納車から年数の経ったアクアでは、地図データが古いままの純正ナビや、タッチの反応が鈍ってきた画面が気になりはじめる。NHP10 で社外ナビへ載せ替えるとき、先に決まるのはナビの銘柄ではなく、オーディオ窓口が 200mm ワイドなのか 180mm なのか、そして純正バックカメラを新しいナビでも映せるかどうかの2点になる。取付キットメーカーであるカナック企画の適合情報を見ると、NHP10 の取付キットは H23/12 から R3/7 までの全年式で共通で、年式によって変わるのは一部のメーカーオプション装備の扱いだけだ。
NHP10 のナビ適合早見表
ナビ本体は 200mm ワイドに収まる市販モデルから選べばよく、機種選びで詰まることは少ない。実際に当日の作業を止めるのは、車両側とつなぐ部品の抜けのほうになる。カナック企画の適合表(対象型式 NHP10・NHP10H/H23/12〜R3/7)をもとに、交換前に確認する項目を並べる。
| 確認項目 | NHP10(H23/12〜R3/7)の内容 |
|---|---|
| オーディオ窓口 | 200mm 窓口付車(オーディオレス車を含む)が主流。180mm 窓口付車の設定もある |
| 取付キット(200mm) | NKK-Y55P(200mm・ワイド2D・4,000円+税) |
| 取付キット(180mm) | NKK-Y58D(180mm・2D・5,000円+税) |
| ステアリングスイッチ | 別売の NKK-Y61ST を足せば社外ナビ側でも操作できる |
| 8V 型ナビ | KLS-Y807D を使用。窓口上部のフック受け2箇所を切り取る加工が要る |
| 車両側コネクター | 電源/フロントスピーカー(10P)、リアスピーカー(6P)、車速用配線(5P) |
| 純正バックカメラ | 取付キットだけでは映らなくなる。市販の変換アダプターで復活させる |
| パノラミックビュー | R1/7 以降のナビレディパッケージ付車はモニター表示が使えなくなる |
NHP10 で効いてくるのはナビの機種選びより「窓口サイズ」と「純正カメラの変換」の2点で、ここを読み違えると取り付け当日に部品が足りなくなる。
車両側とつなぐ部品の比較
ここで比べるのはナビ本体ではなく、どの機種を選んでも避けて通れない周辺部品のほう。価格は記事作成時点の参考値で、時期によって上下する。
| 部品 | 役割 | 参考価格 | 選ぶ場面 |
|---|---|---|---|
| TB-01D-4P バックカメラ社外ナビ変換キット | 純正カメラの 4P カプラーを RCA 出力へ変換する | 2,737円 | カロッツェリア・ケンウッド・パナソニックなど RCA 入力のナビ |
| KONPON アルパイン対応 リアカメラケーブル(KWX-Y300NR 相当) | 純正カメラをアルパインナビ側の入力形状へ変換する | 1,480円 | アルパインのナビを選んだ場合 |
| トヨタ車用 ラジオアンテナ変換ケーブル | 車両側アンテナカプラーを JASO 端子へ変換する | 850円 | 取付キットを使わず最小構成で載せ替える場合 |
| アクア NHP10 用 USB ポート(A タイプ) | ナビの USB 接続口を手元へ引き出す | 1,000円 | CarPlay や Android Auto を有線でつなぐ場合 |
| ナビオーディオパネル用 カーボン調シートステッカー | 交換後のパネル周りの見た目を整える | 800円 | 2015年〜2017年5月の中期モデル |
オーディオ窓口は 200mm ワイドか 180mm か
社外ナビの箱に書かれた「2DIN」という表記だけでは、アクアに収まるかどうかは決まらない。トヨタ車の窓口には 180mm 幅と 200mm 幅の2種類があり、NHP10 はその両方が存在するためだ。
200mm 窓口付車(オーディオレス車を含む)
NHP10 の大半はこちらで、オーディオレス車も同じ 200mm 窓口として扱われる。カナック企画の適合表では NKK-Y55P(4,000円+税)が対応キットとして挙がっており、200mm ワイドのナビをそのまま収められる。市販ナビの箱に「200mm ワイド対応」「トヨタ 200mm 車用」と書かれたモデルが素直に収まる寸法だ。
