アクア NHP10 車中泊マットは2系統で選ぶ

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旅先で1泊するとき、あるいは災害時の避難先として、アクアの車内を寝床にすることを考える。まず買うものはマットになるが、初代アクア(NHP10)は後席を倒して大人がまっすぐ寝られる車ではない。トヨタ自身が災害時の車中泊避難のヘルプブックで、この型式は1列目を最大限リクライニングして寝る車だと書いている。買うべきものは大判のマット1枚ではなく、2つの系統に分かれる。

目次

大判マット1枚では寝床にならない

トヨタが公開している車中泊避難のヘルプブックには、先代アクア(NHP10)専用のページがある。そこでの分類は「SEAT TYPE B(2列目と一体化せず)」。2列目を倒して荷室とつなぐことはできるが、1列目と2列目をつないで1枚の寝床にすることはできない車として扱われている。同じページは荷室について「ラゲッジ使用は幼児の横向き就寝と割りきるべき」とも書いている。

NHP10で寝る場所は前席が基本、荷室は子どもの寝床。買うマットもこの2つに分かれる。 前席用は座面と背もたれの段差、足元の落ち込みを埋める小さめで厚みのあるクッション類。荷室用は床の硬さと後席との段差を吸収する厚手のマット。どちらを主に使うかを先に決めれば、買う点数も寸法も絞れる。両方やるなら、厚手のマット1枚に薄手の段差埋め材を足す組み合わせが流用しやすい。

同じ冊子のボディタイプ別の記述でも、コンパクトカーは「前席シートのリクライニング利用が一般的です。後席とラゲージの連結は出来ますが、大きな段差や奥行が足りない場合、大人の就寝には工夫が必要です」とされている。アクア個別のページと食い違っていない。

自分の車がNHP10かを確かめる

車検証の型式欄を見る

車検証の「型式」欄がDAA-NHP10なら初代アクア、DAA-NHP10HならCrossoverで、どちらもこの記事の対象になる。2021年7月以降に売られた2代目アクアは型式が違うため、ここに書いた数値は当てはまらない。初代アクアは2011年12月から2021年7月まで販売され、トヨタが公表している諸元では駆動方式は前輪駆動の1種類だけ、乗車定員は5名。

室内長2,015mmは寝られる長さではない

諸元での室内寸法は室内長2,015mm×室内幅1,395mm×室内高1,175mm(社内測定値)。これは前席を含む室内全体の数値で、寝床として使える長さでも、敷けるマットの長さでもない。 ここを読み違えると、届いたマットが車内で行き場を失う。

リヤシートが一体可倒か分割可倒か

NHP10には、背もたれが1枚で倒れる一体可倒シート装着車と、左右に分かれて倒れる分割可倒シート装着車がある。倒したときの床の形と段差の位置が変わるので、寸法を測る前に自分の車がどちらかを見ておく。荷室のデッキボードの有無もあわせて確認する。

トヨタが示す身長の目安

ヘルプブックのアクアのページは、シートを使う就寝について「1列目シートと2列目が一体化できないので、1列目シートを最大限リクライニングして寝ることになる。その場合、シート長1230mm+足元のスペースを考えて、身長170cm前後が目安となる。足元には30ℓクラスのバッグ+αの荷物がほしい」と書いている。シート長1,230mmだけでは足りず、足元を埋めて初めて170cm前後という計算だ。 ここから、前席用に何を買うかが決まる。

同じページの「体を水平にして寝るには」の欄では、後席は横向きで身長110cm以下1名(本文側の記述は100cm前後までで、資料内で表記が揺れている)、その場合は前席を最大までリクライニングできない、荷室は身長140cm以内なら2名、とされている。大人が2人並んで寝る前提の車ではない。

前席泊は埋めるもので決まる

トヨタが公開している車中泊避難の冊子は、前席で寝るときの手順をこう示している。座面を一番うしろまでスライドし、背もたれを最大までリクライニング、座面の高さが調整できるなら一番下まで下げる。残りは傾斜と凹凸を埋める作業になる。

座面と背もたれの段差

合わせ目にできる段差は、厚みのある小さめのクッションで埋める。冊子は「腰や背中も大判のタオルやクッションで埋めて、沈み込まないようにすると寝返りも打ちやすくなります」としている。大判のマットより、体の下の一部だけを持ち上げるものが要る。

