車種別電球適合表と、メーカーの取扱説明書に載っている電球のワット数一覧を突き合わせた値をまとめる。ヘッドライトのロービームだけは、H4かD4Rのどちらかで一本に決まらない。判別の手順は後の節で書く。
前まわりの型番
| 部位 | 型番 | 定格 |
|---|---|---|
| ロービーム(ハロゲン仕様) | H4 | 12V60/55W(ハイビーム兼用) |
| ロービーム(HID仕様) | D4R | 42V35W |
| ハイビーム(HID仕様) | H9 | 12V65W |
| ポジション(車幅灯) | T10 | 12V5W(仕様によりLED) |
| フォグランプ | H11 | 12V55W(グレードにより装着の有無が異なる) |
| フロントウインカー | T20ピンチ部違い・アンバー | 12V21W |
後ろまわりの型番
| 部位 | 型番 | 定格 |
|---|---|---|
| テール/ストップ | T20ダブル | 12V21/5W |
| リアウインカー | T20ピンチ部違い・アンバー | 12V21W |
| バックランプ | T16 | 12V16W(18W) |
| ハイマウントストップ | T16 | 12V16W(18W) |
| ナンバー灯 | T10 | 12V5W |
| リアフォグ | S25シングル | 12V21W(年式により設定あり) |
口金の形状名そのものが分からないときは、先に
で当たりを付けてから表に戻ると読みやすい。
ヘッドライトがH4とD4Rに分かれる理由
構成そのものが違う。ハロゲンヘッドランプ装着車は、ハイビームとロービームをH4のバルブ1個で兼ねている。取扱説明書のワット数一覧でも「ハロゲンヘッドランプ装着車 ハイビーム/ロービーム 60/55W(バルブタイプ:H4)」と1行にまとまっている。
ディスチャージ(HID)ヘッドランプ装着車は別体で、ロービームがD4Rの42V35W、ハイビームがH9の12V65W。同じ一覧に2行で並ぶ。42Vという電圧はバラストで昇圧された値で、12Vのハロゲン球とは互換性がない。
そして2014年8月から2016年7月までの生産分は、ロービームがD4Rだけになる。この期間の取扱説明書はワット数一覧の見出しが単に「ヘッドランプ」となっていて、ハロゲンヘッドランプ装着車の行が存在しない。2013年2月版までは両方が併記されている。
年式から決め打ちできないのは、適合表がロービームを「H4 or HID(D4R)」と書いているためだ。適合表はこのor表記について、特別仕様車等の条件により同一型式でも異なったバルブを使用していると注記している。2005年12月から2014年7月までの3区分がこのor表記に当たる。
自分のbBがハロゲンかHIDか確かめる
年式だけでは決まらないので、現車を見る。手がかりは2つある。
ハイビーム専用のバルブがあるか
ハロゲン車はH4の1個でハイとローを兼ねるため、ハイビーム専用のバルブが存在しない。HID車はロービームのD4RとハイビームのH9が別々に付いている。ボンネットを開けてヘッドランプ裏を見たとき、バルブが片側1個ならハロゲン車、2個ならHID車という切り分けになる。取扱説明書側も、ディスチャージヘッドランプ装着車向けのハイビーム交換ページを別に用意している。
ヒューズの容量で見分ける
エンジンルームのヒューズボックスも判別に使える。取扱説明書のヒューズ一覧では左右ヘッドランプのヒューズが10Aと書かれ、その行に「ディスチャージヘッドランプ装着車は15A」という注記が付いている。10Aならハロゲン車、15Aならディスチャージ車だ。
前まわりの電球
ポジション(車幅灯)
基本はT10の12V5Wだが、LEDに置き換わった仕様がある。2013年2月版の取扱説明書は「車幅灯(ハロゲンヘッドランプ装着車)5W」「車幅灯(ディスチャージヘッドランプ装着車)LED」と書き分けており、2014年8月版では車幅灯はLEDのみ。適合表でも2014年8月以降の区分は電球の設定が無い。HID車のポジションは、そもそも球が入っていない可能性がある。
フォグランプ
H11の12V55W。年式4区分すべてで同じ値だが、取扱説明書のワット数一覧ではフォグランプの項目に星印が付いていて、グレード等により装着の有無が異なると注記されている。バンパー側の穴が蓋になっている個体もあるので、買う前に灯具の有無を見ておく。