180mm 窓口付車
同じ NHP10 でも 180mm 窓口の設定があり、この場合の対応キットは NKK-Y58D(5,000円+税)になる。180mm 窓口の車に 200mm ワイドのナビを入れる場合はワイドパネル付きのキットが要るため、先に窓口の実寸を測るか、外したパネルの品番を確認してからナビを注文するのが安全な順番になる。
取付キットを省ける条件
カナック企画の注記では、取り付ける 200mm ワイドナビに付属する電源コードがトヨタ車用コネクターになっている場合、市販のトヨタ車用アンテナ変換コードを用意すればキットなしでも取り付けられるとされている。トヨタ車用の電源コードが同梱されるナビを選べば、キット代の 4,000円 を浮かせられる計算だ。ただし 200mm ワイドナビは機種によって電源コードが付属しないものもあるため、購入前に付属品リストを見ておきたい。
純正バックカメラを社外ナビで映すための変換
ナビレディパッケージ付きの NHP10 には純正バックカメラが付いている。ここが NHP10 のナビ交換で最もつまずきやすい部分になる。
取付キットだけでは映らなくなる
カナック企画の適合表には、バックカメラ付車の場合はバックカメラの使用ができなくなる、ただし市販の変換アダプター等を使用することによりバックカメラの使用ができる場合がある、と明記されている。キットを買っただけでは純正カメラは映らず、別途カメラ変換アダプターが要るという構図だ。
RCA 入力のナビ(カロッツェリア・ケンウッド・パナソニック)
これらのナビはバックカメラ入力が黄色い RCA 端子になっている。車両側の 4P カプラーを RCA へ変換するアダプターを挟めば、純正カメラの映像をそのまま新しいナビに入力できる。TB-01D-4P はアクア NHP10 を対象車種に挙げた 4P → RCA 変換キットで、純正ナビから抜いたカメラカプラーを受けて黄色い RCA に落とす構成になっている。
TB-01D-4P アクア NHP10 バックカメラ社外ナビ変換キット
アルパインのナビ(KWX-Y300NR 系)
アルパインのナビは RCA ではなく専用形状の入力を使うため、RCA 変換アダプターでは接続できない。アルパインが用意している純正品は KWX-Y300NR で、公式製品ページではトヨタナビレディパッケージ付車用の純正バックカメラ接続ケーブルとして案内され、対応車種にアクア(H23/12〜)が入っている。標準小売価格は 1,870円(税込)で、接続できるのは 2014年モデル以降のアルパインナビ、2013年以前のモデルには KWX-Y200NR が対応する。同等の互換ケーブルも流通しており、KWX-Y300NR 相当として売られている社外品を選ぶ手もある。
パノラミックビュー付車という例外
R1/7 以降のメーカーオプションで、パノラミックビュー対応ナビレディパッケージが付いた車がある。カナック企画の注記では、この装備車のパノラミックビューモニターは使用できなくなるとされ、こちらも市販の変換アダプター等でカメラが使える場合があるという書き方に留まっている。全周囲を映すタイプのカメラは通常の 4P → RCA 変換では扱えないため、データシステムなどが出す専用アダプターの適合表を先に当たる必要がある。
ラジオアンテナ・電源・車速の配線
カメラ以外の配線は素直だ。車両側のコネクター構成を把握しておけば、必要な部品は自然に決まる。
車両側コネクターは 10P・6P・5P の3つ
カナック企画の取付情報では、NHP10 の車両側には電源/フロントスピーカー用コネクター(10P)、リアスピーカー用コネクター(6P)、車速用配線コネクター(5P)の3つがあると記載されている。取付キットはこの3つを社外ナビ側のハーネスへ変換する役割を持つ。
車速・リバース・パーキングは 5P から取る
5P コネクターが車速用配線として案内されている系統で、ここから車速パルスを拾う。リバース信号とパーキング信号はナビ側の要求端子が機種で変わるため、キット付属の結線図で対応を確認してから接続する。車速を取らないままだとトンネル内や高架下で自車位置が流れるので、面倒でも省かないほうがよい。
ラジオアンテナは JASO 端子への変換が要る