足元を座面と同じ高さまで上げる

冊子の記述は「足元は座面と同じ高さになるように荷物やクッションなどで調整すると足を上げて休む事ができます」。30ℓクラスのバッグに衣類を詰めたものでも、フタつきの収納ケースでも成立する。ただし運転席の足元に物を残したまま走り出すことはできない。 トヨタの取扱書は運転席足元への積載を禁じているので、出発前にどこへ移すかを決めておく。

ヘッドレストを反転させる

冊子には「ヘッドレストは一度抜いて反転し差し込むと就寝しやすくなります。(一部車種は非対応)」とある。頭の位置が水平に近づく。自分の車で抜き差しできるかは実車で試す。なお取扱書は、背もたれを必要以上に倒した状態で走ることを警告している。倒して寝るのは停車中の話だ。

荷室は広さより段差が効く

ヘルプブックのアクアのページによると、荷室は奥行き1,480mm・横幅1,075mm・高さ810mm。「タイヤハウスの干渉が少ないので、スペース効率は悪くない」と書かれている。数字だけ見ると寝られそうだが、同じ資料は続けて「たたんだ2列目シートとラゲッジスペースに大きな段差ができるので注意」「1列目と2列目間のスペースは広く、2列目とラゲッジの段差も大きいので、広く使用するなら大量のタオルや衣類が必要」としている。

荷室泊のマットに求めるのは面積ではなく、床の硬さを消す厚みと、段差や傾斜を吸収する厚み。 冊子も、後席前倒部分に傾斜が残る場合は「厚めのマット利用や畳んだダンボール・エアマットで傾斜を解消しましょう」、凹みには衣類やタオルを詰めて埋めると案内している。段差の高さそのものは装備や状態で変わるため、数値で決め打ちはできない。

デッキボード装着車では、立て掛けた状態のまま走ったり放置したりしないよう取扱書が求めている。荷室の床の高さを変えて使うなら、ここも見ておく。

後席を倒す前にやること

取扱書の手順では、リヤシートを操作する前に平坦な場所へ停め、パーキングブレーキをかけ、シフトレバーをPにする。そのうえで、リヤシートベルトのバックルを格納し、シートベルトを格納し(リヤ外側席はベルトハンガーにかける)、ヘッドレストをいちばん下まで下げる。倒すときはロック解除ノブを引いて背もたれを前方に倒す。ロックが解除されるとノブの赤ラベルが見える。

戻すときは背もたれを起こして固定し、赤ラベルが見えなくなったことと、前後に軽くゆすって動かないことを確認する。 シートベルトの挟み込みも見る。倒した背もたれの上やラゲージルームに人を乗せて走ることは、取扱書が禁じている。

寸法は実測で決める

前席泊で測る3か所

背もたれを最大まで倒した状態をつくってから、座面と背もたれの合わせ目にできる段差の深さ、座面前端から足元フロアまでの落ち込みの高さ、座面の幅、の3つを測る。埋めるものの厚みと大きさはこれで決まる。

荷室泊で測る3か所

実際に後席を倒してから、奥行き(バックドアの内側から倒した背もたれの先端まで)、幅(左右のタイヤハウスの内側で一番狭いところ)、たたんだ後席と荷室床の段差の高さ、を測る。1,480×1,075×810mmは目安で、グレードや装備、デッキボードの位置で前後する。

厚みは段差から逆算する

厚みの合否は「足を下げずに水平の姿勢で寝られるか」で見る。段差の高さが分かれば、埋めるのに要る厚みも出る。ただし厚くするほど、荷室の高さ810mmや室内高1,175mmに対する余裕は減る。寸法が足りないときに頭側と足側のどちらを詰めるかも、買う前に決めておく。

種類ごとの違いと、畳んだあとの置き場所

インフレーター(自動膨張)タイプはバルブを開けて置くだけで厚みが出るが、畳んだときの体積は大きめになりやすい。エアマットは空気を入れる手間がかかる代わりに小さく畳め、空気量で高さを微調整できるので段差や傾斜の吸収に強い。高反発ウレタンやEVAの折りたたみ式は設営が早く段差の下敷きにも使えるが、厚みを出すとかさばる。銀マットは薄くて切って使えるため、段差埋めと窓の目隠し・防寒の材料を兼ねられる。