フロントウインカーとサイドウインカー
フロントウインカーはT20ピンチ部違いの12V21Wアンバー。同じT20でも通常のT20とは別形状として載っているので、商品名にT20ピンチ部違いの表記があるアンバー球を選ぶ。
サイドウインカーは資料が食い違う。適合表では2005年12月から2007年7月までがT10の12V5W、2007年8月から2014年7月までがASSY表記で球単体の設定なし、2014年8月以降がLED。一方、取扱説明書は2010年7月版・2013年2月版・2014年8月版のいずれもサイド方向指示灯をLEDと記載している。サイドウインカーだけは球交換を前提にせず、点かなくなったら灯具ごと見てもらうほうが早い。
後ろまわりの電球
テールランプとストップランプ
1個の電球が兼ねる。適合表の表記はT20ダブルで定格12V21/5W、取扱説明書も「制動灯/尾灯 21/5W」と1項目にまとめている。12V21/5Wと数字が2つ並ぶのは、5W側が尾灯、21W側が制動灯という意味。片方だけの球ではなくT20ダブルを選ぶ。年式4区分すべてで同じ値だ。
バックランプとハイマウント
どちらもT16で、適合表の定格欄は12V16W(18W)、取扱説明書は16W。年式による変更はない。ただしハイマウントストップランプは、取扱説明書のワット数一覧で項目名が「ハイマウントストップランプ(バルブ式)」とわざわざ断ってある。バルブ式でない仕様に当たるとT16を入れる場所が無いので、注文する前にハイマウント部が球式かどうかを見ておく。
ナンバー灯とリアフォグ
ナンバー灯はT10の12V5Wで、こちらも全区分共通。リアフォグは適合表のブレーキ欄にS25シングルの12V21Wとして載っているが、2014年8月以降の区分では設定なしになり、取扱説明書のワット数一覧にはリアフォグに当たる項目自体が無い。装備されていない個体のほうが多いと考えて、灯具の有無から確認する。
室内灯は資料で区分が合わない
ここは断定できない。取扱説明書のワット数一覧は「スポットランプ 5W」「ラゲージルームランプ 5W」の2項目だけなのに対し、適合表はルームをフロント・ミドル・リアの3つに分け、フロントがT10の12V5W、ミドルがT10×31の12V8W、リアがT10の12V5Wとしている。名称も区分もW数も一致せず、どちらが現車に付いているかを決められる材料が無い。室内灯だけは注文前に現車から外して、T10なのかT10×31なのかを実物で見る。T10×31は左右に金具が入る筒形で、T10の口金とは形が違うので見れば分かる。
年式で変わる項目と変わらない項目
適合表はbB QNC2#系を4区分に分けている。2005年12月〜2007年7月、2007年8月〜2008年9月、2008年10月〜2014年7月、2014年8月〜2016年7月。取扱説明書も同じ期間で版が分かれ、電球ワット数一覧の中身が変わっている。
年式で変わる4項目
| 項目 | 変化 |
|---|---|
| ロービーム | 2014年7月まではH4かD4R、2014年8月以降はD4Rのみ |
| ポジション | 電球のT10からLEDへ(HID車は2013年時点でLED) |
| サイドウインカー | T10 → ASSY → LED |
| リアフォグ | 2014年7月まで設定あり、2014年8月以降は設定なし |
全年式で共通の項目
フロントとリアのウインカー、テール/ストップ、バックランプ、ハイマウント、ナンバー灯は4区分すべてで同じ型番だ。フォグのH11も年式では変わらない(装着の有無はグレード次第)。車両型式もQNC20(1.3L・FF)、QNC21(1.5L・FF)、QNC25(1.3L・4WD)の3つを適合表はQNC2#系として1区分で扱っているので、排気量や駆動方式でバルブが分かれることもない。配線を触る作業のついでに調べるなら
も合わせて見ておくと二度手間にならない。
LEDに換えられる灯火とそうでない灯火
LEDバルブメーカーが公開しているQNC20系の適合表を根拠に整理する。
ロービーム
ハロゲン車のH4は、LEDバルブの標準モデルとハイスペックモデルが装着可能で、スーパーハイルーメンモデルは装着不可。HID車のD4RはLEDが全モデル装着不可で、選べるのは純正HID交換用バルブだけ。つまりロービームをLED化できるかどうかは、H4かD4Rかの一点で決まる。ここを間違えると買い直しになるので、判別を先に済ませる。