トヨタ車のアンテナカプラーは社外ナビの JASO 端子と形状が違うため、変換コードを1本挟む。カナック企画のキットにはアンテナプラグ変換コードとアンテナ電源用変換コードが同梱されるが、キットを使わない最小構成で載せ替える場合は単品で用意する。下のケーブルはアクア NHP10(H23.12〜R03.07)を対象車種に挙げたトヨタ車用の変換コードで、キットレス派が最初に買い忘れるのはたいていこの1本になる。
トヨタ車用 ラジオアンテナ変換ケーブル アクア NHP10 対応
画面サイズはどこまで大きくできるか
窓口が 200mm ワイドと決まっている以上、選べる画面サイズには物理的な上限がある。
7V 型は無加工で収まる
200mm ワイドの窓口にそのまま入るのが 7V 型で、NKK-Y55P を使えば追加加工なしで取り付けられる。純正の見た目を保ったまま最新の地図と操作性へ入れ替えたい場合は、この帯が素直な選択になる。
8V 型は窓口の切り取り加工が要る
カナック企画の 8インチ用取付情報では、H26/12〜H29/6 のアクアに 8V 型ナビを付けるキットとして KLS-Y807D が案内されている。ただし注意書きとして、8V 型カーナビゲーション取付け時に干渉するため、ダッシュ取付窓口上部のオレンジ線(フック受け)2箇所を切り取り加工する必要があり、切り取ったフック受けは復元できないと明記されている。純正ナビへ戻す可能性を残したい車では、この加工が実質的な分岐点になる。
大画面が欲しいならフローティング
窓口を削らずに画面だけ大きくしたい場合は、本体は 200mm ワイドに収め、モニター部だけを手前に張り出させるフローティング型という手がある。奥行きと視界の確保が前提になるが、加工を避けつつ 9V 型以上の表示面積を得る現実的な逃げ道になる。
年式とオプションで変わる注意点
NHP10 は 10年近く売られた息の長いモデルで、装備の追加と入れ替えが重なっている。適合表の注記を読むと、年式で扱いが変わるポイントが見えてくる。
適合表で未調査扱いになっている装備
カナック企画の注記には、H23/12〜H26/12 のメーカーオプション CD/AM・FM/AUX 端子付車は未調査、H30/9 以降のディーラーオプションであるダブルツイーターシステム装備車も未調査と書かれている。未調査は不可という意味ではないが、キットが想定していない配線が生えている可能性がある区分なので、現車のコネクターを外して数と形状を見てから発注したい。
R1/7 以降のパノラミックビュー
前述のとおり、R1/7 以降のパノラミックビュー対応ナビレディパッケージ付車は、社外ナビへ替えるとパノラミックビューモニターが使えなくなる。全方位の映像を残したいなら、社外ナビ化そのものを見送るか、対応をうたう専用アダプターの適合を確認するかの二択になる。
2代目アクア(MXPK 系)は交換不可
R3/7 以降の 2代目アクア(MXPK10/MXPK11/MXPK15/MXPK16)について、カナック企画の適合表は全車ディスプレイオーディオ付車のため取付けできませんと明記しており、取付キットの設定自体がない。NHP10 向けの情報をそのまま 2代目に当てはめられない点は押さえておきたい。
ナビ周りの仕上げに効く小物
本体と配線が決まったら、使い勝手と見た目を整える段階に入る。
USB ポートを増設して有線接続を楽にする
CarPlay や Android Auto を有線で使う場合、ナビ裏から出る USB ケーブルの取り回しが悩みどころになる。アクア NHP10 用として売られている A タイプの USB ポートは、増設用のソケットとしてパネル側に口を出す構成で、ケーブルをダッシュ内に隠したまま手元で抜き差しできる。
パネル周りの見た目を整える
ナビを入れ替えると、窓口周りのパネルに元のナビの痕跡が残ることがある。2015年〜2017年5月の中期モデル専用として売られているカーボン調のシートステッカーは、ナビオーディオパネルへ貼って質感を変えるドレスアップ用で、800円前後と価格も軽い。純正カメラの映像やナビ本体に手を入れずに雰囲気だけ変えたい場合の選択肢になる。
よくある質問
NHP10 のナビ窓口は 200mm と 180mm のどちらですか?