トヨタの冊子はシートとラゲージの性格を対比していて、シートはクッション性が基本的に良い一方でフラット性はシート形状次第、ラゲージは平らだが「何か敷かないと固い」「何か敷かないと冷えることも」とされている。前席泊は傾斜と凹凸を埋めるもの、荷室泊は硬さと冷えを止める厚みと、要るものが逆を向く。

種類を決めるのは、畳んだものをどこに積むかだ。 取扱書は倒した背もたれの上やラゲージルームに人を乗せて走ることを禁じ、トヨタの車中泊資料も「運転する場合は、安全のためシートアレンジを元に戻すようにしてください」としている。寝床は出発のたびに解体して積み直す前提になる。荷室の幅1,075mm・高さ810mmのどこに収めるのか、後席の座面に載せるのかを先に決めると、選べる種類は絞られる。荷室に積むものはシート背もたれより高くしない、という取扱書の警告も収納サイズの上限になる。

季節と電源の前提

トヨタの冊子は、車中泊で起きる健康被害としてエコノミークラス症候群・熱中症・低体温症・一酸化炭素中毒などを挙げている。足を伸ばして寝ることがエコノミークラス症候群の予防そのもので、それがマットの役割にあたる。駐車場所は傾斜地を避け、停車時はエンジンを止め、マフラーが壁や草で塞がれないようにする、とされている。

冬は特にエンジンを切る。JAFのユーザーテストでは、ボンネットの上まで雪を被せた状態でエンジンをかけたところ、16分後に車内の一酸化炭素濃度が400ppmへ上がり、その6分後には1,000ppmに達した。マフラー周辺を除雪しておいた場合は、車内の濃度はほとんど上がらなかった。トヨタも「車中泊の基本はアイドリングストップです」としている。

NHP10の取扱書には、アクセサリーコンセント(AC100V)や非常時給電システムの記載がない。 車から家庭用電源を取る前提は立たないので、寒さはマットの断熱と厚み、重ね着と掛けるもので稼ぐことになる。冷気は窓やドアからも入るため、銀マットを切って目隠しと防寒に兼ねる手もある。

よくある質問

NHP10は後席を倒せばフルフラットになる?

ならない。トヨタが公開している車中泊避難のヘルプブックが「たたんだ2列目シートとラゲッジスペースに大きな段差ができるので注意」と明記している。段差が残る前提でマットを選ぶことになる。段差の高さは車の状態で変わるため、実測して決める。

大人2人でアクアに寝られる?

同じ資料は荷室について「身長140cm以内なら2名就寝できる」「ラゲッジ使用は幼児の横向き就寝と割りきるべき」としており、大人2名が並んで寝ることは想定されていない。大人2人で泊まるなら、荷室に並ぶのではなく前席を1つずつ使う形になる。

新型アクア用と書かれたマットはNHP10でも使える?

確認できていない。2021年7月以降の2代目アクアは型式が異なり、ヘルプブックでも先代アクアとは別のページに別の寸法が載っている。「アクア用」という表記だけで判断せず、自分で測った数値と商品の寸法を突き合わせる。

マットを敷いたまま走ってもいい?

走る前に片づける。取扱書は倒した背もたれの上やラゲージルームに人を乗せて走ることを禁じ、運転席のフロアマットを他のフロアマット類と重ねて使わないよう求めている。トヨタの車中泊資料も、運転する場合はシートアレンジを元に戻すよう案内している。

買う前に確認することのまとめ

  • 車検証の型式欄がDAA-NHP10、またはDAA-NHP10Hか
  • 前席で寝るのか荷室で寝るのか、寝る人の身長と人数
  • リヤシートが一体可倒か分割可倒か、デッキボードの有無
  • その状態を実際につくって測った段差の高さ・奥行き・幅
  • 畳んだマットを走行中どこへ積むか

NHP10は前席泊が基本の車で、荷室は子どもの寝床として数える。この順で決めれば、買うものは大判1枚ではなく、段差を埋める小物と厚みのあるマットに落ち着く。

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この記事を書いた人

車種別パーツ適合情報サイト「パーツ選び.com」の編集部。タイヤサイズ・エンジンオイル量・ワイパー適合・フィルター型番など、2,400本以上の記事と全80車種対応の早見表を公開中。適合値はメーカー公式の諸元・取扱説明書や部品メーカーの公式適合表で確認したものを優先し、確認できない数値は載せない方針で運営しています。

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