ハイビームとフォグ
HID車のハイビームH9は標準モデルとハイスペックモデルが装着可能で、スーパーハイルーメンモデルは不可。フォグのH11は3モデルとも装着可能と記載されている。
その他の灯火
ポジションのT10、バックランプのT16、ナンバー灯のT10もLED装着可能。ウインカーはT20ピンチ部違いという形状なので、LED品でも同じ形状指定で探す。なお同じ適合表の「-」欄は、その灯火が車両に付いていないという意味ではなく、取扱または設定がありませんという凡例の記号だ。ルームランプ欄がその例に当たる。他車の作業内容から手順の感覚をつかむなら
、LED標準化が進んだ世代の並びは
が参考になる。
買う前と作業前に確認すること
現車のバルブを見る
適合表には「車種によっては、年式・車両型式・タイプが一致していても、特別仕様車等の条件により、記載されている情報と異なる場合がございますので、必ず装着前に車輌に装着されているバルブの形状・定格と一致している事をご確認ください」という但し書きが付いている。表の型番は買い物の目安であって、最後は現車のバルブを外して形状と定格を見るのが正しい順番。特に中古で買った個体は前オーナーの手が入っていることがある。
作業時の注意
取扱説明書は、ディスチャージヘッドランプのバルブ・コネクター・電源回路・光軸調整部分を分解したり取りはずしたりしないよう警告している。高電圧を使用しており、不適切な取り扱いをすると感電し、生命にかかわる重大な傷害におよぶか、最悪の場合は死亡につながるおそれがあると書かれている。交換・修理・破棄はトヨタ販売店に相談する。
電球交換では必ず同じW数の電球を使う。各ランプを消灯させて電球が冷えてから作業し、電球と固定具の取りつけを確実に行う(不完全だと水入りやレンズ内面の曇りにつながる)。ハロゲン電球はガラス内部の圧力が高く、落としたり傷をつけたりすると破損してガラスが飛び散る場合があるので、素手で触らずきれいな手袋を着用する。
灯具側の制限
適合表の閲覧前ページには、イエローグローブ(黄色キャップ)付きの灯具でないことを確認するよう注意がある。黄色キャップが付いている場合、適合検索で案内された電球であっても、ホワイトビームVer.III、ホワイトビームVer.II、ハイパワーハロゲンVホワイト、ハイパワーハロゲンバルブの各シリーズは使わないよう書かれている。
よくある質問
bB QNC20のヘッドライトはH4ですか
H4の個体もD4Rの個体もある。2005年12月から2014年7月までの生産分は適合表がロービームを「H4 or HID(D4R)」と書いており、年式だけでは決まらない。2014年8月以降の生産分はD4Rのみ。ハイビーム専用バルブの有無かヒューズ容量で自分の個体を確かめてほしい。
初代bBと同じバルブが使えますか
使えない。この記事の値は2代目のQNC20・QNC21・QNC25を対象にした適合表と取扱説明書のもので、初代(NCP3#系)は別の値になる。適合表も車種と年式の区分が分かれているので、初代の値をそのまま持ち込まない。
バックランプの型番は
T16。適合表の定格欄は12V16W(18W)、取扱説明書のワット数一覧は16Wで、年式4区分すべて共通だ。ハイマウントストップランプも同じT16が入る。
HID車のロービームをLEDにできますか
できない。LEDバルブメーカーの適合表では、D4Rは全LEDモデルが装着不可で、純正HID交換用バルブのみが装着可能となっている。明るさを変えたい場合はHID交換用バルブの色温度で選ぶことになる。同じトヨタのコンパクトカーで純正LEDとの並びを比べたいなら
や
も見ておくといい。
まとめ
bB QNC20系の型番調べは、ヘッドライトだけ2通り、それ以外は年式共通の項目が多い、という形で覚えておけばいい。買い物の前に確認する点はこの4つだ。
- ヘッドランプ裏のバルブが片側1個(H4のハロゲン)か2個(D4RとH9のHID)か
- ヘッドランプ系ヒューズが10Aか15Aか
- ポジション・サイドウインカーが球かLEDか(年式と仕様で変わる)
- 室内灯とハイマウントは実物を外して形状を見たか
そのうえで、適合表の但し書きどおり、装着前に現車のバルブの形状と定格が一致しているかを最後に照らし合わせる。

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