カナック企画の適合表には両方の区分があり、200mm 窓口付車(オーディオレス車を含む)と 180mm 窓口付車で対応キットが分かれている。多数派は 200mm 窓口で対応キットは NKK-Y55P、180mm 窓口の場合は NKK-Y58D になる。現車のパネルを外して実寸を測るのが最も速い確認方法だ。
純正バックカメラは社外ナビでもそのまま映りますか?
そのままでは映らない。カナック企画の注記でも、バックカメラ付車は取付キットのみではカメラが使用できなくなり、市販の変換アダプター等を使えば使用できる場合があると案内されている。RCA 入力のナビなら 4P → RCA 変換アダプター、アルパインのナビなら KWX-Y300NR 系の専用ケーブルが必要になる。
ステアリングスイッチは社外ナビでも使えますか?
カナック企画の注記では、ステアリングスイッチ付車は別売の NKK-Y61ST を使用することでスイッチが使えるとされている。ただし使用可能なスイッチの範囲は各カーAVメーカーへ確認するよう但し書きが付いているため、ナビ側の対応表も併せて見ておきたい。
8インチナビは無加工で取り付けできますか?
無加工では付かない。8V 型用のキット KLS-Y807D を使う場合でも、ダッシュ取付窓口上部のフック受け2箇所を切り取る加工が案内されており、切り取り後は復元できないと明記されている。加工を避けたい場合は 7V 型に収めるか、フローティング型を検討する形になる。
2代目アクア(MXPK10)でも同じキットが使えますか?
使えない。R3/7 以降の 2代目アクアは全車ディスプレイオーディオ付車で、カナック企画の適合表でも取付けできませんと記載され、キットの設定がない。この記事の内容は初代 NHP10 を対象とした話になる。
まとめ:窓口サイズと純正カメラから逆算する
NHP10 のナビ交換は、ナビの機種比較から入ると遠回りになる。先に決めるのは窓口が 200mm か 180mm かで、ここで対応キット(NKK-Y55P または NKK-Y58D)が決まり、選べるナビの範囲も自動的に絞られる。次に純正バックカメラの扱いを決める。キットだけでは映らないため、RCA 入力のナビなら 4P → RCA 変換キット、アルパインのナビなら KWX-Y300NR 系の接続ケーブルを同時に手配する。ステアリングスイッチを残すなら NKK-Y61ST、キットレスで最小構成に振るならラジオアンテナの変換コードを足す。8V 型へ広げたい場合だけ、復元できない切り取り加工を受け入れるかどうかという判断が残る。この順番で組み立てれば、取り付け当日に部品が足りずに車を降ろせない事態は避けられる。
適合の一次情報は次のページで確認できる。
- カナック企画 取付キット適合検索(トヨタ アクア)
- 教えて!かなっ君 トヨタ アクア(H23/12〜H26/12)カーナビ・カーAV取付方法
- 教えて!かなっ君 トヨタ アクア(H26/12〜H29/6)8インチ カーナビ・カーAV取付方法
- アルパイン KWX-Y300NR 製品ページ(トヨタナビレディパッケージ付車用)
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